シチュエーション
☆あくと・つー『まい・しすたー』 「げっ、姉さん!?」 思わず驚愕する悠二。 魔法使いを名乗るぬいぐるみの様な生き物、 ペルペルによって結愛と存在を入れ替えられた悠二の部屋に現れた女性。 それは彼の姉であり、結愛の母親であった。 悠二と姉は歳が10離れた姉弟であり、 姉は高校を卒業後すぐに家を出て就職した為に一緒に暮らした時期はそう長くは無い。 そしてその3年後には幼馴染の彼氏と結婚をし、更に1年後には結愛を産んでいる。 8歳の子供を持つにしては若い年齢ではあるのだが、それでも歳の話はタブーだ。 「あ、ママだぁ」 母親の姿を見て結愛も声をあげる。 そんな二人を見て怪訝な顔をする姉。 存在を入れ替えられている二人は他の人が見ると入れ替わった方の姿で見えている。 なので二人の発言がおかしく思えるのだ。 「あ、あの姉さん、これには訳があって」 だが悠二はそこに気付かず、 ただ自分が結愛の服を着て変態女装状態であることを見られた事に慌てふためいている。 「ママ、いまね結愛はペルペルの魔法で悠二おじちゃんになってるんだ。ほらペルペルだよ」 抱いていた悠二を下すと結愛は嬉しそうにペルペルを抱え母親に見せた。 その様子を見て、これはそう言うごっこ遊びなのだろうと見当をつけた結愛の母親だが、 娘と一緒に遊ぶのは良いけど、恥ずかしげもなく演じている弟はやはり変人なのだろうかと真剣に思う。 「悠二、それちょっと変だからやめた方がいいわよ。結愛も遊びかもしれないけどあまりそう言う言葉遣いしちゃ駄目よ」 言われ悠二はその言葉が結愛と自分が逆にかけられている事に気が付き、慌てたままペルペルの方を見る。 『そうだきゅん。存在が入れ替わっているんだから、 当然周りの人間にはお前は結愛ちゃんに見えて結愛ちゃんはお前に見えるんだきゅん』 ペルペルのその声は結愛と悠二にしか聞こえていない様で、 姉は慌てた様子の娘の姿を見て更に怪訝な表情を見せるが言葉を続けた。 「さあ、結愛もう帰るわよ。今日はスイミングスクールの日でしょ?遅れるわよ」 言って悠二の手をつかむ。 悠二はその手に引っ張られるようにして姉の方へ身体を寄せられた。 「わっ、姉さんちょっと待って」 このままでは自分は結愛として姉に連れて行かれてしまうと思った悠二は声をあげるが、 姉は取り合わない。 「おいペルペル、今すぐ元に戻せ」 今度はペルペルに魔法を解くように声を掛ける。 『だからお前のお願いは聞かないと言ったできゅん。 これは結愛ちゃんのお願いなんだから大人しく結愛ちゃんの代わりを務めるんだきゅん』 ペルペルはこの状況を受け入れろと言う。 それなら結愛に頼めばと悠二は考えたが、当の結愛はその状況を楽しんでおり手まで振っている。 「悠二おじちゃんバイバイ、プール頑張ってねぇ」 こうなればもう八方ふさがりだ。 「それじゃ悠二、結愛と遊んでくれてありがとう。失礼するわね」 そしてとうとう姉に手をひかれ部屋から連れ出されてしまった。 悠二は姉に手をひかれ家のリビングまで連れてこられていた。 廊下で姉に自分は悠二だと散々主張したのだが、 取り合ってもらえず最後にはもうごっこ遊びは終わりにしなさいと一喝されてしまっている。 そしてこのまま抵抗したとして事態は改善しないと思い、 とりあえずは結愛を演じるしかないと諦めた所だ。 リビングには悠二の母の姿があった。 「お母さん、なんでこんな時間に悠二が居るのよ?」 母親の姿を見ると姉は開口一番そう言った。 「午後からの講義が休講だったとか私は聞いたけど」 「それで直ぐに家に帰って来るってどうなのよ?遊びに行くとか無いわけ?」 「さあ?悠二は昔から外で遊ぶより家で遊ぶのが好きな子だったから」 母親は昔を思い出したように話す。 「それは欲しがったからって小さい頃に直ぐにゲーム機を買い与えたからでしょ? 遅くに出来た子供だからってお母さんもお父さんも悠二に甘いのよ」 「またその話し?いつも言うけど真依(まい)も悠二も同じようにしてあげてたじゃないの。 あの時はオーディオ買ってあげたでしょ?」 「でも悠二にはゲーム用にテレビまで買ってあげたじゃない」 「それはリビングのテレビだと私たちも見たいし、客さんが来た時とか困るからそうしたのよ」 「そう言う時は我慢させるのが普通なのよ」 話すうち少々興奮気味になって来ている。 姉のそんな様子を見て悠二は驚いていた。 悠二の知る姉はこんな風に感情的になる人ではなかったからだ。 怒る時は怒るがいつも昂然とした態度で年長者の余裕が見られ、 時には気さくに振る舞うその姿は悠二の想う大人の女性像そのものだった。 「ほら、結愛ちゃんがびっくりしているよ。何かあったのかい?」 母に言われ少し我に返った姉は思い出したように悠二の頭に手をやり撫でる。 娘の頭を撫でる事で少し落ち着き話を続けた。 「いや、悠二が変な遊びを教えるから結愛が影響されちゃって。 悠二ってちょっと変な所あるでしょ?」 「確かにふざけ過ぎる事もあるかもね」 「だから今度お母さんから言っておいてよ。