シチュエーション
……それは、年の瀬も押し迫ったある日、ある場所。 「……で、まーた出し抜かれちゃった訳だ」 「も、申し訳ございません!」 そう、呆れたように言う若い、まだ少年と言えそうな男に、その倍の年齢は重ねていそうな男は土下座する。 そんな異様な光景に、誰も何も言う事は出来ない、いや、言う必要が無い。 任務に失敗した部下が、ボスに対して謝る事、罰を受ける事は当然の事。 ……例え、その部下が前ボスで、ボスが前々ボスの息子だったとは言え、 知略とカリスマで下っ端から1年で上り詰めていたにしても、それは変わらない。 「……しょうがないかな、じゃあ、次は僕が行くよ」 「い、いえ、あなた様が行かれる必要は……」 そうその少年が言うと、土下座していた男はそれを慌てて止めに入る。 そんな男に呆れたような視線を向け、少年は口を開いた。 「……任せたら、出し抜かれたんだよね?」 「ぐ……」 そう言われて、男は図星を突かれて黙り込む。 そんな男に、少年は少し男を気遣うように声をかけた。 「別に僕はあなたを役立たずだと言っている訳じゃないんだよ? むしろ、親父が死んだ後、分裂の危機にあったこの組織を良く纏め上げて、むしろ勢力を伸ばしてくれた事には感謝してる。 ……でも、今回の相手はそんなあなたを手玉に取れる奴なんだ。だったら、こっちも本気を出すだけさ」 そう少年に言われ、男は言葉も無く頭を下げる。 その瞳には、光る物が確かに浮かんでいて。 「(見て、おられますか? あなたの息子は、これ程までの逸材になっておられます。 このお方なら、あなたの夢、『日本制覇』も成し遂げられるやも知れません……)」 そんな男とは別に少年も1人瞳を閉じて考え込む。 その顔は、本当に無邪気に楽しむかのように歪んでいて。 「(おじさんを手玉に取れる。そんな人、日本にそうはいない。 そんな人と知恵比べが出来るなんて、何て楽しいんだ! それだけの逸材ならぜひ仲間に欲しいし、右腕になって欲しい。 ああ、あの子と、怪盗ホワイトスノーと戦える大晦日が楽しみだなぁ!)」 「ちょっ……ここも!?」 『なら、20m戻った所を右折したルートを使ってくださいな!』 角を曲がるなり飛び掛ってきた男達を慌ててかわしつつ、ホワイトスノーは驚きの声を上げる。 飛び跳ねる度にぷるん、と震える胸を純白の衣装に包んだホワイトスノーは、そのまま男達を引き連れるようにして後戻りする。 そして、耳に付けたヘッドホンらしき物から聞こえて来る指示に従って、慌てて路地に飛び込んだ。 「ど、どうなってるの!?」 『出す手出す手が、読まれている……!?』 包囲されたと気付いたのは約30分前。 それでも、捕まえに突っ込んで来るのなら前回と同じように出し抜いてやろうと思って構えていたのだが。 追いかけてくるのは数人のみで、残りは包囲した場所から動かずに逃がさないように布陣しているだけ。 そのまま30分、ずっと追いかけっこが続いていた。 『ま、またかわされました!』 「……しぶとい……!」 部下の男達からの通信を受け取りながら、なかなかとどめが刺せない状況にその少年はそうぼやく。 しかし、その表情には明らかに本当に楽しそうな微笑みが浮かんでいて。 「どうやら、指示役がいるらしいけれど……そっちを抑えるのはホワイトスノー本人を捕らえない限り厳しいか」 「ですね。……しかし……、ボスが本気の指示を出して、ここまで粘るとは……」 そう呟いた少年の言葉を受けて、元ボスの男はそう、感心したように呟く。 少年の指示を受けた男達がホワイトスノーが逃げ込んだあたりの路地を完全包囲して30分。 それだけの間、包囲の突破は出来ないが、捕まえる事も出来ていない何て事は、いままで無かったから。 