恋するキャットシーフFinal〜猫は、もう一度〜
シチュエーション


「……それじゃあ僕は先に上がるから。後、任せるよ」
「はい! お疲れ様です、警視!」

そう言って部屋から滑り出る涼人を見送って、部下の刑事は一つ敬礼をする。
すると、そんな刑事に後ろからしなだれかかるようにして、もう1人の刑事が口を開いた。

「おーおー、随分とりょーとに入れ込んでるじゃない、シャルルん」
「……先輩、そうやって俺に体重かけるのやめてくださいっていつも言ってますよね……。と、言うかシャルルんって何ですかシャルルんって」

そうシャルルが突っ込むと、その先輩刑事は渋々とシャルルから離れる。
そんな先輩刑事に、シャルルは思いっきり深い溜息を吐くと、口を開いた。

「……全く……あなたは一応女なんですからもう少し女らしさと言う物を身に付けてくださいよ、マリアンヌ先輩」
「え〜……」

そうシャルルに言われ、マリアンヌはぶーぶーと口を尖らせる。
そんなマリアンヌを見て、シャルルは本当に気持ち悪そうな目付きになって、口を開いた。

「20代後半の女性がそんな事をしても気持ち悪いだけなんで止めてください」
「う〜……シャルルんがいじめる〜」

シャルルの突っ込みを受けて、マリアンヌはまるで子供のようにぶーたれる。
見た目絶世の美女がまるで子供のような仕草をしている姿は本当に異様だったが、
何故かシャルル以外の刑事はそれを見ても諦めたような溜息を吐くだけで。

「……全く……何故あなたが普通に刑事やれてるのか、事件の時のあなた見てなかったら本気で疑ってますよ……」
「あら、褒めてくれてありがと〜♪」
「……褒めてません」

そんなマリアンヌを見て心の底から溜息を吐きながらシャルルがそう言うと、マリアンヌはそうあっけらかん、と答える。
そのマリアンヌの答えに、シャルルがもう一度溜息を吐いていると。

「話戻すけどさ〜……、シャルルん、本当にりょーとの事好きよねぇ……」
「せめて尊敬してると言ってください。本当に凄い人じゃないですか、警視は」

そのマリアンヌの言葉に、シャルルは少しだけムキになってそう答える。
すると、マリアンヌはふっ、と一つ笑って、そのシャルルの言葉に頷いた。

「……ま、あたしもそれは認めてるけどね〜」
「ですよね! あんなハンデがあって、それでもICPO史上最年少警視なんですから!」

そのシャルルの言葉に、マリアンヌは首を傾げて、口を開いた。

「あれ? シャルルんは知らないの?」

「ただいま」
「おとーさん、おかーりなさーい!」

そう言って涼人が自宅のドアを開けて中に滑り込むと、そんな涼人に1つの小さな人影が飛び込んで来る。
その人影を抱き留めながら、涼人は微笑んで口を開いた。

「ただいま、渚緒」
「おかーりなさい!」

そう涼人が言うと、渚緒はにっこりと笑って、多少舌っ足らずな言葉で答える。
と、そんな2人の耳に、少し慌てたような足音が響いて、エプロン姿の里緒が顔を出した。

「あ、おかえりなさい、涼人!」
「ただいま、里緒」

涼人の姿を認めるなり、里緒は何故か少し表情を暗くさせて涼人の後ろに回る。
そして、涼人が座っている車椅子を押しながら、少し顔を曇らせて、口を開いた。

「ねぇ、涼人。……そろそろ、慣れたかなぁ?」
「……まだ、なかなかね……」

その里緒の問いに、涼人も渚緒を膝の上で遊ばせながら、少しだけ表情を暗くする。
高原家が交通事故に遭い、咄嗟に里緒と渚緒を庇った涼人が車にはねられ、両足を膝下で切断してから半年。
電動車椅子の扱いには慣れて来たものの、まだ思わず立ち上がろうとしたりする事はあった。

