シチュエーション
![]() 「もう一度申し上げます、その様な事は断じて出来ません」 少女 ―― アンリエッタ ―― は静かに、だが凛とした声で告げた。 「な!? なぜです? あなたの国を取り戻すための力をお貸ししようと、 申しているのですぞ?」 ヴァルカニアの王、ガイエル三世は困惑していた、 目の前の少女が何を言ったのか理解できなかったからだ。 「我が国が全面的に協力し、祖国を奴らから取り戻すための――」 「ガイエル様、聞こえぬのでしたら今一度言います 私がこの地に来たのは、ただ安寧の地を求めてきたにすぎません、 今一度、戦禍を起こそうなどと言う野心などからでは有りません」 静かにそう告げるアンリエッタはだがしっかりとした瞳でガイエルを見つめた。 (くっ、小娘め) 自分のもとを訪ね来るからには、兵や武器を借受、 今一度祖国奪還を考えているものとばかり思っていた、ガイエルは大きく検討を外した。 アンリエッタが祖国を取り戻した暁には、ヴァルカニアの属国に、 そのはずだった。 (とんだ期待外れの臆病者だわい) だがまだチャンスはいくらでもある。 心を隠すかのように笑みを作るガイエル。 「なるほど、まあ、到着なされてすぐ言う話では有りませなんだな、 これは失礼、部屋を用意し、お召物も取り返させましょう」 パンパンと手をたたくと、彼の部下の兵士たちが数人現れる、 ガイエルは彼らになにか指示して、三人を部屋へと案内するように告げた。 「どうぞこちらへ」 兵士たちは三人を護衛するように取り囲むと、 そのまま用意された部屋へと連れて行った。 「どうぞ、アンリエッタ様は、このお部屋へ」 案内された部屋は、自分が今まで暮らしていた部屋と遜色無いほどの、 豪勢な部屋であった。 「恐れ入ります、ガイエル様の温かなお心に、天からの恵みがあらん事を」 胸の前で手を合わせながらアンリエッタは自分の国の祝福の言葉を述べる。 「有難う御座います、アンリエッタ様、さあ、お共の方々はこちらへ」 そう言うと兵士は二人を別の部屋へと連れて行く。 「アンリエッタ様のお洋服は後ほど別の者がお持ちします」 バタン 部屋の扉が閉まり、少女は急に一人となる、その瞬間、 今まで抑えていた感情が爆発した。 「ああぁぁ!! 父上! 母上! お兄様!」 アンリエッタは叫び目の前のベットに倒れ込む。 皆の前ではけして泣かない、そう誓っていた少女の瞳からせきを切ったように 涙がこぼれていく。 失った人、失ったものを思い、泣き崩れる。 今まで、野に眠り、追手におびえ、 安住の地などどこにも無かった。 ようやくたどり着いた先も又、 彼女を利用する野心をむき出しにした、狼の巣であった。 「ううう、如何したら良いの、エステル」 いつも自分の傍にいて、アンリエッタを守り、姉であり、教育係であり、 そして良き友人であった女性の名を呼び泣く。 だが、飛将軍とも呼ばれ、祖国と自分を支えていた女性はもうこの世にはいない。 「助けて、レヴィ……」 エステルと共に少女の傍らにいた少年も、もう彼女の傍にはいない。 「みんな、みんな失ってしまった……」 ヒック、ヒック。 喉から嗚咽が走る。 ただ、唯、平穏に暮らしたかった、 今更兵を起こし、多くの血を流し、たくさんの人々を傷つけたとして。 それで祖国を取り戻したとして。 「それが何になるというの?」 これ以上悲しみを増やして何になるというのだろう。 失ったモノはもう戻らないというのに。 ガイエルは自分を利用し、豊かなロウムを狙っているにすぎない。 「この国になど来なければよかった」 だがこのヴァルカニアに来なければ、今頃いく当ても無くさ迷い、 野盗に殺されていたか、追手に捕まり殺されていただろう。 「ううぅ」 アンリエッタは帰らぬ日々を思い出し泣き続けていた。 ――――――― どれほど時がたったか、 「少しは、気が晴れましたか?」 急に声をかけられビクリとして、アンリエッタが振り返ると、 其処にはいつの間にか一人の少女が立っていた。 「あ、あなたは?」 