シチュエーション
![]() 「木野茉莉加君。何で呼ばれたかは……見当が付くな?」 怒りを押し殺した低い声で呼ぶと、彼女は青くなりながらこくこくと頷いた。 その様子を確認しながら、坂井は書類を半ば叩きつけるように机に置いた。 「読んでみたまえ」 「は……はひっ!」 声がうわずってるな、と思いながら彼女の様子をじっくり見つめる。 書類をめくる手は小さく細く、あまり労働には向かない手だ。 茉莉花は震えながら一枚一枚書類をめくっていく。 「それは何だか分かるか?」 「こ、今度の裁判の資料です」 「それを誰が作った?」 「私……です」 「なぜ23箇所も誤植があるんだ?」 「そんなに少ないんですか?」 「木野君っ!!」 ばん、と机を叩くと茉莉花はびくりと震え、ついでに一歩後ずさっていた。 「す、すいません……でも、前回が51個だったから、随分減ったなあと思ったんです」 「君って人は……」 坂井が睨み付けると、彼女は身体を縮こまらせた。 そうすれば書類の陰に隠れられるとでも思っているのだろうか。 馬鹿じゃないのかと呟くと、今度は狂ったようにぺこぺことお辞儀を繰り返す。 「ご、ごめんなさい、善処します、頑張ります、精進しますっ!」 「昨日もその台詞を聞いたぞ。なのに君には全然進歩がない」 「あの、51から23というのは飛躍的な進歩だと」 「反省の色無しか、仕方ないな……机に手を付いて尻を突き出せ」 溜息をつき、突き放した口調で命令する。 「せっ……せせせ先生、それは」 「黙ってろ。俺は昨日3時間しか寝てない、つまり機嫌が悪い。 言う通りにしないと手加減は出来ないぞ」 彼女は暫くおたおたしていたが、坂井が促すように顎をしゃくると、書類を机に置き、 その横に手を付いた。 そのままゆっくり腰を上げ、椅子に座ったままの坂井を懇願するように見つめた。 悲痛な瞳に哀れみの感情がこみ上げたが、坂井はわざと視線を外し引き出しを開ける。 「今日はどんな道具が良い?」 引き出しの中の物を一つずつ、彼女の目の前に並べてゆく。 バイブレーター、ローター、鞭、セロハンテープ、ローション、消しゴム。 一つ机の上に置く毎に、彼女は青ざめたり真っ赤になったりする。 その反応が面白いので、たまに関係のない物を混ぜて並べてゆくのだが、 彼女はそれに気が付いていないようだった。 それどころか、どのように使うのかと想像しつつ混乱しているらしく、 特大サイズのゼムクリップを置いたら顔が歪んだ。 飴玉、シャープペン、ホチキスと並べたところで泣き出しそうになったので、 そろそろかと思い、坂井は席を立った。 坂井は茉莉花の背後に立つとスカートをめくり上げた。 「命令の通りちゃんとガーターをつけてきたんだな。これだけは褒めてやろう」 言って尻を撫でると、茉莉花はひう、と涙混じりの声を上げる。 下着を引きずり下ろすと赤い裂け目が濡れそぼっていた。 「まず、誤植の数だけ鞭打ってやる。その後はこの中から一つ使ってお仕置きを するから覚悟しとけよ」 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |