ジャスティアス
シチュエーション


多くの人が、車が、せわしなく行き交う午後のビル街。
絶えることなく、変わらぬ営みを続けるその街の一角に、突如巨大な爆炎が上がった。

「なんだ、あれは…っ!!?」

悲鳴を上げ、逃げ惑う人々の頭上から、ゆっくりと舞い降りてくる無数の影。
それは異形の群れ。
あらゆる動植物の醜い部分だけを取り出して合成したかのような、奇怪な生物達が急降下してくる。
その先頭には、端正な顔立ちに不釣合いな無骨な鎧と漆黒のマントをまとった男が一人。

「あ、あいつ等、グノーだっ!!またグノーの奴らがやって来たんだ!!」

彼らの正体に気付いた誰かが叫ぶ。

『グノー』
この世界に突如として現れた異世界からの侵略者。

圧倒的な力と、神出鬼没の機動力を持つ彼らによって、今、世界はかつてない危機にさらされていた。
対グノーの為に常時街をパトロールしている警察の車両がすぐに集まり、侵略者たちを取り囲む。
しかし、リーダーの鎧の男をはじめとして、グノーの怪人達は全く動揺を見せない。

「撃てっ!撃てっ!!撃てーっ!!!」

対グノー用に携行されているマシンガンを構えて、警官たちが引き金を引く。
しかし、怪人達はいくらかの傷を負い、血を流すものの、ほとんどそれを意に介さない。
攻撃を受けて駆け出した怪人の一匹が警察車両に飛び掛り、車体を持ち上げる。

「う、うわああああああっ!!!」

そして、それをそのまま別の車両めがけて投げつける。
ぶつかり合った車体は醜くひしゃげ、少し遅れて大爆発を起こす。
うろたえ、逃げ惑う警官たちの姿を怪人達はあざ笑う。
彼らにとって警察ごときでは、せいぜいが遊び相手、都合の良い玩具にしかならないのだ。

「くそっ!!自衛隊は、自衛隊はまだなのかっ!?」

現場で指揮を取る警官の悲痛な声が響く。
どんな場所にも次元の割れ目から自在に現れるグドーの攻撃には、自衛隊の機動力では即応する事ができないのだ。
好き勝手に暴れまわる怪人たちに、一人、また一人と倒されていく仲間を見ながら、警官たちは己が無力をかみ締める。
このまま、黙ってやられるのを待つしかないのか。
誰もが絶望に囚われそうになったその時、はるか上空から一条の光が怪人たちに襲い掛かった。

ドガアアアアンッッッ!!!!

爆発。閃光。

光が直撃した場所は直径10メートルはあろうかというクレーターが穿たれて、そこにいた数体の怪人達は全て蒸発していた。

「やっと、現れたか……」

鎧の男がつぶやいて、どこからともなくその手の中に一振りの剣を出現させる。
そして、見上げる。
光の刃を振りかぶり、男に向かって突撃してくる少女の姿を。

「そこまでよっ!!バレル将軍っ!!!」
「待ちわびたぞっ!!ジャスティアスっ!!!」

ぶつかり合う二つの刃。
巻き起こる烈風と、迸るエネルギーが周囲の怪人たちを吹き飛ばす。
数瞬の鍔迫り合いの後、バレルとジャスティアスと呼ばれた少女は後ろに飛びのいて、互いに距離を取る。
ひび割れたアスファルトの上に着地した彼女は、バレルを睨み付けて叫ぶ。

「この私、ジャスティアスが、まとめて相手をしてあげるっ!!」

体にピッチリとフィットした赤いボディスーツと、それよりもさらに鮮やかな真紅のロングヘアが風になびく。
体の各所に装着されたアーマーは、彼女の正義を代弁するかのような純白。
同じく純白のヘッドギアの目元を覆うピンク色のバイザーの奥からは、悪を憎む苛烈な炎を宿した瞳が微かに覗く。
そして、胸元には彼女のパワーを結晶化した光輝くクリスタル。
彼女こそが、グノーに苦しめられる人類の希望の光。
一国の軍隊にも匹敵するというグノー幹部と互角の戦闘力を持つ、正義の戦士ジャスティアスなのだ。

