シチュエーション
「健二、それはどういう意味だっ!!返答しだいではただじゃ済まさんぞ!!」 とモニター越しに健二を怒鳴りつけるインターネットの魔王サタンデジファー様。 どうせモニター越しに怒られるのなら強気な美少女に怒られたいものである。 「そのままの意味にございます。日本侵略などただちにやめるべきだと思っているのです」 「ぐぬぬ!!貴様!!」 どうやら事の発端は健二の発言にあるようだ。 まさかあの健二がこうもあっさり悪事をやめるとは。それほどプールに誘われたのが嬉しかったのだろうか? 「サタンデジファー様。今はグローバルスタンダードな世の中。攻めるべきは日本ではなく世界なのです!!」 と思ったがそんな気はさらさらない様子。しかし世界とは大物を言ったものである。 「ガハハハハ、なるほど。確かに我々の目標は世界征服だったな!!それで、それだけの事を言うのには何か作があるのだろうな。何もないとは言わさぬぞ?」 「はい。ございます。そもそも我々が日本を攻めること自体が非効率なのです。日本を征服したところでアメリカに潰されるのが関の山でございます」 「むむむ……、さすがは軍師。いろいろと考えているのだな。それでそのアメリカを攻め落とす策はなんだ!!」 「水攻めでございます」 一応、目上の立場のサタンデジファーに軍師と言われて気を良くした健二は口調まで軍師になりきっていた。 「水攻めか……、ダムを決壊させて洪水を引き起こすのだな。実に私好みの作戦……」 「いえ、水責めといっても多少、意味合いが違います」 「なんだとっ!!」 と驚くサタンデジファー。健二の作戦はその上を行くのである。 「水攻めとは干ばつのことでございます」 「なに!?干ばつだと!!だがそんなことが出来るわけが……」 「サタンデジファー様。干ばつと言っても水を干上がらせる訳ではありません」 「そしたら干ばつには……」 「ふふっ。水道水に毒を仕込むのです。そして我々に降伏しなければこのまま干上がらせるぞと脅しをかけるのです!!」 と、いつになくシリアスな作戦を思いつく健二。と、いうよりこの作戦は人道的な面でいろいろとまずいのでは!? 「エリンノイドッ!!」 と健二が呼ぶと、 キョ〜キョキョキョ!! と、イカの形をした怪獣が現れる。触手もぬめぬめだ。 「こ、この怪獣は……」 「はっ。エリンノイドにございます。この怪獣の、いかなる薬物をも作成する程度の能力で水道や浄水器から毒物を垂れ流すのです」 「なるほど……。確かにお前の作戦は見事だ。だが、健二よ……。この怪獣には甲殻や骨がない。防御が貧弱ではないのか?」 「心配には及びません。この怪獣はむしろそれが長所なのです。力任せしか知らないメリケンにはどうすることも出来ないでしょう!!」 「グハハハハハ、見事だ健二。もしお前がアメリカ侵略に成功したらお前をサタンデジファー軍の元帥にしてやろう」 「ありがたき幸せにございます。そして、サタンデジファー様。 実はアメリカに送る前に、この怪獣のテストを行いたいのですがその際に頼みが……、ごにょ、ごにょ……」 と何やら怪しげな頼みごとをする健二。 「ふはははは。健二よ。そんなことか。我々は世界征服を一緒に誓い合った仲。その友の頼みを聞くのは当然のことじゃないか!!」 そしてそれを快く受け入れるサタンデジファー様。さすがは大魔王だ。 「さすがは大魔王サタンデジファー様!!ロマンが分かっていらっしゃる」 「がはははは。お前は私を誰だと思っているのだ!?」 「インターネットの大魔王サタンデジファー様にございます」 「分かっているではないか!!」 「さぁ、エリンノイド!!恐怖と混乱を巻き起こすのだ!!」 と健二が景気よく叫ぶ。それを不適に見送る魔王サタンデジファー。 たった今、恐るべき怪獣がこの世に放たれた!! 果たして、グリッドガールの運命はいかに!! ところでその一方。 「グリリン〜。こんなの恥ずかしくって着れないよ〜」 とパレオのビキニを持つマナ。あっちとは違ってこっちは平和そのものである。 「何、言ってるのよ。恋はそんな弱気じゃだめっ。堂々と攻めに行くのよ!!」 と発破をかける緑河光莉ことグリリン。いつもの戦いと違って今回の役目は恋に疎いマナのサポーターである。 「だって〜!!」 「だってじゃないの!!これでも露出の少ないほうなのよ。マナはスタイルいいんだからもっと露出の高いのでも平気だって」 「ううっ〜」 と謙遜するマナ。確かに胸は光莉よりも少し小さいかもしれないが、それでも十分に大きい。 