「それに……その……えっと……」
「……渚緒の前で言う事じゃないような気がするのは僕の気のせいかな?」
「〜っ!」

そして、何故か言葉に詰まって、車椅子の動きからですらもじもじしている事が分かる程もじもじしだす里緒。
そんな里緒に苦笑しながら涼人が突っ込むと、里緒は一気に顔を赤らめた。

「……里緒がそんなにして欲しいんなら、今夜あたり挑戦してみる?」
「うぅぅぅぅ〜っ!」
「おかーさん、かおまっかー!」

そんな里緒ににやにや笑いを浮かべながら涼人が言うと、里緒は真っ赤になって呻く。
すると、そんな里緒を見て、渚緒にまできゃっきゃきゃっきゃと楽しそうに笑いながら言われて。
里緒は本当に真っ赤になって車椅子越しに涼人の背中から抱き付いた。

「……涼人の、いじわる……」
「あれ今頃気付いたの?」

そう、真っ赤になっていじけている里緒をさらに涼人がからかっていると、

「おとーさん、おかーさん、おなかすいたー!」
「ん、そうだね。里緒、用意出来てるの?」
「え、あ、うん!」

急に渚緒が空腹を訴え、そんな渚緒に涼人は微笑みかけて、里緒に聞く。
急に話を変えられ、里緒は一瞬だけ驚くが、すぐにこくん、と頷いた。

「それじゃあ、すぐに食べようか、渚緒」
「うん! ごはんたべゆー!」

そう言って涼人が渚緒を高い高いするように抱き上げると、渚緒ははしゃぎながらそう答える。
そんな渚緒を膝の上で遊ばせながら、涼人はまだ背中に抱き付いたままの里緒の耳元に唇を寄せて、囁いた。

「……そして、夜は里緒を食べる事になるのかな?」
「え、あ……ぅぅぅぅぅ〜……」

最後にそうからかわれ、里緒はさらに赤くなってぎゅ〜っと涼人に抱き付いた。



「……あ……」

3人がじゃれあいながら居間に入ると、その3人にあやめが気付いて軽く声を上げる。
そんなあやめに、涼人は膝の上に渚緒を乗せ、背中に里緒をくっ付けたままで軽く頭を下げた。

「……ただいま、義母さん」
「あ、えっと、おかえりなさい」

そう涼人が言うと、あやめは何故か少しわたわたと慌てながらそう答える。
しかし、あやめが誰かにこういう風に話しかけられたら慌てるのはいつもの事なので、涼人はそれには特に何も言う事は無く。
そのまま涼人は一ヶ所だけ椅子を置かずに場所を空けてある所に車椅子を持って行くと、右横の子供用の椅子に渚緒を座らせた。

「おかーさん、おばーたん、ごはんたべよー!」
「うん、すぐに用意するね、渚緒。お母さんも手伝ってくれないかな?」
「ええ」

その渚緒の言葉に、里緒とあやめは笑いながら台所に消えて、すぐに夕食を持って来る。
そして、すぐに居間は一家団欒の場へと変わっていった。

「……」
「渚緒、そろそろ眠くなって来たの?」

さかんにくしくしと目を擦り始めた渚緒を膝の上に抱えながら、涼人はそう渚緒に声をかける。
しかし、渚緒は涼人のその言葉にも応えず、こっくりこっくりと船を漕ぐだけで。

「そろそろ、渚緒おねむみたいだね」
「もうお風呂には入ってるし、なら、私が寝かせておくわ。里緒は涼人君と一緒にお風呂、入って来たら?」
「ええ、そうします」
「ふえっ!?」

そう渚緒を見ながら涼人が言うと、そんな渚緒を抱きかかえて、あやめが里緒に声をかける。
その言葉に思わず真っ赤になる里緒に、あやめはくすくすと笑いながら口を開いた。