結愛に変な遊びを教えないでって」 「分ったわ。でも真依もその場で悠二に言えばいいじゃないの」 言われた姉は少し視線をそらし、気まずそうに声のトーンを落として答える。 「ほら、悠二って結愛の事凄く可愛がってるでしょ?だから結愛の前で注意したらなんか恨まれそうで嫌だし」 「またそんな言い方をして、 いつも悠二から一歩引いて接するのよね真依は。あの子風に言うならツンデレってやつなのかしら?」 「ちょっとお母さんまでやめてよね、その手の話し」 他愛無い母娘の会話なのだが、 悠二にしてみれば見た事の無い姉の一面を見る事となり認識を改めざるを得なかった。 「あのさ、姉さん…」 結愛を演じるのを忘れ思わず姉に声を掛ける。 「結愛、だからもうその遊びはおしまいって言ったでしょ?」 だが直ぐに姉にたしなめられた。 「さあ、これからスイミングスクールに行くからランドセルもって車に乗りなさい」 その声には怒っている感じは無く、親が愛娘にむける優しさがある。 それを感じ悠二は自分が結愛になっている事を思い出すと、結愛を演じ姉の言葉に従う事にした。 「はーい、ママ」 結愛の口調を真似て返事をするが、正直悠二本人にも気持ち悪い。 リビングに置いてあった可愛らしい女の子用の水色のランドセルを背中に背負うと姉の後ろを追い玄関に向う。 「それじゃ結愛ちゃん、また遊びにおいでね」 「うん、おばあちゃんまたね〜」 もうこの状態は回避できない事は覚悟済みだったが、 このやり取りで母親にも自分が結愛に見えている事を悠二は自覚し、母親にも結愛のように挨拶を返す。 やはり悠二自身にも気持ち悪いのは変わらずだ。 そして玄関で小さな女児用スニーカーに足を入れ履いた。 本当に不思議な事に小さなその靴はぴったりと悠二の足が収まってしまった。 サイズに少し余裕があるぐらいだ。 「じゃあ、お母さんまた来るね」 姉も母に挨拶をすると悠二の手をつなぎ玄関を出でる。 「ばいばい〜」 結愛がいつもしている様に悠二は振り返り手を振った。 普段より結愛の事をよく見ていた悠二だけに結愛がどんな行動をするのかは大体分かる。 悠二は割と凝り性で吹っ切れるのも速い性格なので、一度やるとなると徹底しようとするのだ。 そして姉は駐車してある軽自動車に悠二を乗せシートベルトを止めると、自分も乗り車を出すのだった。 ☆あくと・すりー『すいみぐ・すくーる』 「行ってらっしゃい、結愛。頑張ってね」 プールにつくと真依は悠二にスイムバッグと会員証を持たせ送り出す。 「行ってきま〜す」 結愛となっているこの状況をどうにも出来ないので、 悠二も結愛を演じ姉に手を振ると意を決めて建物の中に入って行く。 真依は悠二が中に入るのを確認すると車を走らせて行った。 とりあえず悠二はカウンターで受け付けをしようと会員証を確認していたその時だ。 「結愛ちゃん、こんにちワン」 黄色いパーカーとスカート付きスパッツの少女が声を掛けてきた。 ロリコンな悠二には嬉しい出来事なのだが、今の状況ではそうも言っていられない。 結愛の友達なのだろうが、 結愛の交友関係までは把握していない悠二は対応に困るも挨拶だけはかえしておく事にした。 「あ、こんにちは」 だがその挨拶に少女は不満があるらしく、表情をしかめる。 「結愛ちゃん、そこはありがとウサギって言わなきゃ、た〜の〜しいなかまが〜ぽぽぽぽんってなるんだから」 どうやらこの子は某CMに影響されているらく、もしかすると学校で流行っているのかもしれない 少女を見ると名札をしているの悠二は気が付き、そこには「山吹いのり」とある。 学校は違うようだが学年は結愛と一緒だ。 「そっかぁ、ごめんね、いのりちゃん」 悠二のその言葉に何故かいのりはまた不機嫌になり、腰に手を当て怒りだした。 「もう、結愛ちゃん今日はどうしたの?いつもブッキーって呼んでくれてるのに〜」 どうやら、呼び名が違っていたようだ。 「あ、うん、ごめんね、ブッキー」 悠二はそれを聞いて言い直す。 それだけでいのりの機嫌も直ぐに直ったようだ。 しかし、悠二はその少女の名前と呼び名に少し引っかかる所があり、少々考える。 「(…いのり、いのり、山吹いのり・・・あっ)キュアパイン!?」 思わず声に出してしまう。 「イエローハートは祈りのしるし!とれたてフレッシュ、キュアパイン!」 その声に反応して登場時の掛け声とポーズまで決めるいのり。 それはアニメに忠実で下手な着ぐるみショーで披露されるものよりも完成度が高く、 悠二の知る限り完璧だった。 「お〜」 思わず手を叩いてしまう悠二。 山吹祈里はフッレッシュプリキュアの主役の一人だ。 そして図らずもそのアニメキャラとその少女は名前の漢字こそ違うが同姓同名なのだ。 しかも今の反応を見れば、相当な入れ込みだと解かる。 結愛との関係はプリキュア友達なのだろう。 そう言えば服も黄色でキャラのイメージカラーだし、 ミディアムヘアの一部を右上で結んだサイドポニーの髪型などまさにキャラそのものだ。 