幼キ華ガ紡グ想イ
シチュエーション


※陵辱アリ、注意!


『幼キ華ガ紡グ想イ』

「──けど、当選できて何よりです、父さん」
「ま、選挙制度がどう変わろうと、ワシの地盤に揺るぎはしないがな!」

村一番の地主にして、村会議員でもある渡来家の当主の館。
その座敷では、大人達が新年早々に生臭い話を笑顔で語り合っていた。

「……ふぅ」

そんな「オトナのセカイ」にはまるでそぐわない女の子が、座敷の片隅でこっそり溜め息をついた。
12、3歳くらいだろうか。正月にふさわしくオレンジ色の振袖を着た愛らしい少女だ。
キョロキョロとあたりを見回したのち、退屈に耐えかねたのか、立ち上がって座敷から出て行こうとする。

「どこ行くの、陽向(ひなた)?」

いかにも盛装という感じのドレスを着た、少女の母親らしき女性が問いかける。

「ちょっと息が詰まるので、オモテを少し散歩してきます」
「もうすぐ夜だからな。あまり遠くへは行くなよ」
「はぁい、パパ」

父親らしき男性の言葉に素直に返事しながら、少女はこっそり舌を出した。

(はぁ、やっと抜けれた)

少女が座敷を出たのを確認してから、彼女の父親に隣の青年が囁く。

「義兄さん、今日は子供はなしって」

僅かに混じった非難するような調子に、父親は肩をすくめた。

「いや、どうしても来たいってあの子が言うんでな……まぁ、バレはしないだろ」

***

「えーっと……」

あたしは、玄関を出たあと、そーっと裏口から離れの方へと忍び込んだ。
パパ達には、この離れには近づくなって言われててるけど……。

(ごめんなさい、パパ、ママ。だって、約束したの。また、会おうって)

「月乃(つきの)ちゃーん!琴宮月乃ちゃーん!いないのォ?」

この村で唯一人の友達の名前を呼ぶ。

──月乃ちゃんと初めて会ったのは、おととしの今頃。
夜中にトイレ行こうとして、迷って離れに入り込んじゃった時、優しそうなおばさんに声をかけられたんだよね。

「そう、哲夫さんの娘さんね。おトイレなら、あっちの……」

頭を撫でてくれたおばさん(月乃ちゃんのお母さん)が、道を教えてくれているところで、心配そうな表情をした女の子が部屋から顔を見せた。

「……お母さん、そのコ、だぁれ?」

それが、あたしと月乃ちゃんとの出会いだった。
この村には、同じ年ごろの女の子は他にいなかったから、あたし達はすぐに仲良くなった。
お正月とお盆にしか、おじいちゃんの家には来れないけど、ここに来る度に、あたしは月乃ちゃんとできるだけ一緒に過ごすようにしてるんだ。

「──ひなたちゃん」

あたしの呼びかけに応えて、月乃ちゃんが出て来てくれた。

「あ!月乃ちゃんだ♪」
「お久しぶりね」
「月乃ちゃん……キレイ……」

誕生日も血液型も同じで、背丈もほとんど変わらないのに、月乃ちゃんはあたしなんかより、ずっと綺麗で大人っぽい。
今も、あたしと同じく晴着の振袖を着ているんだけど、薄桃色の地に水色の雲と色とりどりの花びらを散らしたようなその着物は、月乃ちゃんをいつも以上に大人っぽく見せていた。
いつもと違って髪の毛も大きなリボンでポニーテイルにまとめているし、薄くお化粧もしてるみたい。パッと見だと、高校生のお姉さんだって言われても信じちゃうかも。

「ふふ、ありがと。ひなたちゃんも、可愛いわよ」

柔らかく微笑む月乃ちゃんの表情は、どこか母親であるおばさんに似ている。
優しそうだけど、ちょっと寂しそうな……こういうのを「切ない」って言うのかな?

