王子と女騎士
シチュエーション


城下町から少し離れた森。
その森の中にある静かな湖の前で座る一人の男。
男は何かを待つようにそわそわしながら、それをひたすらに待っている。
暇つぶしに投げていた小石はもう男の周りから姿を消していた。
少し場所を変えようか、そう男は考え立ち上がろうとすると後ろから草を分け入る音が聞こえてきて、待ちわびた男は内心嬉しい気持ちを隠しながら、平然とした態度で振り向いた。
少し息を荒くしながら現れたのは、空のような蒼い髪を背中ほど伸ばした女性。
ただ、その美しい蒼い目は怒りに満ちていた。

「ジーク王子! また従者もつけずに一人でこんな場所に」
「そう怒るな。それにアリカが来てくれたじゃないか」
「私に脱走した王子を探すという仕事はありません。鍛錬をしようにも、団長から毎回私に探せと命令されるのですよ」

アリカと呼ばれた女性はいつも城での軽装の鎧は身につけることなく、城下町を探索するときいに使う服に帯刀という姿だった。
ジークは笑ってアリカに手を差し伸べる。

「確かに鍛錬は必要だが、お前は必要以上に身体を酷使しすぎだ。休めることもまた必要だぞ」
「心配なさるなら逃げ出さないでください。王子を探す時間を休養に当てることも出来ますから」
「そう、寂しいことを言うな。俺はお前とゆっくりしたい」

アリカの苦言も気にすることなく、ジークは自分の隣を手で叩いた。
そのいつもの調子にアリカは溜息を漏らすが、どう言っても聞いてくれない自分の主に頭を痛めながら仕方なくそこに座り込んだ。

「素直でけっこう」
「こうでもしなければ、王子は執務室に戻ってくれそうもありませんから」

淡々と答えるアリカにジークは心で溜息をついた。
こうでもしなければ、お前は私の下に来てくれないではないか。
寂しさを覚えるが、それを表情には出さずに、

「最近、私に会いに来てくれないではないか。何故だ?」

「私は一介の騎士に過ぎません。それに……」

アリカは口を閉ざす。
ただ、その理由に心辺りのあるジークは今度は隠さずに溜息を吐いた。

「周りの言うことなど気にするな。お前は私の贔屓目を差し置いても優れた騎士だ」
「……私の事はどう言われようと、王子の信頼さえあれば何も気になりません。しかしそのことで王子のことを悪く言われるのは我慢ならないのです」

アリカの手に力が入り、掴まれた雑草が千切れるのが音でわかる。
その手をジークは覆うように上に乗せた。

「私もだ。自分の事は許せるが、君の事は許せなくなる。だが、それを知っていてもなお、やはり私は君に会いたい。愛したい」

もう片方の手をアリカの肩にやり、軽く唇を重ねた。
アリカの柔らかい唇を感じたくて、今度は深く重ねる。
舌をアリカの口内へと侵入させ、アリカの舌を絡め取り、アリカの手を覆っていた手を後頭部に持っていき逃げられないようにしながら。
アリカも初めは抵抗の意を示していたが、徐々にジークの舌を自分から絡ませていく。
気を良くしたジークはそのまま彼女を押し倒し、さらにくちづけを続ける。
ジークは口に溜まる唾液をアリカの口に流し込み、許容を超えた唾液はアリカの喉を鳴らして彼女の身体へと流れ込んでいく。

「……はぁ、王子……」

荒い息をしながら、ジークを見つめるアリカの目はトロンとしており、その表情は男を魅了するには十分だった。
服越しにアリカの身体を撫でながら、色付いた頬や首筋にくちづけを落としていく。
その軽い刺激にアリカは甘い声を出し始める。
くねり出した体は着ていた服を少しずつ肌蹴させ、ジークはアリカの服を徐々に脱がしながら耳朶にへと口を運び、舌を這わせた。

「ひっ、ああ…」

外での情事のせいか、アリカの声は小さい。
それでも久しぶりに聞くアリカのあられのない声に喜びを感じ、ジークは肌蹴させた柔肌を撫でて、アリカの感じる部分を日の目に曝していく。
外に曝け出された双丘を丁寧に揉み始める。
頂点が少しずつ立ってくるのを掌で感じ、そこを親指で弾いた。

「はああっ」

目に見えて身体を震わせ、声を出すアリカ。
もっとアリカの声を聞こうと、ジークはもう片方の手で胸の突起を人差し指で弾き、もう片方を舌で潰す。
執拗な責めにアリカは甘い声をさらに上げながら、ジークの頭を自分の胸に押さえつけた。
アリカは自分の女が喜び、下着がだんだんと湿っていくのを感じる。
我慢できなくなったアリカは絡み合わせていたジークの足に腰を擦り合わせていく。

