魔法戦士シンフォニックナイツ「ジャミング」
-7-
シチュエーション


男たちの欲望にまみれた会話が耳に入ってきて、菜々芭はイヤイヤと首を振る。
守るべき市民に恥ずべき姿を記録された挙句、ネット上にその映像を流されるなど信じたくはなかった。
コンピューター造詣が深い菜々芭はそれが何を意味するか知っている。
流出する映像を全て回収することは不可能なのだ。
つまり、自分の裸は永久にネット上に残り続けるということになる。
それは正義の魔法戦士として、それ以前に一人の女の子として一生ものの恥辱だった。

「ンあ……!?」

ドクン、と心臓が跳ねる。
チリチリ、と裸の身体を焼くように照らし続けていたライトの熱線に炙られたように白い肌が桃色に染まり始める。
冷たい夜風に吹き晒されているというのに、奥から熱くなるような感覚に菜々芭は狼狽した。
その感覚は裸にされた時に感じた甘い衝動。
それが何を意味するか理解していたシュガーは焦りを浮かべた。
だが、身体の反応は少女の意思を無視して活性化していく。
全身の血が駆け巡り、乙女の敏感な部分に集まろうと激しく動き出す。

「ひン……!」

ぷくっ。
小ぶりな胸から飛び出し、その存在を主張し始めていた乳首がその身を硬くさせながら上へと伸び上がっていく。
ブリッジ体勢のため、その様子は周囲からも確認ができ、男たちは決定的な瞬間との遭遇に歓声を上げた。

「ああ……お腹があつ、い……ヤ……濡れちゃい……ます…ッ」

しかし菜々芭にはそれを恥ずかしがっている暇はない。
乳首が勃起するのと同時に股間までもが疼きだしたのだ。
エクスタシーの魔法による温床、そして度重なる恥辱と男たちの視線が少女の性を目覚めさせていく。
高まった淫熱が開放を要求して少女の身体を暴れまわり、菜々芭はたまらず熱を逃がすように腰をゆるゆるとくねらせた。
つたないリンボーダンスに突き出された柔乳がふるるっと揺れる。
やがて、逃がしきれなかった熱が押し出るようにシュガーの恥襞の合わせ目からジュワッと零れ始めた。
満点のスポットライトの下で、滲み出てきた恥液がキラキラと輝く。

「おい見ろよ、シャガーちゃんのアソコが濡れて来たぜ!」
「うわ、本当だ……なんだ、正義の魔法戦士とか言っておきながら見られて感じちゃってるんだ」
「いやぁ……!違い……ます。感じて、なんて……くぅぅっ」

シュガーはなんとか自分の淫らな身体を抑えようと懸命に努力する。
だが、一度反応を始めた敏感部分は本人の意思を裏切って続々と媚液体を滲ませていき、止まる様子を見せない。
全方位から向けられているレンズが正義のヒロインの恥姿を収めるべく一斉に照準を合わせ―――カシャカシャッ。

「だ、駄目ぇ!イヤ!撮らないで、こんな恥ずかしい格好を撮られたら私……あッ?」

懇願もむなしく更に激しくなる撮影に、瞳から雫が零れかける。
しかしシンフォニックシュガーには涙を流す暇さえ与えられなかった。
再び勝手に動き出した四肢がまたしてもポーズの変更を求めてきたのだ。

「くっ……また……」

ブリッジ状になっていたの裸体が反転し、うつ伏せになる。
そこから膝を立て、足の指を支点にググッと小さめのお尻が持ち上がっていく。
更に、バランスを崩さないようにゆっくりと足が開いていき、それが肩幅くらいまで広がったところで止まった。

