賢者ソフィア
-2-
シチュエーション


「…ふぁ……ああっ…や……やめて…っあああっ!!?」

無数のミミズが首を這い上がってくるようなその感触に、ソフィアは思わず甲高い悲鳴を上げる。
だがその口を、別の方向から伸びてきた触手が塞ぐ。

「…んぅ…んんぐぅ……んくぅ…くちゅくちゅ…ぬちゃ…ぴちゃぴちゃ……んううぅっ…んんっ!!!」

口の中に侵入した触手はソフィアの舌をまさぐり、絡み付いて、思う様に弄ぶ。
触手の先端部分からは極細の触手が這い出てきて、口腔内をすみずみまで撫で回しくすぐって愛撫する。
さらに、触手全体から膨大な量の粘液が染み出し始め、口の中を完全に触手に占拠されたソフィアは否応なしに嚥下させられてしまう。
媚薬粘液が喉を灼き、食道を通って胃の中に溜まっていく。
体の内側から染み込んでくる催淫成分はソフィアの理知を曇らせ、繊細な神経をざわめかせ快楽の坩堝に堕としていく。

「…んっ…んんぅううっ…はぁはぁ…はぁ……ああ…からだ……熱くなって……」

体の外側からも、溢れ出す粘液がソフィアを侵略していく。
ローブの内側も外側も、勝手気ままに這い回る触手が粘液を塗りたくってべとべとだ。
純白のローブは全体に粘液が染み込んで、その下に巻きついた触手やソフィアの美しい肌の色が透けてしまっている。
エメラルドの髪も、体のいたる所に身につけた黄金の装身具も汚らわしい粘液で汚れている。
触手地獄に捕らわれた賢者にはもはやかつての輝きはない。
今も、這い回る触手の与える官能と、一番敏感な部分だけは責められないじれったさの中で、ソフィアはだんだんと狂わされていく。
「…あっ…ひゃぁう…やら……や…ながされちゃ…ながされちゃいけないのにぃ……くぁあああんっ!!!」

最初はほとんど腐臭のようにしか感じられなかった粘液や肉の臭いを、いつの間にか甘美な芳香のように感じ始めている自分がいた。
臓物を擦り付けられるような触手の感触も、今は亡き母が寝る前に自分の頭を撫でてくれた時の様な親密で心地よいものに思えてくる。
神経を、脳を、精神を、徹底的に蕩かす媚薬はソフィアの認識を狂わせ、彼女を肉の沼の中に取り込もうとしてくる。
触手責めに対する警戒感は粘液の効果で徐々に消えていき、いつしか次なる愛撫を心待ちにするようソフィアを変えていく。

「…あ…くひぃ…だめ……だめなの……だめだけど…でも…きもちいい……あ…きもちいいよぉ……っ!!!」

触手に抵抗しようとする自分と、快楽を受け入れようとする自分。
矛盾した二つの感情に挟まれて、ソフィアの心は混乱の度合いを加速度的に増していく。
両胸を責める触手の勢いは止まらない。
マシュマロのように柔らかい乳房は休む暇もなく揉みくちゃにされ続けている。
その先端で可愛らしく震えるピンクの乳首は、右側をブラシ触手に擦られ、左側を極細触手に捏ねくり回され続けて、
もはや快感を通り越してジンジンとした熱しか感じられないような有様だ。
腋の下に、脇腹に、おへそからアソコに至る間の微妙な部分に、触手はその身を擦りつけ刺激を与え続ける。
臀部には大型の触手が口を開けて吸い付き、思う様にその肉の柔らかさや、滑らかな肌を味わっている。
そしてその隙間に無理やり頭を突っ込んで触手が、後ろの穴に無数の突起を擦りつけ、さらには媚薬粘液を塗りたくる。
指先を無数の触手に絡め取られ、脇の下から腕の先までの敏感なラインを何度もなぞられて、もう腕にもろくに力が入ってくれない。
口腔内を犯す触手からは既にかなりの粘液を飲まされており、その量は少なめに見積もっても2リットルは下らないだろう。
にもかかわらず、お腹にそれほどの重さを感じないのは、その成分が既にほとんどソフィアの体に吸収されてしまった為なのか?

