冴夜と優也5
シチュエーション


「ここはどこだ?」

優也は辺りを見渡して言った。
そこは清潔にされている和室の中であり、優也はそこに敷かれている、布団の中で目が覚めた。

「何が、どうなってるんだ?」

この部屋には見覚えが無い。
予約した旅館の部屋でも無い。
障子を開けてみると、庭があり、池に注ぐ水の音が静かにささやき、獅子脅しが響く音を上げていた。
奥には竹林が見え、明らかに人里とは隔絶された場所だった。
少なくとも、知ってる場所ではない。
とりあえず、害が無さそうな事を確かめた優也は、日が柔らかく差し込んでる和室の中に戻った。
香が焚かれているらしく、柔らかい匂いがしていた。
優也は部屋に戻った際に、自身が浴衣を着ていたのにやっと、気がついた。

「お気づきになりましたか」

襖の向こうから女性の声がし、すぐさま静かに襖が開かれた。

見たことのない浴衣を着た女性。
年は冴夜と同じくらいか少し年上くらいだろうか。
見た感じ、身長は175センチの冴夜よりは10センチくらい低く、優也と同じくらいであった。
柔らかい髪は長く、腰まで伸びていたが、その色は綺麗な金色であった。
その髪と、澄んだ赤い目は優也の目を留めるには十分なものだった。「綺麗だ・・・あ」
優也は思わず率直な感想を口にして、慌ててしまった。
女性の方はその行動に対し、にこやかな笑みを浮かべる。

「ありがとうございます」

礼を言った後、襖を閉める。

「まずは自己紹介をしなければなりませんね。私はミサラと申します。遥か西の方から来たディーバでございます」

彼女は床に手をつき、頭を下げる。

優也は彼女の言った事が、分からなく、言葉を反芻し、頭を回転させた。
ディーバ・・・。
ゾロアスター教で言うところの悪魔、ヒンドゥー教で言うところの神々、密教では「天」に属する者たち、そして、「デビル」の語源でもあるという・・・。