「こ、これじゃ……お尻が……ううっ」

先程が身体の前面を見せ付けるポーズなら、今度のそれは後面を見せ付けるようなものだった。
真横から見れば『へ』の字のような四つん這いになった菜々芭。
高く掲げられたヒップは余すところ無く光の下に公開され、足も広げられているため尻たぶの間の恥ずかしい穴すら見えかける。
上半身は胸がべたっと台座に押し付けられ、小さな膨らみが上下からの圧迫でむにゅりと潰されていた。
ふりふりと時折が左右に揺れるお尻は乙女の恥じらいを代弁しているよう。
しかしそんな僅かな抵抗すらも周囲にいる男たちにはサービスに過ぎなかった。
正義のヒロインのとった新たなセクシーポーズに男たちは歓声を上げ、我先にとレンズを向ける。
最前列に陣取るカメラ小僧たちなどは、今にも台座に登ってきそうですらあった。

「あ、ああ……どうして、なの……?魔物がすぐそこにいるのに、危ない……のに」

男たちのギラついた視線を目にした少女に僅かな怯えの色が浮かぶ。
守るべき市民の薄汚い欲望がシュガーを覆い潰そうとしていた。
魔力に犯された裸の肢体はそんな負の感情すらも快楽へと変換し始める。
秘処からとめどなく涌き出て来る透明の蜜が重力に従って太ももを滑り落ち、あるいは直接台座へと落下していく。
身を捩じらせるたびに乳首が台座と擦れ、電流が走るような刺激が菜々芭を襲う。
この状況をどうにかしたいのに、どうすることもできない。
そのストレスや不安と必死に戦うように魔法戦士はぎゅっと両手の拳を握り。
しかしそんな精一杯の抵抗の証もヘルメの力の前では無力と化し、更に乙女を恥辱に追い込まんと操られてしまう。

「くぅ……手が、後ろに……ふあっ!」

ビクン!
自らの両手でお尻を鷲掴みにさせられたシュガーは思わず身体を波打たせる。
快感に高まった身体はお尻を触れただけでも大きな刺激になっていたのだ。
グッ、と力がこもりつるんとした曲線に十の指が食い込んでいく。
十分に尻たぶを掴んだ両手が、共に外側へと徐々に開き始める。

「ひっ……」

お尻の谷間に冷たい空気が差し込んでくる感覚に菜々芭は全身が総毛立つ。
身体の中でもっとも汚く、恥ずかしい場所が公開されようとしている。
その恐怖が常に冷静だったシンフォニックシュガーを一気に絶望の淵へと叩き落す。

「や……いやぁっ!やめて、お尻の穴を見せるなんて……そんなこと……ッ」

かつてない恥辱に懇親の力を込めて抵抗する。
しかし既にヘルメの能力に抗う力など正義のヒロインには残ってはいなかった。
震える指が、ゆっくりと、だが確実に乙女の秘密を暴かんと尻肉を引っ張っていき、そして。

「あぁ……ッ!」
『!!』

溜息のような少女の悲哀から遅れて数秒。
期待に瞬きすらも忘れ裸の魔法戦士を凝視していた男たちが息を呑む。
剥きだしにされてしまった白桃の尻たぶの狭間でひっそりと息づく窄まり。
乙女の身体の中でももっとも不浄にして、それでいてまったく下品さを感じさせない菊穴が遂に大勢の異性の前で晒された。

「あ……あ……」

恥ずかしさに顔を真っ赤に染め上げながらシュガーは屈辱から目を閉じる。
自分でも決して見ることのない場所が今異性の前で晒されていると思うと顔から火が出そうだった。
穴があるなら入ってしまいたい。
切にそう願うも、現実は逆に少女を衆目へと見せ付けるような状態を崩さない。
注目を浴びている窄まりは凝視に怯えるようにひくっひくっと規則正しく収縮する。
その下ではヒクヒクと蠢きながらも未だ頑なに閉じたままの肉のあわいが愛液を流れ落としていた。

「おい、お尻の穴が丸見えじゃんか」
「あそこからシュガーちゃんの……」
「それにしてもちっちゃいな。俺の指とか入りそうにないぜ」
「イヤぁぁ……!」

興味津々といった男達の感想の声に、菜々芭はぎゅっと目を瞑り、小刻みに震える。
しかしお尻を外に広げ続ける両手は依然として言うことを聞く気配はない。
腰も相変わらず快楽に苛まれてくなくなと円を描くように動き回る。
下半身が動くことによって上半身にも振動が伝わり、台座に押しつぶされている乳首がくにくにとひしゃげては少女に刺激を送った。

