ジャスティアス4 BAD END
シチュエーション


A BAD END


そして、最後の瞬間、ジャスティアスは圧倒的な空白に意識を埋め尽くされ、やがてその白い闇の中に飲み込まれていった。
だが、完全に意識を手放したジャスティアスに容赦する事無く、絶望のエネルギーは延々と彼女の体に流し込まれ続ける。

佐倉龍司は今の自分が一体何をしているのか理解できなかった。
覚えているのは、何とか辿り着いた学校のシェルターの入り口が、既に何者かによって破壊されていた事。
そして、勇気を振り絞り、踏み込んだシェルター内部で見た、地獄のような光景。
恐らくは寄生タイプのグノーの生物兵器がシェルターの入り口から侵入したのだろう。
首の後ろに張り付いた三葉虫のような生物に操られて野獣同然の存在と化した生徒達が、
かろうじて寄生される事を免れた生徒達を延々と陵辱し続けていた。
せめて普通の怪人が相手ならば良かったのかもしれない。
同じ学校の生徒達の変わり果てた姿を前にして、龍司は呆然と立ち尽くす事しか出来なかった。
そして、次の瞬間、首の後ろに走った鋭い痛みを最後に、龍司の意識は途絶えてしまう。
再び龍司が意識を取り戻したとき、彼は既に本来の彼ではなくなっていた。
迸る獣欲に任せて、組み伏せた少女を龍司は犯していた。

「…やめて……お願い…やめて……佐倉君……っ!!」

自分の体の下で泣き叫び、哀願する少女の事を龍司は良く知っていた。
ずっと焦がれていたその少女の肉体を、彼は今欲しいままに嬲り、幾度となくその膣内に精を放つ。
首の後ろに寄生した生物が伸ばした触手が媚薬を塗り込めたせいだろうか、
最初は破瓜の痛みに震えていた少女の体はだんだんと火照って、湧き上がる快感に反応して甘い声を漏らすようになっていた。
やがて、少女も龍司も理性を蕩かされて、快楽に溺れ始める。
そのまま二人は、理性を持たない浅ましい獣に成り果ててしまう、その筈だった。
なのに、何故だろう?
淫靡な快楽に心を蕩かされてもなお、少女の瞳から涙が消える事はない。

「…さくら…くん……さくらくん…っ!!」

快楽に抗い、ただひたすらに龍司へ呼びかけ続ける彼女の表情は悲しみに満ちていた。
一体、何がこの少女をここまで悲しませているのだろう?
獣に堕ちたはずの意識の奥底で、龍司は煩悶し続ける。
しかし、いくら考えてもわからなかったその疑問への答は、やがて少女の方から示される事となった。

「…おねがい…泣かないでよ……さくらくん……」

そう言って、彼女の手の平が龍司の頬を拭った。
その瞬間、彼は全てを理解する。
彼女を泣かせていたのは、他ならぬ自分自身だったのだ。
ずっと龍司は涙を零していたのだ。
愛しい少女さえ欲望のままに破壊しようとする醜い獣。
そんなモノに堕ち果てた自分が悔しくて、悲しくて、龍司はずっと泣いていたのだ。
そして彼女は、己が身に降りかかる暴力よりも、龍司の頬を濡らす涙の存在を悲しんでくれた。

「…すずの…ごめんな……すずのぉ!!!!」
「…さくらくん……っ!!!」

だが、強く抱きしめ合うこの少年と少女に救いは訪れない。
二人が見せた心の輝きさえ、最後には欲望の渦に巻き込まれて、消えてなくなってしまう。
全ては最初から、そう定められていたのだから……。

既にDピンク=桃乃には戦う術は残されていなかった。
無残に破壊された彼女のピンクのパワードスーツは辺りに破片となって散乱し、
引きずり出された生身の彼女は、怪人達の触手によって何度となく犯されていた。

「…っくぅ…うぁああああっ!!!…また…ナカにだされてぇ……っ!!!」

自分の体の最奥部に広がっていくおぞましい熱の感触に耐えかねて、桃乃は普段の彼女ならあり得ないほどに取り乱し、悲鳴を上げていた。

「桃乃ぉおおおっ!!!!しっかりしろ…桃乃ぉおおおっ!!くそぉ…ちくしょぉおおおっ!!!」

そして犯され続ける彼女の傍らで、グリーンのパワードスーツの青年が怪人達に押さえつけられ、陵辱の様子を見せ付けられていた。
既に他のDフォース隊員はグノー怪人の手によって命を落としていた。
この青年、緑井だけが生かされていたのは、彼に陵辱の様子を見せる事で、桃乃と緑井、二人両方の絶望をより深める事が出来ると判断されたからだった。
仲間の前で成す術もなく犯される恥辱と、そんな彼女を助ける事の出来ない無力感。
二人が強い絆で結ばれた仲間同士であるからこそ、グノーの求める絶望はより深く濃いものになっていく。

