シチュエーション
![]() どうしてこんなことになってしまったんだろう。 文字通り目と鼻の先で、僕の友達……であるはずの瑠璃が、じっと僕を見つめている。 目の色はいつもの凛とした黒ではなく、肉食獣をも捕って喰らいそうな鈍い輝きを放っている。 緊張で呼吸の浅くなった僕を見て瑠璃はふっと微笑み、おもむろに唇を寄せた。 ほんの一瞬だけの軽いキス。 「……や、やっぱりダメだよ。 こういうのは、本当に好きな人と……んっ」 口答えが気に入らなかったのか、瑠璃は眉根を寄せ、僕の口に噛み付いてきた。 そのまま舌を這わせ、僕の舌、奥歯と貪るように舐めまわす。 逃げようにも、瑠璃に押し倒された状態ではどうすることもできない。 瑠璃が腰を下ろしている僕の下腹部辺りから、ずっしりとした重みと熱が伝わる。 これはキスと言えるほど甘いものではない。まさに今捕食されているのだと僕は思った。 長い長い前菜の時間だった。 酸素を求め身を捩じらせると、意外にもあっさりと僕の口は開放された。 唾液が糸を引く。それを見て瑠璃が艶やかに笑った。 瑠璃が近い。息を大きく吸うと、肺が彼女の匂いで満たされた。 これが女性の匂いなのだろうか。 段々ぬるま湯に浸かっているような感覚になり、抵抗を促す脳波は失速していった。 焦点が合わないまま瑠璃を見つめていた。 呼吸をする度に僕の神経は衰え、体が重くなる。 意識が朦朧とし、瞼も下りてきたその時、股間を擦る感覚で僕の体はびくりと震えた。反射的に目を向ける。 反り返った僕の陰茎に絡まる細い指。瑠璃がにっこりと笑いながら、指の腹でくいくいと刺激を与えてくる。 「あっ、あっ、そこは……っう、だめ……あ、ぁっ」 途切れながらも抵抗の声を上げる。が、それが無意味である事は僕も分かっていた。 いい笑顔だった。瑠璃のこんな表情、僕は見た事がない。 「……すごく、かたくて、あつい」 僕に言い聞かせるように、ゆっくりと喋る瑠璃。 刺激が止む事は無く、そのたびに僕の腰はびくびくと震える。 「ねえ、私にチンチン弄られるの、どんな感じか教えて?」 「あっ……そっ、そんなの……できなっ……ぁうっ!?」 股間への刺激が変わった。瑠璃は指で環をつくり、僕の陰茎を上下に擦る。 ぐいぐい、ぐいぐいと、先程よりも強い刺激が僕を襲う。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |