怪盗アクアメロディ外伝 美音のドキドキ帰宅ミッション!2
シチュエーション


ガサゴソ、ガサゴソ。

月明かりが照らす闇夜の道を四角い物体が駆け抜ける。
子供がすっぽりと納まるくらいの大きさのそれはダンボール箱だった。
電柱から電柱へ。
移動のたびににょきっと足を出しては移動する箱は客観的に滑稽でしかない。
だが、中の人こと水無月美音は真剣だった。
何せ、なんとか塔亜邸から脱出したものの、その際のいざこざで着衣をほぼ全て奪われてしまったのだから。

「でもよかった、ゴミ置き場にダンボールがあって…」

塔亜邸の塀を乗り越えた段階で美音に残されていた着衣は靴だけだった。
はっきりいってフルヌードといっても差し支えない状態。
そんな格好のまま数キロの道を帰宅するなど年頃の乙女には耐えられるはずもない。
とはいえ、ダンボールを被っただけというのも十分恥ずべき格好ではあるのだが。

「はぁ…せめて靴がちゃんと動いてくれれば」

一つため息をつきながら周囲を警戒。
本来、怪盗アクアメロディの衣装の一部として身につけられている靴には様々な機能が搭載されている。
だが、風見のとの戦いでその機能は全て破壊されてしまったため、今はただの靴に過ぎない。
タクシーや電車が論外である以上、美音が自宅に辿り着くためには徒歩という手段しかないのである。

「ふぅ、ここまで来れば一応は大丈夫よね」

周囲に人がいないことを確認し、よやく一心地をつく。
ここまで来れば自宅までは相対した距離は残っていない。
塔亜邸を脱出し、ここまで来るには数々の苦難とハプニングが少女を待っていた。
ある場所では酔っ払いに小便をかけられそうになり、ある場所では野犬に追い立てられる。
またある場所ではホームレスの縄張り争いに巻き込まれそうにもなった。
他にも数々の苦労があったのだが、精神衛生上の都合で割愛する。
とにもかくにも、怪盗少女改めダンボール少女こと美音は波乱万丈の夜をようやく終わらせようとしていた。

「早く帰ってシャワーをあび――」
「盗みだ! 宝石が盗まれたぞー!」
「くそっ、手荒な真似を…!」
「ホホホ、この怪盗アクアメロディを捕まえられるかしら!?」
「――たいって、ええっ!?」

しかしその瞬間、後方から聞こえてきた叫び声に美音は思わず振り向いてしまう。
自分は今ここにいるのにアクアメロディがでたとは一体どういうことなのか。
混乱しかける美音だが、聞こえてくる足音に慌てて手足を引っ込めてダンボール箱の中にうつぶせる。
すると、複数の足音がダンボール箱の横を通過していく。

(な、なんなの…あれ…?)

隙間から通り抜けていく影を覗き見た美音は思わず呆然としてしまう。
影は三つあり、そのいずれもが人影だった。
その中の先頭の影――女は目元に仮面、ミニスカートに軽装とアクアメロディと同じような格好をしていたのだ。
月明かりのみが光源のため細部までは見えないが、成程確かにこれならアクアメロディといえなくもない。
が、本物がここにいる以上、今逃げていく女は紛れもなく偽者だ。

(また偽者…?)

怪盗アクアメロディはその知名度とは裏腹に、外見の情報露出が非常に少ない。
故に大半の一般市民は怪盗の容姿を知らず、それ故に彼女の名を語る偽者の出現も珍しくはなかった。
とはいえ、その大半は見た目はおろか盗みの腕すら本物には遠く及ばないためすぐに警察に捕まってしまう。
中には、美音自身が処断した者すらいるくらいだ。
おそらく今駆け去って行く女もその類だろう。
よりにもよってこんな時に…
見て見ぬふりをしても良いのだが、相手は自分の偽者である。
しかも状況的に見て捕まる様子もないし、このままでは下手すると怪盗アクアメロディの名前に傷がつく。
今の格好が格好だけに、できれば係わり合いになりたくないのだが、そうもいってはいられない。
こうしている間にも偽者との距離が開いていく。
後ろからは警備員たちが迫ってくる。
美音は、少し泣きたくなりながらもダンボールから足を出すと偽者の追走を開始するのだった。