「分かりやすく言えば、悪魔になりますわね」

ミサラはあっさりと言ってのけた。

「ああ、心配しないでくださいませ。優也様をとって食べたりするわけではないので」

慌てて後ずさった優也を見て、そのように答えた。
優也の目に警戒の色は残るものの、彼は正座し、話を聞く姿勢にはなった。

「あの、なんで、僕の名前も・・・」

おどおどと聞く優也に対して、ミサラは優雅な手つきで、お茶を差し出す。
静岡のお茶ですわ、と言った後、

「それも含めてなんですけど、ある方に教えてもらったのです」

と続けた。

「ある方・・・ですか?」

優也は作法に従い、静かに茶を口にする。

「ええ・・・あら、良いお手前ですわね・・・そうですわ、最近有名な夢魔の方から教えて頂いたのです」

優也はなんとなく、覚えがあるような気がしていた。

「あの方に貴方の事と、簡易的な夢の世界の作り方を聞いたのです」

目を丸くして、疑問符を出した優也を見て、

「ああ、ここ、夢の世界なんです。私の作った世界に寝ている貴方を誘ったのです」

と言い、茶を一口すすった。

「話を戻しますと、その方から貴方の事を聞き、興味が沸いたのですわ。具体的に言うと、時間が無くなるので、言いませんが・・・」

言葉を区切る。
微かに彼女に緊張感が走る。
優也も何か緊張めいたものを感じていた。

「つまり抱いて欲しいのです」

「は・・・?」

優也は初め、何を言ってるのかが分からなかったが、30秒位してから、

「ええっ!?」

と叫んだ。

「どういうことですか!?」

優也は狼狽する。
いきなり見ず知らずの所にいて、見ず知らずの女性が現れ、いきなり性交渉を持ちかけられ、彼が慌てないわけが無かった。

「とにかく、抱いてくださいませ」

ミサラが優也にじり寄る。

「な、なんでですか!?」

優也もミサラの動きにあわせるように、後退する。

「ああ、もう、逃げないでくださいませ」

ミサラが自らの右腕を上げると、浴衣の袖口から、光る縄のような物が飛び出し、優也を束縛した。
優也は外そうともがくが、外れなかった。

「理由もちゃんと説明いたしますわ」

再び、正座になり、優也の方を見据える。
心なしか、彼女の顔は紅潮してるように見える。

「私は人の精を主食として、生きております」
「ちょっと、それって!?」
「聞いてくださいませ。この国に来たのは、故郷で討伐されそうになったからですわ」

ミサラの繊細な手が優也の顔に触れる。

「ふふ・・・可愛い顔してるのですね・・・それに、とても綺麗な目・・・」

優也のオッドアイに素直な感想を述べた。

「・・・私は逃げて、この地にたどり着きましたが、結局のところ、この地で封印される事になりました」

ますます、距離が近づく。

「でも、最近封印が少し解けて、夢の中でなら人前に出れるようになったのです・・・そして、私、とてもお腹が空いておりまして・・・」

顔が触れ合うくらいにまで近づく。

「誰か適当な方を探していたら、貴方の事を耳にしまして」

口が口に近づいてくる。
優也は顔を背けようとするが、手でしっかりと抑えられ、それも叶わなかった。

「優也様、これは夢ですわ。夢で別な女性を抱いても、浮気にはなりませんわ」

そして、そのまま、口付けをしてきた。
キスに関しては、冴夜より情熱的ではないものの、丁寧さでは上だった。
舌を絡め、口の中で動き回るキスが終わった時、優也はペニスが勃起していた事に気がついていた。
興奮と脱力感が同時に襲い、優也は夢だと自身に言い聞かせていた。

「これは・・・夢・・・」
「ええ、夢ですわ」

いつの間にか光る縄は解かれていたが、優也は抵抗する気力が失せていた。

「キスだけで、こんなにボーッとするなんて・・・」
「ふふ・・・私のキスは特別ですわ。それに、性欲を高める香を焚かせて頂いてます」

再度唇が交わる。
唇は先程よりは早く離され、優也はそのまま、浴衣を脱がされた。
ぼやける頭は、束縛していたものがほどけていたことを、やっと認知した。

「あら、可愛らしいのですね」

ミサラは怒張した優也の小振りなペニスを見て言った。

「あまり、見ないでください・・・」

優也の顔が更に赤くなり、その様子を見て、ミサラは微笑む。

「ふふ、本当に可愛らしいお方ですわね」

頬を舐められ、胸、腹と舌が這う。

「ああ・・・あ!?」

優也が一際大きな声を出す。
ペニスにミサラの舌が触れたからだ。
彼女の舌はゆっくりとペニスを丁寧に撫で回し、咥えた。

「あ、だ、だめ!」

優也は抵抗しようとするが力は入らず、喘ぐ事しか出来なかった。
ミサラは唇と舌で優也を堪能した。
冴夜に比べると激しさは劣るものの、丁寧さでは上で、二分耐えるのが限界だった。

「ああっ!」

優也は短く叫ぶと、射精した。

「美味しいですわ・・・」

ミサラが優也の精液を飲み込み、そう呟く。

「もっと気持ち良くさせてあげますわ」

再び優也のペニスを吸い上げる。
それも優也に聞こえるように、わざと吸う音を大きく立ててだ。

「ああ!」

たちまちのうちに優也のものは再び隆起し、女へ突き立てるものと化していた。

「ふふふ、張り切ってきましたわね」

伍葉は優しく優也のペニスにキスをする。

「ああ・・・とても固くなってますわ・・・」

ミサラはペニスから手を離し、自身の濡れた股間を優也の眼前にまで近づけた。

「私のも舐めてくださいませ・・・」

そう言い、ゆっくりと優也の口に己の秘部を近づける。
優也の目に、いやらしく濡れた秘肉と陰毛が映り、淫らな匂いが鼻に触れる。
ヘアも匂いも冴夜のと比べると薄いが、それでも優也を魅了するには充分だった。