「ギシャアアアアアッ!!!!」

ジャスティアスの挑発に乗って、怪人の一体が彼女に襲い掛かる。
だが、ジャスティアスはその怪人に一瞥すらくれず、すれ違いざまに一刀両断、次の怪人に向けて刃を振るう。
怪人達は次々とジャスティアスに襲い掛かるが、彼女の刃に、腕に装着された小型ビームガンに、次々と斬られ、撃ち倒されていく。
圧倒的な強さを見せるジャスティアス。

だが、彼女の脳裏には一見有利なこの状況に反して、焦りがあった。

(駄目っ!数が多すぎて、私一人では相手を出来ないっ!!)

ジャスティアスがいかに強いといっても、彼女はたった一人なのだ。
戦闘力では確かに怪人など、彼女の相手にもならないが、彼らの目的は本来街に対する攻撃なのだ。
ジャスティアスがこうして怪人を次々に倒している間にも、別の怪人達が街を、人々を攻撃する。
一気に敵を倒すには、先ほど使った強力な光弾、フォトンバズーカを使うしかないが、今の位置で撃てば街を破壊してしまうのは確実だ。
遠くに目を向けると、彼女の危惧した通り、数体の怪人が街の人々を襲っている。

「くっ……」

ジャスティアスは光の刃を振るい、一気に周囲の敵を切り伏せ、そのままビームガンで遠方の怪人達を狙う。
続けざまに撃たれたビームは、正確に敵を打ち抜いたが、その瞬間、彼女に僅かな隙が生まれた。

「今だっ!!!」

バレルが叫ぶと同時に、ジャスティアスの足元の地面が割れる。

「し、しまったっ!?」

アスファルトを砕いて現れたのは、他の怪人より二周り以上も大きな、頑強な甲羅に覆われた怪人だった。
甲羅怪人は不意を突かれたジャスティアスの脚を掴み、そのまま逆さ吊りにする。

「くぅ…このぉっ!!」

ジャスティアスは甲羅怪人にビームガンを向けようとするが、今度はその腕が背後から掴まれる。
後ろを見ると、もう一体、同じタイプの怪人がジャスティアスの両腕を掴んでいた。
四肢の自由を封じられて、ジャスティアスがうめく。

「どうかな、ジャスティアス。こいつらはお前に対抗する為にわざわざ開発したのだが、なかなかのものだろう?」
「くっそぉっ!!相変わらず卑怯なのよ……っ!!」

怪人の手から逃れようと、両手両足をじたばたとさせるジャスティアス。
だが、宙吊りにされた状態では、うまく力が入らない。
そして、窮地に陥ったジャスティアスの目の前で怪人達の体を覆う甲殻の一部が口を開いた。

「なっ…何よ、これ!?」

無機質な甲殻の奥から現れたのは、ぬめぬめとした粘液に塗れた、紫色の無数の触手だった。

「一体、何を考えて……っ」
「そう急かすな、ジャスティアス。これはお前の為に作られた特注品。その威力、今からとっくりと味わわせてやるさ…」

何やら自信ありげなバレルの様子に、ジャスティアスは不穏なものを感じた。
多少、自分がダメージを負う事になろうと、無理やりにでも脱出するべきか。
瞬時に判断したジャスティアスは、全身に流れるエネルギーを一気に高めようとするが……

「あ…っ!?…うああああああっ!!!?」

触手の数本が彼女の体に触れた瞬間、ジャスティアスは悲鳴を上げて体を仰け反らせた。
激痛。
恐ろしく鋭く長い針に全身を貫かれたような痛みが、彼女に襲い掛かった。

「…ひぃ…ぐ…あああああっ!!」
「はははははっ!!どうだね、ジャスティアスっ!!なかなかのものだろう!!」

彼女の全身に流れるエネルギー。
彼女の力の源である生命の、心の力。
それが、触手に触れられた部分からかき乱されていく。
エネルギーの乱れは、そのまま体にフィードバックされ、壮絶な苦痛へと変換される。

「お前の圧倒的なパワー、それに正面から対抗する愚かさは、私も身に沁みている……だが…」

バレルが手をかざす。
さらに十数本の触手がジャスティアスに襲い掛かり、その体の上で激しく蠕動する。

「お前の力の源、生命エネルギーはお前の肉体に、精神に、深くリンクしている。
この触手たちはその流れをかき乱す事で、お前の身体感覚に干渉する事ができる。
最小限のエネルギーで最大限の苦痛を与えるのも、この通り造作ない事なのだ。
お前の力と真っ向ぶつかり合うよりも、ずっと効率的な方法だ……」
「ぐあっ…くぅ…こんなぁ…こと…ぐらいでぇ……っ!!!」

絶え間ない激痛の嵐の中から、何とか抜け出そうとするジャスティアス。
しかし、激しい痛苦にうめく彼女の肉体は、もはやジャスティアスの思うようには動いてくれない。

「無駄だよ、ジャスティアス。生物は苦痛を避けるもの、それこそが、生命の力で戦うお前の限界だ……」

バレルの言葉通り、激痛を激痛で上塗りする責め苦によって、
ジャスティアスの体はほとんど彼女の言う事を聞いてくれなくなっていた。
触手に宙吊りにされ、ぐったりとするジャスティアスを見ながら、バレルは満足げにうなずく。

「ふむ。予想以上の効果だな……。だが、苦痛ばかりというのも能が無い話だな……」

バレルが指をパチンと鳴らす。

すると、甲羅怪人達はジャスティアスを逆さ宙吊りの状態から、
幼児に小用を足させる時のような股を開いた状態へと体勢を変えさせる。

「な、何……?」

そして、ようやく苦痛が途絶えてぼんやりとまぶたを開いたジャスティアスの目の前で、
触手達の色が紫からピンクへと変化した。

「テスト段階では3ダースの実験体を廃人にした苦痛に健気に耐えるお前へのご褒美だ。味わいたまえ…」

そして、バレルが手をかざしたのと同時に、四方八方からピンクに変色した触手がジャスティアスに襲い掛かった。
胸元を、首筋を、わきの下を、太ももの内側を、背中を、体中のあらゆる場所を触手がぬるりと撫でた。
その瞬間、ジャスティアスの全身を得体の知れない感覚が、衝撃が突き抜けた。

「ひゃあうっ!!…ああっ!?…何…これぇ……っ!!?」

そして、それは少し遅れて、強烈な快感として変換される。
なぞる。撫でる。ねぶる。揉む。
粘液まみれの触手が体に擦り付けられる度に、ジャスティアスはばね仕掛けのように背中を仰け反らせ、全身を痙攣させる。
先ほどまでの苦痛地獄と打って変わった快感の多重攻撃が彼女の意識を苛む。

「…ああっ!…や…ふあ…ああああああっ!!!…こんな…あ……っ!!」

二本の触手が胸部装甲の上からジャスティアスの胸をなぞる。
ただそれだけの事でまるで無数の手の平に乳房を揉みくちゃにされるような感覚が襲い掛かる。
装甲の下、ボディスーツの内側で彼女の胸の先、淡いピンクの突起が痛いぐらいに勃起する。
敏感な柔肉全体が快感のミキサーで攪拌される。

「むねぇっ!!…ひゃあうっ!!!…そんな…やら…いやあああああっ!!!」

怒涛の如き性感の嵐は、先ほどまでの苦痛責めで精神を磨耗させていたジャスティアスをさらに追い詰める。
ぼろぼろと涙を零し、悲鳴を上げ、バイザーの下の顔を切なげに歪ませる正義のヒロイン。
実際にはほとんど物理的なダメージを受けていないにも関わらず、
僅かな抵抗もできない今の自分の不甲斐なさに彼女は悔し涙を流した。
だが、その感情も一瞬のもの。
さらなる快感攻撃が彼女の意識を、思考を粉々に打ち砕く。

