ジャスティアス2
シチュエーション


異世界からの侵略者グノーとの戦いは続いていた。
触手怪人の攻撃によってピンチに陥りながらも、なんとかバレル将軍を倒したジャスティアス。
だが、バレルに代わって現れた新たなる敵、双子将軍アルベルとガンデルによって、戦いはさらに激化する。
科学者でもあり、戦場を巨大な実験室、人間をモルモットと考える二人の残虐な作戦は、甚大な被害をもたらした。
さらに、ジャスティアスの生命エネルギーに干渉し、苦痛責めと快楽責めを自在に操る触手怪人は、
その後もアルベルとガンデルの手でさまざまな改良を施され、幾度もジャスティアスを窮地に追い詰めた。
それでもジャスティアスは戦う。
グノーを倒し、世界に平和をもたらす日まで、彼女の戦いが終わる事はないのだ。

群がる敵を斬って、斬って、斬りまくる。
光の刃ジャスティーブレードは、折れる事も刃こぼれする事もなく、ひたすらに怪人を斬り伏せる。

「まったく、いつもの事ながら、数に任せて無茶苦茶な事するわねっ!!」

だが、ジャスティアスの猛攻を前にしても、怪人たちは怯む事無く押し寄せてくる。
圧倒的な物量によるゴリ押しの攻撃に、さしものジャスティアスの顔にも疲労の色が浮かび始めていた。
横なぎの一閃で一気に5体の敵を切り裂くジャスティアス。
しかし、その影からさらにもう一体の怪人が、ジャスティアスに向かって鋭い牙をむく。

「しまった……っ!!」

だが、その攻撃がジャスティアスに届く事はなかった。

「レッドスクリーマァアアアアアッ!!!!」

唸りを上げる三連チェーンソーが怪人を肉塊に変える。

「油断大敵だぜ、嬢ちゃん」
「すみません、隊長さん…」

ジャスティアスのピンチを救ったのは、ゴリラのような太い腕と、熊のようなボディを持った赤いパワードスーツ。
自衛隊の対グノー特殊装甲部隊、Dフォースの隊長、Dレッド=赤崎である。

「気にする事はねえさ、ほれ、何事も助け合いの精神が大事、ってな……もし、俺が危ねえ時は…」
「ええ、任せてくださいっ!!!」

二人は現在、敵の作戦によってピンチに陥っていた。
Dフォースの他の4人の隊員と分断され、孤立した状況で戦う事となってしまったのだ。
二人の周囲は前も後ろも、右も左も、全方位が無数の怪人で包囲されている。

「明らかに、いつも以上の戦力を投入してきてますね……」
「ああ、このままここで押し潰す気でいやがる…っ!」

終わりの見えない戦いはジャスティアスの心をじわじわと疲弊させていた。
だが、そこで赤崎は急におどけた口調になり、こんな事を言った。

「なあ、嬢ちゃん、ここでクイズを一つ…答えられるかな?」
「な、なんですか、いきなり?」

怪訝な顔をするジャスティアスに、赤崎は問い掛ける。

「5人のDフォースが戦いに行って、戻ってきたのはDレッドだけだった。……さて、戻ってきたのは何人だ?」
「そんな縁起でもない………一人、じゃないんですか?」
「ハハハハッ!大外れだ」

ジャスティアスの答えに、赤崎は可笑しそうに笑う。

「答えは5人さ。全員敵の返り血を浴びて、真っ赤なDレッドになっていまったんだ。どうだ、ハハハッ、面白いだろ?」
「引きます。ドン引きです……」

心底面白そうに笑い続ける赤崎と、呆れ顔のジャスティアス。
そこで、赤崎はふっと笑うのをやめる。

「焦るなよ、嬢ちゃん。焦っちまったら掴めるチャンスも掴めなくなる」
「はい……、隊長さん」

赤崎の言葉が、緊張で張り詰めていたジャスティアスの心を落ち着かせてくれた。

(さすが、隊長さんは落ち着いてるな……)

ジャスティアスはこの孤立した状況下で、隣で戦ってくれるこの男の事を、何よりも心強く思っていた。

(私がこの力を手に入れてから、まだ一年しか経っていないんだよね……)

今から一年前、グノーによる初めての攻撃に壊滅状態に陥った街。
ガレキの下敷きになっていた彼女の前に、突如、それは現れた。

『正しき心の力、生命の力をあなたに託します。どうか、この力でグノーを倒して……っ!』

まばゆい光の中から語りかけてきた、恐らくは同じ年頃の少女の声。
そして同時に彼女の頭に流れ込んできたさまざまなビジョン。
破壊の限りを尽くすグノーによって、全てを奪いつくされたいくつもの世界の姿。

(この世界も、地球も、こんな風にされちゃうの?)