「「あけましておめでとうございます!」」

とりあえずはふたりで新年のご挨拶。
どこからか月乃ちゃんが調達してきてくれたお料理と甘酒を飲みながら、離れの一室でふたりでとりとめもないおしゃべりをする。

「けど、ホント綺麗な晴着……いいなァ、月乃ちゃん」

話が途切れた時に、あたしは再び憧れの視線を月乃ちゃんとその着物に向けた。

「アタシのなんて、去年と同じお子様用なのに……」

溜め息をつくあたしに苦笑する月乃ちゃん。

「でもこれも、お母さんのお古なの。もう古いのよ?」

ふぅん……確かに、言われてみればちょっと古めかしい感じはする。でも、やっぱりいいなぁ。月乃ちゃんはそういうのが似合うし。

「!そう言えば、おばさんは?あっちにも見なかったけど」
「……母さんはちょっと……」

口を濁す月乃ちゃんの様子に、あたしもそれ以上は聞けなくなる。

(ほかの人には話さないって約束だけど……やっぱり気になるよ。
どうしてこんな外れにひとりでいるのか、とか)

でも、何となくだけど、月乃ちゃん達のことは人前で口にしちゃいけない気がする。
だから、あたしも、パパやママにも、ここで月乃ちゃんと会っていることは内緒にしていた。

「「……」」

ふたりとも、ちょっと気まずい感じで黙ってしまう。

「ねぇ、ひなたちゃん。そんなにこの晴着が気に行ったのなら、着てみない?」

話題と雰囲気を変えようと思ったのか、月乃ちゃんがそんなことを聞いてきた。

「え!!ホント?いいの?」

もちろん、そうさせてもらえるなら嬉しいけど……。

「あ、でも帯とか……」
「大丈夫、私、着付けできるから」
「すごい!じゃあ、月乃ちゃん、取り替えっこしよ!」
「とりかえっこ?」
「うん、月乃ちゃんの晴着を着せてもらう代わりに、あたしのも月乃ちゃんが着て見せてよ!」
「──そう、そうね。それも……いいかもしれない」

月乃ちゃんがコクンと首を縦に振ってくれたので、あたしはウキウキしながら着物の帯をほどき始めた。
──月乃ちゃんが、「取り替え……いえ、入れ替わりか。もしかしたら……」と呟いていたことに気付かずに。

帯をほどき、振袖を脱いで、まずはふたりとも白襦袢姿になる。

「わぁ!月乃ちゃん、ムネ大きいね!」
「そ、そう?」

襦袢越しにも月乃ちゃんのオッパイが、かなり大きめなのがわかる。B……ううん、Cかな。うちのクラスで一番大きい麗華ちゃんと同じか、それを上回るかも。
まずは、着付けのできる月乃ちゃんが、あたしの振袖を着た。
幸い背丈は同じくらいだし、胸以外の体型もそんなに変わらないから、和服なら問題なく着れるみたい。
せっかくだから、髪飾りとリボンも交換。
お化粧を落とし、髪の毛を下ろして、桃の花の形をした(ちょっと子供っぽい)髪飾りを付けると、あの月乃ちゃんも結構年相応に可愛らしく見えるから不思議。

「……それは、私がおばさんくさいってことかしら?#」
「わぁ、そうじゃなくて、大人っぽくて素敵って意味だよ〜」

じゃれ合いながら、今度はあたしのお着替えの番。
髪の毛をさっきまでの月乃ちゃん同様ポニーテイルにして、リボンで結わえる。
白粉をはたいて口紅を引くだけの簡単なものだけど、月乃ちゃんが私の顔にお化粧もしてくれた。

(着物を着てからだとおしろいの粉が落ちるから、お化粧は先にしておくんだって)

鏡の中には、いつものあたしとはまるで違う、大人びた女の子がびっくりしたようにこちらを見返していた。

「あれ?」

でも、この顔……どこかで見たことがあるような……。

「そうだ、月乃ちゃん!」

そう、髪を結い化粧をしたあたしは、さっきまでの月乃ちゃんに似ている気がする。
そう思ってよく見れば、いまの月乃ちゃんも、いつものあたしっぽいかも。

「別に不思議なことじゃないわ。私たち、親戚だもの」
「あ、そっか。そうだよね」

言われてみればその通りだ。

「──じゃあ、はい!」

月乃ちゃんが、自分の振袖を肩からかけてくれる。

(あ…れ、この香り……)

何だろ………着物から漂ってくるこの匂いを嗅ぐと……なんだかボーッとしてくる。

「──ねぇ、ひなたちゃん。ムネってね、大切なのは大きさや形じゃないのよ」

帯を締めるためにあたしの後ろにいた月乃ちゃんが唐突にそんなことを言いだした。

「え?きゃんっ!?」

背後から月乃ちゃんの手が伸びて、あたしのムネを触ってる!