「…らめ……あ…かんじちゃ…わたしが…まけたら……みんなが……」

それだけの責めを受けてもなお、怪物を倒さんとする彼女の使命の炎は消えない。
幼い日、目の前で家族を失った悲しみ。
最愛の妹を亡くし悲嘆に暮れる伯父の姿。
あんな思いをもう誰にもさせたくない、その一心で彼女は戦い続けてきたのだ。
だが、それも媚薬が体中に浸透し、呂律もまわらず、ただ快楽に翻弄されるだけの体になってしまった今の彼女の姿を見れば、
むしろ哀しくも憐れな道化の呟きとしか思えなくなってくる。
どれほどの強い意志を秘めていようと、今の彼女は圧倒的な力と快楽に押しつぶされていく牝豚に過ぎない。

「…ひぃ…やぁ…らめぇ…らめなのぉ……そんなの…ほしがっちゃいけにゃいのにぃいいっ!!!!」

未だそこだけは一度も触手に触れられていない敏感な部分。
あまりに長く焦らされすぎたせいだろうか、そこに走る疼きはほとんど苦痛と変わらなくなっている。

苦しい。
苦しくてたまらない。
でも、今のこの部分に触られたら、きっと自分は本当に壊れてしまう。

恐怖と、裏腹な期待が、ソフィアの精神を蝕んでいく。
視界には映っていないはずの、自分のアソコの様子が手に取るようにわかってしまう。
濡れそぼって、溢れかえった蜜のせいで純白のショーツは秘所に張り付いて、淫靡な花びらの形を薄っすらと透けてしまっている。
何度も何度も内股を擦り合わせて、あまりの切なさに涙さえ零してしまう。
じゅくじゅくと、媚薬粘液が体に染み込んでいくように、ソフィアの使命を淫らな肉欲が侵食していく。
と、その時である。

「…ひやっ…ああっ…あ…くふぅんっ………ひっ!?…ひやぁ…あ…や…いやぁああああああっ!!!!!」

突如、ソフィアの股下からせり上がってきた触手が、口を開きさんざん焦らされ続けたアソコにしゃぶりついたのだ。

あまりに唐突に、待ち焦がれていた快感を与えられて、それだけで気を失いそうになってしまうソフィア。

(…だめ…流されちゃ…これを…受け入れたら……わたし…も…元に戻れなく……っ!!!)

触手はソフィアの秘部に吸い付き、ショーツの上から濡れそぼった花びらをねぶり、なぞり、クレヴァスに舌を突き入れてくる。
必死にその刺激に耐えようとするソフィアだったが、既に彼女の意思を離れ、その責めを待ち望んでいた体の方が勝手に屈服してしまう。
触手の刺激だけでは我慢できずに、腰をくねらせ、少しでも強い快感を得ようと彼女の体は乱れていく。
そうなってしまえば、後はあまりにも呆気ない事だった。
どんな強固に作られたダムも、蟻の一穴でいとも容易く崩壊してしまう。
同じように、最後の一線を無理やりに越えさせられてしまったが最後、ソフィアがその快楽に溺れていくのもあっという間だった。

「…ひゃめぇ…ひゃめなのぉ……ひゃめなんらからぁ…あひぅ…あああっ…ひやぁ…あああああああっ!!!!!!」

腰の動きは見る間にスピードを増し、まるで機械のように前後に激しく揺れ動いた。
口からはそれでも拒絶の言葉を吐こうとしていたが、快感の強さのあまりに上げた悲鳴がそれをかき消した。
思考能力は一瞬前とは比べ物にならないほど低下して、脈絡を失った思考がぐるぐると空回りするだけになってしまった。

「…ひゅご……こんな…たえられな……あはぁ…ひっ…くふぅううううんっ!!!!!」

ほとんど腰を股下の触手に叩きつけるようにしてまで、ソフィアは貪欲に刺激を求めた。
触手もそれに応えるように、さらに縦横無尽に舌を走らせ、吸いつきを強め、彼女に快楽を与え続ける。
現代に蘇った女神さながらに舞い踊り、怪物を翻弄した賢者ソフィアの姿はもうそこにはない。
ただ、砂漠をさまよい続けた遭難者が幸運にも辿り着いたオアシスの水を、腹がはち切れそうになるまで飲み続けるように、
彼女も渇望し続けていた快楽をひたすらに追い求める。
そして、背中を反らし、はしたない叫び声を上げ、快楽の泥沼に溺れる憐れな女神はかつてない絶頂の高みに吹き飛ばされる。