そして着太りをするために脱ぐととんでもないことになるのだ。 「大丈夫だって。これであの根暗もイチコロよ!!」 「健二君は根暗じゃないの!!」 「はいはい。分かった、分かった……」 前作を読めば分かると思うがこの三人は綺麗な三角関係になっている。 その3人が敵味方に分かれて戦うのだから世界は残酷としか言いようがない。 そしてこの二人を待ち受けているのはあのエリンノイドであった……。 そしてプール当日。待ち合わせ場所にて。 「遅いな、緑河……」 と半分呆れ気味に言う健二。時間からは20分が経過していた。 「う、うん。遅いね……」 と、しどろもどろに言うマナ。いきなり好きな人と二人っきりという思いがけない状況に、マナの心臓はドクドクと音を立てていた。 実はこのやり取りはさっきから30回くらい繰り返されている。 「何やってんのよ、マナ!!これだとわざわざ遅刻してきた意味がないじゃない!!」 と自販機の裏から二人の様子を覗いてる光莉。 いつも正義の味方にあるまじき時間意識の希薄さでマナを待たせる光莉であったが、今回はわざとのようだ。 しかし、自販機から様子を見ていたのは5分前からだった。 「あー……。もう、じれったいわね!!」 と傍観をやめて救援に行く光莉。ここは助け舟が必要だろう。 「やっほ〜、お待たせっ!!」 「遅いぞ、緑河!!」 「そ、そうよ!!」 とそれに賛同するマナ。マナのような奥手な子にいきなり二人っきりはハードルが高すぎたのである。 「ごめんごめん。」 と涼しい顔をしてながらそれをかわしていく光莉。 常習犯はやっぱり違う。 ムードメーカーの光莉が揃って話が進む3人。気づけば更衣室の近くまで来ていた。 「じゃ、ここで一旦お別れね」 「あぁ、そうだな……」 「へへっ。せいぜい楽しみにしときないさいよ!?特にマナ。あの子、脱ぐとすごいんだから!!」 「ぐ、グリリン!! じゃあね、健二君」 「あぁ。じゃな」 と行く二人。男子更衣室に健二が入ると携帯に着信が入る。 入れたのは悪の魔王サタンデジファーだ。 「手はずは整っているな?健二よ!?」 「はい。今回の作戦にはあなたの協力は必要不可欠なのです」 「分かっておる。だが、それにしてもお前は鈍いのだな……」 と呆れるサタンデジファー。さすが魔王。鋭い。 「どこがですか?」 だが健二には何も伝わらなかったようだ。 「もういい、私は私で役割を果たすだけだ」 それに対して諦めの表情を見せる大魔王。 「それでは……素晴らしい夏を!!」 と言って更衣室を後にする健二。最後まで何も気づかなかったようである。 しばらく待つと水着に着替えてきたマナと光莉がやってきた。 「やっほ〜。お待たせ。それにしても健二〜。鼻の下、伸びてるんじゃないの?」 「うっ、うるさい。伸びてなんかいねぇよ」 と図星を突かれる健二。やはり男の子だ。 今日の光莉が選んだ水着は控えめなワンピース。マナに配慮した結果である。 だが、それでも瑞々しい光莉の体を隠しきれている訳じゃない。 胸のふくらみはよく分かるし谷間もくっきりだ。そして健康的な四肢もちゃんとのぞいている。 確かに露出は少ないがこれはこれで魅力的だ。 そしてその肝心のマナはタオルを巻いて恥ずかしそうにしていた。 「無理〜、恥ずかしいよ〜」 と叫ぶマナ。だが光莉はそこからタオルを剥ぎ取った。 「あっ……」 と、マナの整ったスタイルが露になる。美少女の光莉に対して、決して見劣ることのないマナ。 確かに胸は少しないがその代わりに全体的にスマートな印象を与え、 胸元もきっちりと強調されているし、ビキニである故にかなり危なげである。 というよりかなり大胆なのでは?ふとももが隠れているのも残念だがそれが細いことは容易に想像がつく。 そして腰のラインもとっても味があった。というより下手をするとずり落ちるのではないかというくらいに。 「ううっ……、変じゃない?」 「に、似合ってるよ……」 と、ひとまずの返事を返す健二。 実は光莉のことが好きな健二でもマナの意外に色っぽい水着にタジタジだったのだ。 そしてそんないい雰囲気の中で 「じゃ、私は何か買ってくるから二人でプールに入っててよ」 と空気を読む光莉。だが健二にとってはそれは非常に困ることだ。 だが、救いの女神が小声で助け舟を出した。 「お、お願い、グリリン、ふ、ふたりきりなんて……、無理……!!」 要するにマナの弱気さが光莉を繋ぎとめたのである。なんという皮肉であろうか。 そしてそれを露知らず。助かったと思う健二。そして三人はプールに入った。 