その男の言葉を聞いて、少年はくすり、と笑みを深めると、口を開いた。 「うん、本当に楽しいよ。……でも、そろそろ終わりかな? そのまま全員は包囲を崩さずに追い掛け回して! そろそろ決着だ、僕もそっちに行く!」 『了解!』 そう叫ぶと、その少年は座っていた椅子から立ち上がり、本部にしていたワンボックスカーから歩み出した。 「っは、はぁっ……!」 『……まずいですわね……』 一度男達を振り切って、ホワイトスノーはビルの壁に手を突き、荒い息を吐く。 その吐息を聞いて、指示役の女性は少し焦ったような声色で呟いた。 この30分間、こうやって1分にも満たない間だけ休んでいる以外はずっと走りづめで。 このままスタミナ切れまで持ち込まれるよりは、一か八か強引に突破するべきか、と指示役の女性は口を開きかけ……、 「……見ーつけた♪」 「『〜っ!?』」 そう、いきなり後ろから声が聞こえて、ホワイトスノーは慌てて後ろを振り向く。 するとそこには、今まで追いかけて来た男達とは纏っている空気が全く違う少年が立っていて。 「ちょっ……、危ないよ!? ここ、今悪い人達が……」 「え……?」 そう、慌ててホワイトスノーはその少年を避難させようと近付く。 すると、その少年は一瞬きょとん、と目を見開いたが、すぐに笑みを浮かべて……、 「大丈夫だよ、大丈夫。だって……」 「だって……?」 「僕、その悪い人達のボスだもん♪」 「うぐ……っ……!?」 そう言って、ホワイトスノーの鳩尾に拳を叩き込んだ。 『雪! 雪!? 大丈夫ですの!?』 「……っと……、これを、こうやって……」 急に通信が止まり、指示役の女性は我を忘れてホワイトスノーの本名らしい名前を叫び続ける。 そんな指示役の女性には構わず、少年はちょこちょことホワイトスノーが付けているヘッドホンに細工して……、 「後は、一応っと」 「っ!?」 露出しているホワイトスノーの首筋にスタンガンを叩き込んだ。 「……ぁ……」 「っと、起きた?」 ホワイトスノーが目を覚ますと、何故か自分を気絶させた少年が自分を膝枕していて。 髪の毛を梳くように撫でられて、ホワイトスノーは一瞬だけ呆然とするが、すぐに我に返った。 「〜っ!」 「っと」 ばっと少年の手を振り払うように起き上がったホワイトスノーを、少年は落ち着いてかわす。 そして、ぷくっと頬を膨らませて、ホワイトスノーに抱きついた。 「……まさか、君がホワイトスノーだったなんてね、白瀬雪ちゃん」 「っ!? な、何で……」 そう、後ろからホワイトスノーに抱きついたままその少年が言うと、ホワイトスノー…白瀬雪は驚いたように目を見開く。 そんな雪を見て、その少年はまた頬を膨らませると、口を開いた。 「そりゃあ……DNA検査ぐらいはするし、君の指示役の子が名前叫びまくってたからね」 「っ!?」 そう少年に言われて、雪はまた驚きに目を見開く。 そして、別に縛られている訳でも無いのに、少年の手を解けない、何故か力が入らない現状に気付いた。 「な、何で……」 「力が入らないか? ……こう言う事さ♪」 そう、思わず呟く雪を見て、少年はくすり、と本当に楽しそうに笑うと、ぱちん、と指を鳴らす。 すると、ちょうど雪の正面の壁が音を立てて開いて……。 「え……っ!?」 「はぁっ、んああぁっ♪」 男達に突き上げられて、嬌声を上げて悶える少女の姿が見える。 良く目を凝らせば、それは雪がとてもよく知っている少女の姿で。 「もっとぉっ! もっとくださいな、ひあぅぅぅっ♪」 「あかり……!」 「そう、君の指示役の、越川あかりさんだよ」 「ひゃぁっ、あひぃぃっ! しゅご、しゅごいんれすのぉっ!」 下から突き上げられて、あかりは蕩け切った表情でびくびくと身体を跳ねさせる。 そんなあかりを雪は半ば呆然として見やるが、 「……それっ♪」 「ひあぁぁぁっ!?」 