「ひぅ…ひああああっ!!…こんなのに…まけられないのにぃ……っ!!!」

与えられる刺激に対して、ジャスティアスの体はどこまでも従順だった。
わきの下から二の腕までをどろどろの触手が舌のようにねぶりまわし、背中を粘液塗れにして触手がのたうつ。
太ももの内側の敏感な部分を無数の触手がかわるがわるに愛撫する。
首筋を、耳たぶの縁を、内側を、触手の粘液が汚す。
それらの陵辱がもたらすおぞましい快感を、ジャスティアスの体は全て受け入れてしまう。
未だ闘志を失わない彼女を無視して、快感の渦の中で喘ぎ、震え、全身をあやしくくねらせる。
それでも何とか脱出を試みようと、何とか手足を動かそうとする彼女を、バレルは哀れみを込めた眼差しで見つめる。

「全く、諦めの悪い事だ。まあ、それがお前の美点ではあるのだが、報われない努力は見ているこちらも興ざめするな…」
「…まけな…これ…くらい……へーきなのに……あっ…や…だめ…そこ、だめぇえええええっ!!!!」
「聞く耳はなしか……ならば!!」

バレルが指をパチンと弾く。
すると、新たな触手が甲殻怪人の体内から現れ、ジャスティアスの体のある部分へと近付いていく。
快感まみれの意識の中、彼女がそれに気付いたのは、触手がその場所に到達しようとする寸前の事だった。

「…や…やめ…そこだけは…ああっ…そこされたら…わたしぃ……」

ジャスティアスの両足の付け根、その間にある最も敏感な場所に、触手は触れようとしていた。
ボディスーツ越しでもひくひくと震えているのがわかるその部分。
ぷっくりと浮かび上がった少女の可憐なクレヴァス。
今の状態で触手たちに触れられれば、それがどんな事を引き起こすのかは容易に想像できた。

「おお、やめてほしいか…やっと言ってくれたな。ようやく、この私の前に膝を屈するか」
「……っ!!…だ、だれがっ…あんたなんかにぃ…っ!!!」
「残念。…だが、それでこそお前だ、ジャスティアス。存分に壊れろ……」

バレルの言葉と共に、触手がジャスティアスのアソコに殺到した。

割れ目を、ぷっくりと立ち上がった小さな突起を、ひくひくと震える後ろの穴を、津波のような快感が襲う。

「…ひあっ!!…ああああああっ!!!…いやあっ!!…いやあああああっ!!!!!」

長い真紅の髪を振り乱して、快感に悶えるジャスティアスはぶんぶんと頭を振り、悲鳴を上げる。
本来、愛を、快感を分かち合い、生命を生み育むために作られたその器官は、他の部分以上の敏感さで触手に反応した。
ボディスーツの内側は既にあふれ出した淫水に塗れ、外側は粘液でぐちょぐちょだ。
汁塗れのヒロインは呼吸をする暇も与えられず、ひたすら快楽拷問に悲鳴を上げ続ける。

「…くあっ…あふぅ…ひあああっ!!!…や…く…ああああんっ!!!」

彼女の闘志はまだ死んでいなかったが、快楽に思考をズタズタに切り刻まれた今の状況で抵抗などできよう筈もない。
無敵のヒロインはついにグノーの侵略者達の前に敗れ去ろうとしていた。
しかし、その時である。

「うあああああああああっ!!!!」

怪人達の攻撃で気を失っていた警官の何名かが意識を取り戻し、ジャスティアスを捕らえた怪人たちに発砲したのだ。
弾丸のいくらかは甲羅怪人に命中し、触手を何本か断ち切る。
だが、それだけではジャスティアスを解放するには至らない。

「ほう……まだ小虫どもがいたか?」

予想外の反撃に、バレルが攻撃してきた警官たちに向き直った。

「うむ。なかなか気骨があるではないか」

剣を構え、彼らの方に向かって歩き出すバレル。
だが、今度は横あいからの衝撃が彼を襲った。

「なにっ!?」
「うらあああああああっ!!!!!」

一人の若い警官がバレルに突進したのだ。
彼は続けざまに手に持ったマシンガンでバレルの顎を弾き上げ、

「警察舐めてんじゃねえぞ、この婦女暴行犯がっ!!くらえええええっ!!!!!!」

そのままマシンガンの銃口をバレルの脇腹に押し当てて、引き金を引いた。

バラララララララララッ!!!!!