しかし、そこには恐るべき罠が待ち受けていたのだった。 3人がプールの岸からだいぶ離れたところで健二は恐るべき作戦に出たのである。 (たのんだぞ、エリンノイド!!) とエリンノイドに指令を送る健二。するとエリンノイドは恐るべき薬品をプールに垂れ流したのだ!! 「あっ、あれっ?何か変じゃない!?」 「わ、私もそんな感じが……」 「気のせいじゃないか?」 何か体に違和感を感じるマナと光莉。そして平常を装って答える健二。 だが実は密かにシューシューと音を立てて水着が溶け出していたのだった。 しかも、いつのまにか水の屈折率が低くなっていて水は二人の体を隠すことが出来なくなっている。 そんな中、二人の水着を刻、一刻と削っていくエリンノイドの酸。 だが二人はそこまで気づくことはない。だんだんと光莉の青い水着は肌色の面積が増えていく。 マナの水着はしぶとく乳首の近くまで残っていた。だがそれも長く持つものじゃない。 そしてその大きくなる違和感に二人はやっと気づくことになった。 「えっ……、嘘でしょっ!!」 「や……、やだっ!!」 と悲鳴にしてはおとなしい声をあげる二人。パニックに陥ってた二人は体を隠すことすらままならなかった。 そして、とうとう二人の水着は溶け落ちていって、もう二人が気づいたときに二人はもう裸になってしまっていた。 「「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」」 と慌てて裸を隠す二人だが、それもまた魅力的な姿勢である。 当然、健二はそれを知らぬ振りして溶ける一部始終をしっかりと見ていたのだった。 あまりにも直接的な刺激に健二は我を見失っていた。 実はこれが今回の健二の目的だ。アメリカの水道云々はあくまで口実にすぎなかったのである。 そして慌てた振りをして自分も合わせる健二。だがその下には溶け出す前から放っていたタイヤのついた水中カメラがあった。 それで一部始終を撮っていたのだ。操縦はサタンデジファー様。健二の怪しげな頼みごとの正体はそれだったのだ。 ついでにこれは回収せずにエリンノイドの酸で分解するつもりだ。 他にもエリンノイドにはプールの監視カメラをハックさせていて他の客のも撮るように命令をしていた。 健二はこういったことをやらせるとぬかりがないのである。 当然、この効果はプール全域に及んでいてプールは阿鼻叫喚の地獄絵図かつ夢に溢れる桃源郷と化していた。 周りでは3人の仲良しグループが一気に脱がされて円陣を組んでいたりしていた。 他にもすらりとした手足を持つ水泳部の女の子は泳いでる最中にそれに気がつき慌ててそれを隠していた。 またプールサイドが安全かと言われればそうではなく、 エリンノイドの操作を受けたシャワーは暴走して片っ端から女性だけを襲っていた。 まず手始めに動き出したのはスナイパーシャワーだ。 ビキニを着た無防備な女性に背後から狙いをつけて水を放つシャワー。 それは見事にブラの紐と腰の紐に命中させた。ウェー○ーもスト○トスも顔負けの精密射撃だ。 見事に恋人の前でブラとパンツがはらりと脱げ落ちてしまう女性。だが本人は気づかない。 しかし、それを恋人はそれを目の当たりにしていた。恋人の顔が赤くなる。 「何か変でしょうか?」 「えっと……、その……」 「変なひ……きゃぁぁぁぁぁぁぁ!!」 とやっと自分の水着が脱げていたことに気づく女性。 思わず恋人を殴ってKOを奪い取る。 水着は使い物にならなくなっていたので女子更衣室まで慌てて走っていった。 その後、何人もの女性がそのスナイパーの犠牲になった。 そして、その向こうの方でも地獄絵図が展開されていた。 「あっ……、いやっ、来ないで……、きゃぁぁぁぁぁぁぁ!!」 と3台のシャワーに包囲されて、じわじわと裸にされる10人くらいのOL。 あまりの恥ずかしさに思わず床に座り込んでいた。 また知略にたけたシャワーになると誘導巧みに女の子をプールサイドまで追い詰めていた。 「や、やめろよ、冗談じゃねぇぜ……」 と追い詰められる気の強そうな女の子。まだ彼女のビキニは無事だった。 だが今は強気ではいられないようだ。 前はシャワー。後ろにプール。どっちにしろすっぽんぽんは免れない。 そしてシャワーが最後の一撃を放つ。 「ちっ……、しまった!!」 必死にそれを回避してプールに落ちてしまう少女。 「ま、マジかよ……」 だんだんと穴だらけになっていく彼女のビキニ。 布面積の減少が強気な彼女を羞恥と恐怖に陥れた。 「ひゃぁぁぁぁぁぁぁ!!」 