「これは夢なんだ・・・」

そう呟き、彼はミサラの股間を舌で触れた。

「あ・・・」

微かに喘ぎ声が漏れた。
優也はいつも冴夜にしているように、舌を動かし、口付けをミサラの舌の唇にする。

「ぁ・・・上手です・・・わ・・・」

ミサラも優也の動きに合わせるかのように腰を動かす。

「丁寧に舐められるのですね・・・とてもお上手・・・あ!」

優也の舌がクリトリスを触れる。
それは触れるだけではなく、舌の先で軽く転がすように動かしていた。

「ああっ!そ、それは!」

予想以上の上手さだった。
彼女からしてみれば、友人が適当にチョイスしてきた可愛いだけの少年かと思っていた。

「あの方が薦めるわけですわ・・・!ひ、ぃぃぃいいい!」

クリトリスが唇で優しく吸われ、声を上げてしまった。
思った以上の上手さのせいで、彼女は倒れこんだ。
蜜が溢れ出て、優也の顔を濡らす。

「大丈夫ですか?」

優也が自身に倒れこんできた、ミサラの体から這い出てきて、彼女を案じて言う。
顔を濡らした液体はとても淫らな味がした。

「え、ええ・・・」

そう言いながら、優也の髪を優しくなでる。
そして、静かにキスをしてきた。

「好きにして良いのですよ?」

口を離して、ミサラはそう言った。

優也はごくりと喉が鳴るのを感じた。

「これは夢ですよね?」

優也は最後の確認として、そう聞いた。

「ええ」

ミサラは潤んだ瞳で優也を見つめ返し、そう答えた。
その答えが放たれた直後、優也はミサラの唇に深い口付けをしていた。
息が詰まるほどのキス。
そんな中、優也の左手はミサラの股間に触れ始めていた。

「んん!?」

口を塞がれているため、ミサラがくぐもった声を上げる。
優也の指はヘアを掻き分けていたが、まだ肝心の部分には触れてなかった。
あくまでその周りを優しくなぞってるだけだった。

「ああ、焦らさないでくださいませ・・・」

ミサラが懇願した。
秘部は濡れて、早く優也を咥えたがってるのだが、なかなかしようとしてくれない。
辛抱ができず、手で隆起したペニスを愛撫し「入れて」というメッセージを出したが、優也は「代わりに指を入れますよ」と答えるように指を膣の入り口に当てた。

「ひ!」

その直後にするりと指が挿入される。
優也の指はじっくりとミサラの膣を探索する。

「あ、ああ・・・」
「う、あ・・・」
「あ・・・うう、ああ・・・」

声と表情と体の反応を見ながら、優也は丹念に愛撫する。
その間も右手は乳房を優しく揉み、口は彼女の首筋をなぞる。

「ああ、あ、あ・・・あ!?」

膣内のあるポイントに触れると、ミサラが一際大きい声を上げた。
優也は今触れたところが、彼女が感じるところだと理解した。

「ここですね」

優也はその箇所を愛撫し始めた。
そこはすこし、他の場所とは感じが違う場所で、冴夜のよりは小さいが「女性の最も感じるところの一つ」だと理解した。

「ひぃい!」

急激な快楽に歯を食いしばるミサラ。
首はのけぞり、体が硬くなる感覚に襲われかけた。

「な、なんです、の!?そ、そこ!?」

ミサラが急激な快楽の原因を問う。

「じ、Gスポット・・・かな?」
「じ、Gすぽっと?・・・あひぃ!」

優也が指を少し動かすと、それだけで声が上がる。

「あ、あれ、知らないのかな?」

Gスポットと言う言葉は知らなくても、経験豊富だと思われるミサラがそういう箇所のことを知らなかったのは、優也にとって意外だった。
だが、彼女は今まで男と交わってきたのは、あくまで精を吸うためで、快楽のためではなかった。
そして、今までの男たちは、すぐさまに膣内に精を放つだけの挿入を開始していた。
それは、ミサラの術によるもので、優也もそうするように仕向けたのだが・・・。

『この子、私の術が大して効いてないのですか!?』

彼女の中でそういう結論が出ていた。

くりゅ

「ひぃあ!」

その結論もGスポットを擦られ、瞬く間に消えた。
潤んだ目で優也を見る。
あ、と一声上げた。
優也の左目がなにか、異様な存在感が持っているように感じた。
ああ、この目が原因なのですね・・・。
と思ったが、

「・・・ひぃ!?ああああぁ!?」

優也が指の動きを早めてきたため、それも消え、驚きと快感の声を上げた。
指を動かす音も、先程より大きくなり、それはミサラの耳にも簡単に届いた。
その途端、彼女に堪らない恥ずかしさがこみ上げてきた。