「ほう…!?」

マシンガンの至近射はバレルには何の痛痒を与える事はなかった。
だが、彼女が、ジャスティアスがその隙を見逃す筈がない。

「…くぅ…らえぇ……っ!!!」

触手を振りほどいた腕から放つ、ビームガンの連続射。
バレルは防具でもあるマントで体を覆いながら後退する。
ジャスティアスはさらに追い討ちをかけようと、ビームガンの出力を最大まで引き上げ……

「…吹っ飛べぇえええっ!!!!」

だが、その一撃が放たれるより早く、その事に気が付いた。

「いいのかな?吹っ飛ばしてしまっても……」
「…く…そぉ……っ!!」

バレルの腕に掴まれ、マントの中に隠されていた者が姿を現した。
先ほど、バレルに至近攻撃を加えた警官。
バレルは彼の首をつかみ、ジャスティアスの目前に掲げた。

「ただの人間の体で、君はなかなか勇敢だな。これはそんな君への、私からのささやかなプレゼントだ……」

バレルが警官を宙に持ち上げたまま、再びジャスティアスの元に近付いてくる。
警官を盾にされ、反撃できなくなった彼女の体を再び触手が拘束した。

「ジャスティアス陵辱ショーの特等席だ。楽しみたまえ……」

触手がジャスティアスのアソコにもう一度群がり始める。
咄嗟に目を閉じようとした警官の瞼を、バレルが無理やりこじ開ける。

「おいおい、ちゃんと見て上げないと、彼女に失礼だぞ……」

そして、再び始まる陵辱。
敏感な秘所を触手に思うさま嬲られ、再びジャスティアスは快楽の泥沼に沈んでいく。
触手達はボディスーツの伸縮性の許す限りの深さで彼女の割れ目を抉り、そこに流れるエネルギーをかき乱す。
二重の快楽責めにジャスティアスは気絶する事すら許されず、泣いて、喘いで、嬌声を上げた。

(いや……こんな…私のために戦ってくれた人の前で……っ!!)

警官の顔に浮かぶ悔しげな表情が、その頬を伝う涙が見えた。
そんな彼の前で、今の自分は成す術もなく快楽に飲み込まれている。
悔しさと羞恥心がないまぜになった感情がジャスティアスを苛むが、それすらも更なる快感に吹き飛ばされる。

「こんな…ぁ……も…わたし…わけ…わかんなくなるぅ……っ!!!」

うわ言のように呟いた次の瞬間にも、触手にアソコをぐりぐりと刺激されて、彼女の意識は真っ白に吹っ飛ぶ。
その間にも全身への愛撫は続き、凄まじい快感の嵐がジャスティアスの体を蹂躙した。
いや、もはや彼女にはそれを快感と認識する事すら出来ない。
火傷をしたような熱さと疼きが全身を覆って、もはやマトモな思考もままならない。

(たたかわなきゃ………でも…たたかうって…なに?)

胸を、背中を、首筋を、脇の下を、そして内も外もぐちょぐちょになったアソコを触手が苛め抜く。

(ああっ!!…だめっ!…きちゃうっ!!…きちゃううううううっ!!!!!!)