水着はいとも簡単にそれは溶け落ち、さしもの彼女も悲鳴を上げたようだった。 そんな彼女の顔はすごく真っ赤だった。 その一方では一人の女の子のすらりとした脚を締め付け捕獲しているシャワーがあった。 「ね、姉さんを放して!!」 と妹がかけよる。妹もなかなかの美人にそんな情緒が理解できるわけがない。 と、妹に素早く水をかけるシャだ。 「だめっ、私に構わず早く逃げて!!」 と妹想いのお姉さん。だがエリンノイドワー。 「きゃぁぁぁぁぁぁぁ!!」 とプールサイドに虚しく響く妹の悲鳴。 どうやら妹の方が早く脱がされてしまったようだ。 そして妹も捕らえようとするシャワー。 「だめっ!!」 と食い止めようとする妹さんより胸の大きなお姉さんの方にも水をかけるシャワー。 お姉さんの水着が徐々に溶けていく。 「いやぁぁぁん!!」 と水着の大部分が溶かされた上にシャワーはするりと手から逃げて行ってしまう。 そして妹の脚も絡めとり囚われの身となる姉妹。 シャワーはトドメと言わんばかりに彼女たちの股間目掛けて水を放射する。 微妙に残っていた最後の布地は溶けて白日のもとに晒される秘所。 そればかりかその液体は彼女の恥毛までを溶かしていった……。 更衣室に逃げることが出来ずにさらし者になる姉妹。 二人は顔を真っ赤にしていた。 そして二人の姉妹はしばらくの間、解放されることはなかった。 ついでに、この液体は体に害はないのでご安心を。 その状況を体育女子大生のプール監視アルバイトは見ているが何も出来ずにいた。 彼女の性格は本来は陽気なのだがこの状況はさすがに慌てざるをえなかった。 だが、せいぜい彼女に出来るのは、 「慌てないで下さい、落ち着いて、冷静に行動してください」 と拡声器で喋ることくらいではあるし、それは虚しく聞き流されていた。 そしてそんな彼女に後ろから近づくシャワー3機。 気づいたときにはもう包囲されていた。 しかも見張り台の上にいるので逃げ場もない。 「な、何?め、迷惑行為はやめ……!!」 本当に恐い時は人は何も言えないようである。 そして3台のシャワーに羽織っていたシャツごと一斉に脱がされる監視員さん。 「きゃぁぁぁぁぁぁ!!」 慌てて手で隠すが、彼女のスタイルの良さは手で隠しきれるものじゃない。 しかも監視台は彼女の処刑台と化していた。 なぜなら梯子を降りるためには手足を使って無防備な姿勢をとらないといけないからだ。 監視員にそんな決断は出来なかった。 つまり今の彼女は目立つ監視台の上で必死に素肌を隠して羞恥に堪えることしかできないのである。 3機のシャワーは次の獲物を探しに言った。 晒し台の上には全裸の女性が恥ずかしそうに裸を隠していた。 「何でこうなるの〜!!」 それは彼女の魂の底から叫びだった。 放送室では「じろじろ見ないで下さいとか」「早く更衣室に避難してください」とかを言っているオペレーターがいるが、 その放送もエリンノイドにジャックされが明るく神秘的なゲームミュージックが流れていた。 そんな中にスプリンクラーの水がオペレーターさんにかかる。 「やっ、やだっ、なんで私たちまでっ!!」 「は、恥ずかしいよ〜」 と二人が逃げても追いかけてくるスプリンクラー。 「あっ、あぁぁあっ!!」 「いやぁぁん!!」 初めにシャツが。次に胸の先端が。そして最後にはなにもかもがなくなっていった。 しかも、きっちりとこういった声だけは拾っているのだからタチが悪い。 さらに追い討ちを掛けるように放送室を外部からロックするエリンノイド。 閉じ込められた全裸のオペレーターさん。裸を隠しながら扉をドンドンと叩くが効果はないようだ。 その手際は見事としか言いようがない。しかも監視カメラでその様子を記録しているのだからサタンデジファー様も大喜び間違いなしだろう。 そして、いきなり裸にされてパニックに陥った光莉は手でそれをかくすと女子更衣室まで走っていった。 年頃の乙女がそういうことになったらそういった行動をとるのも無理はなかった。 その無防備なおしりを目で追いかける健二。 もう死んでもいい。彼はそう思った。 そして辺りを見回す。エリンノイドは熱心に仕事をしていたようだ。 というより張り切りすぎの感じもする……。というより、やりすぎだ。 マナはその横で顔を真っ赤にして裸を必死に隠していた。 もはやプールはエリンノイドに支配されてしまっていた。 恐るべし、エリンノイド。 果たしてこのエリンノイドにグリッドガールはどう戦いを挑むのだろうか!? SS一覧に戻る メインページに戻る |