姫風邪
シチュエーション


ズビビッと鼻をすすって騎士は溜め息をついた。
体の頑丈さには自信があったが、まさか自分が自室のベッドに寝たきりになるとは。
とはいえ、一般人が城の氷室に一晩閉じ込められれば凍死しただろうから、風邪で済んだのは不幸中の幸いか。

昨日のことだ。
連日の猛暑にイライラ気味の姫様に連れられ、城の地下の氷室に行った。
厳重な造りの巨大な部屋には凍るような冷気が立ち込めている。

「ここの氷を私の部屋に運べるだけ運びなさい」「さすがに許可なしでそれはできません」「いいから今やれ」「なりません」

そんな口論の末、激昂した姫君によって騎士は氷室に閉じ込められてしまったのだ。
最早犯罪と言っていいレベルである。

翌朝見回りに発見され騎士はなんとか生還したが、姫君は大目玉を食らった。
お妃に烈火のごとく怒られ、ベソをかいて謝ったそうだ。
なんでも、幼児を叱るようにパンツを下ろされて、ちっちゃなお尻をパンパン叩かれたとか。
周りにはメイド達もいたそうだから、プライドの高い姫君には相当な屈辱だったろう。

医師に看病を受けながらそのような話を聞いて、騎士は少し溜飲の下がる思いがした。

しかし、今度の事は今までの我が侭や暴力とは段違いの悪事だ。
主君に仕える騎士として出過ぎた真似は避けたいが、今回は毅然とした態度で反省を諭さねばなるまい。
ズルルと鼻をすすりあげ天井を睨んでいたが、やがて風邪薬が効いてきたのか、騎士は深い眠りに落ちた。


物音で目が覚めた。
長い間寝ていたようで、熱もだるさも大分引いていた。
もう夜中か、部屋が暗い。
と、枕元のほのかなランプの明かりの中で動く人影がある。
長い巻き髪に、ベビードールのようなネグリジェ…。

姫様!?

心臓がバクンと飛び跳ねる。
何かいけない物を見てしまった気がして、思わず目を閉じて寝むったままのふりをする。
姫君には起きたと気付かれなかったようだ。ベッドの脇に座りこみ、下を向いてゴソゴソと手元を動かしている。
ああ!男の部屋にお一人で来られるなんて。しかもそんな薄着で。
逆恨みで闇討ちに来た可能性もあるのだが、夜着姿が瞼の裏に焼き付いてまともに思考が働かない。
緊張しつつ騎士は全神経を耳に集中した。

ジョロロロ…ピチョン…

あら、オシッコ?
水音に不安を感じ片目を薄く開けると、目の前に純白のハンカチが迫ってきて慌てて閉じる。

騎士の額に濡れたハンカチがビチョリと置かれた。
雑巾絞りなど一切したことがないお人だ。まともに水のきれていないハンカチから、髪やこめかみに水が筋を作って流れ落ちた。

これはもしかして、看病のつもりなのだろうか。
ダラダラと滴り落ちる水の不快感も耐えつつ、騎士の胸は歓喜に震えた。
額に張り付くこのレースの感触は、姫様の私物のシルクのハンカチだろう。
あの暴君が自ら赴いて、家臣のためにご自分のハンカチを使って下さるとは。
殺されかけたけど生きてて良かったと、騎士は目頭を熱くする。

「…変なの…」

小さな独り言と共に、そっと騎士の顎が細い指で撫でられた。
無精髭をジョリジョリといじられる。そういえば昨日から放置しているから大分伸びているはずだ。
普段身だしなみを整えた騎士の姿しか知らない姫君は、珍しそうに髭にじゃれた。

下着を見せてくるなどマセた言動でハラハラさせる姫様だが、やはり中身はまだ幼い。
小悪魔のように男を挑発したり、小動物のように無邪気にじゃれついたり、どちらの姫君の姿も知っているのはおそらく自分一人だ。
男としての優越感をくすぐられ、少し顔がほころんでしまう。

指が離れてしばらくの沈黙の後、シャンプーの甘い香りが顔に近付いてきた。

ちゅ

騎士の唇が、柔らかくプルッとした何かで小さくついばまれる。
触れてはならないはずの、尊い姫君とのキス。
切ないばかりの背徳感が媚薬のように身を蝕む。

と、幸福に酔いしれる騎士を戒めるように脳裏に電撃が走った。マウス・トゥ・マウスはマズイ!

クワッ!!

突如目を見開いた騎士に、姫君はギョッとして身を引いた。
バネ仕掛けのように瞬時に起き上がり、姫君の華奢な肩を捕まえ真剣に叫ぶ。

「風邪が感染してしまいます!早く、早くウガイを!」

剣幕に押されポカンと小さく口を開いている姫様を小脇に抱き上げながら、騎士は素早くベッドから降りた。

「姫様はお体が弱いのですから…、すぐ熱を出されて寝込んでしまわれるし…あ?水が無い!」

窓際のテーブルの上にあるはずの手桶と水を入れたポットが無い。
ハッと気付いてベッド脇を振り向くと、床にちょこんと桶とポットが置かれていた。姫がハンカチを濡らすのに使ったのだ。
あ、そういえばあのハンカチは…
騎士のデコに張り付いたままだったハンカチが、重量に耐えきれずボトッと落ちる。

それは、脇に抱えられた姫君の頭上にベチョリと落下した。


ベッドには、冷ややかな目をした姫君が足を組んで腰かけている。
そして床には、大きな体を縮めて騎士が正座していた。
テーブルに桶やハンカチは片付けられ、部屋はシンと静けさを取り戻している。
姫は嫌悪感を露に口を開く。