いくらキャラと同じ名前でも、子供が2年前の作品をいまだに全面的に押している様子を見ると相当に好きなのだろうと想像できる。 子供は放映が終わった作品に対してはけっこうないがしろなものである。 もしかするといのりは結愛よりもプリキュア好きなのかもしれない。 「じゃあ、結愛ちゃん一緒に」 いのりは悠二に声を掛け誘う。 登場時の名乗りの後にやる事言えばひとつだ。 「「レッツ、プリキュア!」」 声をハモらせてポーズを決める。 こちらも完璧だ。 思わず笑顔で顔を見合わせる。 「結愛ちゃん、今日はピーチなんだね。いつもベリーなのに」 またミスをしたらしい。 そう言えば結愛はフレッシュプリキュアではキュアベリー押しだったのを悠二は思い出しし失敗に気が付く。 何かフォローをしようとしたが、その前にいのりはもう次の話に移っていた。 「じゃあ次はユー・メイクミー・ハッピー踊ろ」 それを聞き慌てる悠二。 フレッシュプリキュアと言えばダンスだが、いのりはエンディングのダンスをここでやろうとしているのだ。 いのりは出来るのだろうが、悠二にしてみればついていけるものではない。 「ブッキー、早くしないと遅れちゃうよ」 「あ、そうだね。吉永先生に怒られる」 ノリノリだったいのりもようやく落ち着いてくれた。 アニメの祈里と違ってこの子はかなり積極的な性格の様だ。 とは言えロリコンな悠二はプリキュア好きのいのりの事をかなり気に入ったようで、 今度結愛にちゃんと紹介してもらおうと考え、弾んだ気持ちになっていた。 二人は受け付けで会員証を見せ手続きをすると仲良く更衣室の方へ向う。 もちろん女子更衣室だ。 悠二が悠二のままなら犯罪だが、今は結愛なので逆に入らない訳に行かない。 もうすっかりその辺は理解しているので、ためらいも無く入室する。 受付でもらった鍵を使いロッカーを開けた悠二は、 スイムバッグを開き中の物を取り出そうとしてその動きを止めていた。 「(これ着なきゃいけないんだよな)」 紺色の水着を手に取り躊躇っている。 隣ではいのりがパーカーを脱いでいる所だった。 「(とにかく服を脱がないと)」 それを見て躊躇っていても仕方がないと服を脱ぎ始める。 着させられた結愛の服だが、改めて見ると子供らしい可愛い服だ。 パステル調の色合いやルーズに履いたハート柄のレッグウォーマーなどいかにも女児が好むコーディネートで、 自分で脱ぐ事で余計意識してしまい気恥ずかしさにいっきに脱いでショーツ一枚の姿になる。 「結愛ちゃんお着替えタオル使わないの?」 見るといのりはゴムでポンチョ状になったバスタオルを頭からかぶっていた。 指摘され悠二は慌てて確認すると、スイムバッグの中にピンク色でイチゴプリントの巻きタオルを見つけ頭からかぶる。 幼くても女の子、身だしなみとして上半身をさらす様な事はしないものだ。 小さい子は裸で走り回る様なイメージがある悠二だが、それはお風呂屋さんの脱衣所とかでの話である。 プールの更衣室とそこにどう言う境目があるかと言われると、説明しづらい話だが。 「結愛ちゃん、なんかいつもと違うね」 いのりに指摘されドキリとする。 変に勘ぐられても困る、悠二は考え誤魔化す為プリキュアの話題を振る事にした。 「そう言えばブッキー、キュアミューズって誰だとおもう?」 「あ〜あの仮面の黒いプリキュアでしょ?絶対セイレーンだよね、猫っぽいし」 「だよね〜、せつな見たいな感じで響と仲良くなって行くのかな?」 「でもダークプリキュアみたいにずっと敵かもよ」 「そうかなぁ〜」 「でさでさ、もしかしてハミィもプリキュアになるかもね」 「ミルキィローズみたいだねぇ」 作戦は上手くいったようでプリキュアの話題ですっかり、いのりは盛り上がる。 オタクの知識が役立ったと思いつつ、悠二は着替えを続けた。 バッグに入っていたのはフットネスタイプの紺色のセパレート水着だった。 スイミングスクールと言う事で、女児用の可愛らしい水着では無かったのは幸いだ。 下もスパッツタイプなので抵抗はあまり感じない。 ただ下の裏地にマジックで結愛の名前が平仮名で書いてあるのと、 上の右前腹部に学年と名前が書いてある白い布が刺繍されている事が、この水着が結愛のものであると明確にしている。 しかも、洗濯してもとれない塩素の匂いが新品ではなく普段から使っているものだと余計感じさせるのだ。 悠二には小さい水着も例によって着るとサイズが合わさる。 それでも水着女装と言う恥ずかしさが少し残る。 極力意識しない様にしスイムキャップをかぶりゴーグルも付け準備を終えた。 「結愛ちゃん、行こ」 「うん」 いのりの方も着替え終わったようで、タオルをもつとロッカーを閉めた。 こちらの水着は普通のワンピースタイプのもので、一般にスクール水着と言うタイプのものだった。 「(うむ、ロリのスク水とは良いものだ)」 いのりの後に続きながら悠二はそんな事を考えていると、いつの間にかプールに着いていた。 「あ、結愛ちゃんとブッキーだ」 「ほんとだ」 「こんにちワン」 プールに着くと何人かの女の子が直ぐに寄って来て声を掛けて来る。 