シチュエーション
「まさかこの城まで辿り着くなんて…」 魔水晶に映し出された光景に驚く齢500年を数える美しき夜の毒蛾・魔女王リリモス。 そこには彼女の居城の麓に足を踏み入れる勇者ジャックの姿が映し出されていた。 ジャックのパワーの源は禁欲。禁欲し精を貯めれば貯めるほどパワーアップし、 魔物を素手で撃破するほど。逆に精を放出してしまえば、剣を振るうことさえ出来 ないヘナ男になってしまうという特異体質だ。 長い眠りから覚め、自らを封印したキンヨーク王国に復讐を開始したリリモス。 ひょんなことからリリモスの討伐をすることになってしまったジャックに対し、彼女 は当初は男魔物を送り込んでいたが、偵察によりジャックの体質を知った後は、次々 と配下の淫魔や女魔を派遣。彼女たちは様々なタイプの美女に化け、彼にエロエロに 迫ったものの、聖剣の光で正体を露呈され悉く討ち死に。その後勇者はどんどん パワーアップし、遂にリリモスの居城下にまでたどり着いたのである。 「誰か! 誰かいて!」 「リリモス様、もはや私しか…」 返事をしたのはリリモスと共に復活した、彼女に長年侍従してきた年老いた山羊の魔物 カプラ爺一人。 「爺や。カプラ爺や。爺や一人に。そうね、私の可愛い部下達は、あの憎き勇者に…」 「はい、残念ながら」 「こうなったら私が直接出撃して奴を斃すしか…」 「リリモス様、お待ちくだされ。ここは私が最後の務めを」 「爺やを行かせるわけには行かないわ。夜を支配する魔女王のプライドをかけて私が 奴をッ!」 怒りに震え王座から立ち上がり城の窓から毒蛾の羽を広げ飛び立たんばかりのリリモス。 カプラ爺は彼女を慌てて引き留め、こう語りかける。 「リリモス様、お待ちくだされ。急いては事をし損じますぞ」 「そ、そうね。でも、奴はこの城にまで…」 「リリモス様、私に妙案が。奴がこの城に辿り着いたことを逆に利用するのです」 「利用って爺や、何ができるというの」 「人間どもは私の作り出す幻影を見てこの城には魔王が住んでいると思っていること はご存じかと」 「ええ。復活した私の存在を隠し、この国の愚かな人間どもを『魔王の恐怖』に怯え させることができたのも爺やのおかげ」 「あの勇者も同様のようで。『魔王め、ボクを誘惑できると思うなよ』と喚いており ましたぞ」 「フンッ、何が。私の部下達の姿に鼻の下を伸ばしていたくせに。ああっ、後一歩で 奴を腑抜けにできたものを…口惜しい」 「はい。ジャックとやらの体質を考えれば当然の策ではありましたが…。立て続けの 誘惑が逆に奴の女性に対する警戒心を高めてしまい、この城下に近付く前、約3ヶ月 ほど女性との接触は皆無」 「つまり奴のパワーは過去最高レベルということね」 「はい、たとえリリモス様といえど、迂闊に近付けば火傷を…」 「じゃあどうやって奴を斃すというのッ! 私の力──男を狂わせる夜の力が使えなけ れば…私に勝ち目はないのよッ!」 切れるリリモス。カプラ爺は「やれやれ」という表情を浮かべ冷静に彼女を諭す。 「リリモス様、落ち着きください。いかにエロティックで魅力的な美女と言えども、 毎回強引に迫って来られては、あの愚かな勇者と言えども警戒するもの。いかに 奴を油断させ、虜にするかが鍵でござります」 爺の言う通り、リリモスが派遣した淫魔・女魔達の誘惑が失敗したのも、彼女たちが TPOを無視した強引な誘惑を繰り返したため。当初はその媚態に鼻の下を伸ばしてい たジャックの警戒心が上がってしまったのだった。 「そそ、そ、そうね。奴を甘く見すぎていたワ」 「やはり手練手管が重要かと」 「それで、どうやって奴を油断させるの。この城に辿り着いたことを利用する妙案が ある…そう言ったわよね、爺や」 「はい、確かに。