そして、快感に、熱と疼きにズタボロにされたジャスティアスの意識の中で何かが弾けとんだ。

「うあああああああっ!!!!イクっ!!イクぅううっ!!!イっちゃうううううううっ!!!!!」

全身をビクビクと痙攣させて、ジャスティアスは絶頂の高みに上り詰めた。
彼女の体から糸の切れた操り人形のように力の抜けて、触手の拘束が緩む。

「……さて、どうだったかな、ジャスティアス。楽しんでもらえたかい?」

呟いて、バレルは警官を投げ捨てた。
すると、一見気絶したかと思われたジャスティアスの右腕がゆっくりと持ち上がる。
ビームの銃口がバレルを捕らえた。

「くふふふふっ!!最高だよ、お前は……。だが、その武器だけでは私は倒せないぞ」

朦朧とするジャスティアスの意識にバレルの言葉が突き刺さる。
触手は未だ彼女を包囲し、バレルの指示しだいですぐにでもまた苦痛責め、快楽責めを再開できる状態だ。
彼女に逆転の目は無い。それでも……

「たたかうんだ………」
「……惚れてしまいそうだよ、ジャスティアス…」

震える腕でビームを構えるジャスティアスを見て、バレルは満足げに笑う。
そして、バレルが指をはじき、再び触手たちが彼女への責めを始めようとしたその時……

ゴオオオオオッ!!!!!

触手を操る甲羅怪人の一匹がまばゆい光条に飲み込まれた。

「何っ!!?」

その一撃で甲羅怪人の触手は全て焼き切られ、頑強な甲殻も熱せられた飴のように歪んで溶けた。
そこに、追い討ちのミサイルが打ち込まれ、甲羅怪人が吹き飛ばされる。
さらにレーザーの一斉射がジャスティアスを拘束していた触手を断ち切る。

『待ぁああああああたあああああああせえええたなああああああああああああっ!!!!!』

ビル街に轟く怒号。
見上げた空からソレは降ってきた。

『ジャスティアスだけが敵じゃねえぞっ!!!!』

重力に引かれて落下する赤い人型。
その拳が残りの甲羅怪人を殴り飛ばし、ジャスティアスの体を抱きとめた。
うっすらと瞼を開いたジャスティアスが切れ切れの小さな声で問うた。

「あなたは…自衛隊の……」
『ああ、対グノー特殊装甲部隊だ。……すまん、遅れたな……』
「ううん……そんな事ないです…」

赤いパワードスーツの男に、ジャスティアスは微笑んで答える。
そして、その二人の周囲に、ブルー、イエロー、グリーン、ピンクの装甲服が着地する。
ぎりぎり人型を保った五体のパワードスーツ。
それこそが人類がグノーに対抗するために編み出した力の一つ。
グノーの怪人と渡り合う事が可能な世界最新鋭の技術の結晶。

『鋼鉄戦隊Dフォース、イヤガラセに来てやったぜぇええええっ!!!』

赤いパワードスーツの男の言葉を合図に、五色の装甲兵が脚部のローラーを回転させ、怪人たちに襲い掛かる。

『ブルーニードルッ!!』

青い装甲服の腕から発射される無数の針が怪人達を穴だらけにしていく。

『イエロープレッシャー!!』

黄色の装甲服が、高速回転するローラーのような巨大な拳で怪人を吹き飛ばす。

『グリーンスライサーッ!!』

緑の装甲服の背部から発射された、自動制御、不可視の回転刃が怪人達の急所のみを狙って切り裂く。

『ピンクネイルッ!!』

桃色の装甲服の指先、淡いピンクに発光する爪が怪人をズタズタの肉塊に変える。
そして、赤い装甲服の男は巨大な三連のチェーンソーを振りかぶり

『レッドスクリーマーッ!!!』

唸りを上げる機械の刃で怪人達を斬って斬って斬りまくる。

『嬢ちゃん、疲れてるとこすまねえが、あの将軍だけは俺たちの手に負えねえ。頼めるか!?』

言外に彼女への気遣いを覗かせるその言葉に、ジャスティアスは肯いた。

「はああああああああああっ!!!!!」

苦痛と快楽の狭間でボロボロにされた心を奮い立たせる。
全身にみなぎるエネルギーを、彼女は右の拳へと集中させ始める。

「くぅ…遊びが過ぎたか……っ!!!」

悔しそうに下唇を噛むバレル。
その彼の立つ場所に向かって、ジャスティアスは跳躍する。
背部に現れた鳥の羽のようなブースターからの加速によって、跳躍は飛翔へと変わり、
ジャスティアスはまっしぐらに敵を狙い撃つ弾丸へと変わる。