同じスイミングスクールの生徒の様だ。 悠二は適当に言葉を返しながら、少女たちを品定めしている。 「(おお、水着のロリがたくさん!パラダイスだな) 少し離れた場所には男子のグループもいて、じゃれ合っているのだが、生憎と悠二にはショタ属性が無く、そちらの方は眼中になさそうだ。 「はーい。皆さん集合でーす」 そこへインストラクターらしき女性が現れ集合を掛ける。 「吉永先生来たよ。結愛ちゃん早く行こ」 「うん、わかった。あっ!」 ズデンと言う擬音が合う音で悠二は尻もちをつく。 いのりに促され、悠二も集合しようと少し駆け足で向おうとしたのだが足を滑らせたのだ。 「あいたたた」 「結愛ちゃん大丈夫?」 いのりが心配をしている。 「ありがとう大丈夫だよ」 悠二はお尻をさすりながら立ち上がると、恥ずかしさから少々ばつが悪い顔をした。 「ばっかだ〜、プールで走るなって言われてるに〜」 空かさず男子の一人がはやし立てる。 「あ〜バカって言った人がばかなんだ」 「うっせい!ブ〜ス」 いのりが男子に言い返すが、男子は負けずにそれに言い返す。 文字通り子供の喧嘩だ。 「ひっど〜い、サイテー」 「へん、ブ〜ス、ブ〜ス」 「なによ」 「約束守らないで走る方が悪いんだよ〜、ば〜か〜」 「結愛ちゃんは走って無いもん」 「いーや走ったね」 「何時何分何秒よ」 両者引かず次第にエスカレートしだす。 そうなって来ると、今度はまわりの女子が黙っていない。 小さな子供でも既に女子社会の形態はすでに出来ているのだ。 「ちょっと、やめなさいよ」 「なんだよお前ら、ずっこけ女の仲間か?」 「女の子いじめるなんてサイテー」 「うっせー、そっちが悪いんだよ」 女子に囲まれ多少身動ぎする男子だが、それで身をひいたりはしないのは根性があるからか。 女子全体を相手にしても勝ち目がないとい見て今度は悠二を責める。 「おいずっこけ女、お前が悪いんだからな。ケツデカ女〜、お猿のお尻はまっかか〜」 子供だからボキャブラリーが少ないのは仕方がない。 ここで本来なら悠二のポジションの子は嘘泣きをするか、 言い返せずまわりの女子に庇われるかして女子が男子に対し総攻撃を掛けるのが大体の手順なのだが、 そんな事情を知るる由もない悠二は違った。 「かわいそうに、それじゃ女の子にモテないぞ」 なんと前に出ると男子の頭に手を置くと撫でたのだ。 それも悲哀たっぷりに。 「何するんだよ、このずっこけ女が」 男子は手を振り払い慌てる。 「女の子に興味あるならもっと優しくアプローチしないと」 更に大人感たっぷりに悠二は言い放つ。 「ふん、そんなのどうでも良いんだよ!」 男子はどうにも調子が狂う様で、言い残すと顔を赤くしてそのまま行ってしまった。 その様子を見た、いのりは隣で歓声を上げる。 「結愛ちゃんすご〜い、大人見たい」 釣られて周りの女子も悠二を囲んで囃し立てた。 「え、あ、そんな事ないよ」 悠二は照れながらも、女児に囲まれ満更どころか嬉しそうだ。 ピーッ! 「はーい、レッスンを始めますよ」 もう少しこの女児の囲まれる天国を楽しみたかったが、 見かねたインストラクターが笛を吹き集合を促したため、いのりと手をつないで集合場所へ移動した。 それからは、準備体操などを一通りこなしプールに入る。 低学年とは言え結愛は経験が長いグループに分けられている様でプールも大人と同じ場所を使用していた。 ただし、まだ危険なので最初はプールのふちに沿った場所を利用してだ。 悠二も指示に従い入ったのだが 「(ふっ深い!?なんで)」 普通なら胸下の所までしかないはずのプールの水が、 背伸びをしてようやく頭が出る位置にあり危うく溺れかけた。 これも入れ替わりの影響なのだろうが、そこに直ぐ思い至るに及ばない悠二は焦る一方だ。 そんな悠二を見てインストラクターが声を掛ける。 「清水さん、大丈夫よ慌てないで落ち着いて」 清水とは結愛の名字だ。 声を掛けられ悠二も縁につかまり、体制を整える。 「清水さんはちょっとせっかちな所あるわね。プールは楽しいけどちゃんとしないと危険なの。 慌てず落ち着いてはしゃがないを守らないとね」 「分りました。先生ごめんなさい」 「良い子ね」 この吉永先生と呼ばれる女性は、インストラクターをしているだけあって引き締まっておりなかなかのスタイルだ。 スポーティな競泳用の水着がとても似合っている。 ノーメイクの顔も美人と言っても差し支えない。 悠二はロリコンとは言っても成人女性に興味の無い訳ではない、 今の立場を利用して先生とスキンシップを図ると言う手段に出てもおかしくは無いはずだ。 だがしかし、やはり悠二はロリコンだった。 この女児に囲まれた環境に満足し、その中にいる事で一入の幸福を感じていたのだ。 そんな幸福を感じる中、各自スイムボードでの自由練習が始まる。 自由と言っても順番に4人一組で25メートルをバタ足するだけだ。 実は悠二は泳ぎが得意だったのでそんな事は余裕と高を括っていたのだが、実際はそうは行かなかった。 