『不浄の穴までをも衆目に晒した魔法戦士。しかしその時、彼女の身には異変が起こりつつあった』
「……えっ」

ひくんっ。
ヘルメの朗読と同時に股間の辺りが疼いたのを菜々芭は感じていた。
それは寒さや快感による反応ではない。
もっと切実で、危機的な何かだった。

『夜の空気に裸体を嬲られ続けた少女の身体はある欲求を下半身に集めていく』

太ももの内側が勝手にビクビクと震え、両脚が内股になっていく。
それは操られたからではない、シュガー自身の本能による動きだった。

「ま、まさかこれって……ああ、嘘……ですっ」
『そう、シンフォニックシュガーは尿意をもよおしたのだ』
「……うううっ!」

菜々芭にだけ聞こえるような声で囁かれた残酷な台詞は、少女を絶望の淵へと追い詰める。
尿意の発生と連動するように、魔法戦士の裸体は再びくるりと反転し、M字開脚の体勢に戻った。
だが今回はそれだけでは終わらない。
浮いていた両脚はしっかりと台座を踏みしめると、両膝を開いたままゆっくりと上半身を起こしていく。

「うああ……ッ」

それは下に便器こそないが、和式トイレで小便する時のポーズであった。
男たちもそのポーズの意味を悟ったのか、期待の視線を少女へと向ける。
彼らはヘルメの朗読を聞いたわけではない。
しかし、小刻みに両膝を震わせるシンフォニックシュガーの様子を見れば只事でないことくらいはわかっていたのだ。

「あれ、もしかして……」
「シュガーちゃん、おしっこしそう?」

前列から順にザワザワと小波のようにざわめきが広がっていく。
正義の美少女魔法戦士が排泄行為を行うかもしれない。
その背徳的な光景への期待に男達の目の色が変わる。

「だ、駄目!いけない……こっちを、見ないで……」

いやいやと首を振る魔法戦士の少女。
しかしそんな哀願も欲望にギラついた男たちには通じない。
彼らは皆、決定的な瞬間を逃すまいと瞬きすらも忘れて身を乗り出していた。

「はぁぁっ……くうぅっ……」

膝に置いた手にグッと力を込めながら菜々芭は必死に尿意を抑えようと奮闘する。
こんなところで小水を漏らしてしまうなどあってはならない。
平和を守る魔法戦士として、それは最も晒してはいけない姿だ。
そして何よりも今も自分と同じような目にあっているであろう莉々奈。
彼女にあわせる顔がなくなってしまう。

「ふむ、なかなか頑張りますね……では」
「あ!な、何をッ」

シンフォニックナイツとしての誇り、そして莉々奈への想いを糧に耐え続ける菜々芭。
しかしそんな懸命の抵抗を嘲笑うように上魔は少女の背後へと降り立つ。
何をする気なのか。
周囲の注目を他所に、ヘルメはシュガーの後ろからそっと手を差し込み、そして一気に両脚を抱え上げた。

「きゃあッ!?は、はなしてッ。はなしてください!」
「暴れるんじゃない。私は単におしっこがしやすいようにしてあげるだけですよ?」

耳元で囁かれた声にシュガーはビクリと身を震わせて自分を身体を見下ろした。
両脚を思い切り広げられて宙に抱えられているこのポーズは正に赤ちゃんにおしっこをさせる時のものだ。
だが、勿論それは年頃の女の子にさせるような体勢ではない。
市民の前でこれ以上ないほどの屈辱的な格好を強制され、魔法戦士は恥辱に唇を噛み締めた。

「ほーら、しーしー」
「あッ……や、やめっ……ひあああっ!」

ゆさゆさと上下に揺らされて悲鳴を上げるシンフォニックシュガー。
ただでさえ尿意が高まっているといるこの状況で身体を揺すられるのは何よりの追い討ちだった。
更に、操られた両手が粗相を促すようにほっそりとしたお腹をぐっぐっと押し始める。

「やあああ!お願い、止めてくださっ……も、漏れ……ッ!」

悲痛な声を上げながらどうにかこの状況を脱しようと菜々芭は身をくねらせる。
しかしガッチリと背後から抱えられているこの体勢からはそう簡単には逃れられない。
むしろ暴れることによって膀胱への負担が増してしまう始末だった。

「はっ!はっ!はぅぅっ……」

上下に大きく揺らされるたびに、シュガーの脳内ではちゃぽちゃぽと膀胱の中で小水がシェイクされる光景がよぎっていく。
もはや身体のほうは限界であり、少女はかろうじて強靭な精神力で決壊を防いでいる状態だった。

「なかなかにしぶとい……では、これでどうでしょう?」

健気にも恥辱の瞬間を引き伸ばそうとする魔法戦士に賞賛を送りつつも、ヘルメはトドメをさすべく動き出す。
未だシュガーの身体に残っていたヘッドパーツから伸びるケーブル。
彼はその先端を操作し、強情な抵抗を続ける股間へと差し向けたのだ。

「あ、あああ……やめっ、そんなっ……ンああ!」

ちゅくり……
二本のケーブルが割れ目に潜り込んだ瞬間、菜々芭は大きく背を反らして震える。
ケーブルは柔筋に触れただけのようなものだったのだが、それだけでも今の少女には十分な刺激だった。
かろうじて達することはなかったものの、その一撃で息絶え絶えになってしまうシュガー。
だが、操られたケーブルは装着者の意思を裏切って乙女の急所をまさぐっていく。
やがて辿り着いたのは尿道へと続く小さな穴だった。

「ひ……ああッ、ああああッ!くあッ!くうあッ!止めッ……はううう!」

こしょこしょと尿道口をくすぐるように動く二本のケーブル。
これがヘルメ自身の手だったならばまだ諦めがついたかもしれない。
だが、操られているとはいえ、ケーブルは自分の衣装の一つだ。
断じてその責めに屈するわけにはいかない。
しかし、普段は自分を守る、正義の魔法戦士としての象徴に嬲られるなど想像の範疇にすらない責めである。
菜々芭は敵の卑劣な手段に憤りを感じつつも、徐々に限界が近づいていることを感じていた。

「ひぃああああ!うあっ、くはああぁんッ!」

更に、魔法戦士を襲うのは尿意ばかりではない。
決壊しかけている堤防はもう一つある。
淫魔法によって強制的に高められた女体は小水とは別の液体を股間から吐き出し続けているのだ。
頑なに閉じられていたはずの秘処は既にケーブルのノックによってパックリと開いてしまっている。
ヒクヒクとわななくように震える粘膜口からとめどなく零れる愛液が少女の限界を指し示していた。

「―――いっ!」

ビクン!
偶然、尿道口を弄るケーブルの先端がすぐ傍にあった敏感な蕾を掠めた。
包皮から姿を現し、外気に怯えていたそれはたった一撃とはいえ外部からの刺激にあっさりと屈してしまう。

「いやあああああっ!!」

ビクビク、ビクンッ!
限界まで二つの欲求をこらえていた女体が激しく波打ちながら上魔の腕の中で跳ねた。
噴水のように割れ目から吹き出る愛液が台座を越えて飛び散っていく。
最前列にいた男たちに乙女の恥ずかしい液体が降りかかるが、忌避する者はいない。
むしろ喜びを持って彼らはシンフォニックシュガーの絶頂を迎えていた。

「……あ、ああ、あ……ああッ!?」

たっぷり数十秒ほど痙攣を繰り返した少女の身体がようやく鎮まってくる。
しかし絶頂によって弛緩した身体に、必死に堪えていたもう一つの欲求が襲い掛かった。
猛然と股間で渦巻く尿意の気配に、菜々芭は気をやったばかりの意識を引き戻される。
だが、時は既に遅し。
くたくたに力の抜けきった少女の身体にもはや抵抗の力は残ってなどいなかった。

「だ……めぇ」

ぷしゅっ。
愛液がかすかに混じった黄色い液体が霧吹きのようにシュガーの股間から噴出する。
そしてそれが合図になり―――じょろっ、ぷしゃあああっ!