「…ひくぅ…ひ…ひぅうっ!!!…わたひ…も…イっちゃうぅううっ!!!…ひくのぉ……イッくううううううううううううっっっっ!!!!!!」

ガクガクと全身を痙攣させ、口元からはだらしなく涎を零して、彼女はぐったりと崩れ落ちた。
絶頂の余韻は力の抜け切った体を包み込み、気だるいその陶酔感にソフィアはうっとりと笑みさえ浮かべてしまう。
だが、その時、その彼女の蕩け切った心が一瞬にして凍りついた。
ゆっくりと彼女の股下から姿を現した触手。
彼女のアソコを執拗に責め立て、絶頂へと導いたその触手の先端部分。
そこに張り付いていたのは、彼女も良く見知ったもの……

「いや…なんで……どうして……!?」

それは人間の顔だった。
淀んだ目と、いやらしい笑顔をのぞけば、それは他に見間違えようがない。

「…ともひで…おじさん……?」

その触手の先端部分は、彼女の唯一の肉親、式野智英と全く同じ顔をしていたのだ。
体を包んでいた絶頂の余韻すら一気に吹き飛んで、得体の知れない恐怖に駆られ、彼女は悲鳴を上げた。

「いやっ!!いやぁ!!!いやあああああああああああああっっっ!!!!!」

そして、その声に応えるかのように、肉壁に埋まっていた智英がゆっくりと顔を上げ、
触手の先の顔と同じ、淫らな笑顔でソフィアに微笑みかけた。

智英は、ただ優しく、愛しい妹に微笑みかけていた。
賢者ソフィアの姿に変身した娘は何かに怯えているようだった。
だが、ここには何も恐れるべきものなどないのだ。
何故ならば、ここは彼、智英の体内なのだから。

「…トモカ……だいじょうぶだよ…トモカ……」

ソフィア=智華は一つだけこの怪物についての分析を間違えていた。
確かに、この怪物は智英を喰らい、その体を自分の一部として取り込んだ。
だが、それだけではないのだ。
怪物は智英を取り込むと同時に、智英と一体の存在、同一の意識の元に動く一つの生命体となったのだ。
むしろ、人工的に作り出された怪物の意識は融合と共に掻き消え、その体の主導権は智英の意識に委譲された。
今、この怪物を動かしているのは、紛れもなく智華の伯父なのだ。
たとえ、それが怪物の異常な欲望に侵食され、本来の彼の精神を著しく歪めているのだとしても……。

(…ああ、智華……愛しい姪……何にも代えられない私の家族……)

その歪められた心の中で、彼はただひたすらに智華を求めていた。
彼は自分の妹の智子をこよなく愛し、そしてその娘である智華をも同じように愛した。

だが、その感情の中には彼自身も気付かないほどのごく僅かな、しかし恐ろしい程に根の深い、暗く淀んだ愛欲が混ざり込んでいた。
幼い頃から見守ってきた妹が、やがて一人の女性へと成長していく。
その過程と並行して、彼の中には年の離れた小さな妹を慈しむ心と、その肉体を己がものにしたいという劣情が同時に育って行った。
無論、それはほんの微々たる欲望であり、彼が妹にとって良い兄である事に変わりはなかった。
だが、妹を愛するその心が存在し続けるが故に、それと密接に絡みついた妹を女として求める隠された想いも消える事がなかった。
そして、あの日、彼は妹を失った。
だが、彼の手元には、その忘れ形見である姪の智華が残された。
そして、彼は妹の成長を見ながら味わった感情を、今度は姪の智華を対象として追体験する事になった。
彼の心の中では智華自身に対する愛情に加えて、妹の智子に対する愛情が重ね合わされて、その感情は大きく膨らんでいった。
そして、その影に隠された欲望も同様に大きく成長していった。
重ねて言うが、彼は兄として、伯父として、彼女たちの信頼に足る素晴らしい人物だった。
彼もまた、自分の中にある欲望に気付く事さえなかった。
そもそも、人は誰しも僅かな歪みを抱いて生きるものであり、彼の欲望は殊更問題になるようなものではなかったのだが……。