「結愛ちゃん、今日は遅いんだね、調子悪い?」 「はは、ちょっとね」 勢いよくスタートしたのは良いが、 体力が結愛になっているうえにプールのサイズもそれに合わせ大きくなっている為に途中で息切れをしてしまったのだ。 ペース配分を完全に間違えラストはだらしがない息も絶え絶えの醜態を晒してしまったのだ。 当然インストラクターの吉永先生にも指摘を受け、少々悠二のプライドが傷つく。 「だっせーな、やっぱりずっこけ女だな」 するとさっきの男子が、また絡んできた。 悠二の失態を見てすっかり優越感に浸り見下している感じだ さすがに子供に見下されると悠二も面白くない。 「たまたま調子が悪かっただけだ。本当ならこんなの余裕で泳げる」 「うそつけー、出来る訳ねえじゃん。馬鹿じゃね」 「なによ!少なくてもお前よりは早いわ!」 「お、言ったなずっこけ女。じゃあ次で勝負だ」 「おし、受けてたつ」 勢いでつい勝負となってしまった。 しかも結愛のふりをするのを忘れている。 「結愛ちゃん大丈夫?西門(にしかど)君ってスイムボードで泳ぐの凄く早いんだよ」 「大丈夫負けないって、見てなよ」 「なんか結愛ちゃんしゃべり方、男の子みたい」 「え?あ、あははは(やば、今俺結愛ちゃんなの忘れてた)」 つい向きになっているうちに地で振舞ってしまった悠二は、誤魔化す為に考えを巡らせる。 「ブッキー、『ここで決めなきゃ女がすたる』だよ」 「ああそっか、響の真似だったんだ」 「うん、そうなの」 「だったら私はこう言わないとね。『私、信じてる!』」 「さすがブッキー、ばっちりだね」 言って笑いあう二人。 お分りだろうが二人がしているのはプリキュアのキャラクターの真似である。 悠二はキャラクターを真似た事にしてその場を誤魔化したのだ。 ある意味、結愛といのりだからこうも上手く通じたと言える。 そうこうしているうちに再び悠二達の順番が回って来た。 「俺に勝てると思ってるのか?ずっこけ女」 隣に並ぶ西門少年が挑発してくる。 「気合のレシピ見せてあげるわ!」 またプリキュアの真似だが西門少年に通じる訳は無い。 もっとも反対隣のいのりには大好評だ。 「はい次の組、よーい…」 ピ〜ッ! 前の組が泳ぎ切り、吉永先生によりスタートの笛が鳴らされた。 壁を蹴って一斉にスタートする。 「(くっ遅れてる)」 キックスタートは上手く行ったのだが、すぐに西門少年と身体半分ほどの差が開く。 スイムボードを扱うのに経験があまりない悠二では良いストリームラインが保てないのだ。 加えて結愛の体力になっているので、力任せバタ足をすれば先程の様に体力がもたない。 「(こうなったらやるしかないか)」 そこで悠二がとった行動とは、なんとスイムボードを手放したのだ。 そのままスイムボードを追い越し自力で泳ぐ。 その動作で西門にさらに遅れをとってしまうが、そこからが違った。 悠二は両腕をつきだして手を重ね、腰も膝もまっすぐにして足首も伸ばし気味に両足を揃える。 流線型となったその姿勢から、流麗な動作で腕を振り上げクロールで泳ぎ出したのだ。 そのフォームは完璧で見事なストリームラインだった。 そしてぐんぐんとスピードを増し、ついには西門を身体一つ分以上の差で抜き去り泳ぎきってしまったのだ。 「勝ったー!」 悠二は思わずVサインをしてしまう。 「おまえずるいぞ反則だ!」 「結愛ちゃん凄い!」 「ふっふーん、勝ちは勝ちさ」 西門が文句を言うのは尤もで、スイムボードのバタ足でスイムボードを手放していいはずは無い。 「清水さん!どうしてそう言う事をするんですか!」 案の定、吉永先生より怒られたのは言うまでもない。 しかしながら、その後の自由形では悠二のクロールは本当に早く、西門を寄せ付けず20秒台で泳ぎきっている。 これは2年生してはかなり速いタイムだ。 しかもフォームも完璧に近く、吉永先生より絶賛されたほどだ。 「あたし完璧!」 「結愛ちゃん、ほんとすっご〜い!」 おかげで、一躍ヒロインとなり、女児全員に取り囲まれる事となったのだ。 いのりなどは嬉しくて悠二に抱きついている。 西門はすでに端に追いやられ蚊帳の外だ。 「(うぉ〜、まさかここまでのパラダイスがあるとは)」 その状態はスイミングスクールの終了まで続き、 女児に取り囲まれながら幸せな状態でわいわい騒ぎつつ更衣室に戻ってきた。 更衣室にあふれる女児、見渡す限り着替え中の女児。 悠二にとってこれ以上ないほど至福の時だった。 「結愛ちゃん?早く着替えよ」 しばらくあたりを見つめたままの悠二を見ていのりが声を掛けた。 「あ、うん、そうだね」 慌てて悠二も着替えを始める。 今度は巻きタオルを使うのを忘れない。 着替える時、塩素で自分の体臭が消えていた為に、 服から結愛の匂いを感じて少々危ない気持ちになったと言うのはあえてふれないでおく。 悠二にとって結愛の代わりのスイミングスクールは御褒美以外のなにものでも無く、 この時ばかりはペルペルに感謝したと言う。 ☆あくと・ふぉー『あっと・ほーむ』 迎えに来た姉の真依(とは言っても結愛の立場になっている今の悠二からすると母親なのだが) に車で家まで連れてこられた悠二はリビングで姉と向かい合いお茶をしていた。 正確にはおやつの時間と言うやつだ。 スイミングスクールでは低学年は体力面を考慮して1時間ほどで終了となるのだが、 実際に体力が結愛になっている悠二にしてみれば、確かに疲れがあった。 しかもかなりお腹が減る。 「ほら、結愛そんなに急いで食べないの」 「だって、おなか減ったんだもん」 「女の子なんだからはしたない事はダメよ」 「は〜い、ママ」 おやつは紅茶にドーナツだ。 ドーナツはフレンチクルーラーに生クリームに5色スプレーチョコがトッピングされ、 ファンシーで女の子が好みそうな見た目となっている。 それは手作りの様で、シュー生地ならではのサクッとした様でふわふわな食感や、 芳醇な味わいと生クリームの甘さが良く合っておりとても美味しい。 悠二は姉のお菓子作りの才能を素直にすごいと思う。 「ほら、ほっぺに生クリーム付いてるわ」 「あ、」 真依は指で優しく悠二の頬のクリームを拭う。 その仕種は母親が愛娘に向ける優しさが現れており、またも悠二の知らない姉の姿を見た気がした。 「ねえママ」 「なあに?」 「ううん、何でも無いよ〜」 「もう、変な子ね」 悠二は調子にのってちょっと甘えて見る。 何か満たされるような気分だ。 自然と笑顔がこぼれる。 そんな表情を見て真依も幸せそうだ。 だがその光景は一見ほのぼのしている様に見え、 実際の所は女児服で女装した青年が姉に甘えていると言うシュールな画だったりする訳なのだが…。 この場では本人以外には解からない事なので、それを指摘するものは居なかった。 「(っと、何をしてるんだ俺は?)」 悠二は不意に我に返る。 「(いかん、つい流されてしまった。…そう言えば結愛ちゃんとペルペルの奴は何をしてるんだろう?)」 「ねえママ、電話かけてもいい?」 「良いけど何所にかけるの?」 「あのね、悠二おじちゃんのところ」 「悠二の所に?今日会って来たばかりじゃない。今度にしたら?」 「でも用事があるの」 「用事って何かしら?」 「ええと、悠二おじちゃんとお話を」 「話したいだけならまたにしなさい。むやみに電話は使わないものよ」 「でも」 「言う事聞かないと、ドーナツは没収しちゃうけど?」 「う〜」 「分ったらまた今度ね」 電話で様子を確認しようとしたのだが、真依の許可が下りず失敗に終わった様だ。 姉に逆らってまで無理に電話をするという訳にも行かず、悠二はそのままおやつの時間を続ける。 まあ、事のほかドーナツがおいしいのでそちらを優先したと言えばそれまでだが。 「結愛、食べ終わったらお風呂に入るわよ」 「お風呂?」 「プールの後はちゃんと身体を洗わないとね」 「はーい」 結愛の真似を続けるうちに、小さな女の子の受け答えがすっかり板に付いている。 大の男がそんな喋りと仕種をしているのは先にも述べたがシュールである。 そのまま他愛無い話をしつつ、片付けを手伝ってから、言い付け通り悠二はお風呂場の脱衣所に来ていた。 「(そう言えば近所なのに姉さん達の家に来るのってあまり無いよな、建てたばかりの時とか以来かな)」 悠二はぼんやりと考え事をしながら服を脱いで行く、もう慣れてしまったのか女児服に対する反応もない。 「結愛、脱いだ服はちゃんとカゴに入れないと駄目よ」 するとそこへ着替えをもって真依がやってきた。 「はーい」 悠二は返事をすると脱いだ服を洗濯カゴへ入れてから、浴室へ入る。 お風呂場は多少広めに出来ており、 バスタブも大人が足を伸ばして入っても十分すぎる余裕がある位のものだ。 まずは身体を流してからとシャワーバルブに手を伸ばすが、 そこでドアが開く音で手が止まった。 ふり返る視線の先に姉が居たからだ。 「ん?なに?」 視線を感じて、真依が声を掛ける。 「どうしてママも?」 「どうしてって、いつも一緒に入ってるじゃない。 もしかして2年生になったからもう一人で入って見ようと思った?」 お風呂場なので真依はもちろん裸だ。 自分の娘相手に恥ずかしがるも何もない無防備なその姿は、悠二にとって刺激が強すぎた。 つい食い入る様に見つめてしまう。 子供が居ると言ってもまだぎりぎりで二十代の真依だ、 週3回のスポーツジム通いで作られたスタイルはなかなかに魅力的だ。 加えて真依はけっこう胸が大きい。 昔から胸はある方だったが、結愛が出来てからは一回り大きくなっており、 その大きさは今になっても戻っていない。 「さあ、頭を洗ってあげるからそこに座りなさい」 真依に言われ、悠二が鏡の前のバスチェアに座ると真依は一度シャワーですすぎ、 シャンプーで手際よく悠二の頭を洗って行く。 悠二は姉の裸を意識してしまい気もそぞろだ。 「はい、流すわよ」 真依がシャワーを掛けようとするが、お湯が入るのを嫌っていつもなら手で耳を塞ぐはずなのに、 それをしないので再度声を掛ける。 「結愛、耳を押さえなくて良いの?」 「あ、うん」 「そっか、一人で洗う時の練習ね。