「何、恥ずかしがってるの? あの事故からずっと、涼人君と一緒に入ってるのに」
「う、うぅぅぅぅ〜!」

両足を膝下で切断していては、湯船までの段差を一人では乗り越えられなくて。
事故の後、退院してからこっち、ずっと里緒は涼人と一緒にお風呂に入っていた。
あやめの言う通り、それはもはや日常と化していて、いつもならそこまで真っ赤になる程恥ずかしがる事も無いのだが。
しかし、さっき涼人に言われた事が里緒の頭をよぎって、里緒は変にその事を意識してしまっていた。

「……ぅ〜……?」
「さ、渚緒ちゃん。今日はおばあちゃんと一緒に寝ましょうね」
「うん……」

既に半分以上眠っている渚緒をあやしながらあやめは寝室に消えていく。
そして、そうしながらあやめが言った言葉に、涼人は苦笑した。

「……本当に、義母さんには敵わないな……」
「ふえ?」
「義母さん、今日僕達がする事、見抜いてるよ」
「え、えええええっ!?」

その涼人の呟きに里緒は首を傾げるが、続けて言った涼人の言葉に思わず飛び上がる。
そのままさらに顔を赤らめる里緒に、涼人は意地悪そうな表情を浮かべて、口を開いた。

「……義母さんも気を利かせてくれたんだし、ちゃんとその期待に応えてあげないと、ね?」
「あ、あぅあぅあぅあぅあぅ……」

そう涼人が言うと、里緒はこれ以上赤くなりようが無い程赤くなって、あぅあぅと口をぱくぱくさせる。
そんな里緒を膝の上で横抱きにして、涼人はお風呂場に向かった。

「っ! っ! 〜っ!」
「どうかした? 里緒。身体洗ってるだけなのに、そんなに気持ちいい?」
「こ、こんなえっちな洗い方、されちゃ、ひぅぅっ!」

お風呂場で、涼人の手が身体中を這い回り、里緒は必死に声が漏れるのを堪える。
しかし、胸の先端と秘所の上の突起を執拗に洗われて、里緒は襲いかかる快感に身体をびくびくと震わせた。

「らっ、ひゃうぅっ! そ、しょんなしちゃらめぇぇっ!」

里緒は何とか逃げようと立ち上がっていたが、くりくりと突起を強めに転がされて、膝が崩れる。
四つんばいになった里緒に涼人は前から覆い被さるようにして、さらに里緒の身体を『洗い』続けた。

「ひにゅっ、っひゃ、んひぃぃぃぃっ!」
「里緒、もっと声出してよ」

ただでさえ声が響きやすいお風呂場で、しかも同じ家の中には渚緒とあやめがいて。
里緒は必死で声を殺そうとするが、そんな里緒に、涼人はにやにやと笑いながらとどめを刺した。

「えい♪」
「ひ……! ひあああああぁぁぁぁぁあぁぁっ!!!」

つぷ、と音を立てて里緒の秘所の中に指を差し込み、Gスポットをぐりぐりと刺激すると、里緒は身体を限界まで反らせる。
そして、ついに耐えきれずに絶叫しながら絶頂に達した。

「はっ……っは、ひああっ!?」
「まだ、このくらいで終わる訳が無いって事、里緒には分かってる、よね?」
「あーっ! ひにゃあああぁぁあぁあぁあーっ!!」

びくんびくんと震えながら余韻に浸る里緒にそう言いながら涼人はさらに激しく指を動かす。
無茶苦茶に襲いかかって来る快感に、里緒は身体をがくがくと震わせながら達しまくった。
そして、身体を支える事すら出来ずに、ぐったりとお風呂場の床に俯せになる。
そんな里緒を見て、涼人はくすくすと本当に楽しそうに笑いながら口を開いた。

「里緒、ひょっとして溜まってたの? 昔に比べて、凄く敏感になってるみたいだけど」
「うにゃぁっ! にゃふ! あへぇっ!」

その涼人の言葉にも、里緒は快感にとろけ切った表情でただ喘ぐだけで。
ぷしゃぷしゃと絶え間なく潮を噴く里緒に、涼人は思わず息を飲んで、指を里緒の秘所から引き抜いた。