「あ、あ、ああ!」

今までになかった事だ。
何が恥ずかしいのかよく分からなかった。

「い、やあ!・・・恥ずかしい・・・ああ!」

両手で顔を覆う。
それでも快楽と隠微な音が、彼女を襲う。

「ぅぅ!」

くぐもった叫び声が両手の隙間から聞こえる。

「手を開けてください」

優也は右手でミサラの手をどかし、そのままキスをした。
一連の行為が堪らなく可愛く見え、愛しさを感じ始めた。
同時に指の動く速度も上げた。

「んん!んんー!」

キスされたまま喘ぐミサラ。
優也の左の掌には愛液がたれてきた。

「ん!んん!ぶはっ!!」

口を塞がれて喘ぐのは、息が苦しいのか、ミサラはキスから逃げ出す。
そして、

「ぁぁぁぁあああ!!」

キスによって、抑えられていた声を上げた。
体がぶるぶる震えてきて、股間に何か、変な感じがしてきた。
尿意に似たものだが、それとは微妙に違う何か。
今までに味わった事が無い感覚。
それが少しづつ強まっていく。

「だ、だめ、な、なんか、で、でてしまいま、す」

声も震える。

「良いですよ、出してください」

優也も息が荒い状態で、答える。

「あ、や、はずか・・ぁぁあ!」

優也の舌が首筋をなぞる。

「ひっ!?」

少しだけだが、何か出た感じがした。
一瞬だけだが、凄く気持ち良い刺激が走った。

「ぃぃいい!」

首がのけぞった。
なんですの!?これ!?
心の中で、叫ぶ。
優也はその心の声に、指で答えた。

「ひ!」

Gスポットを押された瞬間、何かが出た。
そして、それは決壊の印であった。
ぷしゅうと音を立て、霧吹きみたいに淫水が吹き出す。

「ひぃいいいい!」

潮が吹き出て一瞬後に、ミサラは悲鳴を上げた。

「ぃぃぃぃいいいい!!!」

優也が指を止めても霧吹きのような状況と悲鳴は何度か続き、それが終わるとミサラは布団に仰向けに倒れこんだ。

「・・・な、なんですの・・・これ・・・」

気絶しそうになったが、それに耐える事は出来た。
今までに無い快感。
まどろみに近い感覚と異常な開放感。

「・・・潮、吹いたんですね・・・」

優也の呟きが聞こえた。

「・・し、お・・・?」

何の事だろうと思った。

「なんと言うか、女性も気持ち良くなると、出るみたいで・・・」

優也も詳しい事は分かってはいないが、そういう認識はあった。

「・・・そうですの・・・」

ミサラはやっとの事で起き上がることが出来た。

「・・・あ」

起き上がって直後に見た光景は、布団に出来た、染みであった。
それは明らかにミサラから出た液体で作られた事は、ミサラにもよく理解できた。

「・・あ・・・あああ・・・」

急激に恥ずかしさが襲ってきた。
両手は顔を覆い、眼から涙が滲んできた。

「・・・恥ずかしい・・・」
「あ、大丈夫ですよ、僕の彼女もよく吹くし・・・」

優也は慌てながらも、ミサラを慰める。

「だから、もっと気持ちよくなってくださいね」
「あ」

仰向けにされて、少し腰を浮かされる。
そのまま、優也はミサラの股間に顔をうずめ、クリトリスを舌で転がし、それと同時に指を再び膣内に入れる。

「ひぃ!」

今度はGスポットとクリトリスの同時攻撃だった。
先ほどの潮吹きで敏感になったままなので、急激に強い刺激が走った。

「ひぃあああ!それ、だ、め・・・!」

体に電撃が走るようだった。
それに伴い、先ほどの出そうになる感覚が再び襲ってきた。