「オーホッホッホッ! 大量、大量ねっ!」
「ですねー。いやー上手くいきましたねドロボ様」
「コラ、今のアタシはアクアメロディだよ!」
「おっとそうでした、すみませんアクマメロディ様!」
「アクマになってるぞアニキ。しかし思ったよりも警備が手薄で助かったっすね」
「運も実力のうち! 仮に失敗してても責任は全部本物に行くわけだし、こりゃやめられないねぇ」

アジトの中、偽者アクアメロディの女を始めとした三人組が高笑いをあげていた。
この三人、駆け出しの怪盗チームで腕は実のところそれほど大したことはない。
本来ならば今回の盗みも失敗の可能性のほうが高かったのだが、
警官隊の大半が塔亜邸へと向かっていたため彼らへの追跡が甘くなっていたのである。
実にこの三人、悪運が強いといえよう。

「…ところでさっきから不思議に思ってたんだけど」
「ああ、俺も思ってました。あんなところにダンボール箱おいてたっけ?」

ひとしきり高笑いを終えた三人はふと見慣れぬ物体がアジトの中にあるのを発見する。
それは部屋の隅に鎮座しているダンボール箱だった。

(…み、見つかった?)

密閉空間の中、たらりと冷や汗を流す美音。
上手く追跡を続け、偽者たちのアジトを突き止めて潜入したまでは良かった。
だが誤算だったのはあまりの物の少なさ。
ダンボール箱が一つあるくらい疑問に思われないだろう。
そう思っての潜入だったのだが、物がほとんど置かれていないとなってはいかなダンボール箱とはいえ目立つのは必然だった。

「怪しいねぇ。ちょっと調べてみなさい」
「おいーす」
(こ、こっちに来る)

痩せ気味の男がドロボと呼ばれていた女に命じられて近寄ってくる。
正直、三人とも大した腕には見えないので一対三でも特に問題はないだろう。
そう判断した美音は意を決してダンボール箱ごと立ち上がった。

「うわっ、ダンボール箱が浮いた!?」
「馬鹿! 中に人がいたんだよ!」
「ス、ス〇ーク!?」
「人の名前を勝手に語り、悪事を働くなんて許せない。この怪盗アクアメロディが貴方たちを処罰します!」
『えーっ!?』

三人組の驚愕の声がアジトの木霊する。
怪しげなダンボールから人が現れたと思えば、その人物が本物のアクアメロディを名乗ったのだからそれも当然だ。
だが、真面目に驚いているのは小太りの男だけだった。
数瞬後、白けたような二つの視線が美音を貫く。
思わぬ相手の反応に怪盗少女は僅かにひるんでしまう。

「な、何よその反応は…」
「いや、だってなあ?」
「そんな格好で本物でございって言われても」
「え、ほ、本物じゃないんっすか!?」
「どこにダンボールをコスチュームにした怪盗がいるんだい!?」
「あ…」

そこでようやく気がついたように美音は自分の姿を見下ろした。
胸元から膝上までを覆うダンボール以外は全裸、顔にはダンボールの切れ端とゴムで作った即席の仮面。
これで本物だというほうがどうかしている。

(い、いけない。つい…)

色々あったせいでテンションがおかしくなっていたが、冷静になって考えると今の自分はかなり間抜けだ。
そもそもこの状況では名乗る必要性すらない。

(だ、だけどっ)

