【 通信教育 】 拘束編 〜瀬里奈・その2〜
シチュエーション


通信調教システムを知ってからもう半年近くなる
届いたアイテムは20を越え、隠し場所に困るほどになってきた
それでも瀬里奈の欲望は満たされない
いや、むしろ欲望は強く、色濃くなって瀬里奈を支配し、瀬里奈そのものへと変貌していった

最後に夫が帰宅したのは2週間前の盆休み
夫の滞在した3日間、瀬里奈は全てを隠し通した
Hなアイテムも、体に残る拘束痕も、変わりきった性癖も
3日の内、1度だけ夫と交わったが、それも今の瀬里奈を満足させるものではなかった

良妻を演じた3日間が終わると、押さえ込まれていた瀬里奈の欲望が爆発した
今日までの2週間、瀬里奈はオナニーにおぼれ続けた
散乱するHなアイテム
充満する女の臭気
止むことのないあえぎ声
部屋は色に包まれていた

「ァアアッ、イ、イクッ! また、イクゥッ!」

アイテムNo.22「くの字バイブ」
胎内で無機質にうねり続ける大型のバイブ
コンセントに繋がれたバイブの力は電池駆動の比ではない
『く』の字型に折れ曲がった無理のある形状でも、使用者の意思などお構いなしに回転させる
そのパワーでボンテージ衣装に包まれたお腹がボコボコと動いて見えるほどだ

「もうや……、ゴホッ、もうやめて……ッ、死んじゃ……、アオオオッ!!」

アイテムNo.18「伸縮素材ボンテージ(黒)」
くの字バイブを固定し、瀬里奈の体を締め上げるボンテージ衣装
ベルトほどの太さの生地が巻きつくように体を這う露出の多いデザイン
股間から始まり、首を一周して終わるベルト状のその生地は、水分を吸収すると縮む特性を持っていた
イキ続ける瀬里奈の体から噴出する汗はそれを促し、生地はギリギリと音を立てて柔肌に食い込んでいった
それは首周りでも変わりなく、瀬里奈は呼吸すら制限されていた

「止めてぇ! 止めさせてェ!! もう、ホント……ニッ、し、死ぬぅッッ!」

アイテムNo.12「タイマー付きソフト手枷」
瀬里奈の両腕を背中で留める手枷
時間が来ると自動的に外れる。転げまわっても手や体を痛めない柔軟素材使用

アイテムNo.19「伸縮素材乳腺ベルト」
おっぱいの根元を締め上げるベルト
伸縮素材ボンテージ同様、汗を吸収して縮み、瀬里奈の乳腺を圧迫する
その力は男に揉みしだかれるように強力

アイテムNo.15「エクスタシーカウンター」
脳波を感じ取って、絶頂に達した回数をカウントするカチューシャ

アイテムNo,16……

説明してもきりが無い
無数のアイテムを装着した瀬里奈はもう3時間近くベットの上を転げまわっていた

「あぎぃッ! くっ、来るっ! すごいの来るっ! イッ、イイイッ、イクッ!
子宮が爆発するっ! あっ、ああああああっ! こっ、これ、ほんとに……」

その3時間の集大成だろうか
瀬里奈の中により一層大きい絶頂の波が押し寄せていた
まともに受ければ確実に意識が飛ぶ
下手をすれば本当に死ぬんじゃないかという大波
もちろん瀬里奈に避けるつもりなどない
だが、それを確固たるものにする拘束具の数々が瀬里奈を高ぶらせる

ピピピピッ
ガチョ

(えっ?!)

とたんに両手が自由になった
手枷がタイマーで外れたのだ

(なんで? なんでこのタイミングで??)

急に現実に引き戻された瀬里奈が、信じられないといった表情でがばっと体を起こす
気付いた時にはバイブの方も止まっていた
転げまわる瀬里奈の体にコードが巻きつき、体を起こすことでコンセントが抜けてしまっていた
大波はいつの間にか消え去り、もうさざなみ程度の快感も感じない

「…………」

瀬里奈は呆然としたまま再びベットへ倒れ込み、やり場のない怒りを腕に込めてベットを叩いた

ふと、視界の中でケータイが目にとまった
いつの間にか届いたメールに、着信をしらせるLEDが点滅している

(夫だ……)

赤く点滅するのは夫からのメール
瀬里奈はケータイを手に取りメールを確認した
すると、驚きの表情とともに瀬里奈の目がどんどん見開いていった

 ─―――――――
 題目:こっちに来てます
 ――――――――
 本文:
 仕事で近くまで来たので寄ります
 15時頃になるかな
 おやつでもあるといいな
 
 ――――――――

(15時……!!)