「ひあああああ……ッ!」

ガクガクと身を震わせながら、遂に菜々芭は決壊の時を迎えてしまった。
堪えに堪えてきた尿意は、爆発的な勢いを持って外部へと放出されていく。

「いやぁ……見ないでぇ……」

菜々芭は自分の股間から黄金色の液体が飛沫を上げて放物線を描くのをただ見つめることしかできない。
なんとか放尿を止めようとお腹に力を込めても、一度崩壊した門は二度と閉じることはなかった。
むしろ、圧倒的な開放感とそれに伴う快感が絶頂直後の少女の身体を再び高みに押し上げていく。

「うは、生おもらしキタコレ!」
「やべーよ!滅茶苦茶興奮する!もう永久保存だぜ!」
「女の子ってこういう風におしっこするんだな」
「やめて、そんなこと……言わないで、ください……」

周囲の男たちが自分の放尿姿を見ていると思うととても前を向くことなどできない。
菜々芭は俯かせた表情の中で羞恥に震える瞳を隠した。
やがて、アーチを描いていた小水の噴出が勢いをなくしていく。
最後にちょろちょろっと尿道口を震わせながら、ようやく乙女の恥辱の放水は止まった。

「う、ううう……」

放尿直後の快感にブルリと身を震わせながら菜々芭は伏せたままの瞳を下へと向ける。
台座の上は既に自身の愛液と小水まみれだった。
正義の魔法戦士として、なんて情けない姿なのだろうか。
自分の敗北の証をまざまざと見せ付けられたシュガーは、未だ大股開きで抱えられていることを忘れたようにただ震えていた。

(こんな、大勢の人の前でおしっこなんて、恥ずかしい……ッ)

過ぎ去った嵐とはいえ、乙女の身体と精神に残された被害は甚大だった。
衆目の前で恥ずかしい姿を晒してしまったという屈辱が少女の誇りを容赦なく打ちのめす。
そして、絶頂と放尿の直後だというのに未だ恥辱の火種をくすぶらせ続ける女体は不気味に蠢動を再開し始める。

「はァ……ま、またお腹が……そんな、もう……うあああッ!」

再び火照り始めた肉体に焦燥しながらも魔法戦士は抵抗の術を持っていなかった。
くなくなと先程の焼き直しのように揺れだす己の裸体を視界におさめ、菜々芭は未だ終わりを見せない恥辱の宴に絶望の色を濃くしていった。

『小便を漏らしたシンフォニックシュガーだったが、その身に宿る快楽の炎は消えてはいない。
むしろ恥辱の姿を見られたことによってよりその発情の色は濃くなっていくのだった』

ヘルメのその朗読が聞こえたかどうか。
それはもはや菜々芭本人にすらわからないことだった。

『局長、今そちらに向かう車両の反応を確認しました。ミネルヴァ・ガードの一団かと思われます』
「ふむ、後どれくらいで着く?」
『十分といったところでしょうか』

副官の少女から連絡を受けたファルケは考える。
別に救援が来たところで問題があるわけではない。
何せ向こうの最大戦力であるシンフォニックナイツの二人は、既に無力化しているのだから。