魔王の城、そして勇者。リリモス様、何か欠けているものはござり ませぬか?」 「魔王の城、勇者。魔王。城。勇者。魔王、城…… !!」 ハッとした表情を浮かべた後、ニヤリとした笑みを浮かべるリリモス。 「お気づきになられましたか、リリモス様」 「勿論よ。欠けているもの。それは……お姫様」 「左様。魔王と言えば姫を捕らえて国を脅かすもの。勇者が人質の姫を無視すること ができますでしょうか」 「できないわよネ。ウフフフ」 「私が幻影で作り出す魔王が奴にこう告げるのです『よくぞここまで来たな。だが それ以上近付けば牢に監禁した姫の命は無いぞ』と。奴は勇者の名にかけて、間違い なく姫の救出に向かうはず」 「ンフフフっ。あとは私の出番ね」 「はい。ジャックとやらのパワーは今や最高レベルに達しております。が、それは 即ち溜まり具合も最高レベルと言うこと。憎き魔王に囚われた姫、それもリリモス様 がお姿を変えた絶世の美姫となれば気を緩め、誘惑に堕ちること間違いなしかと。 妙案にござりましょう」 「流石は爺やネ。作戦成功の暁には…私がサービスをしてあげるワ」 「ご、ご冗談を」 「ンフっ、冗談よ爺や。勇者の勇気を逆手に取るなんて面白い策ネ。ワクワクして きたわ」 「はい、リリモス様。早速ご準備を」 「そうネ。こぉ〜んなお姫様はどうかしら。うふふふふッ…」 不敵な笑い声と共に黒い光に包まれるリリモス。数秒後、光の中から現れたのは、 これまでリリモスが送り込んだ魔物の美女変化とは一線を画す超弩級の絶世の美姫だ。 姫らしい可愛らしさと魔女王のエロ綺麗さが同居したソソる美貌。白い柔肌。 ボリューム感たっぷりのツンと上を向いた形の良い美巨乳。か細くしなやかな腕。 流線型のくびれ。ぷりんとした美味しそうなヒップ。魅惑の白太腿とスラっと伸びた 美脚。その美巨乳の谷間が露わなのは勿論、チュールをふんだんに使った、彼女の 至高のボディラインやエロ可愛いショーツがいやらしく透け見えるピンク色の シースルードレスを纏い、全身から甘く濃厚なフェロモンを放出。 きらびやかなアクセサリ(大半が彼女のシンボルである毒蛾型)で飾られた長く美しい ブロンドヘアをたなびかせ、婉然と微笑むその姿はまさに魔性のビーナス。大抵の男 なら一目見ただけで即勃起し、押し倒したくて堪らなくなってしまうこと請け合いだ。 「ん〜ンッ。ねぇ爺や、どうかしら、この姿。我慢できるかしら? 魔王に結婚を 迫られた麗しのリリモス姫よ」 髪を掻き上げ、肢体をくねらせてカプラ爺に語りかける絶世の美姫姿のリリモス。 彼女のあまりのエロ美しさに、さすがの爺も感嘆の声を上げる。 「おおおおっ、流石はリリモス様。長年付き添って来たこの爺でも勃起してしまい ますぞ」 「そうでしょ。これが夜を支配する魔女王の力。ンフフフッ…」 黒い邪悪な笑い声を上げるリリモス。 「はい、しかしリリモス様、僭越ながら…」 「なぁに、爺や。したくなっちゃった? んふッ」 「その…お姿とお声のギャップが。姫様らしく少し可愛らしい声をお作りになった方 がよろしいかと」 「そうね、爺やの言う通りネ。ンンン〜ンッ。『ねぇ勇者様…んっ』。いかがかしら?」 普段のやや低目のエロボイスとはうって変わった、ゾクゾクするような甘い声を作り 出すリリモス。 「おお。可愛らしいですのぉ。それと…そのドレスにござりますが、少々扇情的過ぎ るかと。囚われの姫がそのような姿でいる訳がござりませぬ」 「あら、お嫌い? いいのよ、爺や。『魔王に脅されて…こんなエッチな服を着せられ ちゃったの…』よ。ウフフフフ。ホントは好きなんでしょ、爺やも」 妖艶な笑みを浮かべ、カプラ爺にしなりしなりと歩み寄ったかと思うと、実はパンパン に膨らんでいた爺の股間に手を伸ばすリリモス。 