寝食を忘れてオナニーにふけっていた瀬里奈は瞬間的に体を起こして時計を探した
気が動転している瀬里奈がケータイの時計に気付くまでは少しかかった

(14時半!!)

今すぐにでも飛び起きて片付けなければ間に合わない
だが度重なる絶頂に全身くまなく打ちのめされた体は言うことをきかない

「ぅくっ……!」

体に杭のように突き刺さるバイブを抜こうとしたが、固定されていてるバイブは、当然びくともしない
抜くには服を脱がなきゃだめだ
そう気付くも縮みきった衣装は脱ぐこともままならない

 ぴろりろりーん

その時、再びメールが着信した

(赤!)

夫からのメールに瀬里奈は飛びついた

 ――――――――
 題目:もうすぐ着きます
 ――――――――
 本文:
 返信ないけど、出かけてるのかな
 お土産置いて
 シャワーでも浴びていくね
 
 ――――――――

(もう、すぐ……)

瀬里奈の顔から血の気が引いた
圧倒的に時間がなかった

 いないと思ってるなら、いないフリをしよう
 いや、カギを持っているから入られる
 じゃあ内カギをしめて……
 でも、それでは「いる」ということになってしまう
 今から出掛ければいいんだ!
 そんな時間ない!
 あきらめる?
 それだけはダメ!

答えが見つからないまま時間だけが過ぎていく
とにかくHなアイテムを隠さなくてはと、瀬里奈はその辺のものをベットの下やクローゼットに押し込んだ
幸運にもHなアイテムが置いてあったのは自分の部屋だけ、そのほかは綺麗なままだった

 ピンポーン

ハッと玄関の方を振り返る
あきらめかけたその時、部屋の脇に大きなスーツケースがあるのに気が付いた
Hなアイテムが入りきらないためクローゼットから締め出されたスーツケース
これの中に入って隠れようと瀬里奈は思い立ったのだ
幸運なことにスーツケースは空だった
おまけに金属ではないソフトタイプのスーツケースだったため、体も楽にねじ込めた
ぴったりと閉じてしまうハードタイプに比べ、ファスナーの隙間からわずかに外の様子も確認できる

隠れきったところで玄関から夫の入ってくる音が聞こえてきた

「せりー、ただいまー、いないのかー?」

瀬里奈がいないことにがっかりした様子の声
そのあとは冷蔵庫を開ける音がした
音でしかわからない夫の動向に瀬里奈は聞き耳を立て続けた

プシュッと炭酸飲料を開ける音
そしてそれをテーブルに置く音
テレビが点いた音
テレビが消えた音

汗ばむ体でじっとりとして、窮屈なスーツケース中
瀬里奈は縛り上げられたような気持ちで唾を飲んだ
折り曲げられた体の中で、くの字バイブが変なところを刺激している
非常時だというのに瀬里奈の変態性癖がむくむくと頭をもたげてきていた

風呂場のドアが開く音
ほどなく給湯器の動く音も聞こえてきた

(あぁ、シャワーだ……)

シャワーとなれば20分は出てこない
瀬里奈は動くなら今の内と考えた
ファスナーを少しだけ開けて周囲を見回す
何か片付け忘れたものはないか、何かできることはないか
散らかってはいるものの部屋のなかにいかがわしい物は残っていなかった

ただ一つ気に止まったのは、スーツケースのすぐ前のコンセント
一つは部屋のハイブリット除湿&加湿器に繋がっていたが、一つは開きになっていた
それはさっきまでくの字バイブが繋がっていたコンセント
瀬里奈の中で大波の記憶がよみがえる
危険すぎることは充分わかっていた
だが、縛られれば縛られるほど、制限されればされるほど燃え上がる瀬里奈にとって、それは後押しにしかならなかった

コンセントは吸い込まれるように繋げられた

 ヴォン

(!!)