「…あぁ…いやぁ……も…こんなの…やめてぇええええええっ!!!!」

射精を終えた触手が桃乃のアソコから引き抜かれた途端、次の触手が挿入を開始する。
休む暇を一切与えられない連続レイプは、桃乃の強靭な精神を着実に蝕んでいく。
既に中出しされ続けた触手の白濁液の中に含まれていた媚薬によって、桃乃はじわじわと官能を目覚めさせられていた。
強引な挿入とアソコを破壊せんばかりの乱暴なピストン運動。
桃乃はそこに本来感じるはずのない、被虐的な快感を覚え始めていた。
触手の力によって自分の体が改造され、心が捻じ曲げられていく。

「…ひっ…くぅうんっ!!…あ…ひぐぅうっ!!…やだぁ…もう…いやぁああっ!!!!」

怪人によって自分の肉体だけでなく、心までもが思うままに操られようとしている。
苦しかった。
悔しかった。
だけど、なにより怖かった。
どれほどグノーが強大であろうと、心だけは決して屈さない。
そうして最後まで戦い抜くと、誓ったはずだったのに………。

「…っああぁ!!…あはぁああっ!!…も…だめ…こんな…へん…なっちゃうぅうううっ!!!!」

こらえ切れずに漏れ出た甘い声。
ああ、もう駄目なのかな……。
まるで他人事のように、そう思った。

(ごめん……ごめんな…緑井……)

心の中で、今も自分の事を見ているはずの仲間に謝った。
どうやら自分はここまでらしい。
もうこれ以上、この快楽と恥辱の狭間で自己を保っている事はできない。
恐らくこれからの自分は、ただ壊れるまで犯され続ける肉人形へと変わっていくのだろう。

「…くぁああっ!!…イクぅ!!…怪人に犯されて、私、もう…イっちゃうぅううううっ!!!!」

未練を断ち切るかのように、桃乃は快感に促されるまま、はしたない声で自ら絶頂に上り詰めた事を叫んだ。
そしてそのまま、彼女の意識は、次々と襲い掛かる快楽の津波の中に流されて消えていった。

小春が泣いていた。龍司も泣いていた。桃乃も、緑井も、ボロボロと涙を零していた。
そしてまだ見ぬ多くの人たちの涙が次々と自分に流れ込んで、心の中にぽっかりと空いた空白を埋めていくのをジャスティアスは感じていた。
かつて彼女を突き動かしていた正義の代わりに、悲しみが、絶望が、彼女の心を満たしていく。
やがて、滅びゆく人類の嘆きと悲しみに心の全てを埋め尽くされた時、ジャスティアスは自身に起こった変化に気が付いた。

「……クリスタル……黒くなってる…?」

かつては七色の光を閉じ込めて輝いていたクリスタルが、闇夜の深い黒に染められていた。
既に死に絶えた心しか持たないジャスティアスは、その驚くべき変化を、無感動な瞳で見つめていた。
と、その時、ジャスティアスの背後から聞き覚えのある声が聞こえてきた。

「くふふ、ようやく時が満ちたようだな……」

ぬちゃり。

異様に長い腕が、昆虫を思わせる頭部が、それを支える上半身が背後の肉壁から這いずり出てくる。

「さあ、今こそクリスタルの力を我に……」

節ばった細長い腕がジャスティアスの体を抱きしめた。
腕のところどころに生えたトゲがジャスティアスの肌に突き刺さるが、彼女はそれに全く気付かない。
ただ、この声と腕の主が誰であったかが思い出せず、その事ばかりを考えていた。

(そうだ……この声はたしか……)

一瞬、その答が彼女に課せられた使命の記憶と共に蘇ろうとするが、すぐに中断されてしまう。
昆虫のような頭部の大アゴが左右に開いて、中から伸びてきた触手に口腔内を犯されて、その感覚で頭がいっぱいになってしまったのだ。
先端部分にイソギンチャクのような小型触手を備えたソレはねっとりとジャスティアスの舌に絡みつき、ねちっこい動きで責め立ててきた。
その蕩けそうな感覚に心奪われて、ジャスティアスはクリスタルの異変の事すら忘れて触手に舌で奉仕し続ける。