「やわらかさ、さわり心地……そして、どれだけ感じるか」

──ムニムニ……

「あ……!」

月乃ちゃんの手つきはとても優しくて、たちまちあたしは気持ちよくなってしまい、その手の動きに逆らえない。

「ひなたちゃん、感じやすいみたい」

──つつつ……ピチョ

「やぁっ!だ、だめぇ!!杏ちゃん!」

月乃ちゃんの左手がわあたしのムネを揉んでるあいだに、乱れた着物の裾から右手が差し込まれて、太腿を撫でる。そしてさらにその奥も……。

「い…いけないよぉ……こんな…こんなこと……」

ようやく、あたしは制止の言葉をひねり出したけど、その語調はか細く弱弱しい。

「ふふ、自分でシたこと、あるんでしょ?」
「あ……」

カァッと頬が熱くなる。
そりゃ、あたしだって、次の春から中学生だし、そういうエッチなコトにも興味はある。
お、おなにーだって、去年の夏くらいから何度もしちゃってるけど……

「は……あ……」

けれど、自分以外の人にアソコを触られるなんて、思ってもみなかった。
そして、それが、こんなに気持ちいいなんて。

「もう……こんなに♪」

クスリと笑った月乃ちゃんは、あたしを広げた振袖の上に押し倒す。

「あぁ、月乃ちゃぁん♪」

(あ……あたし、なんか変だよぅ……)

月乃ちゃんの着物の上にいると……エッチな気持ちが止まらない……もっともっとシテ欲しくなる。

「あ、あんっ!は……あんっっや…あ……ふぁ…………あ…ふ……ああ!」
「──ひなたちゃん……私のお母さんね。」

月乃ちゃんは、あたしの身体をまさぐりながら、ポツポツと自分の身の上を話し始めた。

月乃ちゃんの家系の女は「囲い女」と呼ばれていること。
月乃ちゃんのおばぁさんも、お母さんも、この村で「特殊なおもてなし」をすることが仕事だったこと。
去年の11月に、お母さんが病気で亡くなったこと。

「──それでね、今度は私の番なの」

「はぁ、はぁ……番……なに…が……?」
話しながらも手を休めない月乃ちゃんのおかけで、あたしはまともに考えることすらできないけど、なぜかその「私の番」という言葉は気にかかった。

「──お母さんからからこの着物と……役目を受け継ぐこと。初めての時は、必ずこの晴着を着るのが習わしなの」
「……はんっ……ひっ……あっ!あっっ!」

初めて?何を初めてするの?

「昔から…ずっと……」

耳元で囁いているはずの月乃ちゃんの声が、なぜか遠くから聞こえるような気がする。

「お母さんも、おばぁちゃんも……沢山の女の人の哀しみが……
そのひとつひとつが染み込んでいるの」

──いえ、違う。この声は、あたしの頭の中に直接響いてくるの!?

「ああんんっ!」
「この晴着は、証しなの……」

それが何の「証し」なのか聞くことも出来ず、今まで体験したこともない気持ち良さとともに、あたしの意識は暗闇の中に閉ざされた。

***

薄暗い部屋の中で、いまだ色濃く残る快楽の燠火に体中を火照らせながら、振袖姿の少女がひとり、熱い吐息を漏らしている。
「しかし、そんな幼い子、平気かぁ?あまり無茶はできそうにないわい」
「大丈夫ですよ!体はもう十分オトナです!」

廊下の向こうから、複数の男達が、ガヤガヤと話しながら、こちらに近づいてきているようだ。
ガラリ、とふすまが開かれた。

「囲い女もこやつで最後か。精々大事に扱ってやろう」

部屋に足を踏み入れた壮年の男性が僅かに感慨深げに言うが、続いて入って来た男達が、ニヤニヤと下卑た表情を浮かべる。

「!?ほぅ……成程、これは侮れませんな」
「ひとりで何してたんだか…… 」

女の子座りをした少女の着物の裾ははだけ、襟元も大きく乱れている──そう、まるでひとりで体を慰めていたかのように。
さらに頬を赤らめ、熱い吐息を漏らしているのが決定的だった。
ホンヤリしていた少女は、男達に気づき、漠とした視線を向けると、ノロノロと正座し、頭を下げた。

