時間が止まった
シチュエーション


毎日毎日暑くてダルイ
エアコンも壊れちまってるが直す金も無いからどうにもならない
しかたなく近所のスーパーに涼みに行こうと向かってるところで
小学生の女子ガキどもがプールバッグ持ってキャッキャッ
と楽しそうに歩いていやがる場面に出くわした

(「こっちはプールに行く金も無いのにテメエらは親の金で遊びに行くんだろ?」)

ムカムカしてきて

「暑くてやってらんねんだよ!!!」

思わず声に出して思いきり叫んじまった
女子ガキどもが歩みを止めてる
いや、女子ガキどころか飛んでいる鳥も空中で止まっている?

「神が俺にプレゼントをくれたか…」

俺は呟きながら固まっている女子ガキどものところへと近付いていった

とりあえす女子ガキどものとこに着いた俺は女子ガキのうちの1人のポケットを探り
中から財布を取り出した

「こう暑くちゃ、やってられねえからな」

呟きながら近くの自販機に歩いてく
自販機で飲み物を買おうとしたが自販機が動かなかった

「ちっきしょう!自販機も動かないのか!」

再び女子ガキどもの所に戻るとプールバッグの中を漁ってみる
中に水筒が入ってた
俺はそれを取り出すと飲み始める
普通に飲める様だが
周りが止まってるのに何故飲めるのかとか俺はそんな事は気にしない

(「このチャンスをどんな事に利用しようか…銀行に忍び込むか…宝石を盗むか…」)

俺はそんな事に考えを巡らしている
冷たい飲み物のお陰で大分落ち着いてきた
しかし一瞬の変な感じと共に周囲の音のざわめきが発生したかと思うと段々と大きくなってくる
女子ガキどもも動き始めてる!?

(「時が…動き出した!?」)

一番近くにいた女子ガキのうちの1人と眼が合う
その子の眼が段々と見開かれてきたかと思うと

「キャー」

と叫び声を上げられ、そして防犯グッズを手にしたかと思うも束の間

『ビビビッビビビッビビビッビビビッビビビッ』

大きな音が辺りに響き渡る

「ちくしょうっ」

俺は一目散にその場を後にした

部屋に逃げ帰った俺は汗だくだが嫌な悪寒が背中を襲って離れない
水を飲んで落ち着くと冷静に少し考えてみる

(「周りには他の人間がいなかったから見られてはいないはず…」)
(「あのガキも突然目の前に俺がいたのだから俺の事は覚えてないはず…」)

俺は自分に言い聞かせる
しかし不安は拭いきれずドアも窓の鍵も閉め切り部屋の中でじっとしていた
夜になりどうやら近所でも騒いでる様子が全く無いと分かると
やっと落ち着いてきだが鍵を開ける事は出来なかった
蒸した部屋で汗だらけだが気にせず布団に寝転ぶと自分の身に起きた事を考えてみる

(「あの時、突然時間が止まった…何故止まった?…何があった?」)

しかし考えても何も出てこない、そして後悔が始まる

(「時間が止まってる間に金を盗みにいけばよかった…」)
(「あれも手に入った…憎いアイツにも仕返しが出来た…好きなあの子を自由に出来た…」)

閉め切られた蒸し暑い部屋で後悔だけが広がっていく

(「何故やらなかったんだ…」)
(「畜生…」)
(「畜生……」)
「チクショーーーーッ!!」

周囲の音が消えた
ボロアパートだから普段から隣の声や外の音も漏れて聞こえるのだがそれが聞こえてこない
俺が怒鳴ったから隣人が黙った感じではない
俺はある予感を感じて静かにドアの鍵を開けると慎重に外の様子を伺い出て行く

外に出てみるとやはり周囲のざわめきが無い
少し歩いてみると仕事帰りのサラリーマンらしき男が歩き姿のまま止まっている

(「また、時が止まった…」)

部屋の中ではあれこれ後悔していたが、再び止まっている現状を前にすると意外と冷静になっていた

(「何故、再び時が止まった?」)
(「確かあの時は5分位しか止まっていなかったはず…」)

昼間の事を思い起こし止まっている男の視界に入らない所から、その男の様子を伺う事にした
感覚的に10分位見ているが男が動く気配は全く無い

(「時間じゃないのか?…後はあの時何があった?…」)

俺は自分のポケットの中の小銭に気がつく
昼の女子ガキのもので財布はあの場に置き忘れてきたが小銭がまだ残っていたのだ
俺は男の後方に回り込み男の肩をトントンと叩くと

「これ落としたようですよ」

と小銭を持った手を見せ声をかけた
しかしそれでも男は動かない

(「何故なんだ?今度は動き出さないのか?」)

俺は男の懐に手を入れ財布を見つけ、抜き取ると一目散にその場を離れた
離れた所から男の様子を伺うが未だ動き出す気配が無い

(「本当に今度は動き出さないのか?…」)

手に入れた現状と初めての時のようにいつ動き出すか分からない不安が入り混じる

(「取り合えずこの男にどうこうされる可能性は0だから少し冷静に考えよう」)

俺はその場を離れ歩き出す
途中で野良猫を見かけたがやはり固まったまま動かない

(「何故なんだ?どうしてなんだ?」)

頭の中を同じ思いが駆け巡るが答えが出ない

(「後はあの時何をした?…」)

