シチュエーション
「挿れますよ」 と、悠愛の声がかかる。 ううっ、緊張する。 挿れられるのは、初めてだったからだ。 僕付きのメイド悠愛は、ちょっと訳がある人で普通の人とは少し違っていた。 半陰陽というのか、両性のモノを持つ人で、所謂「ふたなり」の女性だ。 両性の特徴があるとは言うものの、基本形は女性だと思う。 こんなにも美人なのだから…… 白皙の肌に、憂いを含んだような男好きのする切れ長の眼。 背格好はモデルの様で僕よりやや高い。 胸部はとても女性的で豊かで柔らかな丸みを有している。 悠愛が専属メイドに決まった当初、こんな美人が僕付きになると舞い上がったものだ。 僕の家は低い家柄な訳ではないが、所詮新興台頭層でしかなくせいぜい中流の中〜上クラスである。 世間を見渡せば、貴族を含めた上流の家柄等上のクラスは幾らでもいる。 そんな上層の家柄であれば、例えば雇うパーラーメイドの容姿にもこだわる。 メイドという仕事の中において、客人の前に出る職種の為整った容姿が好まれる。 仕える家のイメージにも影響するからだ。 ある意味お屋敷のマスコットガールという側面があるのは否定できない。 悠愛は、そういうパーラーメイドとしても引く手数多であろうレベルの美貌だった。 「ふたなり」でなければ…… 「ふたなり」は一部の層に根強い支持層はいるものの、「ふたなり」というそれだけで雇うのを好まない人も多い。 僕は分類するならば、特に気にしない層に入るだろう。 セクシャルな対象でなく、普通の使用人という意味合いにおいてだったが。 そうして悠愛を雇い今日まで働いてもらってきた。 もらってきた筈だったのだが…… …… ………… ……………… 悠愛は僕の腰を抑えつつ、僕の不浄の門にあてがってきた。 「力を抜いて下さい。緊張しすぎですよ」 優しい声色で悠愛はそう言う。 僕は少し深めに息を吸い、自分を落ち着かせようとした。 僕の自分を落ち着かせようという行いを察したらしく、少し悠愛は待ってくれた。 やがて良い頃合と思ったのか、ズブリという感触でついにお尻に挿れてきた。 悠愛は押さえつける様にしばらくしていたが、やがて 「はい、これでいいですよ。それではしばらくお休みくださいね」 と言った。 「大体ご主人様は夜更かししすぎで不規則な生活を送っているので、この様にお風邪を召してしまうのです」 やや高めの熱を下げる為に僕に座薬を挿し終えた僕のメイドは、看病しつつも苦言も付け加える事を忘れなかった。 SS一覧に戻る メインページに戻る |