偉いわ」 言って真依はシャンプーをシャワーで流すと、今度はトリートメントを丁寧に髪になじませて行く。 結愛の髪は真依がいつも気を使ってケアをしてあげていた。 悠二の髪は長くは無いのだが、真依にはその違いが感じられない様だ。 「さあ良いわよ。身体は一人で洗いなさいね」 悠二にボディ用のスポンジが渡される。 トリートメントをなじませている間に身体を洗えと言う事なのだろう。 「ちゃんとオマタの中も洗うのよ」 お風呂の時に母親が小さい娘に言う言葉としてはあるのだが、 男の悠二にして見ればその言葉に妙に反応してしまう。 「そこもきれいにしないと病気になっちゃうんだから」 幼い子には良く言って聞かせる言葉だ。 「うん、わかった」 もちろん悠二は男なのだから、中などある訳もない。 それでも言われた通り股の間を洗い始める。 真依の方は自分の髪を洗い始めていた。 「(姉さんと一緒にお風呂に入るなんて)」 悠二は改めて姉の姿を確認する。 ロリコンではあるが女性に興味が無い訳ではない悠二にしてみれば姉とは言え、 裸の女性を間近に見て冷静で居られるはずもない。 だが不思議と股間が元気になる事は無く、かと言って興奮が無い訳でもない、 とても奇妙な感覚だった。 悠二から見て真依は姉と言う以外にも特別な存在でもあった。 思い起こせば悠二が小さかった頃の話、両親が留守の時の事だった。 悠二は偶然にも姉の情事を目撃してしまったのだ。 当時は何をしているのか解からなかったが、 裸で男性と絡み合う姉の姿はとても印象に残っていた。 その記憶は強く残っており、意味を理解し精通を迎えた頃には所謂「おかず」にする事も多く、 悠二の性欲の根底を形作っていたと言っても良い。 ただその頃にはすでに真依は家を出ており接点がほぼ無かった為、 姉本人に悠二が欲情すると言った事態はほとんどなかった。 高校に上がってからはオタク趣味に目覚めた為、 そのシスコン傾向はなりを潜め趣向はかなり転換されロリコンとなった訳だが、 そこら辺は理屈では無い様で説明に窮する。 「ほら結愛、背中流してあげる」 悠二が自分の身体をスポンジを使いボディーソープで洗っていると、真依が声を掛けてきた。 真依もトリートメントをなじませる為、髪はすすがずにいる。 優しく悠二の背中をスポンジで洗うと、お湯で泡を落とした。 「ねえママ、今度は結愛がママの背中流してあげる」 「あら、ありがとう」 悠二は背中にまわりスポンジで丁寧にこすって行く。 だがその表情は何か違った。 悠二はスポンジで背中をこすっていた手を突然真依の胸に伸ばしたのだ。 「ち、ちょっと結愛!?」 驚く真依。 悠二はそのまま胸を揉みしだいた。 「あ、や、やめなさいっ……あっ」 真依が言うが、悠二は聞かない。 重たげなふくらみは、悠二のなすがままに形を変える。 「ママのおっぱい、やわらか〜い」 「こ、こら結愛……あんッ…くぅ」 娘に胸を揉まれ、身体に電気が走る様な、背筋にゾックと寒気が走る様な感覚に身悶えしてしまう。 真依は性欲がもともと強い方だ、 しかし夫は仕事が忙しくもう長い事夜の方は御無沙汰なのだ。 そんな折りにこんな事をされてはひとたまりもない。 スポーツジムで発散していても、女だって溜まるものは溜まるのだ。 「ママのおっぱい大好き」 「だ、ダメ、こんな…」 娘に胸を揉みしだかれると言う状況が異様な敏感さをもたらしてくる。 たっぷりと揉まれ硬さがほぐれるのが解かる。 いやらしくくにゅくにゅと形を変える度に快楽の波が押し寄せた。 「(な、なんてことするの?赤ちゃん返りとか言うの)」 何とか身体の向きを変え、娘から身体を引き離そうとしたのだが、 今度は正面から乳房への甘い刺激を与えられ、思わず吐息がもれそうになる。 「ママのおっぱい、やわらかくて気持ちいいの」 今度は乳首をつままれた。 「はうっ!」 思わず声がもれ、その事に羞恥してしまい身体が火照る。 娘はつまむだけに止まらず、指腹で擦ったり、乳輪をなぞったりとまるで責めるような手つきで触って来る。 その行為が性感を高めて行き、駄目だと思えば思うほどそれが快感に転じついには吐息がもれる。 「ああ……(ダメ、感じちゃう)」 どうして良いのか判らなくなり、力も入らない。 それでいて胸は敏感で乳首がほんのりと熱を帯びるのが解かる。 「結愛おっぱい欲しいな」 ちゅぱ 娘はとうとう胸にしゃぶりついた。 「ふあっ!」 胸を吸われまたもや声がもれる。 吸うだけに止まらず、舌でなぞり上げるように舐めるものだから更に快感が押し寄せてきて甘美な心地よさに身が震えた。 娘に胸を吸われて感じるなどあってはいけないと理性の端で思うのに、 その背徳感が刺激を何倍にも増幅させ快楽として脳内に送ってしまう、 緊張と快楽が混ざり合いその感覚に頭の中が支配されそうだ。 胸をしゃぶる娘の口と舌がふわりとフローズンアイスの様に乳房をとろけさせる。 目がくらむような快楽。 つき放そうとした手は思わず娘を抱き締めてしまう。 