「や、で、出てしまいます!ひぃいいい!」

クリトリスをまるで、赤子が母親の乳首を吸うように吸い上げる優也の顔をどかせようとするが、強い快感を与える二つのポイントを責められ、それも弱々しかった。

「・・・ひぃ、ひぃぃいいいいっ!!!」

絶叫を上げた後、一拍置いてから、再び股間から霧吹き状に潮が吹き上がる。

「ぃぃぃぃいいいいいいい!!」

叫び声が再び上がる。
手はシーツを握り締め、足は反り返る。
何度か叫び声を上げ、潮が優也の顔にも吹きかかるが、優也はそれを嫌がりもせず、口に受け止める。

「・・・美味しい・・・」

冴夜の潮とは匂いも濃さも薄いものであったが、とてもいやらしい味だと彼は感じた。

「・・・ぁ、ぁ・・・」

ミサラは涙を流しながら、喘いでいた。
体は痙攣し、開いた足もそのままにして、気を失う、一つ手前で、絶頂の余韻を味わっていた。
優也が心配する内容の声をかけてたが、それも耳に入らず、浮かんでるような感覚と、興奮と虚脱が混ざった、よく分からない感覚に身を任せていた。
体感で相当時間が過ぎた後(実際には二分ほどだが)、少しづつ、布団に染みた液体の感覚が尻のあたりから伝わってきた。
それと連動するように、優也の声も聞こえるようになってきた。

「大丈夫ですか?」
「え、ええ・・・」

良かったと優也が呟き、ほっとした表情を見せる。

「・・・とてもお上手なのですね・・・とても、気持ち良かったですわ・・・」

ミサラが優也の顔をなで、頬にキスをする。
右手は自然と優也のペニスに向かっていた。

「あ・・・」

優也はなでられ、声を上げ、たちまちのうちに勃起した。

「・・・入れて欲しいのです・・・」

上目づかいで、要求するミサラ。

「は、はい」

優也は返事をしながらも何かを探すように当たりを見渡した。

「どうしました?」
「いえ、僕の荷物・・・」
「あら、ここは夢の世界ですよ?」

荷物なんてありませんわ、とミサラは続けて言い、優也が、ああそうですね、と呟く。

「何をお探しでしたの?」
「コンドームを・・・」
「こんどうむ?」
「ああ、ええと、ゴムで出来たおちんちんを包む、避妊具のことです。精液が膣内に出ないようにする・・・」

何言ってるんだろう、僕は、と優也は続けて言った。
それに対し、ミサラは少し不満そうな顔になった。

「いけません」

優也が驚いたような表情をする。

「そんなものを使ってはいけません。夢の中なのですから、変なところに気を使わないで、膣に出してくださいませ」

そう言い、ペニスを引っ張り、早く入れるように促す。
早く入れて欲しかった。
今までは精を吸うためにSEXをしてきたが、今回は違う。
快感を得、愛を交わす為のSEXだ。
なんで今まで、そうしてこなかったのだろう?
そういう疑問すら、頭に浮かんできたのだった。
でも、同時に怖い、というのも頭に浮かんできた。
今までにこんな快楽はなく、今、これから、本番の控えている。
ヴァギナは開いてペニスを欲しがってるが、これ以上の刺激は大丈夫だろうかという不安があった。

「・・・入れますよ」

だが、優也がためらいながらも言ってきたので、

「はい、入れてくださいませ・・・」

と結局の所、答えたのだった。
ペニスが膣口にあてがわれて、先端にぬめりが感じられた。
ミサラも、自分の手で膣を広げ、腰を突き出し、そのまま、ゆっくりと挿入が開始された。