なぜ、この声が自分を選んだのかはわからない。
それでも、この破滅を防ぐ手段が得られるというのなら……。
彼女は決断した。

「わかった。私が戦うからっ!!だから……っ!!!」

精一杯の声で叫んだ瞬間、光は彼女の中に飛び込んだ。
熱く焼けるような激烈な感覚が胸元に刻み込まれ、凄まじい力が自分の中に流れて込んでくるのを感じた。

『ごめんなさい……、この力はきっと、あなたにとって重荷になってしまうでしょうね…』
「うん。……でも、もう知っちゃったから……見ないふりはできないよ…」
『ありがとう……。最後に聞かせて…あなたの、名前を……』
「私はあすか……、穂村あすか」

溢れ出るパワーが周囲のガレキを吹き飛ばす。
彼女の身に着けていた学校の制服は微細な粒子に分解され、まばゆい光の中に少女の裸身が浮かび上がる。
ガレキに傷つけられた体の各所の怪我はあっと言う間に消えて無くなり、全身に力が漲った。
胸元で激しく輝く、未知の言語が連なった丸いエンブレム。
そこに光が集まり、半球形のクリスタルを作り出す。
そして、クリスタルから全身を覆うように赤いボディスーツが、彼女の体を包み込む。
腕に、足に、腰に、胸に、純白の装甲が装着され、両耳の部分に鋭いアンテナを備えたヘッドギアが出現する。
彼女の黒髪が燃える炎の真紅に染まる。
巨大な悪意に蹂躙される街に降り立った彼女は、もはや無力な少女ではなかった。

「これ以上、あなた達の好きになんてさせない。今の私は……私の名前は…っ!!」

光に反応して集まり始めた怪人たちを見据え、彼女はまるで最初から決まっていたかの如く、
当然のようにその名前を叫んだ。

「輝光戦士ジャスティアスッ!!」

あれから一年、がむしゃらに戦い続けた彼女の周囲には、いつの間にか共に戦う仲間が集まっていた。
自衛隊の対グノー特殊装甲部隊・Dフォース、今の彼女にとって最も頼りになる仲間だ。
今だって、隊長さんが、Dレッド・赤崎が隣にいるだけで、戦う勇気が湧き上がってくる。

「あの気色の悪い双子の事だ。きっと何か仕掛けてくる………」
「わかってます」

アルベルとガンデル、双子の将軍は、効率を無視して趣味に走ったとしか思えないようなエゲツない作戦を好んで行う。
その為にどれほどの人が犠牲になったのか、ジャスティアスは悔しそうに唇をかみ締める。

「何とか突破しないと……っ!!」

再び、二人に向かって怪人軍団が襲い掛かる。
敵を切り裂き、撃ち抜いて、二人は何とかその場をしのぎ続ける。
しかし……。

(おかしい……この感じ、やっぱり…!?)

気が付いた時には既に遅かった。
足元がぐらりと揺れたかと思うと、アスファルトを引き裂いて、
それぞれが1メートルほどはあろうかという巨大な歯の並ぶ怪物の口が現れた。
その喉の奥に見えるのは、紫色に光る無数の触手。
見上げると、ビルの屋上にはいつの間にか、無数の怪人たちが待機していた。
これで、上も下も逃げ場は無くなった。
敵は怪人達の大軍勢を巧みに操り、こちらを誘導していたのだ。
絶対絶命のピンチ。
しかし、本当は気付いていた。
この状況でも、ジャスティアスには打てる手がある事に。
しかし、それをやってしまえば……。

「跳べっ!!跳ぶんだっ!!ジャスティアスっ!!」

飛行能力こそ無いものの、ジャスティアスはブースターを使ってかなり長距離のジャンプができる。
ビルの屋上の怪人達も足元の巨大怪獣ほど危険な敵ではないはずだ。
だが、それは、地上を移動する事しかできないDレッドを、赤崎を置いていくという事だ。

「できませんっ!!隊長さんを置いてなんて……っ!!」
「バカヤロウッ!!!」

怒鳴られても、恨まれても、それでも彼を見捨てる事はできなかった。
ジャスティアスはDレッドを抱え、ブースターで上空へと跳躍する。
しかし、重いパワードスーツを抱えた状態では、十分なスピードが出せない。
触手は既にジャスティアスの背後に迫っていた。

「こんな糞オヤジと心中するつもりかっ!?放せっ!!」

ジャスティアスの右足に紫の触手が巻きついて、そこから全身に激痛が走る。

「ああっ!!うああああああっ!!!!」

ジャスティアスは痛みに耐えて、ブースターをさらに加速させ、脱出を試みる。
しかし、その間に他の触手は上方に回りこみ、鳥かごのように二人を包囲していた。
無慈悲な触手の群れが、ジャスティアスに襲い掛かる。

「ぐぅ…っ!!…ああっ…あああああああああああっ!!!!!!」

全身に巻きついた触手から、迸る激痛のパルス。
意識を失ったジャスティアスは、Dレッドもろとも、怪獣の口に飲み込まれていった。

ジャスティアスが目を覚ましたのは、生臭い臓物の臭いに満ちた、闇の中だった。

「くっ…どうなったの?…あの怪物に飲み込まれて、私は?……隊長さんはどこに?」

奇妙な事に、ジャスティアスは拘束されていなかった。
触手で捕らえておけば、彼女の動きを封じることは容易いはずなのに。
と、その時である。

「ようこそ、ジャスティアス」
「僕たちの研究室へ」

聞きなれた声と共に、周囲を強烈な明かりが照らし出した。
双子の将軍アルベルとガンデルがいやらしい笑顔を浮かべて、目の前に立っていた。

「こ、ここは……っ!?」

そこは、生物の肉のような壁面と、無数の機械類が組み合わさった空間だった。

「ここは僕らの移動研究室さ。なかなかのものだろう?」
「こちらの世界は興味深い研究対象が多いからね。僕ら専用の移動拠点として作ったのさ」

どうやら、先ほどの怪獣自体が、この二人の基地だったようだ。

「それなら、話が早いわ。このままあなた達ごと……」

ジャスティアスは両腕を前方に向け、ビームガンの照準をアルベルとガンデルに向ける。
しかし、二人は余裕の表情でジャスティアスをあざ笑う。

「おいおい、君は冷たいね」
「な、何を言って!?」
「一緒に飲み込まれた彼が、どうなったのか気にならないのかい?」

その言葉に、ジャスティアスが凍りついた。

「さあ、感動のご対面だ」

二人の将軍が指をはじくと、肉の壁の一部が歪み、中から一人の人間を吐き出す。

「た、隊長さん…っ!!」
「ぐっ…うぅ……っ!!」

パワードスーツを奪われ、インナージャケット状態の赤崎はかなり憔悴しているようだった。

「彼に何をしたの?」
「何って決まってるさ。研究室なんだもの。実験に付き合ってもらったんだよ」
「対ジャスティアス用の触手が人間にも仕えないかと思ったんだけど、駄目だね、大した苦痛も与えられなかったよ」

一体、自分はどれほどの間気を失っていたのか?
その間に、赤崎はどれほどの苦痛を味わったのか?
ジャスティアスの胸の内で怒りの炎が燃え上がる。
だが、ここで自分が下手に動けば、赤崎の身が危険に晒されるのは確実だ。
ぎゅっと拳を握り締めるジャスティアスに、双子将軍は楽しげに語りかける。

「しかし、彼の着ていた強化服。原始的だけど、なかなか興味深かいね」
「うん、合理的な構造だね。無駄が無いというか、洗練されているというか……」

よく見れば、Dレッドのパワードスーツは肉の壁に半分埋め込まれている。
他にも様々な機械や、生物、ときには人間の手足らしきものが、肉の壁に見え隠れする。

「さて、今度は君の番だよ、ジャスティアス…」
「今度の実験台は君だ。我々の科学の粋、堪能してくれたまえ……」

今、目の前の二人の将軍を倒す事は容易い。
戦闘能力自体は、バレル将軍ほどのものを持たない二人である。
だが、それは彼らの手の内にある赤崎を見捨てるという事だ。

『こんな糞オヤジと心中するつもりかっ!?』

先ほどの赤崎の言葉が胸によみがえる。
しかし、それでも……。

(ごめんなさいっ!隊長さん…)

ジャスティアスはゆっくりと、ビームガンを構えた手を下ろした。

「うんうん、素直な事は良いことだ」
「それじゃあ、行くよ」

ゴウン。

肉の床の中から、8本の金属柱がジャスティアスを取り囲むようにせり上がる。

(一体、どんな仕掛けを……っ!?)

身構えるジャスティアスの前で、金属柱に紫電が走る。

「さあ、実験開始だっ!!!」

次の瞬間、全身を駆け抜けた衝撃に、ジャスティアスの意識は弾け飛んだ。


<無数の男たちがジャスティアスを囲んでいた。
彼らは皆一様に全裸で、股間では彼らの分身が高々といきり立っていた。
ジャスティアスはそんな彼らの固く長いモノを手にとっては、何度も手のひらで擦り上げ、
口に含んで舌を纏わり付かせ、絶え間ない刺激で射精へと導く。

「んぷ…んんっ…すご…おっきい……」

男たちのモノにしゃぶりつき、両手を使って奉仕する彼女の表情は恍惚としていた。
口の中を、手の平を焼く熱い肉棒、白濁を全身に、口内に吐き出されるたび、ジャスティアスの体は快感のためブルリと震える。
しかし、ジャスティアス一人に対して、男たちの人数は多すぎた。
待ちかねた男達が、ジャスティアスの髪に、腋の下に、お尻に、太ももに、自分の怒張を擦り付けてくる。

「や…んあ…ああっ…熱いっ…熱すぎるぅうううっ!!!!!」

全身を襲う肉棒の熱に、ジャスティアスは嬌声を上げる。
そして、ついに男たちの欲望は、ジャスティアスの全身に向かって解き放たれた。

ドピュッ!!ドクドクッ!!!ドピュッ!!!

「ああああんっ!!かけてっ!!もっと白いのたくさんっ!!私の体、ぜんぶよごしてぇええええっ!!!!」

そして、白濁の豪雨の中に沈んだジャスティアスは…………>


「…ああっ…いやああああああああっ!!!!」

悲鳴を上げたジャスティアスは、自分がまだあの研究室にいる事に気が付いた。

「目が覚めたかい?」
「しかし、思った以上の効果だね?」

ニヤニヤと笑う双子に、ジャスティアスが叫ぶ。

「アレは…アレは一体、何なのっ!!?」

その声には、明らかに怯えが入り混じっていた。
しかし、アルベルとガンデルは答えない。ただ、にやにや笑いを浮かべ、

「さあ、休んではいられない。次に行くぞっ!!!」

再びジャスティアスを地獄に叩き落す。

「ま、待ちなさ……うあああああああっ!!!!!!」


<ジャスティアスは自分の主人を心から愛していた。
主人が不在の時も股間を湿らせ、その肉棒に奉仕する時を常に心待ちにして、待機していた。

「うむ、ジャスティアス、そろそろ相手をしてもらおうかな?」
「はい、バレル様ぁ……」

甘えた声を出して、彼女は自分の主人、グノー幹部バレル将軍の膝の上に乗った。

「くふふ、いつもながらグショグショだな、お前のアソコは……。今にもとろけそうではないか」
「だってぇ…バレル様の事を考えてるだけで、私……」
「違うだろ?お前が大好きなのは私のコレの方だろう?」
「ああんっ…バレル…様ぁ……」

秘所に当たるその熱に、思わず声を漏らすジャスティアス。
その肉棒に膣内をかき回される時を待ちきれず、空腰を使ってバレルのモノの先端に自分のアソコの入り口を擦り付ける。

「くださいっ!!…バレルさまので…私の膣内、メチャクチャに犯してくださいぃいいいっ!!!!」
「よかろう。…それいっ!!!」

ズヌッ!!

勢いよく突き上げられた、太く逞しいバレルのモノを、濡れそぼったジャスティアスのアソコは易々と受け入れてしまう。

「ひゃあああうっ!!ひゅごっ!!ひゅごいのぉおおおっ!!!ばれりゅさまのがぁ…ナカであばれてるぅうううっ!!!!」

全身を飲み込む快楽の津波の中で、ジャスティアスは我を忘れて嬌声を上げる。
自らガクガクと激しく腰を動かし、膣内をきゅうきゅうと締め付けて、アソコ全体でバレルのモノの美味なる味を楽しむ。
その表情は喜悦に淀んで、かつての戦士としての面影はそこには見えない。
今、ここにいるのは、肉欲を追い求めて泣き叫ぶ一匹のメス、家畜に過ぎない。

「ぐぅっ!!いいぞっ!!!やはりお前は最高だっ!!!」
「あふぅううっ!!…ひぐっ…おくまでっ…ばれるさまの…おくまでとどいてっ!!あああんっ…すごいいいいいっ!!!!」

戦いに敗れてなお、ジャスティアスのかつてのコスチュームは部分的に残されていた。
グローブとブーツ、そしてヘッドギア。
正義の戦士だった頃の名残であるそれと、雌奴隷に堕ちた現在の自分とのギャップがさらに彼女を興奮させるのだ。

「敵として戦っていた頃は、まさかこれ程の淫乱とは思いもしなかったな……」
「はいぃ…わたしは…いんらんなんれすぅううっ!!!たたかってるときだって…ずっと、ばれるさまにおかされたくて…おかされたくてぇええっ!!!」

激しいピストン運動の度に、快感の白い光の中に意識が吹き飛ぶ。
さらなる刺激を求めてガクガクと動き続ける腰は、もはや彼女自身の意思では止められないだろう。
グノーの奴隷として支配され、絶望の底にある人類の事がふと頭によぎるが、
そんなものは背徳感によってさらなる欲望を煽るスパイスにしかならない。

(だって…きもちよくて…きもちよすぎて……もう…もう何もかんがえられない……っ!!)

突き上げられて、かき混ぜられて、何度も意識が断絶する。
体中が『きもちいい』に満たされて、それだけがジャスティアスにとっての全てになっていた。

「ふああああっ!!!あひぅ…あああっ!!!も…らめ…も…わたひ…らめなのぉおおおおっ!!!!」
「ようしっ!!全てお前のナカにくれてやるっ!!!!」

一際強い突き上げと共に、バレルのモノから彼の熱い欲望が吐き出される。
そしてそれと同時に、ジャスティアスの心と体は絶頂の高みに上り詰めた。

「あああああああああんっ!!イクっ!イクイクぅ!!!イっちゃうのぉおおおおおおおおおおっ!!!!!」

弓なりに反らせた体が、ビクビクと痙攣し、そのままジャスティアスの意識は闇の中へと……>


「うんうん、実際に経験してない事でも身体感覚のデータを補ってやれば、十分いけるみたいだね」
「ほうら、僕の言った通りだったろう?これでこの先の実験の幅もずいぶん広がるよ」

床に倒れ伏し、全身をビクビクと震わせながら、呆然とする意識の中でジャスティアスは悟った。

(これは多分…私に幻覚を見せる装置なんだ……)

恐らくは、例の触手と同じ原理を用いているのだろう。
快感や苦痛を呼び起こすだけでなく、生命エネルギーに干渉して、特定のイメージを彼女の脳と体に叩き込む。
どこまで精密に行えるのかはわからないが、先ほどまでの2回でその威力は体感させられた。

(だめ……このままじゃ…私の心…こわされる……)

しかし、たった2回の実験で、既にジャスティアスの体からは立ち上がるだけの力も失われていた。

「さあ、どんどん行ってみようかな」

再び始まる狂気の実験に彼女は抗う事さえできず……。


<「ああっ…らめえええっ!!!…こんな…からだじゅう…とけひゃうよぉおおっ!!!」

スライムの海に沈みながら、彼女は凄まじすぎる快感に泣き叫ぶ。
許容量を遥かに超えた快感は、もはや苦痛と何の変わりもなかった。
しかし、非情なスライムは彼女の哀願を聞き入れる事はない。
延々と続く快楽地獄に決して終わりが来る事はないのだ。

「いやぁ…も…イきたくないっ!!イきたくないのぉ!!!…あ…ふあああああああっ!!!!!」……>


<悲惨な、あまりにも悲惨な光景の中、彼女の泣き叫ぶ声だけが響き渡っていた。

「やぁ…みんな……なんで…みんなが……あっ…あああああああんっ!!!!!!」

五体をバラバラに引き裂かれたかつての仲間、Dフォースの死体の山の上でジャスティアスは怪人達に犯されていた。
いかに抵抗をしようとも、戦い敗れ、全ての力を失った彼女に救いは決してやって来ない。

「あああっ!?ナカ!?ナカに…ナカに射精されてるぅううううううっ!!!!!」

彼女に欲望をぶつける怪人たちは尽きる事なく、
ジャスティアスはその命の炎の消えるまで、彼らの欲望のはけ口となるのだった。…………>


<「また…また…産まれるの?…また私…怪人の子供を……あっ…ぐぅううっ!!!!」

ぼっこりと膨らんだジャスティアスのお腹が蠢いた。
出産が近いのだ。
尽きることの無いジャスティアスのエネルギーを吸って、怪人の子供は一日一回のペースで産まれてくる。

「がっ…ひぃ…ぐぅうううううっ!!!…ああっ…うああああああああっ!!!!!!」

ボトリ。
産み落とされた異形の子は、母乳を求めてジャスティアスの体を這い上がる。
ひゅーひゅーと苦しげに呼吸するジャスティアス。
しかし、次なる怪人達が、彼女を孕ませるべく、彼女の周囲に群がり始めていた。
この地獄の釜の底で、彼女に休息が与えられることはない。……………>


なんだ?何を泣いているんだ?
絶え間なく聞こえる悲鳴に、眠っていた脳を揺り起こされ、赤崎は薄っすらとまぶたを開け

「な……っ!!?」

そして絶句した。
実験場の真ん中で、のた打ち回り、悲鳴を上げ続けるジャスティアスの無残な姿がそこにはあった。

「てめえらっ!!アイツに何をしてっ!!!!」

怒鳴り声を上げて立ち上がるが、自身も実験材料とされてしまった今の赤崎にはそこまでが限界だった。

「おお、怖い怖い」
「そんなに怒らなくてもいいじゃないか?」

それがわかっているのか、睨み付ける赤崎の視線にも、アルベルとガンデルは全くたじろがない。

「うふふふ、彼女が心配なわけだ。いいね、酷い目にあわせるばかりが能じゃないからね……」

赤崎の怒りを見て、何か思いついたのか、二人はカチャカチャと機械を操作し始め……

「じゃあ、こういうのはどうだい?感動の再会ってやつさ」

再び装置を作動させた。


<ジャスティアスは何も無い、白い空間にいた。

 「ここは……?私は一体、どうして……?」

立ち上がり、周囲を見回す。
どうにも意識がボンヤリして、事態が上手く把握できない。
確か、どうしてもやらなければならない事があった筈なのだけれど……。
と、そんな彼女の背中を、誰かの手の平がポンと叩いた。

「えっ?」

驚き、振り返った先にいた人物に、彼女は絶句する。

「あすか、大きくなったな……」
「お、お父さん……?」

彼女が幼い頃、警官だった父親は追いかけていた殺人犯に、ナイフで刺されて死んでしまった筈だった。
それがどうして、今、目の前に立っているのか?

「どうして……?」
「お前が心配でな。父さん、戻ってきたんだよ……」

しかし、そんな疑問も、父の大きな手の平が、彼女の肩に、頬に触れた瞬間に消えてしまった。

ただ、彼女はコクリとうなずき

「さみしかったよ……お父さん…」
「私もだよ、あすか……」

暖かな腕に抱きしめられる幸福感に溺れた。
やがて、それは彼女から正常な思考力さえも奪い取り……

「あっ…んんっ…お父さん…っ!?」
「…んっ…愛しているよ、あすか……」

あり得ない筈の父からの接吻を、いとも簡単に彼女に受け入れさせた。……>


「ふふふ、彼女幸せそうだね。どんな夢を見てるのかな?」
「見る夢の内容は、彼女の記憶頼みで細かな設定が出来ないのが辛いとこだねぇ…」

ジャスティアスは先程までの狂態から転じて、幸福そうな表情で宙を見つめていた。

(い、一体、嬢ちゃんはどうしちまったんだ!?)