やってしまったものは仕方がない。
そう気を取り直した美音はキッと三人組、とりわけリーダー格の偽者を睨み付けた。
こうして明るい場所で見てみると、偽者にはかなり粗があった。
本物を見たことがあるのだろう、格好こそは似せているようだったが、肝心の中身が似ても似つかない。
歳は四十近くだろうか、微妙に小じわが見える肌。
ややたるんだお腹にくびれが少ないウエスト。
そしてほとんど隆起のないバスト。
別段スタイルを誇っているわけではないが、それでもこのような女に名前を語られるのは著しく不快だ。
その怒りが視線を強め、なんとしてもこの三人組を退治しなければという使命感が湧き上がる。

「ふん、小娘が。大方本物に憧れてるだけの一般人なんだろう? お嬢ちゃんは変態に襲われる前におうちに帰りな!」
「誰が帰るものですか。そっちこそさっさと警察に自首しなさい、この偽者!」
「この怪盗かぶれの小娘が…あんまり舐めた口を聞いてると酷い目にあうよ?」
「そうだそうだ、えっちぃことしちゃうぞ!」

胸元から覗く胸のふくらみに誘惑されてしまったのか、ふらふらと不用意に痩せ気味の男が美音へと近づく。
だが、その無防備さは怪盗少女からすれば絶好のカモでしかない。
美音の足が持ち上がり、ダンボールの裾からチラリと肉付きの良い太ももが覗く。
痩せ気味の男はそれを近くで見ようと頭を下げ、次の瞬間。
ドガッ!

「ぶげっ!?」
「あ、アニキ!? こ、このーっ! ってウボァッ!?」

顔面に蹴りの直撃を食らい、男がすっとんでいく。
それを見た小太りの男が敵討ちとばかりに襲い掛かってくるも、やはりこちらもあっさりとキックの一閃で床に沈んでしまう。

「や、やるじゃないのさ」
「さあ、盗んだものを返して! 自首なら罪は軽くなるわよ?」
「えらそうな口を。ザコ二人を倒したからといっていい気になるんじゃないよ!」

本物と偽者。
二人の怪盗アクアメロディが睨み合う。
だが、口調とは裏腹に偽者の女はその場から一歩も動こうとはしない。
怖気づいたのかといぶかしむも、それならば何故逃げ出さないのか。

(…ひょっとして、罠?)

偽者の少し前にある床に赤い丸が書かれている。
普通に考えれば、そこに罠が仕掛けてあるのは間違いない。

(なんか、馬鹿にされているような…)

真剣にとりあっているこちらが馬鹿みたいに思えてくる陳腐な罠だ。
落とし穴でも掘ってあるのだろうが、人を馬鹿にするにもほどがある。
最新の技術によって配備された数々の罠を潜り抜けてきた怪盗に向かってこれはない。

「そっちがこないなら、こっちから行くわよ!」

一直線に駆け出すと、ニヤリと偽者が笑うのが見えた。
いよいよあの赤い丸が罠であることは間違いなさそうだ。
苦労の連続だった夜の締めがこんな馬鹿たちの相手だとは今日はどういう厄日なのか。
美音は心中で深い深いため息をつきながら赤い丸の前でサイドステップをする。
刹那、驚愕に覆われる偽者の表情が見える。

(わかりやすすぎる…)

横には何もあるようには見えない。
男たちと同じように一撃入れて終わらせよう。
そう考え、片足を踏み込んだ瞬間――その足が何かに捕らわれた。

「えっ!?」

それは完全に相手の弱さと馬鹿さを見くびったがゆえの油断だった。
普段ならば起こすはずがなかったミス。
だが現実に美音の左足は床下から現れた縄に締め付けられ、そして一気に持ち上げられていく。
古典的ともいえる縄による吊り下げ捕獲トラップだ。

「きっ…きゃあっ!?」

踵落としのような体勢で大開脚を強いられた美音は羞恥の叫びを上げる。
ダンボールの下は何も穿いてないので思い切り股間が晒されてしまう格好だ。
だが縄は更に巻き上がると少女の身体を宙に持ち上げる。
爪先立ちになっていた右足が床から離れ、美音はあっという間に逆さまに吊るされてしまう。

「ふふん、いい格好じゃないか」
「く、うっ…」
「どうだい、アタシの華麗な頭脳プレーは!」
(自分で言う…?)