急に少年が服の上から雪の胸を押し潰すように揉み、雪はいきなり雷のごとく背筋を駆け上がる快感に身体を跳ねさせる。 そんな雪を見て、少年はひょい、と雪の肩越しに顔を覗かせて、にっこりと笑みを浮かべて口を開いた。 「あの、あかりさん? ……僕が指示して、部下が開発した新種の媚薬を10倍に希釈して投与してあるんです。 もちろん、あなたにも、その媚薬を投与してありますよ? ……原液を、あかりさんと同量ね」 「〜っ!」 そう囁きかけて、少年はにっこりとまた笑みを浮かべる。 その少年の天使のように無邪気な微笑みが、雪には悪魔の微笑みに見えた。 「だから……ほら♪」 「ああぁっ!? や、やっ、やーっ!」 そして、少年が指を下の方にやって、ユニフォーム越しに秘所を擦ると、雪は上擦った悲鳴を上げる。 みるみるうちに秘所は潤んで行き、膝が笑い始める。 何とか少年の手をどかそうと雪も手をやるが、もはや更なる責めを求めて少年の手を押さえつけてしまっていて。 「ひっ……ひぅぅぅっ!」 「……そう言えば、今日は大晦日でしたよね。……除夜の鐘に、してあげますよ」 びくびくと身体を跳ねさせる雪を見て、少年はにっこりと笑ってそう言う。 その言葉を偶然聞いたあかりを責めていた男の1人が、恐る恐る、と言った感じで少年の方を向き、口を開いた。 「……ボス、今変な連想しちまったんですが……、まさか、そいつ、108回イカせるとでも?」 「お、良く分かったね♪」 「ひっ……!?」 そう、本当に恐ろしそうに言うその男に、少年はにっこりと笑いながらそう答える。 そんな2人の会話を聞いて、雪は恥も外聞も掻き捨てて、真っ青になって悲鳴を上げた。 「や、やぁっ! 壊れる、壊れちゃうぅっ!」 「……いいんだよ、壊れて。そして、2度と僕達に楯突かないようにしてもらわないと、ねっ♪」 「あ、あぁぁぁぁあぁぁぁあっ!」 ぶんぶんと首を横に振る雪にそう笑いながら答えると、少年はユニフォームの上から雪のクリトリスを摘み上げる。 それだけで、雪は背筋を反らせて絶頂に達した。 「っは……、はひっ……」 「このくらいでとろけちゃってたら駄目だよ? まだ、後107回残ってるんだから」 ぐったりと脱力して少年にもたれかかりながら、雪ははあはあと荒い息を吐く。 そんな雪の耳元に唇を寄せて少年はそう囁き、ぐちゃぐちゃと秘所を激しく擦り立て始めた。 「きゃひぃぃぃっ! あひっ、ひぐぅっ!」 「頑張れー♪」 途端に強烈すぎる快感に囚われてがくがくと身体を震わせる雪を見ながら、少年はそう本当に楽しそうに笑う。 そんな少年を見て、さっきまであかりを責めていた男が本当に呆れたような、恐れおののくような表情で口を開いた。 「……ドSっすね、ボス」 「ん? そうかい?」 そう、表情を引き攣らせて言う男に、少年は首を傾げる。 しかし、そうしながらも指は一切の情け容赦無く雪の秘所を弄っていて。 「ひ、ひみぃぃっ……っあ〜っ!」 「あ、2回目だ」 びくり、と身体を硬直させる雪を見て、少年はそうあっけらかん、と口を開く。 そして、にっこりと笑うと、雪の耳元に顔を近付けて、口を開いた。 「それじゃあ、直接触ってあげるね♪」 「っあ……っ! っ!」 そう言って、雪の秘所の中に指を埋めると、雪は背筋を限界まで反らしてがくがくと震える。 雪の瞳からは涙が流れているが、それが嫌だからなのか、快感のあまり流れているのかが分からなくて。 「うわ、ひょっとしてイキっぱなし?」 「っは……! っは……っ!」 少年の声に答える事すら出来ずがくがくと身体を跳ねさせる雪。 そんな雪を見て、少年はにっこりと笑みを浮かべて……、 さらに、手の動きを激しい物にした。 