それを呆然と見守る赤崎に、さらなる衝撃が走る。
彼の目の前で、ジャスティアスの全身を覆うアーマーが、消滅を始めたのである。


<「んっ…ああっ…お父さん…きもちいい……っ」

父が、記憶に残るあの暖かな手の平が、ジャスティアスの体を弄り、無粋な鎧を脱がせていく。

「あすかの体、とても柔らかいな……父さんもきもちいいよ…」
「あんっ…ほ、本当……?」

父が褒めてくれるのが嬉しくて、父の手が体を優しく愛撫してくれるのが気持ちよくて、
夢見心地のジャスティアスは、その快楽にうっとりと身を委ねる。
父が髪をなでると、ヘッドギアも消えて無くなり、素顔のままで父と見つめ合えるようになった。
もう一度とキスをねだると、父の唇が優しく彼女の唇をふさぎ、父の舌先が口腔内に差し込まれる。
歯列をなぞり、舌をねっとりと絡め合うディープキス。
その間にも、父の愛撫は続き、柔らかな乳房を、背中を、お尻を父の感触が埋め尽くしていく。
だが、まだ足りない。
もっと、もっと体の隅々を、父で満たしてしまいたい。

「ねえ、お父さん……ここにも……ここにも触ってほしいの…」

父の手に、自分の手を重ねて、ゆっくりとその場所に導く。
一番敏感で、一番繊細な、女の子の大事な場所に、父の指先を触れさせる。

「あすか……」
「お願い……ずっと寂しかったんだから……私のこと、お父さんでもっといっぱいにして……」

潤んだ瞳で見上げると、父は一瞬沈黙した後、

「わかったよ…」

優しい笑顔で肯いてくれた。

「あっ…お…父さん……あ…ふあああっ!!!」

父の指先が、ボディスーツを溶かして、彼女のアソコに侵入してくる。
くちゅくちゅと優しくかきまぜられると、甘い電流が体を駆け抜けて、思わず声が漏れてしまう。
クリトリスを指先で転がされ、ピンク色の花びらから、その奥のさらに深くまで、父は丹念に刺激していた。

「もうこんなになってしまったね……ほしいのかい、あすか?」

父が愛液にべっとり濡れた指先を彼女に見せて問い掛ける。

「あ…や……お父さん…」

恥ずかしかったけれど、今の彼女は父に甘えたい気分でいっぱいだった。
欲しい。
父を自分の大事な所に受け入れて、もっと気持ちよくなりたい。
父と一つになりたい。

「うん…ちょうだい…あすかのアソコにお父さんの………お父さんのオチンチンちょうだい…」

父はうなずき、彼女を地面に横たわらせ、入り口の部分に自分のモノをあてがった。

(あっ…お父さんの…こんなに熱いんだ……)

ドキドキと胸が高鳴る。
そうだ。自分は昔からお父さんの事が大好きで、だからお父さんがいなくなって、悲しくて、とても悲しくて……。

「いくよ、あすか……」
「あっ…お父さん…お父さんっっっ!!!!」

ずぷぷ。

容易く奥深くまで挿入された父の感触、父の存在。
ああ、自分はようやく、大好きなお父さんと一つになれたんだ。

「…ああっ…ふああんっ!!…お父さんっ!!きもちいいっ!!きもちいいよぉ!!!!」

父のモノが膣壁を擦り、膣奥を先端の部分でノックする。
その全てが甘く蕩ける快感となって、彼女の全てを溶かしていく。
父の与えてくれる快楽に、父の与えてくれる幸福に、体が、心が、とろとろに溶けていく。

「ひああっ!!…ああっ…くぅんっ!!…あああああっ!!…すごいっ!!お父さんのっ…すごいよぉ!!!!」

とろとろに溶けた心と体を、お腹の中を突き上げる父のモノがかき混ぜて、快楽は際限なく高まっていく。
今の彼女は、父の行為なら、どんな激しいピストンでも、甘い快感を得る事ができた。
父に内側から壊されて、ドロドロのグチャグチャにされて、二度と戻れなくなって………。
頭を駆け巡る狂気は、今の彼女にとっては、幸福すぎる御伽噺だ。
父に何度も犯してもらおう、そして、父の赤ちゃんを孕ませてもらおう。
そしたら、その子はお母さんにとって孫になるのかな?
そうだっ!!お母さんっ!!
お母さんも一緒に、お父さんに犯してもらおう。
私とお母さんがグチョグチョになるまで、お父さんに精液を注いでもらおう。
そして、ずっと3人で暮らすんだ。
3人で、永遠に………。

「ひうぅううっ!!!あああっ!!お父さんっ!!わたし…も…イっちゃうぅううっ!!!」
「くぅ…あすか…私も出すよっ!!!!」

父の熱が膣内で弾けて、彼女の心も押し寄せる快感の奔流に流されて砕け散る。

「ひあああああああっ!!!!お父さんっ!!!お父さぁああああああんっっっ!!!!」……>


絶頂の余韻に体を震わせ、ぐったりと床に横たわるジャスティアス。
ブーツとグローブを除くアーマーは消滅し、ボディスーツもそこかしこが破れたその姿は、無残の一言に尽きた。

「いやあ、良い事しちゃったねえ」
「ほんと、僕らとんでもない善人だよねぇ」

実験の結果を満足げに見つめる双子の将軍を、赤崎はキッと睨み付ける。

(すまん…嬢ちゃん……俺に力がないばっかりに……)

