電光少女グリッドガール
シチュエーション


今日は日曜日。
学生達の安息日である。

ここにいる少女も例外なく休日を楽しんでいる。
少女の名前は緑河光莉。
名前からつけられたあだ名がグリリン。
趣味はネットゲーム。
好きな男のタイプはヒイロ=ユイみたいな無口な人。
ここまで言えば分かると思うが、少し変なところがある。
しかしそんなことはたいしたことではない。

そう。なんと彼女はサイバー警察グリットガールだったのである!!

彼女は今、自分のパソコン、ウイングでニコニコ動画の
ガンダムWのMADを見ていた。

「う〜ん。刹那はヒイロと比べるとやっぱり微妙なのよね〜。
なんかこう、パッとしないっていうか。」

そこで新しいガンダムに文句をつけながら動画を見ているところに、
突然、異変が起こった。

バチンっ!!

急に暗転する画面。そして流れるテロップ。

「この動画は権利者の申し立てがあったので削除されました」

といつも通りのメッセージだった。
ただし、後ろで怪獣が暴れていることを除けばである。

「あー、もう腹が立つっ!!プレミアム会員なんだから少しは見せなさいよ。全く。」

動画を急に切られて腹を立てる光莉。
そして次の動画をみようとする。
しかし、次の動画も重い。
しかもその挙句に流れたのはさきと同じテロップだった。

「あ〜、もうトサカに来た!!金払ってんだから、回線優遇くらいしなさいよっ!!」

しかし、さらに間が悪いことにそこから携帯電話に着信が表示される。

「今、留守で〜す。」

光莉は反射で受け答えをする。
健二からの電話だと思ったからだ。
健二とは光莉の事が好きでアプローチをかけて来る男である。
本来なら喜ばしいことなのだろうが、
光莉の方には2次元以外の男性には興味がないのである。
しかし、電話の相手は違っていたようだった。

「私だ、光莉。いや、GG。」
「げっ。警部……。」

どうやら相手は光莉の上司だったようである。

「いま、サイバー怪獣がサイバー空間で暴れている。」
「え〜。今日は休日なの〜。」
「だが今日は非番ではない。」
「そうなの。で、場所は?」
「ニコニコ動画だ。」
「なんですって!!」

確かにさっき見たときに怪獣が写っていた。
まさかあの怪獣が動画を消したのだろうか!?
そう思うと光莉に俄然とやる気が出てくる。
彼女の持ち前の正義心である。

「頼んだぞ。グリットガール!!」
「えぇ。ヒイロ様の動画を消すなんて絶対に許さないわ!!

アクセスフラッシュ!!」
そうすると光莉はPCの前で変身のポーズを取った。
そしてPCの中に吸い込まれていく。
サイバーポリスはインターネットの中で戦うのである。
光莉がPCの中に入ったときにはもう光利は姿を変えていた。
髪の毛の色が変わり、スーツは体に纏わり着くタイツのようなものになっていた。
そして左手は必殺のビームを放つアクセプラーになっていた。
当然、誰もグリッドガールがグリリンだと気付かないのはお約束である。

「インターネットの正義の味方、グリッドガール、ただいま参上!!

ヒイロ様の動画を消した極悪人、覚悟なさい!!」
怪獣に向けて名乗りを上げるグリリン、いやグリットガール。
彼女の怒りはもうレッドゾーンを越えていた。
そして、その光景をモニター越しに見る男がいた。
怪獣を作りニコニコ動画を混乱に陥れた張本人である。

「ふふふ。グリッドガール。今回の俺の自信作に勝てるのかな?」
「健二よ。今日はいつになく自信があるな。」
「隠し玉があるのです。サタンデジファー様。」
「ふふふ。なら楽しみにさせてもらおう。」
「ははは、グリッドガール。ニコニコ動画が貴様の墓場だ!!」

なんと怪獣を作ったのは光莉の知り合いの健二でだった。
しかも理由は光莉にデートを断られた腹いせであるようだ。
その健二に話し掛けているのは悪の魔王サタンデジファーである。
健二の才能を買って怪獣のデザイナーにしているのであった。
そんなことも露知らずグリッドガールは戦っている。
なんという悲劇。お互いがお互いの正体を知らないのである。

「ギャォォォーー!!」

火を噴きながら襲い掛かってくる怪獣。
その炎を側転でかわすグリッドガール。
ここはニコニコ動画の電脳空間。
つまりみんなにこの戦いは動画として見られているのである。
無様な戦いは出来なかった。

「スパークビーム!!」

グリッドガールがビームを出す。
しかし全く怪獣には通じないようだ。

「だめなの!?」

自分の技が通じないことに驚くグリッドガール。
しかし怪獣は容赦なく爪を振り下ろしてくる。

「プロテクトシールドっ!!」

それを巨大な盾を転送してもらい受け止めるグリッドガール。
そして盾か剣を抜いて反撃に転ずる。

「イナズマブレードっ!!」

怪獣を切りつけるグリッドガール。
しかし、怪獣に真剣白刃取りをされてしまう。

「このっ!!」

なんとかイナズマブレードを取り返したグリッドガール。
その間に怪獣は体に付いている煙突から怪しげなガスを噴出していた。

「なによっ!?目くらまし?きゃっ!!」

ガスに少し戸惑うグリッドガール。
当然、そのガスはただのガスじゃなかった。
体を痺れさせるガスだったのである。
その場で身動きが取れなくなるグリッドガール。
グリッドガールは見事に敵の策略にひっかっかったのである。
画面の外で大喜びする健二とサタンデジファー。

「はっはっは。いいざまだな。グリッドガール!!」
「なるほど。これが隠し玉か。よくやったぞ、健二。」
「まだです。いけ、強化型アラシノス。グリッドガールを拷問するのだ!!

そして俺の失恋を晴らすのだ!!」

「おぉ!!これは面白そうだ!!」

健二がPCのキーボードを叩くとアラシノスが動き出した。
これからアラシノスによる拷問が始まる。

「かっ、体が動かない!!やっ、やめなさいっ!!いやっ!!」

未だに動けないでいるグリッドガールの股の部分を、
アラシノスがぺろぺろ舐めだしたのである。
健二も所詮は男であったのだ。

「ひゃっ、ひゃぁぁぁん!!」

脚を必死に動かそうとするグリッドガール。
年頃の女の子がこんなことをされて平気でいれる訳がない。
しかし脚は微動だにしなかった。
大切な部分をぺろぺろと舐められるグリッドガール。
グリッドガールは快楽に悶えていた。
しかし肝心なことを思い出す。
そう。ここはニコニコ動画であり、日本中の人に見られているのである。
気が付けば再生数もコメントも3万を突破していた。
その事実におそれ慄くグリッドガール。
早くなんとかしないと!!

でも体は動く気配はなかった。
そしてアラシノスはさらにグリッドガールを恐怖に陥れた。
アラシノスの目から光線が発射される。

「いやぁぁぁぁぁ!!」

アラシノスの光線はグリッドガールの胸に直撃した。
そしてとても恐ろしい被害を与えたのである。
あまりにも恐ろしい被害に身悶えるグリッドガール。
それもそのはずだ。
なんと、グリッドガールのスーツの胸の部分が消滅して
丸出しになってしまったのである。
これは乙女の大ピンチ!!

さっきよりも圧倒的に勢いを増すコメント。
タグには「空気の読めるアラシノス」「GJすぐる怪獣」
と書いてあった。

手で隠そうとしても隠せないグリッドガールの年の割りに大きいおっぱい。
そして興奮して立っているピンク色の突起。
スーツから自由になったおっぱいはふるんふるんと震えていた。

「いっ、いやっ!!こんなのインターネットに晒されたらもうお嫁に行けない!!」

グリッドガールがもがけばもがくほど事態は悪化していった。

「よし、アラシノス!!その生意気なおっぱいを揉んでやるんだ!!」
「キシャァァァァァ!!」

健二の叫びに応じるように胸を揉みだすアラシノス。

「ひゃっ、ひゃんっ!!、いやっ、やめてっ!!」

アラシノスを応援するようなコメントがグリッドガールをさらに羞恥へと掻き立てた。
だがそんなものは恐怖の前座に過ぎなかった。
本当に恐ろしかったのは……、「下も」弾幕であった。
心なしか、怪獣も下半身を見ているような気がする。

「やっ、やだっ!!やめてっ!!」

これから起こる蛮行に怯えるグリッドガール。

「健二よ、分かっているな!?」
「はい。サタンデジファー様。」

阿吽な呼吸の二人。
あぁ、どうして男って。

「イレイザービーム発射!!」

とうとう健二が取り返しの付かないことをしてしまった。
ビームは見事にグリッドガールの急所に命中する。
ビビビッと音を立てて消えるスーツ。
今度はグリッドガールの処女である秘所が丸出しになってしまったのだ。
興奮で秘所からはいやらしい液体が垂れだしていた。

「いやぁぁぁん!!もうお嫁にいけなぁぁぁぁい!!」

ニコニコ動画に自分の全裸を晒してしまったグリッドガール。
いくら自分ではないとはいえ、体は自分である。
それがインターネット中に流されてしまうのはあまりにも無残だった。
今、ニコニコ動画では祭りになっていることだろう。
すさまじい量のコメントが殺到する。
明日からどうすればいいのだろうか?
そんな事をグリッドガールは泣きながら考えていた。

いや、グリッドガールにそんな余裕はなかった。
調子に乗った健二が恐ろしい命令をアラシノスに下したのである。
アラシノスの角が高速でドリルの用に回転する。
そしてグリッドガールの大切な処女を破るべく近づいてくる。
さっきまで必死に体は動かそうとしていた。
でも動かない。
当然、今も動かない。
でも近づいてくるドリル。
こんなにあっさり処女は破られちゃうの?
いやっ、そんなのいやっ!!

「処女喪失が確定しますた」というコメントが流れる。

グリッドガールは涙をボタボタと流していた。
しかし、そこは正義の味方。
奇跡が起こった。
どっからともなくロケットパンチが飛んできてアラシノスの角が折れたのである。
そしてどこからともなく現れるコンボイ顔のごついロボット。
しかしその胴体にはおっぱいらしきものが付いていた。
いったいあれはなんなんだろうか?

「ゴッデスゼノン!!マナちゃん、完成してたのね。」

奇跡的に処女が助かったのかまるでロボットを女神のようにあがめるグリッドガール。

「うん。よかった、グリリンのピンチ間に合って。」

ゴッデスゼノンを別のPCから操るマナは答える。
そして麻痺治療プログラムをグリッドガールに送るマナ。

「ちっとも間に合ってない!!」

裸を隠すグリッドガール。

「おのれ!!アラシノスの脱童貞を邪魔しやがって!!
いけ、アラシノス!!怒りをぶつけてやれ!!」

突撃していくアラシノス。

「ゴッデスゼノン、ゴッデスブレイカーよ!!」

しかしパワーなら負けてはいない。
強烈なアッパーを食らってふっとぶアラシノス。

「おのれ〜、何をやっている、健二!!リミッター解除だ!!」
「でもサタンデジファーさま。それをやるとアラシノスが言う事を……。」
「つべこべ言わずやれっ!!」
「はいっ!!」

慌ててリミッターを解除する健二。
怪獣の体色が赤になった。一目で見てこれはヤヴァイ。

「まずいわ!!私は体を隠すものがないし、
ゴッデスゼノンもさすがにあれは無理だし……。
マナちゃん、どうしよう!?」

すると笑い出すマナちゃん。
どうやら策ありといったところである。

「ふっふっふ。ゴッデスゼノンに隠された機能を今こそ使うときね。
合体よ!!グリッドガール。」
「うん。マナちゃんを信じる。」

「「超神合体!!」」

ゴッデスゼノンが分離してまるで鎧のように合体していく。
これがゴッデスゼノンの本来の使い方である。

「合体電神サンダーグリッドガール!!」

裸を隠せてグリッドガールもやる気満々であった。
胸のところにはドリルがついていて大きな胸がさらに大きく見える。

「反撃開始よ!!」

とグリッドガールが言ったところアラシノスが再び麻痺ガス攻撃をしかけてくる。
しかし効果はないようだった。

「甘いわね。サンダーグリッドガールに同じ技は二度と通用しないのよ!!」

コメントには「残念」と書かれていた。

「ドリルブレイカーだけは今、使わないでね」

マナが注意する。

「ふふっ。ドリルに貫かれて死になさいっ!!ドリルブレイカーっ!!」
「その技は今はつかっちゃだめ〜!!」

だがマナが静止するのも聞かずにドリルブレイカーを放つグリッドガール。
両胸からすさまじい勢いでドリルが発射される。
そのドリルは見事に怪獣の煙突を打ち砕いた。
しかし、両胸を隠すドリルを打ち出したことで再びポロリの状態になるグリッドガール。

「いやぁぁぁぁん!!」

そしてドリルは何事もなかったかのように帰ってくる。

「もう怒った!!サンダーグリッド……ビィーム!!」
「クシアァァァァァァ!!」

断末魔を上げて大爆発する怪獣。

「なんだと!?ギャァァァァァ!!」

まさかの出来事に画面を覗き込む健二。
しかしサンダーグリッドビームの威力にPCが爆発して、
火を噴いて黒焦げになってしまう。
そして、サンダーグリッドビームはニコニコにアクセスしていた全てのPCを見事に破壊していった。
やりすぎといえばやりすぎだが、自業自得といえば自業自得である。
これで一応、乙女の貞操の危機は無事に去ったのであった。
当然、グリリンは後でサイバーポリス本部から大目玉を食らったのであるが。
こんなことは怪獣でもしない、と。

「おのれ、グリッドガールめ。今度は負けないぞ!!」

とグリッドガールに復讐を誓う健二。
黒こげになっても健二は反省していなかったらしい。
そして来週くらいには再び怪獣が送られてくるのであった。

そして学校。

「よっす、緑川。なんかお前、やつれてるけど大丈夫か?」
「大丈夫。これでも丈夫なのが取り柄だから、あれっ?健二も顔に火傷。大丈夫?」
「あぁな。ニコニコ見てたらPCがいきなり爆発した。」
「Hな動画でも見てたんでしょ〜。」
「うっ、うるさいな〜。いきなり動画が変わってたんだよ。」
「じゃ私、授業中に寝るから。なにかあったら助けてね。」
「仕方がないな〜。」

知らないことはどうやら平和なことであるようだ。
がんばれ、グリッドガール!!






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