スイッチが入りっぱなしだったバイブはいきなり全力で回りだした
瀬里奈はとっさに唇を噛んで声を殺した
両手を頭の後ろで組んで首を倒し、土下座をさらに小さくしたように縮こまった姿勢
そんな折り曲げられ、窮屈になった胎内をもバイブはおかまいなしにかき回す
瀬里奈を襲う快感はさっきまでの自由な姿勢より何倍も強かった

「〜〜〜〜〜〜〜ッッッッ!! 〜〜〜〜〜〜〜ッッッ!!!」

回転が快感のツボから反れたタイミングでしか呼吸ができない
既に主導権は瀬里奈の下に無かった
ものの数分で汗と涙と涎と愛液があふれ出し、スーツケースの中はメスの香りで充満した

動こうと思えば動ける
声を出そうと思えば出せる
外そうと思えば外せる
自由なハズの瀬里奈を縛るのは
どんな拘束具よりも強固な瀬里奈自身の最後の尊厳だった

(うっ……、こ、これ……って……)

極限状態の瀬里奈に、消えたはずの大波が遠くのほうに現れた
大波の影に瀬里奈は体を震わせて潮を吹いた
いや、これは恐怖からくるお漏らしだったのかもしれない

 ぴろりろりーん

(!?)

その時、瀬里奈のケータイが鳴った
Hなアイテムを隠すことで頭がいっぱいだった瀬里奈のケータイはベットの上にほったらかしだったのだ
ガラガラと部屋の引き戸が開く
現れたのは風呂上りの夫
楽しい時間はあっというまに進むが瀬里奈にも同様のことが起きていた

「なんだ? せりのやつケータイ忘れて出掛けてるのか どうりで通じないはずだ」

夫は瀬里奈のケータイをなにやら操作している
自分の送ったメールを確認しているようだ

「おっと、ケータイいじったのがばれたら怒られる。しまったなー、新着メールあけちゃったよー」

(……ばれた……)

大きな音を立てて回転するバイブ
やがて不審に思うであろう夫がバックを開けるまでのわずかな時間
それはばれたも同然だった

「にしても瀬里奈の奴、乾燥機つけっぱなしとはなー、まぁいいか、最近雨続きだったし」

(……?!)

幸運にも自動運転していた乾燥機の音
それは瀬里奈の体からあふれ出る水分に反応したものだった
夫はバイブの音を乾燥機のものと勘違いしていたため、なにも不審に思わなかったのだ

「せりのやつ、何してるんだろうなー」

ポイッとケータイをベットに投げると、夫はそのまま背を向けてベットへと座り込んだ

(そんな……、ば、ばれなか……った
で、でもだめ
来る
大きなのが
お願い
へ、部屋から出て
どっかへ……イッ……って)

夫の存在という鎖が、自尊心に縛られた瀬里奈をさらに包み込む
今にも瀬里奈を飲み込まんとする大波はその影響さらに一回り大きさを増した

(もう……、ダメ……
死ぬ……
確実に……


思考を断ち切るかのように大波が瀬里奈を襲った

「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッッッッッッッッ!!!!!!!!」

噛んでいた唇が切れ血が噴き出した

もぞりとわずかにスーツケースが動いた
だが背を向けたままの夫はそれに気付かず、すっくと立ち上がるとそのまま部屋から出て行った

何時間たっただろうか
瀬里奈が再び気が付いたときには窓の外が暗くなっていた

「……っ」

イッた
でも声を出す力も無い
気絶している間も、何度と無くバイブにイカされてたらしい
部屋も暗いところを見ると夫はもういないようだった
結局ばれたのか、ばれていないのか覚えていない

瀬里奈はファスナーを開けてずるずると体を引っ張り出すと、まずバイブのコンセントを引っこ抜いた
そしてベットに倒れ込むと、ケータイに手を伸ばした
ここに答えがあるかもしれない
しかし瀬里奈はケータイを開けなかった
どっちにしろ夫を裏切ったことに変わりは無い
そう気付いたからだった

どうやってわびようか、そんなことを考えてる内に瀬里奈は再び眠りに落ちた
暗い部屋の中、ケータイの赤いランプが、切れた唇からにじんだ血を赤く照らし続けた






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