呆れる美音だったが、罠に引っかかってしまったのは事実である。
あからさまな罠の傍に本命の罠を仕掛ける。
トラップ設置の中でも基本中の基本だった。

(あれが演技だったなんて…ちょっと見くびりすぎてた…!)

あまりにもそれまでのやり取りがバカ丸出しだったということは言い訳にすらならない。
結果が全て、捕まってしまったという現実は覆せない。

「くっ…」

なんとか縛めから逃れようと身体を振ってみるもギシギシときしむ音がするだけだった。
なまじ片足だけが吊られているという状態もまずい。
ただでさえ逆さまという状態なのに、片足が吊られることによってバランスが取りずらくなってしまっているのだ。
じわじわとピンチであるという実感が湧いてくる。
風見のときと比べて危機感こそはそれほど湧かないが、この状態ではロクな抵抗もできないのも確かだ。

「さぁて、暴れん坊の子猫ちゃんにはどうオシオキしてやろうかねぇ」
「この…下ろしなさい!」
「おやおや、まだ自分の立場がわかってないと見える。これはちょっとおとなしくさせる必要があるようだね」
「ちょっと、こないで。何を…」
「なあに、その邪魔っけなダンボールを引っぺがすだけさ」
「え……ちょ、ちょっと!? あっ、ダメ!?」

吊り下げられている状態でも辛うじて身体を覆っていたダンボールへと偽者の手が伸びる。
そうはさせじと美音も抵抗をするが、この体勢では抵抗らしい抵抗すらできない。
あっという間に乙女の肌を守るダンボールはつかまれ、派手な音を立てながら引き裂かれてしまう。

「やっやめなさい、ダメよっ!」
「なんだいなんだい、下はすっぽんぽんかい!」
「や、やめてっ」
「やなこった。ほうら、びりびり〜! アッハハ! いいザマだよ!」
「うぅっ…」

再び丸裸に剥かれてしまった美音は咄嗟に両腕で胸と股間を隠す。
いくら見ているのが同性とはいえ、恥ずかしいものは恥ずかしい。
それに倒れている男たちもいつ目を覚ますかわからない。
熱が頭へと下り、少女の顔が赤く染まっていく。

「ふん、そんな格好をしてるくせに一丁前に羞恥心はあるようだね」
「あ、当たり前でしょう!?」
「うるさいねぇ。それじゃあ…お次はそのツラを見せてもらうよ」
「あっ、や、やめなさい! 触らないで!」
「やめろと言われてやめるもんか。こんなボロっちい仮面で隠すくらいなんだ、さぞかし不細工なツラをしてるんだろうね?」

ダンボールで作られた即興の仮面に手が伸びる。
本物だと認識されていない今、仮に素顔を見られたとしてもアクアメロディとしては特に被害はない。
だが、一人の女の子としては非常に困る。
たとえ相手が警察でもなく、面識もない相手だったとしても素顔を見られるということは水無月美音という個人を認識されるということだ。
まさか自分の素性を調べて脅しをかけてくるなどということはあるまいが、不安は残る。

「いやっ! もう、放してよっ!」
「やなこった。そらっ!」
「ああっ…」

美音は胸と股間が見えてしまうのも構わず両手で必死に抵抗する。
しかしいかんせん吊り下げられている状態ではバランスがとれずに力を上手くこめる事ができない。
健闘むなしく少女の仮面は偽者の手に落ちてしまい、仮面の下の素顔が露出した。
慌てて両手で顔を覆うが、偽者は問答無用で少女の両手を振り払ってしまう。

