七罪のトイズ2
シチュエーション


―怪盗アルセーヌが七罪の罠に落ちてから数ヶ月

ようやく外部が動き出した。Genius 4に怪盗狩りの情報が入り込んだのだ
本当のところ警察側も怪盗狩りのことを芳しく思うものは居なかった
犯人を捕らえるという大義名分の下に邪知の限りを尽くしてしたり顔をする連中に
肩入れなど容易に出来るはずもなかった…

「大体の流れは理解したわ!とりあえず今日直接会って交渉してくるから」

そう甲高い声をあげて張り切ったのは(自称)超天才 明智小衣であった

事前に星を挙げていた屋敷の前に車を停めてもらい
単身、交渉へと向かうことに至った…
あの怪盗アルセーヌを捕らえた人物がどんな者であるのか興味を持つ反面
噂の真相も気になるという部分もあった

「Genius 4明智小衣です。速く通して欲しいのだけどっ」

何時もどおり少女らしい虚勢を張ると
重く扉が開き、『七罪のトイズ』をもつ男が顔を出した

「これはこれは。お待ちしておりましたよ
どうぞお入り下さい、今や散らかり放題ですが寛いでいって下さいね」
「お構いなく!一刻でもはやく捕らえられたものにあわせて頂戴」

やっぱりこの男、いけ好かない…少女はそう感じた

「こちらでございます…今のお時間、捕らえた青年たちが食事中…いえ『暴食』中で
幾分お見苦しい状態ですがご了承くださいませ」
「?(何言ってるのこいつ…)」

暗く殺風景な石塀の部屋に通された少女は表現仕様の無い臭気と惨状に血の気が引く

「ちょっ!!何、なんなのよ…これはっ……!!!!」

獣と化した三人の男が朦朧とする雌体を取り囲んでいた
そのうちの一人が製菓用のデコレーション袋を片手に得意がる

「ベェリィスウィートぅっ!どうだい?ボクが綺麗にデコってあげたんだから感謝して下さいね★」
「本当お前ってばこういうのだけは得意だよね〜」
「うむ。トゥエンティよくやった。早速嘗め回そうではないか」

三人の男どもに最早理性などが無いことを今日初めて見物した少女にも簡単に察知できた

「ひぃぃぃぃぃ!?ば、化け物っ!!こいつら完全におかしくなってるわ!!!!」

少女が阿鼻叫喚するさなかも男共はその雌体を好き勝手彩り『暴食』し続けた

「そ、そうだった!あ、アルセーヌ本人はどうなっちゃってるのよぉ」

恐れながらも囲まれた雌体を覗き込むと、そこには
片足を損壊し立つことすら間々ならぬ、背を反らせるのがやっとの状態の元怪盗女首領の姿があった…
更に気がついてみたら腹部が若干膨れ上がっているのが分かる

「……?その声、こ、こころさん…?」
「?その声って……!あんたもしかして目が見えなk……」

少女の背後から杭が話しかける

「そうですよ。残念なことについ最近の出来事だったんですよ」

乳房を嘗め回しながら少年が答える

「そーそー!ていうか悪いのはストーンリバーなんだけどね

アイマスク顔射って興奮するなんていうから〜」

「始まりはそうだが元はといえばエスカレートして眼球に出し切ったお前のせいであろう!!」

もうこの者たちは獣以外の何者でもない。感情の激化の前ではモラルも幻惑でさえも通用しない

「君たち〜喧嘩はNONONOだよ〜★ボクたちばかり食べてないでアルセーヌ様にも何か用意してあげようじゃないか」

そういうとトゥエンティは近くに転がっていた苺を器に並べ始めた
明智小衣は一瞬だけこの男の人間らしさに感心しかけた。なるべくヒトの状態で怪盗帝国逮捕をしたかった
次の瞬間少女の微量の希望が打ち砕かれた

「ほ〜らっ今日もたーっくさん練乳かけてあげますからね〜」

――いやな予感が的中した。男たちは一斉に器の果物に射精始めた、生臭さと果物の酸味が混ざり
なんとも言いがたい不快感を醸し出していた

「残さず食べて頂きますよアルセーヌ様。お腹の子の為にも…」
「とか何とか言っちゃってどうせ今回もお流し希望っしょ!」
「わんだほ〜★ではではソレまでの間じっくり美しいボテバディを堪能しよう〜」

―少女は煉獄はまさに現世にあると痛感した。見てはならぬものを見た
今日はもう何もかも投げ出してこの場所を去りたい。そんな気持ちで居た
やがてソレは猛烈な吐き気に変貌した
杭は青褪める少女を無理やり抱きかかえ敢えて惨劇の真ん中へ招待する

