怪盗アクアメロディ 〜インビシブル・ストーカー〜第六話
シチュエーション


「きゃっ!」

ボゥンッ!
目の前に着弾した火球を咄嗟にかわすため、美音は体勢を崩しながらも足を左に踏み込ませる。
と、そこを狙い済ましたように飛来する二撃目の火球。

「くぅっ……ハッ!」

直撃コースだった火球を女怪盗は跳躍することで回避する。
体勢を崩していた状態でのジャンプだったため、丸みを帯びたヒップが天井にぐんっと突きあがるように浮き上がった。
激しい動きの反動に揺れ続ける双乳は、着地と同時にたっぷんと大きく上下に一揺れ。
即席の下着から今にも飛び出しそうな按配であった。

「ひひひっ、頑張るねェ」

続け様に撃ち出される火球を軽業師のような動きでかわし続ける美音。
火野の目的からして、放たれる火に直撃しても死ぬようなことはないと推測は出来る。
だが、人は本能的に自分の身に火が迫ってくれば逃げてしまう生き物だ。
例えあたっても大丈夫と頭の中ではわかっていても実行に移すことは早々出来はしない。

(どうして、私の位置が……ッ)

迫り来る火の脅威から逃げながら、美音は困惑していた。
先程から火野はこちらが逃走すればそれを追ってはこない。
当然、自分はその隙をついて身を隠す。
しかしどこに隠れようとも、火野は少し時間が経てばこちらを発見してくるのだ。

(発信器?ううん、違う……それなら、フレイヤの能力?でも、それなら……)

打つ手がない。
そう思いかけた美音は弱気になりそうな自分を叱咤した。
まだ足は動く、手も動く、頭も回る。
それなのに諦めるわけにはいかない。

「あッ!」

しかし考え事をしながら回避行動をとっていたのがまずかった。
怪盗少女は足をもつらせて転んでしまう。
当たり前のようにその隙を逃さない火野の火球が倒れこんだ美音を襲った。

「くううっ!」

だがそんな絶体絶命の攻撃をもアクアメロディは身体ごと横に転がることで回避する。
回転するたびに床に押し付けられる形になる下着越しの胸やお尻がむにゅむにゅとたわんでは元の形に戻っていく。

「おお、おお!今のをかわすかァ!」
「はぁ……はぁ……」

感心したように手を叩く火野。
しかし賞賛を送られる立場の美音には余裕などない。
何せ逃走開始から敵の火球をかわすだけで精一杯なのだ。
これでは待ち伏せも奇襲もできはしない。
かといって真っ向勝負は自殺行為。
未だ心は折れていないものの、徐々に少女の胸の内では焦燥感の火種が燻り始めていた。
そして、もう一つの仕込まれた火種も。

(とにかく、火野から離れないと。こっちの居場所がわかるといっても時間はかかるようだし、休まないと体力が持たない……っ)

あまりの暑さに辟易する怪盗少女は体勢を立て直しつつ逃げ出すチャンスを窺う。
全身をフルに使って回避行動をとり続けていた美音の半裸の肢体は既に汗だくだった。
露出している大半の肌からは珠のような汗が浮き出ていて、火に照らされた少女の身体を輝かせている。
熱と疲労に火照り、ピンク色に染まりかけている白い肌は荒い息と相まってなんとも色っぽい。
汗を吸収した下着は上下ともピッタリと肌に張り付き、その下にある乙女の大事な場所を浮かび上がらせていた。
テーブルクロスで作ったブラジャーなど生地の薄さもあってか、乳首の桃色がうっすらと透けて見える始末だ。

(身体が熱い、今何度くらいあるのかしら……)

幸いにも火野の追撃は来ない。
特に蒸れがひどい胸元を涼ませようと美音はパタパタと胸の谷間を手のひらで仰ぐ。
そして彼女は気がついた。
散々動き回っていたせいか、自分の胸を覆う布地が今にも胸から取れそうになっていることに。

「あ……」

胸に巻きつけただけの簡易の下着は、激しい動きに連動してズリ上がってしまっていた。
おっぱいは三分の一ほど露出し、下乳は丸見え。
乳首こそはなんとか布の下に隠れているものの、もう少し動き回ればすぐに零れ出てしまいそうな状態だった。

「ひひっ」
「やんッ!」

先程から攻撃が止んだかと思ったら、火野は今にもポロリしそうな胸を見ていたのだ。
それに気がついた美音は慌てて布を元の位置に戻しはじめる。

「ひあ!?」

ぴくんっ。
その瞬間、布地を下げた手と全身をビクつかせて怪盗少女は悲鳴を上げる。
下げた布と乳首が擦れた刹那、なんともいえないくすぐったさに似た感覚が背筋に走ったのだ。

「な、なに……今の」

とくんとくん。
そのショックを引き金としたかのように、心臓の鼓動が激しく打ち鳴らされ始める。
表面にだけ感じていたはずの熱が、身体の内側からも出てくるような感覚となって少女を襲う。
突然の身体の変調に戸惑い、思わず自分の身体を見下ろしてしまう美音。
すると、そこでは自分の意思が命じたことでもないのに両脚がもじりと内股気味に擦りあわされているではないか。

「え、あ?」
「ひひひ、どうやら火種が燃え始めたようだなァ」
「ひ、火種?何を言って……はう……」

きゅん、と胸とお腹の奥を締め付けるような甘い感覚に美音は腰が砕けた。
またしても擦りあわされようとする両脚を強引に静止し、怪盗少女はしっかりと足を開いていつでも動ける体勢を作る。
しかし女体の変調はもはや明らかだった。
足は開いても、純白の下着に包まれた腰がかすかにヒクつき始めているのが火野の目には映っていたのだ。

「最初の一発。あれは服を燃やすためだけじゃなかったってわけさ」
「わ、私に何を……」
「なァに、簡単なことさ。俺のフレイヤの能力は火で万物を燃やすこと。つまり、今の場合は……」

ニヤリ、とそこで火野は口元を吊り上げた。

「お嬢ちゃんの身体の内側を燃やしたのさ。勿論性的な意味でなァ!」
「なっ……キャッ!」

言葉を切るのと同時に火野の手から火球が飛ぶ。
不意打ち気味のそれを美音はかろうじてかわした。
だが、性感に火照り始めていた身体は思うように連続しては動かない。
足が腰から崩れそうになり、反動で弾む乳房が布と擦れあい、怪盗少女はまたしても総身をビクつかせてしまう。

「く……!」
「逃げるか。だがもうこうなっちまったら手遅れだぜェ?」

それでもなんとか両脚を叱咤し、美音は嘲るような火野の声を背後に駆け出した。

「ハァ、ハァッ!ここまでくれば……」

ぺたん、と崩れ落ちるように床に腰を下ろしながら大きく息を吐く。
現在自分がいる位置は先程交戦した場所から最も離れている客室。
仮に火野がサーチ能力を持っているとしても、やってくるまでには時間がかかるだろう。
ようやく一息つける形になった美音は、しかし自分の身体を見下ろして動揺した。

「そんな……」

ベッタリと汗で生乳に張り付いている薄布の下では、はっきりとわかるくらいに乳首が勃起しかけていた。
小粒なさくらんぼのような乙女の実は、今にも布を突き破らんと背伸びをしているように見える。
また、パンティに覆われている秘処も同様だった。
ワレメが視認できるくらいに張り付いた純白の布の下では柔らかな丘がひくひくと蠢いているのが見えてしまう。

「お願い、鎮まって……」

このままでは火野と戦うどころの話ではない。
細身の身体を抱きしめながら発熱を落ち着けようとする美音。
しかし、必死の懇願にも関わらず、休息を得て落ち着いたはずの乙女の身体は時間が経つごとに熱を増し、発情していく。