「腰が動いてるな。そっちも触って欲しかったか?」

アリカはコクリと頷く。
快感の欲しさに無意識にしていた行為にアリカはさらに顔を赤くしたが、このもどかしい刺激より愛する人の手で触って欲しかったのだ。
ジークは片方の手を下に滑らして、アリカの敏感な部分にたどり着くと、そこはとうに濡れていた。
何度かそこをスライドさせるだけで、アリカは喜びの声を上げる。

「指を入れるぞ」

一言断りをいれたジークは、蜜で溢れたアリカの秘所に指を入り込ませる。
そこは指ですらも食い千切らんとするほどきつく締め付け、またようやく訪れた刺激に喜ぶように蠢いている。
慣らすように徐々に動かすだけでもアリカの身体は踊る。
さらに溢れてくる蜜はジークの手を汚し、それを潤滑油として指は壁を弄ぶように動かす。

「はあ、んっ、あああっ」

さらにジークは胸の突起を甘噛みしたり、吸い付き、秘所を弄っていない方の手でアリカの肉芽を指で往復させていく。
自分の特に感じる部分を重点的に責められ続けたアリカはここが外だということも忘れ、淫らに声を上げる。

「ひゃああ、王、子……もう」
「見せてくれ、お前のイクところを」
「っああ……ふあ、あああああっーー」

首や背を仰け反らせ、ありったけの声を喉から上げながら、アリカは絶頂へと登り詰めた。

ジークの手がアリカの秘所から抜くと、蜜で光り輝く指を何度かくっつけたり離したりする。
すると粘ついた蜜はくちゅりと音を立て、それをジークは舌で舐め取る。

「ああ、お止めください。汚きものでございます」
「くくっ、そなたが感じた証ではないか。久しぶりだとこうも感じるものなのか?」

未だ冷めやらぬ興奮と絶頂の余韻の残るアリカは息が荒く、さらに自分の感じていた証拠を見せられ、そっぽを向いた。
そんなアリカに軽くくちづけを落とすと、

「そなたには悪いが、私も限界でな。もうかまわんか?」
「……はい」

ジークが下を脱ぎ去り、姿を見せたものはこれ以上ないほどそそり立ち、先端からは先走りで濡れていた。
アリカは喉を鳴らすと、中途半端に肌蹴たズボンを脱げ捨て、ジークが入れやすいように自分の秘所を両指で広げた。
テラテラと濡れぼそった秘所にジークは自分のものを何度か擦り付けると、その甘い刺激にアリカは身体を震わせる。
先ほどの指とは桁が違う大きさのそれの侵入もスムーズにアリカの中に入っていく。

「ああああっ」

全てが入りきっただけでアリカは身体を歓喜で震わせる。
ジークも久しぶりの快感に歯を食いしばって耐える。
久しぶりに迎えてくれた蜜壺は変わらず、ジークのそれを歓迎してくれ、何度も動くのを催促してくるように締め付けてくる。
それに従い、ゆっくりと腰を動かし始めた。
溢れ出た蜜によって起こる音が耳に立てることで、二人の快感をさらに高める。

中で蹂躙されるたびにアリカには例えようもない快感が送られ、嬌声を上げる。

「あぁ、気持ち、いいです。王子」
「名を。呼んでくれ、アリカ」

腰の動きを激しくし、アリカの唇を自分ので塞いで舌と舌を絡ませ、空いている手はアリカの胸の突起を責める。
両の口を、胸を責められるアリカの頭は快感で埋め尽くされていた。

「ジーク様、ああっ」
「アリカ、アリカ」

二人は名前だけを呼び合い、さらに密着しようと身体を摺り寄せる。
ジークのものがさらに奥に侵入していき、アリカの奥を何度も叩く。

「ひぁあああっ」

奥が叩かれるたびにアリカは嬌声を上げて、二度と離したくないかのようにジークを抱き寄せる。
それに呼応するようにジークもアリカを抱きしめ、再びジークの舌がアリカの口内に侵入し、アリカの舌を絡めとり激しく吸う。
その痛みでさえも今のアリカには快感でしかなく、貪るようにアリカもジークの舌を求め、絡ませあう。
上と舌の口が互いの体液を奪い合うように激しく動き合い、ジークを抱きしめていたアリカの手にさらに力が入る。

「くっ、そろそろ」
「ジークさまぁ、私も、もう」

腹に力を入れて、アリカを最後まで気持ちよくさせようとジークのそれがアリカの中を蹂躙する。
アリカの足が引きつり始め、ジークも限界を感じて蜜壺からそれを勢いよく抜き出す。
「あひ、ひああああっ」

その衝撃でアリカは体全身を引きつらせ、恥もなく嬌声を上げた。
引き抜かれたジークのものもそれに合わせるようにアリカの身体に精を撒き散らす。

「あ、はぁ、王子の熱い」

アリカは自分に降り注がれたジークの精を肌で感じ取りながら、空ろな目でジークだけを見ていた。
二人の荒い息だけが聞こえ、合わせたように二人はくちづけを交わした。






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