恋するキャットシーフ2nd〜フェイク・キャット〜第7話
シチュエーション


「……里緒……?」

そう言われて、涼人は半ば呆然と里緒の名前を呼ぶ。
すると、息も絶え絶え、と言った風情の里緒が、そのまま涼人にしがみついた。

「涼人、涼人ぉ……」
「里緒、僕の事、呼び捨て……?」

ただただ涼人の名前を呼び続けて、力が入らないなりに全力で涼人にしがみ付く里緒。
そんな里緒の言葉を聞いて、涼人は目を見開いてそう言う。
里緒が、自分の名前を呼び捨てにして呼んでいたから。

「涼人、大好きなのぉ……、だから、一緒に、感じよ?」
「〜っ!?」

そう、完全に潤んだ瞳で見詰められて、涼人は思わずその場で頭を抱え……、
そのまま、ぎゅっと里緒を思い切り抱き締めた。

「りょう……と?」
「里緒……」

いきなり抱き締められて、里緒はきょとん、と目を見開く。
そんな里緒を見て、涼人は思わずくすり、と笑うと、里緒の耳元で囁いた。

「気付いてる?里緒、僕の事、呼び捨てにしてるよ?」
「!!?」

そう言われて、里緒ははっとしたように目を見開く。
そして、みるみるうちに赤くなって行く里緒を見て、涼人はもう一度微笑んだ。

「……分かった、一緒に、ね?一緒に、気持ち良くなろうか、里緒」
「……うんっ!」

そう微笑みながら言う涼人に、里緒は一瞬だけ表情を凍り付かせ……、
にぱっ、と満面の笑みを浮かべて、頷いた。

「〜っ!?」
「……ほえ?」

その笑みを見て、涼人は思わず頭を抱えて、赤くなった顔を隠す。
そして、きょとん、としている里緒に向かって、口を開いた。

「……行くよ?里緒」
「……うん、来て?」

そう涼人に言われて、里緒は赤くなりながらも、そう言ってこくり、と頷く。
そんな里緒を見て、涼人はいきり立った自分自身を里緒の秘所に宛うと、ゆっくりと中へ埋めて行く。
そして、それが生み出す快感に、里緒は思わず全力で涼人にしがみ付いた。

「ひ、んんんんんん〜っ!!!」
「里緒?……しょうがないか、一緒に感じようって決心した所で、塗った媚薬が抜ける訳じゃないし」

涼人の肩口に顔を埋めて、里緒は押し寄せて来る絶頂の嵐に耐える。
そんな里緒を見て、涼人はそう呟くと、里緒の髪をゆっくりと撫で梳かす。
その手の動きですら大きな快感として感じられる程敏感になっている里緒に、涼人はすまなそうな表情をして、囁いた。

「……ごめん、里緒、動くよ?」
「ぁ、っ……」

そう涼人が言うと、里緒はまともに喋る事が出来ない程の快感に晒されながらも、何とか頷く。
そんな里緒の行動を見て、涼人は何処か悲痛そうとも取れる表情を浮かべると、ゆっくりと腰を動かし始めた。

「ひあ、あああああっ!!りょ、と、あひゃっ!しゅご、いいいいっ!!!」
「里緒、里緒……」

本当にゆっくりとした動きでも、里緒は立て続けに絶頂に達し、涼人自身をぎゅうぎゅうと締め付ける。
そんな里緒の中に、涼人の理性は加速度的に溶けて行って。

「……ごめんっ!」
「あ、あひっ、あ!っ!いぎぁっ!〜っ!!!」

涼人がトップスピードで腰を動かし始めると、里緒はまともに喘ぎ声を出せない程追い詰められる。
快感を受けているのか、快感を超えて苦痛になっているのか分からない里緒をぎゅっと抱き締めて、涼人は腰を動かし続け、

「……里緒、イくよっ!」
「あ、あああっ!あああぁああぁぁぁぁあぁあっ!!!」

涼人が里緒の最奥に欲望を解き放つと、里緒はがくがくと震え続けながら絶頂に達する。
そして、そのままがくり、とベッドに沈み込む里緒を見て、涼人は慌てた。

「だ、大丈夫!?」
「ぁ、ぅ……」

慌てて涼人が里緒を抱き起こすと、里緒は虚ろになった目で涼人を見やる。
そんな表情とは裏腹に、中はまだ貪欲に涼人の欲望を求めて蠢き続けていて。

「り、里緒?そんな締めつけられたら、またしたくなっちゃうんだけど……」
「……♪」

そう涼人が言うが、里緒はその言葉を聞いて逆に嬉しそうに涼人にしがみ付くだけで。

「……いつもの時ですら1回出しただけで終わる何て事無かったし、媚薬まみれになってる今じゃ到底満足出来ないのかな?」

半ば現実逃避気味に涼人はそう考察する。
しかし、そうしている間にも、里緒は涼人を求めてすりすりと擦り付いて来ていて。

「あーもう!限界だからね!」
「きゃっ♪」

そう、諦めたように涼人は叫ぶと、里緒をそのままベッドに押し倒し、里緒は楽しそうな悲鳴を上げる。
そんな里緒を見て、涼人は深い深い溜息を一つ吐くと、里緒に向かって囁いた。