「ホラ、こんなになっちゃって…んっ」 「ヒェッ! おおおお戯れを。そそ、それからもう一つだけ。り、リリモス様のお名前 は人間共に知れ渡っていますゆえ、リリモス姫では、ゆ、ゆ勇者に気付かれ…」 「んんっ、もおっ。意地悪な爺やネ…」 腰が引け気味のカプラ爺の背に回り込むリリモス。シースルードレスに浮かび上がる ぷるる〜んとした柔らかな美巨乳の山を爺の背中や二の腕に押し付け、耳元に甘く 囁きかける。 「ねっ。私のおっぱい、おっきくて柔らかいでしょ。んんっ」 「んワわわわっ。リリモス様っ…何を…」 乳房の感触にカプラ爺の動きが止まったのを見るや、姿勢を変えてスス〜ッと爺の ズボンの中に手を入れ、ビンビンになった肉棒をしなやかな指先で優しく手コキ始める リリモス。爺も彼女の攻勢にたまらず快感のうめき声を上げてしまう。 「んひゃっぅっ。リ、リリモす様。おお、お戯れを。ウウウッ」 「ネッ、我慢しないで。爺やも綺麗なお姫様とこういう事したかったでしょ。ウフッ」 「り、り、リリ…もす様。その…」 「名前、イレーヌ姫はどうかしら? ボラプチャス国の第三王女・イレーヌ姫よ。 『カプラ様、イレーヌがいっぱい気持ちイイことしてあげる…』」 甘く淫らにカプラ爺の名前を呼び心をくすぐる。爺のズボンから引きずり出したビン ビンの肉棒を、シースルードレスのスリットからニョッキリと露出されたむちむちの 白太腿に擦りつけ、とろける嬌声を上げるイレーヌ姫=リリモス。 『あんっ。イレーヌも興奮して来ちゃった。カプラ様、私のココを触って…』 カプラ爺の肉棒をいやらしく弄びながら、爺の手をスリット奥の可愛エロいフリフリ スケスケショーツへと導き、薄い生地越しに秘部をまさぐらせようとするリリモス。 『んんっ。あんっ。あぁんッ…イレーヌ感じちゃうぅんっ』 「んおうゃっ。り、りり…もス様…。おおおお止めくだ…さ……イイイイイッ」 その行為に声にならない声を上げつつも、大慌てで彼女の手を払い、何とか飛び逃げる カプラ爺。 「あんッ…。もおっ、爺やってば。何で逃げちゃうのヨっ。イイトコだったのに」 「はぁはぁ…。リ、リリモス様、ご勘弁ください。お戯れが過ぎますぞ…」 「ウフフッ、予行練習ヨ。ねぇ、どうだったかしら? イレーヌ姫の誘惑」 「れ、練習にござりますか。さ、さすがはリリモス様。この老いぼれをもいきり 立たせるそのお姿・その肢体・そのテクニック。ジャックとやらもイチコロにござり ましょうぞ。しかしながら、その…」 「しかしながら…って、そんなにビンビンになっている癖に、また小言?」 「こッ、これはその…。しかしながら、やはり少しエッチ過ぎるかと」 「ウフッ、大丈夫ヨ。魔王の非道と命の恩人への好意を騙って可愛らしく誘うから。 非道と言ってもエッチなことを強要された…って話だけど。ウフフフフフ」 「それならば。おっと、もうこんな所まで」 「どうしたの、爺や」 魔水晶を指差すカプラ爺。そこには城門近くまで迫った勇者ジャックの姿があった。 「リリモス様、お急ぎを。西の牢で囚われたフリをしてお待ちくだされ。この爺が 奴を誘導しますゆえ」 「頼んだわよ爺や。そうだわ、あの厄介な剣はどうするの?」 「はい、あの剣は奴が手に持たなければ効果を発揮しませぬ。奴の手にさせぬよう お気を付けくだされば問題ないかと」 「分かったわ。ウフフフフッ。さぁジャックとやら、待ってらっしゃい。いっぱい 楽しませてあげるから。ホホホホホッ…」 高笑いをし、自信満々に城の西の牢へと向かうイレーヌ姫=リリモス。そこは今や 誰一人といない廃墟牢。その一つに入るや、壁に鎖で括り付けられた姿を装い、 勇者ジャックの到着を待つのであった。 SS一覧に戻る メインページに戻る |