歴史は続く(未完)(非エロ)
シチュエーション


歴史は、神話の時から続く。
暦は2010年前の夏に区切りが有った。
このとき、神が降臨した。ある独身女性の子どもとして。この女は名をマリアと言う。
この女には、許婚、つまり、政略結婚の相手がいた。名をヨセフと言い大工であった。しかし、その男の子どもではない。
当時、3歳、になった次の年の1月1日に成人式を行い、早い者は成人式の翌日に結婚した。
そして、その神の子の成人式の有った年を暦の0年にした。名をイエズスという。

そして何処をどう間違えたか、
 この子の誕生祝を12月24日に行い
 世話係り、バレンタイン、が反体制組織に殺された命日、2月14日に女性が好きな男性にチョコレートなどを添えて求婚する日になり
そして30年あまりの人生で、この反体制組織により墓に埋められたが3日目に墓を壊し出てきた。
埋める直前に、両手のひらと両脚首に直径5cmほどの釘を打ち込まれ木枠に固定され、イバラというトゲの長く鋭い薔薇で作った王冠を頭に載せられ、右脇腹から左肩に、左脇腹から右肩に、剣を5本づつ指された。
と言われている。

つまり今年は2006年。

さて、1940年から1944年にかけ、多くの子どもが産まれた。
そのため、短期間に多くの家を建てる必要に迫られ、1950年から1970年にかけ、丘を宅地に造成して、大規模な集合住宅郡を作った。これを「ニュータウン」と呼ぶ。
それぞれの集合住宅を「マンション」と呼ぶ。

この丘は、300年から200年ほど前、背後にある山が何度か噴火し、その火山灰で出来た。
その噴火の前は、深い森の奥であり、ケモノ、マモノ、獣人、などが住んでいた。
そこに占師姉弟が移り住んできた。

この姉弟は以前、街にいた。
占いの結果は常に正しかったらしい。

「どんな病も、言われた通りの養生で直る」
「天気をぴたり当てる、それも1年先まで」
「必ず豊作になる物を薦めてくれる」

など、評判が実力を超えていた。また、相談者が後を絶たず、最後尾は7日も8日も待つことになった。
それで

「これでは疲れて、正しく占えないから、休暇が欲しい」

と皆に言うと、皆快く返事をくれ、温泉街から来た相談者が招待してくれた。

そして、その温泉街の奥にある林に引っ越したが、ここでも長蛇の列になった。
さらに何度か引越ししたあとで、この、森の奥に引越しした。

その人がこの占師のうわさを聞いたのは、数年前。
しかし、その時に聞いた場所では、すでに住む人が他の人になっており、行き先はわからなかった。
何人もの人を雇い、やっと数日前に、いくつもの町や村を通った先に有る森に住んでいるらしいと知った。
そして、この占師の所に使いを出した。

この者は8日間の旅の末、森の入り口にたどり着いた時は小雨が朝から降り続く、そして時は夕刻近く。
町で産まれ街で育った者にとって、今、足を踏み入れたら迷うことは、すぐに判った。
この場所で朝を待つ。しかし、雨。水溜りがあり、また、ぬかるんでいる地面。このままだと足から冷えてくるだろう。
晴れの日、曇りの日。人里近くの高原や草原での経験、何かの横穴を使っての経験は有る。
落ちている木の枝や落ち葉を使い、火を熾(おこ)し暖を取り、灯りとして使いケモノたちが近付いて来るのを早めに見抜き、身を守る。
しかしそれは役に立ちそうにない。

初めての、雨の森での夜。
木の根元に立ってみる。足場としては悪くない。
木の幹に背中を預けてみる、しかし、雨のせいか滑る。
と、手ごろな枝を見つけ、木に登り、その枝を利用して休むことにする。

しかし雨は降り続く、時に強く。横風が寒い。雨は防ぎきれない。
枝は滑り、落ちそうになる。

不慣れな場所、時間とともに迫る闇、寒くなる気温、凍り付くのではないかと思うほど冷たくなる手足。
町であれば、夜中でも、宿の、辻々の、灯り。風雨を防げる軒。探せば銭湯(せんとう)。などと、今になっては役に立たない事しか考えられなくなっていた。

そういえば、今、しのげる何かを持っていないかと、見直してみる。
・腰には刀。懐に小刀。木の実や草花を食べるのには使える。しかし、木の実はどこに?
・袖に、旅費として渡された残り。しかし、人家が無ければ利用できない。
・昨晩から今朝にかけて世話になった宿で手に入れた食料。保存など考えてあるわけでなく長持ちしない。量も多くなくすぐ食べ終わる。
・種油で灯(とも)す小さな提灯(ちょうちん)。手持ちの油で何時まで灯し続けられるのか。
それから、着替えなどや外套(がいとう)。

と、便意を催す。冷やしたか?荷物は枝に。そして下に降り。
通常、穴を掘りその中に出し埋め戻す。が、腹の痛みと、雨で地面は緩み、穴掘りを許さない。
しかたなく、足場だけを確保して座る。兎に角、出すだけ出さないと落ち着かないことは容易にわかる。
しかし、あきらかに無防備な今、何かが、誰かが襲ってきたら?
聞こえるのは、風の音?風で枝が揺すられ、擦れあい、ぶつかり合う音?
いや、あれは、叫び声?泣き声か?それとも、雨の降る音?

気持ちが落ち着かないが、出る物は続けて出てくる。薩摩芋のようなものが10本以上出る。匂いは匂いだか。
全部芋ならかなりの食料になるが、これらは芋ではない。
出せるだけ出し、尻の汚れを取ると、落ち付いて場所を探し穴を掘り、埋めた。

先の枝に戻る。


しかし落ち付かない。
雨風の音で、周りの雰囲気がわかり難い。
この様な時。この様な場所。追剥(おいはぎ)や盗人(ぬすっと)に襲われたら?
多分、土地慣れしている分、奴らに分がある。
それだけで済むのか?多勢で来たら防ぎきれない場合も有るだろう。

そう言えば「巨大なケモノが住んでいるらしい」という噂を宿で聞いた。

巨大なケモノ
つまり襲われたら、逃げようがないと思われる相手。
このような、雨風で相手を見分けることが人間では出来ないような夜でも相手は、こっちのことはわかるはず。
だとしたら、寝たら、明日には姿かたちがなくなっているかもしれない。

しかし夜通しおきていたら、明日昼間、歩き廻ることなと出来なくなる。
どうしたら良いのだろうか?

旅人は雨で気が付かない、
が、夜目の利く動物達が近所を歩いている。

先生たちの占いで
今晩、此処で夜明かしをしてる旅人が居る。という事で
果物と木の実、天気の良い時に川で汲んだ水を、竹で作った、中身がこぼれにくい容器に入れて。
そして、たいして暖かくは無いが、水を通しにくくなるように草や木の皮や枝で編んだ布のような物を数枚、持って来た。

目的は明日、このまま帰っていただくこと。
そして、使いの者ではなく、相談したいことを持っている人自身に来て欲しい、と、伝えること。
そして、使いの者が、目的地近くに着いた事の、その証となる、土産として、上記の食物や水、布などを持ってかえってもらうこと。
である。
ただし持ちの短い果物は、この、使いの者の食料として渡す。
また、今宵、出来るだけ良く寝てもらう必用も有る。

この一行には、獣人が何人か一緒に居て、この旅人とお話をしようとしている。






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