シチュエーション
暗い倉庫の中に、二つの人影があった。 「この私が、あんたみたいなガキに捕まるとはね…」 「…」 人影の一つ、床に寝転んでいる方が、そのすぐ隣で座りこんでいる影に話しかけていた。 「さぞご満悦でしょうね。世紀の大怪盗であるこの私を捕縛できたのだから」 「…」 寝転がった大怪盗は饒舌に語るが、座る影は何も言わない。 大怪盗は苛立った。 「ちょっと!何とか言ったらどうなの!!?」 「…うるさい」 ここで初めて、座る影が言葉を発した。と同時に、左手を乱暴に振る。大怪盗の右手は、座る影の左手と手錠で繋がれていたため、寝転ぶ大怪盗は腕をひっぱられ、その体を床で擦ってしまった。 「ひゃぁうっ!」 その瞬間、愉悦の混じった声が上がった。寝転んでいた影が身をよじる。ただの少し、床で胴を擦っただけ。それだけなのに、堪えがたい刺激が大怪盗の身体を走ったのだ。 SS一覧に戻る メインページに戻る |