(…智華……きれいだよ、智華……変身したその姿、まるで君のお母さんの…智子の生き写しだ
……ああ、愛しいよ、智華…本当に、食べてしまいたいぐらいだ………)

しかし、智英は怪物に取り込まれ、その意識は変容し、彼の智華に対する劣情は表出した。
そもそも、『賢者の石』の主を取り込むため、そのように意識を歪ませる細工がこの怪物には仕込まれていたのだ。
彼は解放された欲望に従い、己の求めるままに姪の体をねぶり、撫で回し、溢れ出る体液を飲ませ、彼女の秘裂を滅茶苦茶に舐め回した。
今、彼の目の前には、相も変わらず怯える智華の顔があった。

「…だいじょうぶ、おじさんがいっしょだ…あんしんしていいんだよ……」

彼は智華の秘所を嘗め回していた触手、彼のもう一つの顔を彼女の顔に近付け、震える唇をそっと塞いでやった。

「…伯父さん…こんな事…も…やめ……ひゃ…む…ううん……ん…んんっ……んくぅううううっ!!!?」

目尻に涙を浮かべ、震える声で智英に何事かを訴えていた智華だったが、彼にキスをされ、
その舌を存分にねぶり回してやると、次第に甘い声を上げ始めた。
媚薬によって異常に敏感になった神経が彼女に否応なく快感を感じさせているだけなのだが、
智英はこれを彼に対する智華の受容の意思表明と受け取った。
肉壁の中から智英は新たな触手を出現させる。
そのどれもが、彼と同じ顔を持ち、彼と視覚をはじめとした五感を共有している。
触手は智華=ソフィアの両胸にしゃぶりつき、彼女の乳首を舌で転がし、めちゃくちゃに弄んだ。
口の中に、女神の舌と乳首の感触を感じながら、同時にその責めに身悶えるソフィアの姿を少し離れた所から見守る。
複数の頭で物を見て、感じるのは不思議な感覚だったが、そうする事であらゆる角度から愛しい姪を味わえるのが智英には嬉しかった。

(さて、散々焦らしてしまったし、そろそろ智華もアレを欲しがっているころだろう……)

そして、智英はじゅくじゅくになったソフィアのアソコを見つめながら、ぐにゃりと肉の床を変化させ極太の触手を出現させる。
怪物に取り込まれ、下半身を無くしてしまった時は、智華をどうやって愛してやろうかと悩んだが、その解決策はあっさりと見つかった。
媚薬粘液に塗れ、太さも人間のソレを遥かに越えた触手は、彼女のアソコを十分に満足させてやれるだろう。
イボだらけの先端部をゆっくりと持ち上げて、彼女の敏感な部分に近づけていく。
智英の愛撫に陶然とした表情を浮かべていたソフィアが、その気配に気付いて青ざめた顔で叫ぶ。

「…だめっ!!…伯父さんっ!!!伯父さん、正気に戻ってっ!!!…こんなのおかしいよ…間違ってるよっ!!!!」

悲痛な姪の哀願の声も、智英の耳にはせいぜいが照れ隠し、恥ずかしさ故に嫌がる真似をしているだけにしか聞こえない。

(そうだな。女の子だもの、こういうのは恥ずかしいんだろうなぁ……でも、大丈夫だ。すぐに気持ちよくしてあげるぞ、智華……)
彼女の悲鳴にむしろ喜悦の表情さえ浮かべながら、智英はソフィアのアソコに触手をあてがう。

そして、その先端から染み出した媚薬粘液を丹念にそこに塗り込んだ。
媚薬の成分はもう十分にソフィアの体中に行き渡っている筈だが、なにしろ彼女は処女なのだ。
それに他の部分とは違って触手で触れるまで随分と焦らしたせいで、十分に粘液を塗り込む時間がなかった。
念には念を入れても、決して悪い事はないだろう。