「んっ……だ、だめ」

胸に伸びかけた手を女怪盗は必死に制止する。
だが、主の意思を裏切るようにふらふらと宙を彷徨う両手は布に包まれた豊かな乳肉へと迫っていき。
ふにょんっ。

「ふあ!」

ただ触れただけだというのに、美音は首をのけぞらせて喘いでしまっていた。
右の手のひらが激しく鼓動する心臓を感じ取り、自身の興奮状態を知らせてくる。
これ以上はいけない。
それがわかっていながらもバストに置かれた指はゆっくりと柔らかな乳肉に沈み込んでいった。

「あッ……はん、ふっ……あんっ……」

ぷにっ、ふにっ。
白魚のような乙女の細指の動きにあわせてEカップ寸前のおっぱいがぐにぐにと弄られる。
そのたびに口からは吐息が漏れ、アクアメロディの快感を示していた。

「だ、駄目だっ……てば、私……ぃ」

このような状況で快楽を得るために己の身体を弄るなど言語道断だ。
しかも、いつ火野がやってくるかはわからない。
今はとにかく冷静になって善後策を考えなければいけないのだ。

(なのに……ああっ!)

完全に勃ちあがってしまった乳首が手のひらを掠め、それがまた美音に切ない疼きを与えてしまう。
布の上からということにもどかしさを覚えた右手が生の乳房を揉もうとブラの下に潜り込み始めた。
左手は、更なる快楽を得るべくすーっと下へと降りていく。
そこにあるのは純白の下着に包まれた女体でもっとも敏感な部分だ。

「やだ……ッ!今、そこ触ったら……」

頭は必死に止めているというのに、首から下が全くいうことを聞かない。
胸だけでこの有様なのだ。
ここでショーツの下まで触ってしまったら、一体どうなってしまうのか。
恐怖と羞恥、そして僅かな期待を表情に浮かばせながら美音はイヤイヤと頭を振る。
しかし淫熱に犯された四肢はそんな少女の抵抗を嘲笑うように動き続け、そして。

「なァ〜にやってるんだァ?」
「ひあっ!?」

突然かけられた男の声に、下着のワンポイントリボンに触れようとしていた手が止まる。

「ひひっ、こりゃ申し訳なかった。いいところを邪魔しちまったかなァ?」
「え……やっ!やああァァッ!!」

揶揄するような火野の台詞に怪盗少女の羞恥心が爆発した。
全身を犯していた淫熱をも忘れ、美音は座り込んだまま後ずさる。

(み、見られた……ッ)

自分の身体を慰めていたところを見られるなど乙女にとって恥以外の何ものでもない。
しかも相手は犯罪者で、自分は正義の怪盗アクアメロディなのだ。
見られてはいけない、見せてはいけない光景を見せてしまった恥辱。
それは怪盗アクアメロディとしての少女のプライドを破壊するには十分なショックであり。
また、一人の女の子としての水無月美音を打ちのめすには絶大な効果を上げていた。

「いやァ、まさかあの天下の女怪盗アクアメロディがこんなところでオナニーをしてるとはねェ?」
「だ、黙りなさい……!」

火野の視線から逃げるように美音は更に後ずさっていく。
胸と股間を見せないよう、両手はしっかりと身体にまわしているものの搾り出した声に勢いはない。
何せ隠れている胸の先端では乳首が勃起していて、股間では恥ずかしい液が零れ始めているのだ。
今は隠していても、その前を見られたという事実が怪盗少女の覇気を蝕む。

「ひひ、シティのアイドルも一皮剥けばただの女だなァ。そんな必死に大事なトコを隠して、可愛いもんだ」

ゆっくりと近づいてくる火野に後ずさるしかないアクアメロディ。
立って逃げなければ。
そう頭ではわかっているのに直前まで性感に高まっていた身体は力が抜け切ってしまっていた。
ずりずりと少女がお尻を床と摩擦させながら後退するたびに、カーペットに汗の染み込んだ一筋の道ができていく。