「たぬき寝入りとか、それが騎士のすることなの?」
「…申し訳ありません…」
「大体、風邪がうつるとかなんとか言って、あんた全然元気じゃない」
「お、お陰様で…」
「黙れ!」

姫君はしばらく騎士を睨みつけていたが、フンッと鼻を鳴らすと組んだ足を解いてベッドに寝そべった。

「あ…、お休みになられますか?」

腰を浮かせかけた騎士に、思いもかけない言葉が投げかけられる。

「あんたも寝るのよ」

悪戯っぽく、寝転がったままコロンと奥に移動して騎士の入るスペースを作ってやる。
カキーンと中腰のまま固まってしまった騎士に眉をひそめ、姫は急かした。

「風邪ひいてるんでしょ。早く」

シーツの上で姫様が子猫のようにしなやかに身をくねらせれば、ネグリジェの裾が乱れピンクのパンティーがチラリと覗く。
騎士の下半身がズンとうずいた。

一国の姫君がなんてハレンチな。しかし、姫様の労りの気持ちを無駄にすることはできない。騎士の務めだ。
明らかに自分に言い訳をしながら、騎士はベッドに上がりこんだ。

ベッドに横たわり向かい合うと、騎士は気恥ずかしさに赤面してしまう。
こんなに胸が高鳴って、姫様に笑われないだろうか。
涼しい顔の姫様は、そんな騎士の胸元にすり寄りくんくんと匂いを嗅いだ。

「…なんかこのベッド男臭い。この部屋もだけど」

ポツリともらす姫様からはシャンプーの甘い香りがする。

「お、男の部屋ですから」

上擦った声で答えると、姫様は胸板に顔を埋めた。

「…全部、あんたの匂いがする」

騎士も、バレぬようにそっと姫君の香りを吸い込む。大好きな姫様の香りだ。

姫様が命令を下す。

「抱っこ、しなさい」

命令には逆らえない。


ネグリジェを胸の上までたくし上げると、ランプの明かりの下でも眩しいほどの真っ白な素肌が広がる。
ちんまりした可愛いらしい二つの膨らみの先には、野イチゴのような小さいピンクがちょこんと立っていた。

可愛い…。

ゴクリと唾を飲み乳房をつつけばプユユンと愛らしく揺れる。まるで姫様のお好きなゼリーのようだ。

「遊ぶな。馬鹿」

バシと頭をはたかれ、慌てて騎士はパンティーを脱がしに入る。
パンティーの左右の端に手を差し込み、大きな手でパックリと布地を広げてスルスルと脱がせた。
くすぐったそうに足をよじらせ、されるがままに下着を脱がされる姫様の姿が男の嗜虐心を煽る。
おや、姫様のお尻がほんのり赤く腫れている。そういえば尻叩きの刑を受けたのだった。
騎士は心配そうに尋ねる。「痛くありませんか…?」

「痛いに決まってんでしょ!」

キッと目を釣り上げて姫君は騎士のスネを蹴った。全部ご自分が悪いのですよ、とは決して言えない。

貴人であられる方の服を全て脱がせるのは少し気が引け、ネグリジェは半分脱がせたままで愛撫を始めた。
脇腹を下からサワサワとくすぐりあげ、小さな胸を指で挟むように優しく揉む。

「ふゅっ…ぅ」

くすぐりに弱い姫様は息を飲んで体をヒクンと反らせた。顔が赤く染まり体もしっとりと汗ばんでくる。
小さな乳房は二つまとめて騎士の片手で楽々ともて遊べるサイズだ。
指で二つの乳首をキュッとはさみつつ、手の平で柔らかな胸の感触を楽しんだ。
乳首を強くはさまれるごとに敏感に反応し、息を弾ませる姫君はとても愛らしい。

すでに膨れ上がった騎士の高ぶりもドクドクと脈打っている。
腫れたお尻を手の平でそっと包み、優しく優しく円を描いて撫でた。

「まだ…痛みますか?」

耳元で囁くと、姫様はふるふると頭を降った。

「んっ、もう…平気…ぃっ」

つるつるしたお尻は手触りが良い。姫様の痛みを取るように願いながら愛撫した。

「やっ…んぁっ」

騎士の手は、そのままお尻の後ろを通って割れ目をクチュクチュといじりだす。
既にびしょ濡れのそこに、傷付けぬよう注意しながらゆっくりと指を差し入れる。

「んンッ、んぅうっ」

姫様は涙を目にいっぱい溜めて身をよじった。
大丈夫、もう十二分にほぐれているだろう。

「姫様…参りますよ…」
「うぁっ、ぁ、あ…やぅ…はぁああぁっ!」

張り詰めた自身を入り口に当てがい、ずんと力を込めて押し入れた。
姫君は押し寄せる衝撃にえび反りになり、高い悲鳴を上げて悶えた。
きつく熱い内部が騎士を吸い込んでゆく。
心も満ちるような心地良さに騎士は低く唸った。

男の匂いがすると、姫様は言った。
騎士は姫様のココに、自分の匂いを染み付けたいと思う。
誰のものでもない、自分だけの姫君の証として。

何度も突き何度も泣き声をあげさせ、姫君と騎士は一つに溶け合った。
グチュグチュとぬかるむ結合部で、姫様と騎士の匂いが混ざりきるまで。


「ッくしゅん!…ケホッ…」
「な、何か温かい物をお持ちしましょうか?」
「…なんで本当に風邪がうつるのよ…」
「…寝間着を脱いで寝られたからでは?」
「あんたが汚いもんかけたからでしょ?」
「中に出しては…あれなので。申し訳ありません…」「馬鹿騎士!」

風邪はうつすと治るらしい。






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