「…あっく…ひゃう…ああっ……おじさん…やぁ…おじさん……」

ソフィアの声に、甘い響きが混じり始める。
それを聞いているだけで、智英の胸は異様に高鳴り、興奮に息が荒くなっていく。
ぐりぐりと触手の先端部分を押し付けながら、湧き出る粘液を彼女の花弁に塗り込む。
媚薬成分は容赦なくソフィアのアソコを汚染し、元から性感神経が集中したその場所はやがて凄まじい熱と疼きを帯び始める。

「…っはぁ…あふぅ…っくぅん……あ…ああっ…ひゃ…ああんっ!!」

ここに至って、もはやソフィアには哀願の言葉を紡ぐ余力さえ無くなってしまった。
下半身を支配する耐え難い熱と疼きに彼女は身悶え、瞳に涙を浮かべて切なげに喘ぐ。
ただ一人の家族、大好きな智英おじさん、両親を失い、悲しみに沈んでいた自分と今日まで一緒に歩いてくれた人。
その大切な人が、今、迸る欲望のままに自分の体を犯そうとしている。
これ以上の悪夢などあろう筈もなかった。
心は戸惑いと悲しみではち切れそうになり、ぼろぼろと零れ落ちる涙が頬を濡らした。
だが、彼女の体は快楽に支配され、淫らな悦びを求めて伯父による陵辱を受け入れようとしている。
そして、もはや逃げる事も抗う事も出来ない彼女は、愛する伯父を見つめて、こう呟いた。

「こわいよ…おじさん……」
「こわがらなくていい…わたしがここにいるよ、トモカ……」

怯える彼女を慰めるような、自愛に溢れる笑顔を浮かべる智英。
そして、彼はついに愛する姪を犯し始めた。

「…あぐぅ…かはっ……あっ…いたい…いたいよ…おじさん……」

太すぎる触手は、みしみしと音を立てながら、ソフィアのまだ汚れを知らない秘所へと侵入していく。
肉が裂け、体が軋み、血が流れ出るが、その傷口から染み込んだ粘液はその苦痛すらも快楽に置き換えていく。
やがて、極太触手はソフィアの体を割り裂いて、ついにその膣内の最奥にまで到達する。
そして、智英はそこから彼女の体を抉るような激しいピストン運動を開始する。

「…ひっ…うああっ!?…や…ひぐぅ…ああっ…あう…くあああああああっ!!!!!」

その激烈な突き上げに、ソフィアの体はまるで玩具のようにガクガクと揺れ、悲鳴とも嬌声ともつかない叫びを上げる。
触手によるピストンの衝撃は膣内や子宮に止まらず、内蔵を突きぬけ、彼女の脳までを揺さぶる。
性交と言うよりは殆ど破壊に近い暴力的な陵辱
しかし、既に媚薬粘液に侵されきった彼女の体は、その衝撃にさえ悦びを感じて蜜をしとどに溢れ出させる。

「…うあ…ああっ…やら…やなのにぃ…あああっ!!…すごひ…すごすぎて…くぅ…ひああああっっっ!!!!」

一突きされる毎に、媚毒に沈んだ体でも理解できるほどの破滅的なエネルギーが叩きつけられる。
だが、それと同時に今までの責めが児戯に過ぎないと感じるほどの、強烈な快感が体を突き抜けていく。
その度に、堪え切れずに上げてしまう嬌声。
甘美な破壊に身を任せれば任せただけ、今まで自分と伯父が築き上げてきた絆が崩れていくようにソフィアには感じられた。
逃げ出したい。
心が何度もそう叫ぶが、今の彼女にはもうそんな力は残されていない。
彼女に出来るのは、爛々と光る伯父の瞳に滲み出た欲望の影に絶望しながら、ただ犯され続ける事だけだ。