「よく見たまえ、これが君たちが捕らえたかった女首領の現状なのだよ」

目の前には壊れた人形と正気を失った獣と異常な気配と臭気
頭が真っ白になると少女はその壊れた人形の身体に消化しかけの液状物をぶちまけてしまった

「んぐっっぶふぇぇぇぇぇっ!!!!?…ごめ、わたし……やりたくてやったわけじゃ…」

少女が汚濁した液体を吐き出したと同時に身篭った身体がその状況に拒絶反応を示す
アルセーヌは男たちによって口内に運ばれた赤色の果実と白濁液の混合物を戻してしまう

「うっわ〜〜〜!!!汚なっ!ありえないんすけどっ」
「OHNO〜〜!!!いくらアルセーヌ様だからってコレは美しさに反するってものだよ」
「…躾なくてはならぬな…トゥエンティ、ペンチを貸して貰おうか」

部下だった男たちの会話を耳にし、思わず身体が硬直する背を捩じらせ僅かに抵抗を見せる

「ラット、脚を抑えていろ」
「へいへいっと!あはっ今日も悲鳴が聞けるんだね?楽しみ〜」

ペンチの小さいながらも厳つい硬さが、足の爪を挟み込んだ
冷たかった金属がすぐさま自分の硬直する体温で生ぬるくなる
次の瞬間、勢いよく足の親指から生爪が剥離させられる

「ひぃあああああああああああああっ痛い!!」
「もっともっと声を聞きたいっ!!焼けた砂を受け取って下さいね〜〜」

少年は炎のトイズで練成した焼けた砂を剥離した足の爪に掛けて見せた

「ぁっっ!!!!?あ熱い!…痛いぃぃ」
「うふふふ〜何て美しい悲鳴なんだろ〜嘔吐物まみれの人から出されてるとは思えないよ〜」

悲鳴を肴に獣たちは本日も輪姦を開始する…

悲鳴を背中にし部屋を出た少女は思考が殆ど回らぬ状態だった
七罪を司る男が少女に問いかける

「君はどうして先程罪人に同情したのかな?」

――この状況で一体何が罪で何がそうでないのか
混乱しきった意識の中でなんとかお茶を濁し退場することに懸念する

「……と、とにかく……怪盗帝国逮捕の為にご協力ありがとうございました
彼女らの身柄はこちらで……」
「ん?警察のお嬢さんの意気込みは承知ですがまだ当分愉しめそうなので
どうか飽きるまで待っていただきたいのだよ。すまないが今日のところはこのままお引取りを…」

この世の煉獄を見せるだけ見せて肝心の事項を遂行できずにいたが
今はそれどこではなかった…一秒でも速くここから立ち去りたい!

警察のお嬢さんはお帰りになったよ。このまま地獄の日々を過ごすか安楽に投獄されるか」
光を失っても尚且つ鋭くも美しい瞳でにらみつけ、声にならない声で伝える

「………ど、どちらも…お断りしますわ…」
「いい返答だね。その凛とした『傲慢』お答えも全て私のシナリオどおりでございます」

日に日に薄れていく意識ではっと気が付いたことがあった
もしかして自分も七罪のうちの一つに囚われていたのではないだろうかと。

「おや?負傷した足の爪がすっかり化膿してしまってますね。頭もそうでなければお気づきでしょう?
自分自身が最初から七罪のトイズ『傲慢』の犠牲者であることを」

―言われてやっと気が付いた、否、気付いていたが否定していた。
それが今、屈服という名の確信に変わったのだ…
己の力と美学を過信し疑うこと無かったそのため強がりで傲慢な自分は
簡単に許しを請うことができず相手の思うがままにゲームを長引かせ
楽しみを与え続けていたのだ…

「あははははっそうでしたの…なんだか、かたのにがおりたようですわ
わたくしの、まけですわ…どうか…お・ゆ・る・し・を…」

――怪盗帝国女首領、怪盗アルセーヌは自らの口で敗北宣言を下した
こうして数ヶ月間の惨劇に幕を閉じたのであった
消えかける意識の中、部下だったものたちの声が耳に届いた気がした―

彼女の敗北により、長い間の七罪が解かれた

「俺たち数ヶ月間何をどうしていたというのだ!!!」
「AH〜!!なんだか淫靡な悪夢を見ていたような〜」
「!?おい二人ともーーーーーーー!大変だ、あ、アルセーヌ様が…」

三人の目に飛び込むは見るも無残な彼らの首領の姿
今は見る影もなく壊れた人形さながらな、惨劇ものがたる雌体そのもの…

「やだなー趣味の悪い『幻惑』見せるのは勘弁して下さいよぉ」

少年は号泣し、無理やり口元で笑顔を作り語り掛けた

「流石ですアルセーヌ様、一瞬本当に負傷してしまったかと存じました」

必死に冷静さを纏って髪を結った男が話す

「おぅ!身体のパーツを失っても蒼白しようとも美しいです〜
でも、もう静止した幻惑はノーサンキューですよーー」
いつもの調子を取り戻そうともがく男だったが声が上擦り次第に涙混じりになる

――数ヶ月間の惨劇の記憶を引きずっているのか、はたまた全く見に覚えなく
目の前の受け入れがたい惨状に困惑し絶望しているのか…
男たちは自分の中に潜む七つの罪を悔いた、そして慟哭し続けた。






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