すると娘はいったん乳房から顔を離しこちらを見上げた。 「ねえママ、ここもちゃんと洗わなきゃダメなんだよ?結愛が洗ってあげるね」 そう無邪気な笑顔で言った娘の手が今度は秘部へと伸びる。 さすがにいけないと思うも、身体は刺激を求め行動に移すことが出来ない。 娘の指が秘裂に届きなぞり上げる。 「ああっ」 秘裂の奥は既に濡れていた。 指が動かされるたびにくちゅくちゅと音がし、 フロマージュケーキのような甘酸っぱい酸味のきいたほのかな匂が立ちこめていく。 意思とは関係なしに秘裂の奥がひくひくとうごめいた、どんどんと快感がこみ上げて来る。 「ふぁっ…あぅ…(ダメ、そんなふうに弄っては)」 娘は手を動かすのをやめない。 うっすらと涙がたまりだんだんと視界がぼやけてきた。 何故こんなことが?こんな事はいけないと思うのに身体は快楽と刺激を求め言う事を聞かない 「ママ大好き、これは愛情表現だよ」 「んくっ」 娘と目があうと、信じられない事に唇を重ねてきた。 もはや甘えていると言う状態ではない。 愛しい娘と唇を合わせる奇妙な感覚、その唇はやわらかく吸いつく様に心地よい。 「んっ、んんっ!」 そしてその接吻は唇を重ねるに止まらず、口内へと舌を押し入れてきた。 その舌使いはいやらしく口腔内を愛撫する。 舌と舌がふれあうと、それだけで電気が流れた様に下半身に刺激が走り秘部は疼きを増す。 「んふぅぅ〜、はあぁぁ…」 たまらず甘い鼻息がもれた。 愛液が留めなく溢れて来るのが解かる。 下半身が熱を帯びとろとろのジュースを噴きこぼしてしまう。 もう既に身体の反応は完全にコントロール不可能となっていた。 ただ流されるままに享楽するのみだ。 不意に娘の唇が離れる。 「ねえ、ママもっとすごい愛情表現するね」 「ひゃうああ〜」 突然生温かい感触が秘部を襲い、のけ反り声を上げてしまう。 「(な、なに?結愛何をしの!?)」 快感に奔流されなんとか娘の姿をとらえる。 「(ええ!?結愛それは駄目よ)」 なんと娘は秘部へと顔を埋め秘裂へと舌を這わせていたのだ。 うごめく舌先がどんどん深みを潜ってくる。 「(結愛、そんなとこ舐めちゃ駄目ぇ)んふぁ!あぁぁぁっ!」 声が出ない、出るのは喘ぐ声だけだ。 もはや抗うなど無駄な努力だった。 嵐の様な快感が収まる事なく身体を巡り、身体の火照りと疼きはおさまる事なく増え続ける。 娘の舌先は一心不乱に秘裂を舐め上げ、押し開く。 更に深く舌を滑らせ、肉びらを甘噛みし、溢れる蜜をすすりあげる。 「(な、なんで結愛がこんな)んんあっ、…ああん」 あり得ない舌での愛撫に身悶えが止まらない。 そして女芽へと舌が到達した。 「んふぁっ!あふぁ〜っ!!」 激しい尿意とおびただしい快楽の奔流が襲い来る。 のぼりつめたその快感は自分の身体全てを支配して行く。 もう何も考えられない。 「ああぁぁぁぁっっっっ……」 真っ白い世界が広がる。 惚ける様な快楽のなか、そのまま意識も途絶えた … …… ……… 悠二は可愛いインテリアでまとめられた少女の部屋にいた。 結愛の部屋だ。 そこで女児用のパイル地のパジャマを身につけた姿で、勉強机に着いている。 水色でピンクのパイピングがしてあり音符柄が可愛いものだが、 それを悠二が着ているとサイズがあっていても違和感は拭えない。 悠二は既に気にしない方向になっているので、別段行動に支障は見られないようだ。 「今日はいろんな事があったな」 悠二はしみじみと物思いに耽っていた。 結局お風呂場ではあの後、意識を取り戻した真依は取り乱すこともなく普通にしていた。 その後の着替えでも、夕食でもだ。まるで何事も無かったかのように振舞っていた。 その事について自分から触れるのは憚れるため、悠二もあえて尋ねたりはしなかった。 悠二にして見ても姉の裸に劣情を催す事はあったかも知れないが、あそこまでやるつもりなど毛頭なかったのだ。 しかも自分の股間は全く反応しなかったと言うのも後になって変に思う。 考えても疑問が残るばかりだ。 訳が分からず結局、白昼夢か何かだったのかもしれないと思う事にして問題を置き、そこに落ち着く事にした。 「ふあぁ〜あ、まだ9時なのに眠いや」 結愛の父親は残業で、まだ帰宅していない。 最近はいつもの事らしく、夕食は母娘二人で食べるのが多い様だ。 夕食後は片付けを手伝い、その後はリビングで真依に見られながら予習をさせられた。 真依の隙をついて自分の携帯に連絡を入れようとしたが、チャンスが無く未だに出来ずじまいだ。 もう寝る様に言われて部屋に来たのだが、確かに眠い。 考えもまとまらないので、そのままベッドへもぐりこむ。 子供用の小さなベッドは悠二が入り込むと、余裕があり大きい位の感覚となった。 「ふかふかだよ」 枕元には2頭身の猫のぬいぐるみが置いてある、今のプリキュアのマスコットだ。 「おいでハミィ。一緒に寝よ」 何と無くそのぬいぐるみを抱き寄せると、不思議と気持ちが落ち着き悠二はそのまま眠りに落ちたのだった。 〜とぅびーこんてにゅーど〜 SS一覧に戻る メインページに戻る |