「…ひゃうぅ…っんくぅうううぅ…はひぃ…ひぃいっ…あぁ…くあああっ!!…ああ…おなか…ずんずん…ずんずんってぇええっ!!!」

まるで巨大な杭をお腹の奥まで叩き込まれているようだった。
あらゆる苦痛を強引に快感に変換され、頭の中がいっぱいになるまでどろどろの甘い蜜が注ぎ込まれる。
気がつけば、伯父の顔をした触手はその数を増やし、体中のいたる所をねぶり、吸い付いていた。
そして、触手達はかわるがわるに彼女の唇を求め、酸欠になる寸前まで彼女の舌を嬲り口腔内を犯した。

濃厚なキスの連続刑の合間に、彼らは代わる代わる囁いた。

「きれいだよ、トモカ」
「ああ、トモカ、なんてきれいにそだったんだい」
「トモカのアソコ、とてもきもちいいよ」
「おっぱいもやわらかくて、すべすべだね」
「トモカ、トモカ、トモカ、ああ、なんてあまいくちびるなんだ」
「のどがかわいたかい?おじさんのだえき、たっぷりのむんだよ」
「トモカのすべすべのはだ、かぐわしいかみのかおり」
「ぜんぶわたしのものだ、ぜんぶわたしのトモカだ」
「ああ、トモカ、あいしている、あいしているよ」

耳に響くその言葉に、どれ一つとして偽りはない。
彼女の伯父は、彼女を心から愛し、そして心の底から欲情していた。
彼女にはそれがあまりに哀しすぎて、辛すぎて、だけど絶え間ない快楽の洪水はそれを言葉にする事さえ許してくれない。
彼女の嘆きも悲しみも、怒涛の快楽の前に押し流されていく。
ソフィアはいつしか、ただ智英の求めるままに唇を差し出し、腰を振りたくって嬌声を上げるだけの存在に堕ちていく。
かつて、妹を亡くし悲しむ智英を救ったのは、智華の笑顔だった。
だが、彼女もまた、伯父の優しさに救われていたのだ。
伯父がいたからこそ、彼女も笑うことが出来たのだ。
だから、彼女は伯父の愛情に、劣情に、欲望に一身で応える。
だけれでも何故なのだろう。
彼女の瞳から零れ落ちる涙は決して止まる事がなかった。

「…はぁ、はぁ…ふぁ…あああんっっ!!!…おじさん…おじさん…おじさぁああああああんんっっっ!!!!!」
「ああああああっ!!!!トモカっ!!!トモカぁああああああっ!!!!」

まるで子供のように泣きじゃくり、彼女はひたすらに伯父を呼び続ける。
智英はその声に応えるように、一層ピストン運動を加速させ、より激しくソフィアを犯した。
ぐちゅぐちゅと肉の壁の狭間に響き渡る交合の粘つく音。
ソフィアは抑えようもなく漏れ出てくる自分のはしたない声を聞きながら、さらなる陶酔に溺れていく。
舌を突き出し、涎と涙でみっともなく顔を汚し、粘液に塗れてもはやかつての輝きを失ったエメラルドの髪を振り乱す。
膣内を、子宮を突き抜けて、背筋を上っていく快感の電流に何度も意識を断ち切られ、それでも休む事無く腰を動かし続ける。
もはや、ソフィアに正常な思考能力は欠片も残っていなかった。
与えられる地獄の快楽の中でただ嬌声を上げるだけの肉人形に堕ちた彼女に、智英はとどめの一撃を喰らわせる。
強烈な突き上げと同時に、子宮いっぱいに溢れ出た灼熱の白濁粘液がソフィアの、智華の魂を快楽のハンマーで粉々に打ち砕く。

「ひっぐぅうううっ!!!ああっ!!おじさんっ!!!イっひゃうぅううっ!!!わらひ、イっひゃうのっぉおおおおおおおっ!!!!!!」

ぶしゃああああああっ!!!!!