「こ、こないで……」

あまりのショックに頭が真っ白になっていた美音はただ迫り来る男に怯えることしか出来なかった。
怪盗としての矜持も、エレメントジュエルを取り戻すという使命感も今の少女には存在しない。
そこにいるのはただ、貞操の危機に恐怖を抱く一人のか弱い少女だけだった。

「あっ」
「もう後ろはないぜェ?ほぅら、捕まえた」
「い、いやぁっ!」

壁に詰まった美音の身体が遂に男の手によって捕らえられる。
半裸の肢体がすぐさま押し倒され、艶やかな黒髪がカーペットの上に散らばった。

「や、やだッ、やあっ……あ!」

それでもなんとか逃げ出そうと暴れかけていた怪盗少女の動きが止まった。
火野がブラからはみ出ている生乳に吸い付いてきたのである。

「ん〜美味い!流石アクアメロディは甘いなァ」
「や、やめっ……くふっ……う!」

チュウチュウとヒルのように吸い付いてくる男に嫌悪感が湧き上がる美音。
しかし上から押さえつけられる形になっている身体はロクに動かせない。
なすがままに女怪盗はキスマークがつくくらいの吸引を受けていく。

「……さぁて、こっちはどうなってるかねェ?」
「あ!そ、そこは……ン!」

下半身に男の手が伸びてくる。
その気配に美音は咄嗟に身体を硬くするが、放火魔の手は止まらない。
くちゅ……

「はぁ!」

一本の筋の浮かんだ下着の中央部分を触られた瞬間、感電したかのように怪盗少女のおとがいが仰け反った。
普段ならば滑らかな感触を触る者に与えるはずの純白パンティはすっかり汗と恥蜜によってぐっしょりと湿っている。
それはアクアメロディの身体が性欲に支配されかけていることの証明だった。
ハッキリ言って、最初の接触で達しなかったことは奇跡と言っても良い。

「ひひひ、びしょ濡れじゃねえか」
「ああ……はっ、はくっ、はぁん!触ら………いで、そん……あッ!」

火野は乙女を守る最後の砦を更に濡らしてしまおうと指を動かし始めた。
シュッ、シュッと無骨な指が処女の聖域を往復するたびに美音は背中をビクつかせてしまう。
そして男の思惑通り、股間の蜜壷からはジュワッと恥液がわき出て行った。

(いやっ……このままじゃ……)

淫らに反応する自分の身体に恥らいながら、美音は何とかこの状況から逃れるべく思考を巡らせる。
まだ身体はかろうじて動いてくれるのだが、いかんせん火野が上にいる状態ではロクな抵抗が出来ない。
塔亜風見の時と同じような状況だが、あの時とは違い火野は密着状態で胴体にしがみついている状態。
これでは巴投げはおろか、足で蹴り上げることすら出来ない。
両手は自由に動かせるものの、女の細腕では男を押しのけることもできなかった。

「まだ抵抗の意思が残っているのか……流石は怪盗アクアメロディといったところか」
「はっ……くっ……うっ……ああ!」
「だが、それももう限界のようだなァ?ほゥら、快楽に身を任せちまえよォ?」

チュウウ!クチュッ、クチュッ!
肌の露出している上乳を目一杯吸われ、もっとも敏感な柔筋を責められ続ける美音。
既に怪盗少女は気をやらないだけで精一杯だった。
だが、そんな儚い抵抗も風前の灯。
うっすらと視界に靄がかかり始めている少女の陥落はもはや時間の問題であった。

「ひひ……コイツでトドメだ」

火野の口が薄布を押し上げている乳首へ、指がぷっくりと膨らんだ柔筋の上の恥粒へと迫っていった。






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