シチュエーション
男は、実はずっと前から彼女のことが好きだったが、中学時代に彼女とその友人達の話を立ち聞きしてしまい彼女は別の男が好きだと勘違いする。 その思いを昇華するためにサッカーにのめり込み、諦める為に違う高校にも入ったが、塾の帰りの彼女に偶然会ってからは時間を合わせて夜道で危険が無いように見守っていた。 というか、彼女に会いたいだけだったのだが・・・。 そして、事故がおこる。 両親は嘆いたが、サッカーよりも彼女の方が大事だった彼はその結果に満足していた。 しかし男は、彼女の性格を知っており自分を責めるであろう事は予想できたので、わざと冷たくあしらう。 「いますぐ俺の目の前から消えてくれ。二度と顔を見せるな。」 男は、彼女に好きな人がおり付き合っていると勘違いしていた為にサッカーが出来なくなった自分に同情で側に居て欲しくなかった。 彼女は普段気弱だが、責任感が強く、ここぞというときには頑固な性質だった。 なかなか引かない彼女に諦めさせるべく、 「じゃあ、選べ。今すぐ俺の前から消えるか。俺に絶対服従の奴隷になるかだ。」 と言ったのだが、なんと彼女は承諾してしまう。 引くに引けなくなった男は、彼女への思いも強い為に誘惑に負ける。 同情でもせめて体だけでも繋ぎ止めておきたいと思うが、罪悪感のあまり普段はまともに彼女の顔を見ることが出来ない。 サッカーしかとりえの無かった自分に、彼女に好かれる価値も自信も見出せず性格も少しずつ歪みやさぐれてしまう。 ここまでが、導入。 その後、男は彼女の思い人と思い込んでいた奴と出会う。 自分への償いの為に別れたのだと思っていた男は、話しているうちに「彼女に告白したがすぐに好きな人がいる、と振られた。」と言うことを知る。 ならば彼女の好きな人とは一体誰か? 一方、彼女の方も友人との話で好きな人がいるが、相手にセフレとしか思われていないと言う悩みを聞きだされていた(内容は誤魔化して脚色している)。 他の女の影が無いのは怪しい、ひょっとして両思いでは?と友人に言われる。 そんなはずは無いと思いながらも少し期待を持ってしまう。 二人の関係が微妙に変化しかけるが、そんな矢先に彼女は自分が妊娠していることを知る。 絶対に彼におろせと言われると思っている彼女は、彼から逃げ出し理由も告げず友人のところにかくまってもらう。両親にばれると幼馴染の彼にもばれるので、安定期に入り落ち着いてから報告しようと思っていた。まさか、彼が自分を探そうとするとは思いもよらずに。 彼は、突然いなくなった彼女を必死で探す。 彼女の両親、友人のところなどを探し回るが、練習試合をよく見に来ていたとか、それぞれの場所で話を聞くうちに彼女が好きだったというのはもしかして自分では?という確証が起こる。 更に1ヶ月が経過し、彼女は、天気の良い日に俺と良く遊んだ公園のブランコに座っていた。 昔を回想する彼女の前に、(しつこく彼女の大学の友人の下に通い、拝み倒し彼女の場所を聞いた)現実の彼が現れる。 まさか憎んでいる自分を探そうとするとは思わなかった彼女は、あわてて逃げ出そうとするが彼に捕まる。 どうして逃げたのかと問いただす彼に、無言の彼女。 しばらくの沈黙の後に、彼は思い切って彼女に聞いた。俺のことが好きだったのか、と。 彼女は、秘めていた思いを知られたことに混乱し妊娠したからもう側に居られないと告げる。 しかし、次の瞬間「じゃあ、結婚しよう」と抱きすくめられ「ずっと好きだった」と言われる。 長い間、すれ違い平行線をたどっていた二人だったが、やっと両思いになったところでEND SS一覧に戻る メインページに戻る |