「……楽しそうだけどさ……、止めないよ?もう止めてって里緒がどんなに泣き叫んだって、絶対止めないからね?」
「……はぅ……」

そう、涼人が今にも頭を抱えそうな表情でそう言うと、里緒は真っ赤になって俯く。
そんな里緒を見て、涼人は一度微笑みを浮かべる。
その笑みが真っ黒な笑みだと言う事は、俯いている里緒には分からなかった。

「じゃあ、するよ?」
「ひああっ!?」

そう言って、涼人が軽く腰を動かすと、里緒はびくり、と震える。
そのまま涼人にしがみ付く里緒を見て、涼人はにこにこと楽しそうに笑いながら、口を開いた。

「里緒、本当にえっち大好きになっちゃったね♪」
「〜っ!!!」

そう言われて、里緒は火を噴きそうなほど真っ赤になる。
そんな里緒を、涼人は、責め立て始めた。

「も、もうらめぇ……、こわれひゃうよぉ……ああんっ!」
「ふふふっ、そう言ってても、身体は物足りないみたいだよ?」

ひくひく、と力無く震える里緒はそう懇願するが、涼人はくすくす笑いながら責めを続ける。
もう3回気絶させられ、その度に快感で意識を叩き起こされる。
その繰り返しに、里緒はもう息も絶え絶えになっていた。

「あっ、あ、んんんっ!!」
「本当に、里緒は敏感だよね……」

がくがくと涼人の腰の動きに合わせて身体を震わせる里緒を見て、涼人はそう、感心したように口を開く。
涼人ももう3回か4回は欲望を放っているが、里緒はその10倍以上は絶頂に達している。
媚薬の影響があるとは言え、そこまで達しまくる里緒に、涼人は感心しているが、里緒にそんな余裕がある訳が無かった。

「ふううっ!あ、あ、ひいいっ!!!」

もはや大きな喘ぎ声を上げる事すら出来ず、里緒は力無く首を横に振るだけ。
そんな里緒を見て、涼人はにこにこ笑いながら、腰を強く里緒に打ち付ける。
その涼人の動きに、思わず身体を反らせる里緒を見て、涼人はその耳元に囁いた。

「凄いね、里緒は。口も、身体も限界になってても、ここはまだまだ余裕があるみたい。
そんなにタフなんだね、里緒のここは」
「い、あーっ!!!」

そう言って、涼人が里緒の秘所の上の突起を指先で押し潰すと、里緒は絶叫する。
そして、その瞬間思い切り締め付けられた里緒の中に、涼人はぴくり、と眉を顰めて、

「いくよ……里緒!」
「〜っ!!!」

放出された欲望に、里緒は声にならない声を上げながら絶頂に達し……、
そのまま4度目の気絶に追い込まれた。

そして、翌日の朝。

「……はぅ……」
「えっと……、大丈夫?里緒」
「大丈夫じゃないよぉ……」

ぐったりとベッドに沈み込む里緒を見て、涼人はそう冷汗を掻きながら言うが、里緒に睨まれる。
めちゃめちゃに感じさせられまくって、里緒は立てなくなるほどまでの腰痛になっていた。

「涼人のばかぁ……」
「ごめんね?僕の事、呼び捨てにする里緒がこんなに破壊力あるなんて思わなくて……」

そう、涙目になって言う里緒に、涼人がそう返すと、里緒の顔が爆発した。

「……ぁ……ぁぅ……」

そのまま口をぱくぱくとむなしく開閉させる里緒を見て、涼人はくすり、と笑う。
そんな涼人の胸板を、里緒はぽかぽか、と叩いた。

「ばか!涼人の大ばか!」
「痛い、痛いって里緒……」

そのまま涼人と里緒がいちゃついていると。

「里緒?涼人さん?朝食、が……」
「「あ」」

2人に宛がわれている部屋のドアを一美が開けて、中の光景に凍り付いた。
なんせ、一美の位置からは涼人の背中しか見えないものの、その背中は素肌がそのまま露出していて。
そして、部屋の入口から見ても分かる程、ベッドの上はぐちゃぐちゃになっている。
そんな惨状を目にして、一美の身体がぷるぷると震え始めると、涼人と里緒は慌てた。

「か、一美さん?その……」
「え、えっとね?あの……」

そう、パニック寸前まで慌てふためきながらも、ぴっとりと密着したままの涼人と里緒。
そんな2人を見て、一美の身体の震えはどんどん大きくなって行き……、

「お2人とも、何をやっているのですかーっ!」

そう、ぶち切れて絶叫した。






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