セラスとルゥ2
シチュエーション


ぎゅっと後ろからルゥに抱きすくめられた状態でセラスはマニキュアを落としていた。
爪の一つ一つを丁寧に拭い、本来の色へ戻していく。
セラスの肩に顎を置き、ルゥはぱたぱたと尻尾を揺らす。

「セラス、まだー?」
「待ちなさい。あと三本」
「僕、早くしたい」

かぷっと首に噛みつき、腰に回されていた手が胸に触れる。

「待ちなさいったら」

ぶかぶかのシャツだけを身につけているセラスと風呂上がりで全裸のルゥ。
二人が腰掛けているのは天蓋付きのセラスの寝台だ。
初めて結ばれて以来毎日のように求めてくるルゥのために、セラスは寝台を大きなものに買い換えたのだ。
二日に一度はルゥの求めに応じて、同じ寝台で休んでいる。

「ルゥ、だめよ……あ、んッ」

待ちきれないとばかりにシャツのボタンを外し、ルゥの唇が背中に触れる。
発情期はいつまで続くのだろうかというのが近頃のセラスの悩みだ。
少なくとも二ヶ月は経過しているのにルゥの欲望は収まる気配がない。
しかし、可愛いルゥのために欲望を満たしてやると決めたからには求められれば応えるしかない。
それが飼い主の義務というものだ。

「セラス、いい匂いだ。大好き」

最後の一本を落とし、セラスはコットンを屑籠に放った。

「もう、ルゥったら」

セラスの作業が終わったのを確認し、ルゥはセラスを寝台に押し倒してのしかかる。

「約束」

にこにこと微笑むルゥをセラスは赤い顔で見上げる。

「……本当にするの?」
「うん。したい」
「私、やっぱり」

ルゥの手が太股を伝い、下着を脱がせようと指をかける。

「やっぱりだめはなしだよ、セラス」

恥ずかしそうな顔をしながらもセラスは素直に腰を上げてルゥに協力した。
下着を脱がせるとルゥはセラスの足を大きく開かせる。

「恥ずかしくないよ。セラス、とてもきれい。それに、おいしそうな匂いがする」

身を屈め、セラスの足を肩に掛けてルゥは足の付け根に顔を寄せていく。
ここに口づけることだけはセラスがどうしても嫌がっていたけれど、さんざんお願いしてようやく約束を取り付けることができた。
ルゥは花に似たセラスの秘められた場所にそっと舌を這わせた。
割れ目に沿って何度も舌を這わせていく。
じわじわと密が溢れ始め、ルゥのいうおいしそうな匂いが増していく。
舌を尖らせ、割れ目に押し込むとセラスの体がびくりと震えた。

セラスは顔を真っ赤にして、声が漏れてしまわないように腕を口に寄せている。
それでも、ルゥが舌を動かす度にくぐもった声が僅かに漏れる。

「ぁ…ふっ、んッ……あっ…」

ぴちゃぴちゃとルゥのたてる水音が次第に大きくなっていく。
初めは嫌がっていたセラスだが、いつしか自分から腰を揺らして刺激を求め始めていた。
溢れる蜜を啜りとるように舐め、ルゥは熱心にセラスを味わう。

「セラス、気持ちいい?」

唇を離し、ルゥはセラスに問いかける。
少しだけ躊躇して、けれどすぐにセラスは頷いた。
ルゥは安堵の吐息をついて、再び秘部に舌を這わせる。
そして、今度は茂みをかき分けて淫核に触れた。
初めは指で押し潰すようにして撫で、皮を剥いて舌で触れる。

「きゃああっ!! ルゥ、だめ……や、あッ、ああっ」

敏感なセラスの反応に気をよくし、ルゥは秘部に指を差し入れて刺激しながら淫核を舌で押し潰す。
セラスから溢れ出した蜜はルゥの手だけでなくシーツまで濡らしていく。

「ルゥ、あッ…もう、いれて……おねが、い」
「うん、わかった」

指を引き抜き、ルゥは猛った陰茎を押し当てる。
それはほんの少し力を加えただけでセラスの中へ飲み込まれていく。

「あ……すごい。いつもよりぬるぬるしてる」

ぴたりと腰が密着するほど奥まで挿入し、ルゥは満足げに息をつく。
すくい上げるように乳房をこね、セラスの唇に吸いつく。
腰を抱き、ルゥは緩やかに律動を開始した。

「あっ、あん…んッ……ひあっ、あっ、あッ」
「いい、セラス……すごい」

理性を投げ出すのはあっという間で、ルゥはめくるめく快感の波に身を投げ出して欲望のままに腰を打ちつけていく。

全身に伝わる快楽から醒めたのはセラスの中で何度目かの欲望を吐き出してからだった。
肌に白濁とした液体を散らして胸で呼吸するセラスから体を離すと、繋がっていた場所からセラスの体に散ったものと同じ液体が大量に溢れだした。

「セラス」

ぎゅっと抱き締め、セラスに頬ずりする。

「僕、セラスが大好き」

ぱたぱたと尻尾が揺れる。

「あのね、もう少し、加減ってものを覚えなさい」

息も絶え絶えにセラスが呟く。
ルゥは悪びれなく微笑んでセラスの頬に口づけた。

「僕、本当はもっとしたかったけど我慢したよ」
「私の体力ってものを考えて。ルゥに合わせてたら死んじゃうわ」

溜め息混じりに言い切られ、ルゥは不満げに頬を膨らませる。

「セラスだって気持ちよさそうにしてたくせに」

ぼそりと呟くとセラスの眉間に皺が寄る。

「ルゥ」

こぼれた声の冷たさに慌ててフォローを入れようとしたルゥにセラスはぴしゃりと言い放つ。

「私がいいって言うまで一人で寝なさい」

本気で怒っているわけではないだろうが、セラスの地雷を踏んだことくらいはルゥにもわかる。
気持ちよさそうだったは失言だったかもしれない。

「やだよ。セラス、ごめんなさい。ゆるして」

ちぎれんばかりに尻尾を振り、背を向けてしまったセラスの背中に頬をこすりつける。
結局その夜ルゥはセラスの機嫌が直るまで謝り続けたのであった。






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