王子と召使い
シチュエーション


「…はッ……あ…いや…もう、許してください……王子…」
「王子ではない、リオンだ」

俺のものになってもう半年が経つというのに、寝屋では名前で呼べと命令しているのに、この女は一向に命令を聞こうとしない。

……忌々しいな。

独占欲と焦燥感が入り混じったような、なんとも言えない気持ちを目の前の透けるような白い肌にぶつける。

「いやッ…あ…もうこれ以上はやめてください…」
「こんなに濡らして…」

触ってくれと言わんばかりに主張している膨れ上がった芽を、愛液を絡めながら中指で刺激すると、女は豊満な肉体をくねらせてよじった。
「あああああ…!!だめぇ!」

何がだめなんだ。この女の、俺を拒むような態度が気に食わない。
いつまでたっても…。
無意識のうちに女の身体に口づける。
首に、肩に、胸に。

「!王子、おやめ下さい!跡が残ってしまいます……服、服で隠れないところはどうか」
「見せつければいいだろう。おまえが実質俺の妾であるということは周知の事実だ」
「……!」
「それと王子ではない。…リオンだ」

女の耳元で囁きながら、自身のものを深く埋めてゆく。

出会いは偶然だった。
鷹狩りの最中に偶然見かけ、その美しさに目を奪われた。
自らの権威を利用したのはその時が初めてだった。
結婚間近であった女を城へ無理矢理連れ帰り、自分付きの召使いにした。

その時から女は俺に笑いかけない。一度たりとも。
俺の地位と容姿に媚びる女共は腐る程いる。
隙あらばコネを作ろうとする武官や文官も多数いる。どうでもよい者ばかりが集まってくる。
俺が必要とする者たちは俺を嫌うのだ。

………この女も……両親も…………。

「…皮肉なことだな」

自嘲的な台詞を吐きながらも、次第に高まる快感に目を細めて耐える。
この女の泣き顔は見慣れたものだ。いくらでも泣くがいい。
どんなに泣いても喚いても、………離してやらない。






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