股間から盛大に飛沫を撒き散らしながら、彼女は崩れ落ちる。
息を切らした犬のように、口を開きっぱなしにしてだらしなく呼吸するソフィア。
だが、彼女が酸欠状態にある事などおかまいなしに、智英の顔の触手がソフィアの唇を犯す。

「ああ、トモカ、イキがおもたまらなくかわいかったよ」
「んくぅ…んああ…あ…おじ…さん……」

そして、圧倒的な絶望と快楽に心と体を引き裂かれながら、ソフィアは意識を失った。

「…もか……ともかっ!!…しっかりして…ともか……っ!!!」

耳に馴染んだその声を聞いて、闇に沈んでいた智華の意識がゆっくりと覚醒していく。

「あれ…わたし……?」

頬に当たる風の感触。
どうやら怪物と成り果てた伯父に犯された自分は、変身を解除されて、ずっと触手に捕まっていたらしい。
そして、顔を上げ、周囲を見渡した彼女が見たのは信じ難い光景だった。
見渡す限りの肉の海、ビルが、家が、街が、あの怪物を形作っていたのと同じ腐肉の中に沈んでいた。
さらに、彼女の目の前には、彼女や彼女の友人たちがいた筈の見慣れた校舎が肉塊に取り込まれていた。
と、そこで、智華は先ほどの声の主が誰であるかに気付く。
振り返った先にいたのは、あまりにも無残に変わり果てた少年の姿……

「ああ……拓士ぃ…そんな……」
「智華…ごめんな……俺、お前の事助けられなかった……」

肉の海に四肢を取り込まれた幼馴染、拓士はぼろぼろと涙を零しながらそう言った。
伯父とは違い、その理性はちゃんと残されているようだったが、肉に呑まれた手足は既に怪物と融合して跡形もないだろう。
きっと、この心優しい少年は、怪物に捕らわれた智華の姿を見て、なけなしの勇気を振り絞って彼女を救おうとしたのだろう。
唯一の肉親を怪物に変えられた挙句、彼女は大切な幼馴染までも犠牲にしてしまったのだ。
と、そんな時、彼女の頭上から、智英の声が聞こえてきた。

「やあ、おはよう、トモカ……」
「おじさん……なんで…どうして…拓士にまでこんな事を……?」

狂い果てた伯父に、今更何を問おうと無駄な事だとはわかっていた。
それでも、智華はその理由を聞かずにはいられなかった。

「だって…トモカは、タクシクンがだいすきだろう…トモカがさみしくないように、いっしょになってもらったんだ…」
「そんな…ひどいよ…ひどすぎるよ……おじさん…っ!!!」

泣きじゃくり、叫ぶ智華。
いかに怪物と融合したとはいえ、あの優しい伯父がこんな事をするなど信じたくなかった。

「ああ、トモカなかないでおくれ…かなしまずとも、おまえとタクシクンはこれからひとつになれるのだから…」

だが、智華の悲痛な叫びが、伯父のその言葉を聞いた瞬間ピタリと止まる。
恐怖に目を見開きながら、震える声で彼女は尋ねた。

「お、おじさん…何を…何を言ってるの!?」
「あいしあうものどうしが、むすばれる……これいじょうの、しあわせなんてないだろう……?」

答など既に分かりきっていた。
狂い果てたこの伯父が考える事など一つきりだ……。

「さあ、トモカ、タクシクン……わたしは、しあわせなふたりのすがたがみたいんだ……」

智英がそう言ったのと同時に、怪物に取り込まれた拓士に、血管を通して怪物の生み出す媚薬成分が注入される。
拓士の肉体が快楽に蝕まれ、強制的に興奮状態に追いやられる。
彼の下半身では、未だ怪物に取り込まれていなかった彼の分身が急速に膨張を始める。
そして、智華の体は触手によって、拓士の目の前まで運ばれ、伯父によって散々犯されたアソコに、今度は拓士のモノがあてがわれる。

「うあ…こんな…嫌だ…嫌だよ……智華ぁ……」
「…拓士……ごめんね…私のせいで…私なんかのせいで……っああああ」

あまりに残酷な運命に絶望し、泣きじゃくりながら、愛し合う少年と少女は最悪の形で体を重ねようとしていた。
それを見下ろす智英の顔に浮かぶのは、二人の幸せを心から祝福する満足げな笑顔。

「くあっ…ああっ…智華ぁ…うあああああああああっ!!!」
「あああああっ!!!拓士ぃ!!!拓士ぃいいいいいっ!!!!!」

少年と少女の悲痛な叫びが響く空の下で、愛する者に囲まれた智英の心はどこまでも穏やかだった。






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