「っは、はふっ……」
「里緒、そろそろ……っ!?」

はぁはぁと荒い息を吐く里緒に、涼人はそう言って里緒の身体を持ち上げようとする。
しかし、その瞬間、里緒は涼人自身に顔を埋めた。

「ちょっ……里緒!?」
「んん……んっふ……」

急な里緒の行動に、涼人は思わず息を飲む。
しかし、里緒は完全にとろけたままの表情で、涼人自身に舌を這わせていて。

「んはぁっ……はふぅ」
「くぅぅっ……、里緒、何を……」

つううっ、と自身を舐め上げられ、涼人は思わず呻き声を上げる。
すると、そんな涼人に、里緒は快感に揺らいだままの表情で口を開いた。

「りょ……と……。涼人にも、気持ちよくなって欲しいよぉ……」
「〜っ!」

そう、あまりの快感に潤んでいる瞳でそう言われ、涼人は思わずくらり、と目眩を覚える。
足がちゃんと付いていた頃なら絶対に押し倒していたのだろうが、今の状態ではそれは無理で。
すると、そんな涼人に里緒は快感に動かない身体を必死に動かしながら、涼人に近付いて行って……。

「……んっ」
「う、わ!?」

胸で涼人自身を包むと、ぞくり、と涼人の背筋に快感が走り、涼人は思わず声を上げる。
そんな涼人を見ながら、里緒はゆっくりと身体を上下させた。

「くぁっ……! り、お、何処でそんな事覚えて……!」
「お母さんが、教えてくれたの。……んっ……」

あまりの快感に呻く涼人の問いにそう答えると、里緒は涼人自身の先端に舌を当てる。
すると、涼人は腰を思わず震わせた。

「う、ぁあぁっ!」
「んんっ!」

そのまま涼人が欲望を里緒に吐き出すと、里緒は一瞬だけ驚いたような表情をして顔を離す。
すると、そんな里緒の顔に涼人の欲望が降りかかっていった。

「だ、大丈夫!? 里緒」
「……は、ふぅ」

慌てて涼人が里緒の事を気遣うと、里緒はとろけた表情で熱い息を吐く。
そして、里緒はそのままころん、と仰向けに寝転がった。

「……♪」
「里、緒……」

そのまま物欲しげな視線で見詰められ、涼人は息を飲んで……、

「里緒ーっ!」
「きゃっ♪」

思わず涼人は里緒に飛びかかるように覆い被さった。
そして、里緒の顔の横に手を突いて、くすくすと笑いながら、涼人は里緒に言う。

「……覚悟はいいよね? 里緒。気持ちよさで壊れちゃっても知らないからね?」
「え、えっと、お手柔らかにね……?」

そう涼人に言われ、里緒はぽん、と赤くなりながらそう答える。
しかし、涼人はもはや止まる気は完全に無くて。

「それ」
「っひ……あああっ!」

一気に自身を里緒の中に埋めると、脳裏を快感のスパークが走り、里緒は思わず身体を反らせる。
そんな里緒の身体を掴んで、涼人はころん、とまるで魔法のように体勢を入れ替えた。

「りょうと……?」
「あのままじゃ、まともに動けないから、さっ!」
「あっ、あひぃっ!」

自分が上になり、きょとん、とする里緒を涼人が下から突き上げてやると、里緒はみるみるうちに久しぶりの快感の虜になる。
そんな里緒を下から激しく突き上げてやりながら、涼人はぷるぷると震える里緒の胸に手を伸ばした。

「んにゃああああっ! いっしょは、ひっ! いっしょはらめぇぇっ!!」
「だーめ。里緒の話は聞いてあげません」

胸を揉みしだくと、里緒はさらに送り込まれる快感にがくがくと打ち震える。
そんな里緒を見ながら、涼人は半年ぶりで昂ぶりまくる欲望が収まり切るまで、里緒を突き上げ続ける事にした……。





……そして、お風呂場でずっとそんな事をしていた涼人と里緒が風邪を引いたのは言うまでもない。






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