「なんだい、本当に小娘じゃないか! それに…なにさ、それは!」
「えっ」

偽者が突きつけた指の先にあるのは美音のおっぱいだった。
豊かな二つのふくらみは逆さまにされてもほとんどたれずに綺麗な半球を描いたままその存在を誇示している。
男ならば誰でも見とれてしまうであろうそれを、偽者の女は親の敵のような視線で睨み付けた。

「最近のガキは頭の中身に反比例するように発育ばかりよくなりやがって…何食ってそんなデカパイを作ったんだい!?」
「な、何を言っているの!?」
「うるさいうるさい! こんなモノ……こんなモノッ!」
「あ…ちょっ、あんっ!?」

ぐわしっ!
そんな擬音が聞こえてきそうな勢いで偽者は美音の両胸を掴み握る。
余程大きな胸に恨みでもあるのか、乳房を千切りとらんばかりの勢いだ。

「い、痛い痛い!」

当然そんなに乱暴にされては持ち主である美音はたまらない。
だが偽者の手は止まらず、ぐにぐにとバストを揉みつぶしたりぐりんぐりん掴みまわしたりと好き放題だった。
恐らくは自分が貧乳なことがコンプレックスなのだろう。
私怨が入りまくった責めに美音はたまらず非難の声を上げる。

「やめて、やめてってば! この…おばさん!」
「なっ!? 言うに事欠いてこの小娘! 誰がおばさんだって、このっ!」
「あうっ…もう、そんなところ叩かないでっ!」

偽者の平手が美音の肌を打つ。
といっても叩かれているのは頬やおしりではなく怒りの元となっている胸の双子山だった。
ビシッ、バシッ!
まるで振り子のようなリズムで豊かな二つの果実が右へ左へと振り回される。
見た目はかなりアレな状態だが、縦横無尽に弾んで揺れるおっぱいは大迫力だ。
幸いにも、男二人は気絶したままだが、もしも彼らが起きていれば悶絶もの間違いないスパンキングである。
あまりの痛みに美音の身体から徐々に力が失われていく。
股間を少しでも隠すためにと閉じられていた右足がくたりと垂れ下がった。
自然、開脚の形になった少女の体位はエロビデオの女優顔負けの淫猥なポーズとなってしまう。
しかしそのことに対して偽者の女も美音本人も気をとられることはなかった。
既に偽者のほうは目がイきかけているし、美音のほうは痛みに耐えるので精一杯だったのだ。

「ハァッ…ハァッ…」

が、全力で腕を振るっていれば女の身ではすぐにバテる。
偽者は肩で息をしながら、それでもなおキッと美音の乳房をにらみつける。
もはやここまで来れば目的が手段に摩り替わってしまっているといっていいだろう。
対する美音は薄赤くはれた自分の胸から伝わるヒリヒリ感に嘆くばかりだった。
命の危険はなさそうだが、このままでは別の意味で危険だ。
だが、どうにかして脱出しなければ、と思案をめぐらせようとした美音の目に驚愕の光景が映った。
偽者が鞭を持ち出したのである。

「ふ、ふふふ…これで叩けば、そのでっかい脂肪も減るんじゃないかねぇ…」
「ちょ、ちょっと、本気なの!?」
「アハハハハ!」

当たり前だが美音にSMの趣味はない。
このままでは鞭で胸を拷問されるという変態プレイを施されてしまう。
しかし今の状況を脱する術がすぐに思い浮かぶわけもなく、少女の目に大きく振りかぶった年増の姿が映る。
鞭打の恐怖に思わず目をつぶる美音。

「あ」

だがその瞬間、汗で手元が狂ったらしく、鞭が思わぬ場所を切り裂いた。
それは美音を縛るロープだった。
当然、左足は開放され、床に着地した少女は自由の身となる。

「よくも、やって――」

後はもう説明するまでもない。
裸の少女に叩きのめされる女の姿があるだけだった。
なお、この翌日、警察署の前に件の三人組が盗まれた品とともに置き捨てられていたのだが、犯人は不明のままだった。






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