陽は落ちたとはいえ熱帯夜で蒸しているので汗を滲ませ歩き考え続けていると
目の前に、客が入りかけて自動ドアが開いてるコンビニが見えた

(「ちょっと涼むか…」)

中に入ると冷たい冷気を感じる

「ふー涼しい、ここで少し考えるか」

しかし、一瞬の変な感じと共に周囲の音のざわめきが発生し始めた

(「ヤバイ」)

感じたが早いか俺は直ぐにコンビニを出て物陰に隠れる
音のざわめきは段々と大きくなりコンビニの入り口近くにいた客も動き出した

(「また…時が動き出した…」)

今度は何も問題は起きてないが、俺は散歩してる一般人を装いつつ早足でアパートまで急いだ

アパートに辿り着き、ドアの鍵を閉めてやっと気持ちが少し落ち着いた
まだ汗だくのままだったが、部屋の布団の上で今日起こった出来事を思い返す

(「確か2回目の時は…」)

「チクショーーーーッ!!」

いきなり大声を張り上げる
するとまた、周囲の音が消えた

「この感じは…」

外に出て様子を確認してみる
遠くに確認しに行くまでも無く隣に住んでる住人が中途半端な状態で止まっているのが窓の隙間から確認出来た
俺は部屋に戻り考える

(「何となく時をまた止める事は出来た。後は解ける条件さえ分かれば…」)

冷蔵庫から冷やしただけのただの水を取り出しグイッと飲む

(「条件は何なんだ…」)

考えていると、変な感じと共に周囲の音のざわめきが発生し始めた

(「なんだ?!まだほんの数分しか経ってないはずだぞ」)

俺は翌日の昼位になるとメールを入れておいた友人に会いに行く
そしてその友人に借金して借りた金でサウナスーツを購入した
直ぐにサウナスーツに着替えマスクまで着ける
適当にジョギングで走りながら途中シャドーの真似事をしてボクサーを装いながら目的地に向かう
その途中で昨日の女子ガキども3人を見かけた
またプールバッグを持ってるから今日もプールに行くのだろう

(「銀行で金を盗むつもりだったが丁度いい。実践練習がてら昨日の礼をしとくか」)
(「さ〜て、どんなお礼をしてやろうか…」)

適当に横道に入りながらも女子ガキどもを見失わないようにジョギングを続けながら考える

(「よし、決まった」)

俺はマスクの下で厭らしい笑みを浮かべた
女子ガキどもがプール施設に入って行くのを確認してから俺はその施設の周りをジョギングしている

(「そろそろ、いいかな」)

「暑いんだよ!!」

俺は大声を張り上げた、途端に周囲の音が消え時が止まる
昨夜あれから色々試した結果、俺が糞暑さを感じてる時に大声を張り上げると時が止まる事がわかったのだ
友人に借金してまでサウナスーツを買った理由はこれである
プールの施設の中に入りあの女子ガキどもを探すと

(「いた!生意気にビキニかよ。でも丁度いいや」)

スクール水着でなくビキニタイプの水着を着たガキどもがまさにプールに入ろうとしている所だった
俺は女子ガキどもの所に行くと上の水着の結び目をほどき、パンツは脇の部分を無理矢理引き裂いた

「さて、最後に残ったオマエは昨日の防犯グッズのガキだな」

3人の内、2人の水着に仕掛けを終えた所で最後のガキにとりかかる

「オマエは人を集めるのが好きなようだからな、お望み通りにしてやるよ」

俺は防犯ブザーのガキを少し動かし脚をプールの縁に持ってくると
足首に付けてたロッカーの鍵ゴムを引っ張り余分な水抜き用の排水網に鍵を絡ませる
水着は他の子と同じように裂いたが、両方とも抜き取ってプールに投げた

「よし、OK」

俺は準備を終えると男子更衣室に向かった
適当にそこらで着替えてる男から海パンを取ると

「この状況じゃ、ここからは時間が勝負だな」

俺は呟き、急いでサウナスーツを脱ぎロッカーにしまうと海パンを穿いてダッシュした
汗をかいた身体に風が気持ちいいと感じるも束の間、周囲の音のざわめきが発生し始める
急いで女子ガキどもから少し離れたプールの中に入り込むと日常の音が戻った
そして

『キャー』

例の女子ガキどもが2人は水着を押さえ、もう1人は全裸でしゃがみ込みながら悲鳴をあげている
時の停止の解除条件、昨夜色々試した結果それは俺が涼しさを感じるとどうやら解けるという事だった
女子ガキどもの周りには何事かと、段々と野次馬が増え始めている
当の女子ガキどもは、2人は水着の胸と股の部分を手で押さえて隠してるが尻の部分は水着が捲れて丸出ししてる
防犯ブザーのガキの方は全裸のうえ排水網に鍵を絡まらせた片脚がその場から動かす事が出来ずただ丸くなる事しか出来ない
やがて大きくなった野次馬を分け入って何事かとプールの監視員がやってきた
暫く何やら女子ガキどもと話し合ってたがやがてその場を離れてタオルを持って戻ってきた
女子ガキ2人にタオルを渡し防犯ブザーのガキにタオルをかけている
排水網に絡ませた鍵は別に複雑にした訳ではない
直ぐに解かれるといまや膨大に膨れ上がった野次馬の中をタオルを巻いた女子ガキどもが監視員に連れられて行く

(「お礼はまだこんなものじゃないぜ」)

俺は事の全てを見ながら防犯ブザーのガキに冷たい視線を送ったのだった…






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