「ぁあ!」

挿入されただけで、イキそうになってしまった。
潮吹きにより、性器が敏感になっているのが分かる。

「あ!あ!」

優也はゆっくりではあるが、深くじっくりとした挿入を繰り返した。

「い、良いですわ、気持ちいい・・・」

肌を合わせてくる優也を抱きしめ、唇同志を密着させた。

「んん・・・!」
「ん、んんっ!」

二分にわたる唇と舌の応酬は、息苦しさと共に、快感を増幅させていた。

「ミサラさんの膣って、包み込む感じで気持ち良いです」

優也が息苦しそうに言う。
冴夜の「ぎゅうっとする感じ」とは違う、気持ち良さであった。

「ふふふ、嬉しいですわ」

柔らかい手で優也の首筋をなぞる。
優也は悲鳴のような小さな声で、それに答えた。

「あ、もう・・・イキそう・・・」

優也がそう言い腰の動きを止める。

「あら、ふふ、思いっきり私でイってくださいませ」

腰の動きを止めた優也に対抗するように、ミサラは腰を動かし始める。

「あ・・・でも、その、前に・・・」
「え?」
「ミサラさんをイかせてからです!」

優也はミサラの腰を浮かし、布団と腰の間に枕を置いた。

「あ・・・!」

ミサラの気持ち良いところに当たった。

「これ、なんか、気持ち良いところに、当たりますわ・・・」
「うーん、冴夜もこの当たりが好きみたいだし、こうすると良いみたい」

そう言い、じっくりと探索するように腰を動かす。

「あぁ!あ!」

突き動かすたびに、気持ち良いところに当たる。
そこに当たる度に、また『出そう』になる感覚に襲われる。

「あ、や、そ、そこ、で、『出そう』になります!ああ!」
「やっぱり、ここがGスポットなのかな?」

小刻みにその地点を狙うようにペニスを当てる優也。

「ひ!あ!そ、そこ!気持ち良い!ひぃ!」
「またさっきみたいな悲鳴になってきた。ミサラさんは感じるとそういう風に鳴くんだ」

優也は興奮した様子でミサラに聞こえるように言う。

「や、そんな風に・・・ぃひぃ!」

興奮した優也は突きを少し早める。
彼も腰の辺りに来るゾクゾクした感じがしているが、それをこらえながら突く。

「はぁはぁ!」
「ひぃぃ!いいぃ!!」

ミサラの喘ぎ声が本格的に悲鳴に変ってきた。
それと同時に、挿入の音の水気が大きくなってくるのが分かった。

「ひぃぃ!」
「あ!」

急に膣内の液体が増えた気がして、その感覚に包まれたために優也は少しだけ、精液を出してしまった。
でも、それになんとか耐えながらも、突くことは止めなかった。

「ふ、吹く・・・!ぃぃ!」

ミサラがのけぞった。

プシュウウ!

「いひぃぃぃぃぃぃぃぃいいい!!!」

霧吹きみたいな潮が飛び散る。
ガクガクと体を痙攣させ、歯を食いしばりながら悲鳴を上げ、潮を撒き散らすミサラ。

「わ!ぼ、僕もい、いく!!ああっ!!」

射精しながらも腰を動かし続ける優也。
そのたびにミサラの悲鳴を上げ、潮を吹く。

「ぁあ・・・」

優也に限界が来て、ミサラの上に倒れこみ気絶すると、ミサラも糸が切れたように気を失った。

「私、失神したのは初めてですわ」

体感的には10分ほどくらいして、二人は気を取り戻していた。

「そうですか。可愛かったですよ」

優也の方が先に気がついており、ミサラのはしたない顔を見つめていた。

「そういう恥ずかしい事は言わないでくださいませ・・・」

顔を赤くして、そっぽを向くが、まんざらでもなかった。
ピロートークも彼女は初めてだったので、それはとても心地良いものだった。
優也はミサラの髪をなでて、匂いを嗅いでいた。

「貴方に会えて、本当に良かったですわ」

同じように優也の髪をなでる。

「でも、今日のところはそろそろお別れですわ」
「え?」
「もうすぐ、夢の時間が終わりますわ。また会えますから安心してくださいませ」

ミサラが同じ人物に合おうとする事も今まで、無かった事だ。
優也の額にキスをする。
そうすると、優也は凄まじい眠気に襲われた。
夢の中なのに?という疑問が浮かんだが、それもすぐに消えた。

「明日、明後日と言うわけには行きませんが、近いうちに会いましょう」

優也のまぶたをしなやかな指で、優しく閉じてあげた。

「優也先輩!」

優也はその声で叩き起こされた。

「もう、いつもより遅いから、見に来たんですよ!」

優也はけだるい疲労感が残った体を起こし、少女を見る。
彼を起こしに来たのは、同じ研究室に所属している、長内美樹(おさない みき)。
ショートカットで、身長は155センチくらいの活発な少女だ。

「いつもよりって・・・」

それでも、目覚ましの10分前だ。
いつも優也は目覚ましの一時間前には起きていたので、大幅に遅いとは言える。

「それに妙に顔赤くして、うなってましたし、大丈夫ですか?」

そう言われて、「あっ」と優也は叫び、顔を再び赤くした。

「どうしました?」
「な、なんでもないよ!」
「ふーん、まあ、良いや。あたし、部屋に戻りますから、着替えとかしててくださいね」

そう言い、美樹は出て行った。

「あー・・・」

優也はため息をつき、下着を見る。
初めての夢精をしていたのだった。

「はあー・・・」

優也は再びため息をついた。
なんか、とてもいやらしい夢を見た。
そして、その内容はよく覚えている。

「なんか、情けないや」

優也は再びため息をついて、着替えを始める事にしたのだった。






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