こみ上げる後悔と自責の念。
しかし、今はそんなものに構っている暇はない。
何よりもまず、彼女を、ジャスティアスを助けなければ……。

(ようやく体も動くようになってきた。これならば……)

赤崎は、視線の先に、自分のパワードスーツを捉える。
勝算は低いが、これ以上彼女が、ジャスティアスの心と体が弄ばれるのを、黙って見ているわけにはいかない。
しかし、そんな赤崎の意図を見越したように

「おおっと、動かないでね……」
「僕ら、まだ実験したい事があるんだ」

双子将軍がカチャカチャと装置のコントロールパネルをいじくる。

「てめえらっ!!これ以上、あの娘に何をっ!!!」
「あの娘にって、他人行儀だなぁ……」
「ここからの実験は君にも協力してもらうんだよ?」
「な、何?」

視界の端で、ゆらり、ジャスティアスが立ち上がるのが見えた。
その瞳は、先程までの焦点の定まらないものではない。
彼女が見据えるその先にいるのは、ただ一人。

「しっかりしろっ!!しっかりするんだ、嬢ちゃんっ!!!」

赤崎の姿を見つめる彼女は、うっとりとした声でこう言った。

「お父さん……」
「お前、何を言って…?」
「もっと、もっと、あすかをグチャグチャにして、お父さん……」

アルベルとガンデルの意図に気付き、赤崎は戦慄する。

「彼女は今、現実と夢の区別がついていないのさ」
「君が今、彼女には誰に見えてるか、言わなくてもわかるよね?」

一歩、また一歩、ジャスティアスが近づいてくる毎に、赤崎は後ずさる。

「お父さん……お父さん、大好き……」

やがて、壁際まで追い詰められた赤崎は、目の前の彼女に………。


<一歩、また一歩、愛しい父に近づいていく。
もっといっぱいキスしてもらって、もっといっぱい抱きしめてもらって、
もっといっぱい……お父さんに、犯してもらうんだ……。
彼女はただそれだけを考えて、父に歩み寄る。
だが、どうした事だろう?
今まで優しく微笑んでいた父は、どこか悲しげな、苦しげな表情を浮かべて、彼女から逃げようとする。

(待って…待ってよ…お父さん……)

父が悲しいと自分も悲しい。
父が苦しいと自分も苦しい。
父の痛みを拭い去りたくて、彼女は必死に手を伸ばす。

「お父さん……お父さん、大好き……」

だが、それに対して、父が取った行動は……

「くぉおおおおのぉおおおっ!!!!!」
「へっ!?お、お父さん…っ!!?」
「馬鹿娘がぁああああああああああああああっ!!!!!!」

全力の拳を、彼女に見舞う事だった。………>


アルベルは、ガンデルは、己の目を疑った。
眼前の光景が信じられなかった。
幻想と快楽に溺れ、赤崎に迫ったジャスティアス。
それに対して、赤崎が取った行動は……。

「鉄拳制裁だ。ちっとは目が覚めたかい、嬢ちゃん?」
「た、隊長さん?…私、どうして!?」

じんじんと熱く痛む右頬を押さえて、ジャスティアスは赤崎を見上げていた。
ついさっきまで、自分は父と一緒にいたはずなのに。

「あの馬鹿兄弟の装置で正気を失ってたんだろうがっ!!」
「そ、そういえば……」
「わかったんなら、さっさともう一度変身しろ。恥ずかしくて見てられんだろうがっ!!」

赤崎に指摘されて、ジャスティアスはようやく自分の格好に気が付いた。

「あ、うあ、へ、へ、変身っ!!!」

アルベルとガンデルの実験でかなり消耗していたが、戦闘不能というほどではない。
光に包まれたジャスティアスのアーマーやボディスーツはみるみる修復されていく。

「さ、させるかぁああっ!!!」

甲高い叫び声を上げて、双子は再び装置を起動しようとする。
しかし……。

「レッドスクリィマァアアアアアアッ!!!!!」

装置の金属柱が3本ほどまとめて切り倒された。
ジャスティアスの変身に双子が気を取られた隙に、赤崎がパワードスーツを取り戻していたのだ。

「嬢ちゃん、こんな糞研究所、一気にぶっ壊しちまうぞっ!!」
「はいっ!!」

ジャスティアスは応えると、右腕を高く掲げた。

「フォトンバズーカ、セット!!!」

すると、彼女の右腕の装甲が展開し、長大な砲身を作り上げる。
これこそが、ジャスティアスの持つ最強の射撃武器。

「フォトンバズーカッ!フルバーストッッッ!!!!!」

叫びと共に、右腕から迸った光の奔流が、双子将軍を狙い撃つ。

「ぐあああああっ!!!!アルベルぅううううっ!!!!!」
「あああっ!?ガンデルっ!!!」

ガンデルは光の中に溶けて消え、何とかかわしたアルベルも左腕を消し飛ばされた。

「く、くそぉおおおっ!!!覚えていたまえ、弟の仇はいずれっ!!!」

失った左腕の傷を手の平で押さえながら、アルベルはフォトンバズーカで出来た風穴を通って地上に逃げていく。

「逃がすかよっ!!!!」

赤崎・Dレッドは脚部ローラーをフル回転させ、アルベルを追いかける。
ジャスティアスは四方八方にビームを撃ちまくり、研究所を十分破壊してからDレッドに続いて地上へ。