「バレルッ!!覚悟しなさいっ!!!!」
「くっそおおおおおおおおおっ!!!!」

バレルが右手を上げると、甲羅怪人三体が、彼を守る壁となった。
だが、ジャスティアスは構わず突っ込む。

「バレット…ダァアアアアイブッ!!!!!」

超エネルギーを帯びた拳が、三怪人を一瞬で蒸発させる。
だが、そこでエネルギーを失った拳を、バレルはなんとか受け止めた。

「流石だな、ジャスティアス…だが、次の戦いでは……っ!!!」
「無駄なおしゃべりはやめておきなさい……」

しかし、ジャスティアスの自信に満ちた言葉で、それに気が付く。
ジャスティアスの左手が握る刃の存在に……。

「ジャスティィイイイイッ!!!!!」
「く、馬鹿なぁあああっ!!?」
「スラアアアアアアッシュッ!!!!!!!」

光り輝く刃が、バレルを一刀両断した。
左右に分断されたバレルの体は、そのまま光の粒子となって崩れて消えた。

その後、烏合の衆となった怪人はジャスティアスとDフォースに殲滅され、街にようやく平穏が戻った。
Dフォースの面々はスーツのヘルメットだけを外して、ジャスティアスの元に駆け寄る。

「うぉ〜いっ!!大丈夫かぁ、ジャスティアスぅ?」

先頭を走るのは、最初に助けに現れた赤いスーツの男、Dフォースの隊長だ。

「はい、もう大丈……あれ?」

ゆらり、バランスを崩したジャスティアスの体を、Dフォースの面々が慌てて支える。

「ほら、無茶はいけないよ」

ピンクのスーツの女性隊員に促され、ジャスティアスはその場の瓦礫に腰を下ろした。

「すまねえなぁ、ついおいしい登場タイミングを狙ってたんだが、ちと遅すぎたみたいで……」
「えっ?そんな事してたんですか?」

驚き顔を上げるジャスティアス。
しかし、今度はブルーの装甲服の男性隊員がくっくっくと笑って

「何言ってんですか、パワードスーツの腕で輸送機のパイロット小突いてまで、現場に急がせた男が……」

さらに続けてイエローの装甲服の男も

「隊長、この娘にベタ惚れですからねぇ…」
「う、うるせえよっ!!!」

顔を赤らめる隊長の横で、ジャスティアスはくすくすと楽しそうに笑う。
と、そこへもう一人、ズタボロの装備に身を包んだ警官がやって来る。

「あなたは……」

それは先ほどの戦いで、バレルの間近まで迫って攻撃し、ジャスティアスを助けようとした警官だ。
彼はジャスティアスの前まで来ると、深々と頭を下げた。

「すみません…俺が…俺がもう少し戦えてたら…あなたをあんな目に……」

彼の瞳に浮かぶ涙は、悔しさか、後悔ゆえか……。
だが、ジャスティアスはそんな彼の頬をそっと撫で、彼の目を覗き込んで優しく微笑んだ。

「そんな顔、しないで……」
「ですが……っ!!」
「あなたが、あなた達があの時助けてくれなかったら、
私はきっと、Dフォースのみんなが来るまで持ち堪えられなかった……」

だからこそ、彼女は思う。
初めは一人きりで始まった戦いを、こうして多くの人が支えてくれる。
グノーの将軍クラスに匹敵する彼女の力は、逆を言えばグノーに複数いる将軍達の一人分の強さしか持たないという事でもある。
だけど、今の自分の囲むこの絆の輪があるのならば……。

「あなたが、みんなが、一緒に戦ってくれる。だから、私はきっと負けない……」

それこそが、いつかは全てを越える力になる。
暖かな仲間に、絆に囲まれたこの場所で、ジャスティアスはその想いを強く確信したのだった。






SS一覧に戻る
メインページに戻る

各作品の著作権は執筆者に属します。
エロパロ&文章創作板まとめモバイル
花よりエロパロ