「っあ、あーっ♪」 「ほら、もう少しテンポアップしないとどれだけ時間かかるか分からないよ?」 びくびくと跳ねて、快楽に囚われたように、何処か嬉しそうな声色で喘ぐ雪。 そして、そんな雪を見ながらにこにこと本当に楽しそうに笑い続ける少年。 そのまま、雪は気絶するまで少年の指が、少年自身が生み出す快感にぐちゃぐちゃに翻弄され続けた。 「あひぃっ! ひあぁぁぁぁ〜っ!」 「どう? そろそろ降参しない? ……僕達の仲間になって働いてくれるんなら、もう止めてあげるよ?」 後ろから少年に突き上げられて、雪はがくがくと身体を震わせながら快感に悶える。 そんな雪に少年がそう囁くと、雪はぶんぶんと首を横に振った。 「や、やっ! あなた達なんかの手つ、てちゅだいなんかっ、や、あぁぁ〜っ!?」 「……強情だね。あかりさんは完璧に堕ちちゃってて、逆に手伝うからもっとしてくれって言って来たのに」 そんな雪を軽く突いてやりながら、そう少年は思わずぼやく。 そして、何かを思い付いたように表情を明るい物にすると、口を開いた。 「それとも、あかりさんみたいに堕ちちゃってるの?」 「そ、そんな事っ、にゃあぁぁぁっ!?」 そう少年が聞くと、雪は必死になって反論しようとして来る。 そんな雪の膣奥を少年が軽く小突いてやると、それだけで雪は悲鳴を上げた。 「へえ、まともに反論出来ないくらいにとろとろになっちゃって、堕ちてないとでも?」 「そ、そんなのっ、あなたの薬のせいでぇぇっ……!」 そんな雪を見て少年がそう聞くと、雪はこつこつと子宮口を小突かれる感覚に悶えながらも、何とかそう答える。 すると、少年はそんな雪を見て、鼻で笑った。 「薬? 薬ねぇ。あの薬さ、依存性が無いようにって作らせたから、そんなに効能自体は強くないんだよ? 量的にもそう非常識な量は投与してないし、第一もうとっくに効果切れてる時間だし、ね」 「……っ!?」 そう少年に言われ、雪は信じられないような表情を浮かべるが、すぐに快感にその表情は洗い流される。 しかし、少年の言葉は明らかに雪に影響を及ぼしていて。 「はひっ、ひあぁぁぁ〜っ♪」 「あれ? 何だか、膣内の感触が変わって来たよ?」 「い、言わないでぇっ……はあぁぁぁんっ♪」 きゅうきゅうともっともっとと快感をせがむような締め付けに変わった膣内の感触を感じ、少年はそう言ってやる。 すると、その言葉でも感じているのか、さらに雪の膣内はきゅうきゅうと締め付けて来ていて。 まだ媚薬が後半分程度の効果時間を残している事をざっと計算すると、少年はさらに雪を突き上げた。 「っぁ、はふっ……」 「あ、起きた?」 ふと目を覚ました雪は、自分がベッドに寝かされて、寝顔を少年に覗き込まれている事に気付く。 慌てて雪は飛び退こうとするが、下半身がまるで別人のそれであるかのように全く動かなくて。 「きゃっ!?」 「おっと!」 バランスを崩した雪の身体を抱き締めるように少年が支えると、雪は一瞬だけ呆然とする。 しかし、すぐに何故か真っ赤になると、少年の身体を突き放した。 「っ!」 「わっ、と」 急に突き放されて少年は一瞬だけよろめくが、すぐに体勢を立て直すと、にっこりと笑った。 「……そりゃあ、あそこまで喘がされたら、腰も立たないよね?」 「〜っ!」 そう言われて、雪はさっきまでの喘ぎまくっていた自分を思い出して、また真っ赤になる。 そんな雪を見て、少年はくすり、と微笑むと、口を開いた。 「でも、気持ち良かったでしょう? ……また、味わいたくはありませんか?」 「え、あ……」 そう言われて、雪は真っ赤になったままで俯く。 ……そして、微かに、そして確かに、頷いた。 ……白雪は、簡単に穢される。 そして穢された白雪は、もう二度と元の白さを取り戻す事は無い……。 SS一覧に戻る メインページに戻る |