スレ3埋めネタ2
シチュエーション


衣擦れの音とともに白磁の肌が露わになった。
月明かりと相まって昼間とは違う妖艶な色香を女の肌は醸す。
朱をさした紅唇、濃い睫毛に縁取られた瞳。
きつく拳を握りしめて女を見れば、黒が茶を射抜いた。
金縛りにあったように女の瞳から目を離すことができない。
こんなことはいけない。男の中で警鐘が鳴り響く。万が一にも旦那様に知られれば男の命はなくなってしまうだろう。

「埋めて、下さらないの?」

しかし、命の危機を前にして尚抗いきれぬ魅力が女にはあった。

「奥様」

女が男に向かって一歩足を踏み出した。

「私は──」

男がそれ以上何かを口にする前に女は男の胸に飛び込んだ。
そして、男の首に腕を絡めて唇を吸う。
観念したように男の舌が女の舌を絡めとり、女は心の中で密かに安堵した。
これでようやく足りない何かが埋まるような気がしていたからだ。






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