「はぁ……ふぅ……」
「う……ぁ」

恥辱に晒され続けた魔法戦士たちは今、一ヶ所に集められ無造作にアスファルトの上へと転がされていた。
既に拘束は解かれているが、彼女たちに動きはない。
短くも濃密なショーの主役を演じさせられた結果、正義のヒロインたちの身体からは反抗の力が残らず奪い去られてしまっていたのだ。
少女たちの肌を覆う衣服はなく、残っているのはバイザーや腰パーツといった最低限のものだけ。
だが、その裸体には暴力の痕も男の欲望液も一切見当たらない。
あるのはただ、サウナでのぼせたように熱く火照りきったピンク色の肢体と、そこから浮き出ている珠のような汗のみ。
唯一例外があるとすれば股間付近だろうか。
乙女の一番大事な部分、その周囲だけは汗とは違う液体が多量にこびりついている。
それは少女自身が放出した、恥液や小水の残骸だった。

「くく、いいザマだなシンフォニックナイツ」

男の言葉にシンフォニックナイツの二人は屈辱と恥ずかしさで顔を俯ける。
いつもとは違う、敵自らの手で直接下さない陵辱は少女戦士たちの精神に多大なダメージを与えることに成功していた。
その証拠に、二人の少女は放心したように投げ出した四肢で身体を隠すこともせずに荒い息をついているだけだ。

「さて、別に救援を迎え撃ってもよいんだが……」

はっきり言って魔法戦士でもない以上、相手が数を揃えようとも物の数ではない。
全滅させようと思えばそれは簡単なことだろう。
しかし、ファルケの目的はそこにはない。
敵勢力であるミネルヴァ・ガードは滅ぼすのではなく、取り込む。
そう決心しているからこそ、黒衣の男は未練を欠片も残さず撤退の判断を下した。

「ヘルメ、そろそろ引くぞ」
「承知しました。いやあ、楽しかったよシンフォニックシュガー」

下魔を引きつれ、立ち去っていく悪の集団に周囲を包囲していた男たちがざわめく。
トドメをささないのか、もっとエロいことをしないのか。
様々な疑問がギャラリーの中を交錯する。
と、その時ファルケが立ち止まった。


「ああ、諸君。今入った情報だが、あと十分ほどで彼女たちの仲間が救援に来るらしい」

戸惑う観衆。
暗に解散しろと言っているのだろうか?
だが、勿論ファルケの意図はそうではなかった。

「ということはだ。これから十分間彼女たちをどうしようとも誰も関知しないということになるな」
『!?』

独り言のようなその台詞にギャラリーは一際大きくざわめいた。
ファルケは笑いながらそんな男たちを見やり、転移を発動する。
数瞬後、正義のヒロインたちを圧倒した怪異の集団は影も形もなくその場から消えてしまう。
残されたものたちは戸惑いをあらわにして誰も喋らない。
そんな中、か細い声を発しながら倒れふした二人の少女が口を開いた。

「莉々奈、さん……だいじょうぶ、ですか?」
「私は平気だから……菜々芭ちゃんこそ……」

ファルケたちが立ち去ったからか、僅かに回復した魔法戦士二人はお互いを気遣う。
それは一見すれば麗しい友情であり、美しい光景だっただろう。
しかし、それを見る男たちに感動の色はない。
裸の美少女が無防備に目の前にいる。
その事実が波紋のように集団の中で伝播し、確固たる欲望となって雄の性を刺激していく。
誰ともなく頷きあった男たちは、徐々に包囲を狭め莉々奈と菜々芭に近づき。

「り、莉々奈さん。なにか様子が……ッ」
「どういう……ひっ」

近づいてくる男達のギラついた視線に正義のヒロインたちは怯えを露にする。
脳裏によぎるのは先程恥態を晒していた自分たちに向けられる欲望の瞳。
それと全く同じ質のものが今自分たちに向けられている。
その意味を理解できないほど、少女たちは無知ではない。

「こ、こないでください……!」
「いけませんっ……お願いです、皆さん正気にもどっ……あっ、あああっ!?」

乙女たちの静止など状況を加速させる要素に過ぎない。
散々エロエロな光景を見せられながらも、指一本触れることができなかった美少女たちが手の届くところにいる。
その事実に魅せられた男たちは最早止まることなどない。
次の瞬間、二人の裸少女は欲望の渦へと飲み込まれていくのだった。






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