「これは貴様との契約のキスだ。せいぜい味わうが良い……」
「んっ…んくぅ……んんんっ…あぷ…ふ…うぅん…んんぅ……っ!!!」

やがて、触手の先端がぶるりと震えたかと思うと、ジャスティアスの口腔内めがけて大量の粘液が噴出する。

触手はこの時ばかりはジャスティアスの口の中に留まり続け、その不気味な粘液をなかば強制的に嚥下させる。
最初は息苦しさから抵抗していたジャスティアスだったが、粘液を飲み込んだ胃のあたりから体中に熱が広がっていく、
その快感にすっかり夢中になって、最後にはさらなる粘液を求めて触手をしゃぶるようになった。

「お前が飲み込んだその液体は、お前を細胞の一粒からグノーの肉体に作り変えてくれる。
これでお前は私と同じ存在に、かつての私の部下達のように、グノーを構成する細胞の一つに変わるのだ……」
「あっ…んふぅ……べとべとしたの……たくさん……」
「既に聞こえてはいないようだな。…ふふ……くふふふ…ふははははははははははははっっっ!!!!!」

夢中になって粘液をすすり、体いっぱいに浴びるジャスティアス。
その体のいたる所に残されていたアーマーやボディスーツの残骸が、粘液を浴びるごとに溶けて消えていく。
やがて粘液の海に沈むように横たわった彼女の体からは、ジャスティアスとしての痕跡は一切消え去っていた。

それからおよそ一週間でグノーは地球上にある生命のほとんどを喰らい尽くし、新たな獲物を求めて更なる異世界へと旅立った。
ほどなくして見つかった地球と良く似た人類の住む世界。
グノーは次元の狭間に本拠を構え、再び侵略を開始した。
その世界の人類はかつての地球人類とは比較にならない科学力と、それに裏打ちされた高い戦闘能力を持っていた。
だが、今のグノーの力をその程度で止められる筈がなかった。
グノーが手に入れた新しい力はそれほどまでに強力だったのだ。

「…ひぁ…あっはぁああっ!!…すご…からだ…あついっ!…あついのぉおおおおっ!!!!」

グノーの移動要塞の中枢部、肉壁に覆われた巨大な空間の中央に立つ肉の柱。
その真ん中あたりに半ば肉柱に取り込まれたような格好で磔にされ、無数の触手に犯される少女の姿があった。
かつてジャスティアスと名乗り、地球人類を守るために戦った正義の戦士の成れの果てである。

「…ふあぁ…あっ…ああああっ!!…すごひぃ…えねるぎー…たくさんそそぎこまれてるぅうううっ!!!!」

グノーが集めた絶望のエネルギーはこの肉柱に集められ、触手を介して彼女に伝達される。
そのエネルギーは彼女の持つクリスタルの力によって爆発的に増幅され、グノー全体に行き渡る仕組みとなっていた。

「んっ…んぅううううっ!!!…イクぅううっ!!…またっ!!…またイっちゃうのぉおおおおっ!!!!」

かつてのグノーとの戦いで精神活動を凍りつかせてしまった彼女だったが、触手と戯れ快楽を貪る瞬間だけ、蕩けるような淫靡な笑顔を見せる。
グノーに取り込まれるまでの記憶も失われた今、彼女には過去も未来も意味はなく、快楽に溺れる現在だけが彼女の全てとなっていた。
淫らに腰をくねらせて前後の穴を埋め尽くす触手の感触を楽しみ、手と口で触手に奉仕しては白濁を全身に浴びる。
触手に突き上げられるたび喜悦に満ちた表情で嬌声を上げる様は、かつての純粋な少女のものとは思えないほどだった。

「あはは…あは……いいよぉ…えねるぎー、わたしのなか、いっぱいにしてるぅ……」

と、その時頭上から、グノー皇帝の声が響き渡った。

「出てくれるか?…また貴様の力が必要になった……」
「あは…わかったよ、こーていへーか……またぜんぶ、ころしちゃえばいいんだね…」

皇帝の呼びかけに応えて、ずるり、少女の体が肉の柱から抜け出していく。
それと共に胸の暗黒のクリスタルが鳴動し、彼女の体を強化服で覆い始める。
黒のボディスーツに、これもまた光沢のある黒のアーマー。
部分部分に使われている銀色の素材は氷のように冷ややかな印象を見るものに与えた。
以前に比べてかなり鋭角的なシルエットのソレが、今の少女のもう一つの姿だった。

「さあ、行くがいい、ジャスティーイーヴルよっ!!」

背部ブースターを全開にして、ジャスティーイーヴルは飛び立つ。
かつて絶望に抗い続けた少女が、呪わしい黒翼を広げて出撃する。
あらゆる全ての世界が絶望に飲み込まれるまで、堕ちたる戦士の戦いに終わりが訪れる事はない。

完。






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