「……お待ちしておりました。
どうか……月乃を……可愛がってください」

そんな言葉を呟いた瞬間、僅かに少女の心にさざ波が立つ。

(あ…あたし、違う……月乃じゃ、ない……)

そんな少女の心と裏腹に、体は自然に男達に媚びるような動作を見せる。
少女の痴態に辛抱できなくなったのか、数人の男達が取り囲むようにして彼女の体を弄び始める。
幼い肢体のあちらこちらから送り込まれる刺激に翻弄されながら、少女は唯一の希望となるはずの思考を、なんとか手繰り寄せようとする。

(あ…あたしは……あたしは…ひなた)

その名前を思い出すと同時に、一気に思考が明晰になるが、むしろ茫洋とした思考の霧に沈んでいた方が、彼女にとっては幸せだったかもしれない。
なぜなら、時すでに遅く、彼女の身体は何人もの男達の唾液と精液に塗れ、また、強制的に送り込まれた快楽にからめ取られた体は、ロクに抵抗を示すことすらできなかったのだから。

(やぁっ……怖い……)

心の隅ではそう思いながらも、「月乃」は両掌で男根を握り、口中に突きこまれた逸物を夢中になってしゃぶり、幼い秘所を舐め上げられて、歓喜の声をあげる。

(助けて……おじさん……おじいちゃん……パパァ!)

少女の心の「声」は、何処にも届くことなく、ついに破瓜の時が訪れた。

「あ゛あ゛ーーーーーッ!」

当初こそ痛みに絶叫した少女だが、しかしその心が絶望に染め上げられるのと反比例して、身体がより敏感に、快楽に対して貪欲に覚醒していく。
ほどなく、「月乃」と呼ばれる少女は、自分から腰を振り、男の精を舐めすすることほ望む淫らな「女」へと変貌していくのだった。

***

1月2日の午後。この屋敷に集った親族達の一部は、少し早いが自分の家へと帰り支度を始めていた。
ひなたの両親もこの日に帰ることを決めていた。

「世話になったな」
「いえ、そんな……」
「功二さん、今度遊びにいらしてね」
「はい、義姉さん」

義理の兄弟達との月並みながら心温まる会話からは、あの夜の狂乱の影はうかがえない。
当然だろう。彼らにとって、アレは当たり前の出来事なのだから。

「ひなたー、早くしなさい!」
「はぁい!」

母親の声に急かされて、トントンと靴のつま先を地面に打ちつけながら、玄関から少女が姿を見せる。
フリルとレースに彩られた膝丈の真っ白なワンピースの上から、暖かそうな真紅のコートを羽織り、足元は白のハイソックスとくるぶし丈のショートブーツを履いている。
着物姿の時と異なり、そういう格好をしていると、彼女も「年相応に」可愛らしい印象だ。
少女は両親にじゃれつくようにして、車に乗り込み、ひなたの家のある町へと帰って行った。

……
………
…………

薄暗い部屋の中で、少女はノロノロと身を起こす。

「……いまの…は…」

夢に見た光景が現実にあったことだと、直感的に彼女は悟っていた。

「あれ……誰?」

少女は「ひなた」と呼ばれていた。
それはおかしい。「ひなた」とは自分の名前のはずだ。
けれど、父も母も、叔父も祖父も、周囲の親戚の誰ひとり、彼女が「ひなた」であることを疑ってはいなかった。

(じゃあ、あたしは……?)

ひなたのはずだ。けれど、「ひなた」はお家に帰ってしまった。
なのに、ここにもいる自分も「ひなた」だとすると、「渡来陽向」という人間がふたりいることになる。

(つまり……あたしは、ひなたじゃ…ない……?)

それなら何者だと言うのか。

──どうか……月乃を……可愛がってください

「あの時」、自分が口にした言葉が少女の脳裏をよぎる。

「そっか……あたし……ううん、私、月乃なんだ」

それが真実か否かはもはや問題ではなかった。
周囲がそうと判断し、少女自身がそのことを認めたいま、少女はもはや「琴宮月乃」以外の何者でもありえないのだから。

──さよなら、あたし。

「月乃」の頬からひと粒だけ、涙が零れた。

-終幕-






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