「隊長っ!!ジャスティアスっ!!二人とも無事でしたかっ!!」

地上では、ようやく残りの怪人を片付けたDフォースの面々が待っていた。

「くそっ!!こんな事で僕はっ!!!」

もはやアルベルは袋の鼠、傷ついた彼に逃げられる場所など存在しない。
絶対の窮地に追いやられた彼は、狂ったような笑い声を上げ、叫んだ。

「フハハハハハハッ!!!!こうなれば、見せてあげるよ、僕の奥の手を…っ!!!」

アルベルは残った右腕で懐から何やら注射器のようなものを取り出し…

「うぉあああああああああっ!!!!!!!!」

それを首筋に刺して、その中身の液体を自分に注入した。

メリメリッ!ゴキバキゴキッ!!!

その途端に、異様な音を立てて、アルベルの体が肥大化を始めた。
頑強な筋肉が全身を覆い、骨格はみるみる巨大化していく。

「ど…どうだ…これが僕だっ!!これが、これが力だぁああああああっ!!!!」

アルベルが拳をアスファルトに叩き付けると、ただその一撃で地面が割れ、周囲のビル群が戦いた。

(さっすがは、腐ってもグノーの将軍か……。しかし、どうする?嬢ちゃんはもう限界のようだし……)

その恐るべきパワーを目にして、Dレッドは考える。
消耗した状態からの、フォトンバズーカ、ビームガンの連発で、既にジャスティアスのエネルギーは限界が近いようだった。

「こうなったら、アレを使うぞっ!!!野郎共っ!!!」
「あ、アレをですか!?」
「ああ、実戦テストと行こうやっ!!俺たちの力がグノーの将軍に通用するかどうか!!」
「りょ、了解っ!!」

Dレッドの号令の元、Dフォースの4人がそれぞれの個人兵装を取り出す。
Dレッドの持つ、二機のレッドスクリーマーを中心に、ブルーニードルとグリーンスライサーのコンテナ、
イエロープレッシャーとピンクネイルのアームパーツが合体する。
完成したのは、まるで魔界の怪物の手の平のような異形の武器だった。

「最終処刑装置Dジェノサイダァアアアアアアッ!!!!!」

Dレッドがその異形を掲げて叫ぶ。

「装置ぃ?兵器じゃないのかい?あまり僕をなめるのも……」
「いいんだよ、装置で……コイツは武器じゃねえ。ただ、粛々と罪人を殺す地獄のギロチン台だっ!!!」

Dレッドがその巨大な装置を振り上げ、アルベルへと突撃する。
アルベルは、それを真っ向から受け止めようと右腕を振り上げる。

「なっ!!?あああああああああああっ!!!!!!」

しかし、まるで花びらの開くように展開したDジェノサイダーに全身を包まれ……

「あああっ!!うああああっ!!!た…たしゅけっ……っ!!!!」

鳥かごのようにアルベルを包み込んだDジェノサイダーは、その合体した武装の全てを内側に向け作動させた。

「あああああっぎゃあああああああああああああっっっっっ!!!!!!!」

切り裂き、抉り、突き刺し、押し潰す。
断末魔と共に、アルベルの体がミンチに変えられていく。
やがて、アルベルを閉じ込めていた鳥かごの空間は閉じたとき、そこにはしたたる血液以外の何も残されていなかった。

夕焼けに染まる街の中、ジャスティアスと赤崎はその場のガレキに腰掛けていた。

「あんまり心配かけるんじゃねえよ。馬鹿娘が……」

呟くように、赤崎が言った。

「うん………」

その背中がやけに寂しくて、どう答えていいかわからなかったジャスティアスは、ただ肯いてそう言った。
赤崎の気持ちは、痛いほどにわかったから。
巨大な怪獣の口に飲み込まれそうになったあの時、彼は自分を置いて逃げろと言った。
今でも、彼女はそれに納得できない。
また同じ状況に陥っても、彼女は同じ道を選ぶだろう。
だけど、いまだに右の頬に残る痛みが、赤崎の拳の熱さが、彼女に教えてくれた。

(ずっと……心配してくれていたんだ……)

どんなパワーを持っていようと、ジャスティアスが年端もいかない小娘である事は、傍で見ていればわかる事だ。
そんな人間を戦わせている事、それに頼らざるを得ない自分。
赤崎の苦悩はどれほどのものだったろう?
記憶によぎる父の面影。

(お父さんも、こんな風に必死で、大事なものを守ろうと頑張っていたのかな……?)

ジンジンと熱い右頬に手を当てる。
その温かさが何故だか愛しくて………。

「えいっ!!!」
「お、おわっ!?お前、何をっ!!?」

赤崎に背中から抱きついて、ジャスティアスはその耳元で囁いた。

「なんか、私、ファザコンみたいです。隊長さん……」
「ちょ…な、な、な、な、何言って……っ!!?」

真っ赤な夕日の中、真っ赤になってうろたえる赤崎の背中のぬくもりを、ジャスティアスはぎゅっと抱きしめ続けていたのだった。






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