「はい」 少女はぺこりと頭を下げる。 「ガイエル様よりお傍にいるようにと申しつけられました」 にこりとほほ笑むその少女を見て、アンリエッタはある事に気がついた。 「あなた、名前は?」 「はい、レリーと申します」 似てる、それがアンリエッタの第一印象であった。 もちろん瓜二つというわけではない、 だが、髪型や体格、全体の雰囲気そう言った物がどことなく。 「ねえ、あなた、兄弟は?」 「いえ、私は一人っ子ですが?」 そうだろう、レヴィに姉妹はエステルだけだ。 「どうかされまして?」 「あ、いえ、ごめんなさい、あなたが私の良く知る方にそっくりだったので」 「へえ、そうなんですか」 レリーはそう言うとニコリと笑う。 「アンリエッタ様、さぞお疲れかと思います、湯浴みのご用意がしてありますので どうぞお越し下さい」 クイ アンリエッタの手を優しく引きながらレリーは浴場へ案内する。 「えっ、私……」 ためらう暇もなくアンリエッタはレリーに連れられて、 浴場へと連れてゆかれた。 「す、すごいです」 連れてこられた場所を見てアンリエッタは感嘆の声を思わず上げる。 豪勢な意匠をこらしたその大浴場は、 長旅で疲れたアンリエッタには桃源郷のように感じられた。 「お気にいただけましたか? アンリエッタ様」 「は、はい、お恥ずかしいですが、命からがら逃げ出してからこのような、 思いが再びできるとは夢にも……」 「ふふ、傍仕えとして、気にっていただき嬉しいです、さあ、アンリエッタ様、 その着ている物をお脱ぎ下さい」 「え、あ、は、はい」 スルスル 長旅でぼろぼろになった服や下着を脱ぎ始めるアンリエッタ。 その裸身を横で眺めながらレリーは思わずごくりと息をのむ。 長旅で薄汚れてはいても、その美しさは隠しようもない、 豊かな胸はタプタプと揺れ、形の良い乳首も桜色をして ぷっくりと良い形に膨らんでいる。 腰もしっかりとくびれ、 形の良いお尻はムッチリとして、柔らかそうな印象を受ける。 汚れを落とす前からこれならば、汚れを落とせばいかばかりになるか。 「あ、あの、レリーどうしました?」 そんな姿をジーット見つめていたレリーはハッと気づいたように顔を上げる。 「あ、ああ、すいません」 慌てて、脱いだ衣服を片付ける。 長い逃避行の中、これだけの体型を維持してたのはさすがと言うか、 「あ、あの、あまり、見ないでくださいますか?」 少し顔を赤らめながら、気恥かしそうにアンリエッタはつぶやく。 手で胸を隠すが到底隠しきれるものではない。 「あら、アンリエッタ様ここには、私しかおりません、 それほど恥ずかしがらなくても平気ですわよ」 レリーは自分も衣服を脱ぎ始めるとその裸身をアンリエッタの前に晒す。 年頃の娘の程よい大きさの胸、形のいい丸いヒップ、 それらが湯気に照らされてほんのり赤みを帯びている。 「私の方が恥ずかしいです、アンリエッタ様に見られるのが」 そう言うと、くすりと照れ笑いをレリーは浮かべた。 「そ、そのようなこと、ないかと、思います」 今の今まで同じ年ごろの娘同士で、 肌の見せ合いなどしたことなど無かったアンリエッタは ほんのり顔を赤らめながらうつ向き気味にこたえる。 何と答えてよいのかもよくわからない、 そんなにしっかり人の裸を見たことなど殆ど無いのだから。 「アンリエッタ様はいつもは湯浴みの時はどうされてたんですか?」 「えっ、あ、いつもは、乳母がやってくれておりました」 そう言い思い出す、 乳母のメアリーは無事だったのだろうか? 城に居た皆はどうしているのだろう。 ( 私ばかり無駄に生きてしまった) そう思った瞬間。 ムニュ 「きゃ! な、なにを!?」 アンリエッタは悲鳴をあげ、慌てて胸を手で隠す。 いつの間にやら、レリーが背後にまわりアンリエッタの豊かな胸を揉みしだいていた。 「手を放してくださいアンリエッタ様、これでは体が洗えません」 「えっ!? あ、し、失礼しました」 恐る恐る手を放すアンリエッタ。 その途端柔らかく大きな胸がレリーによって揉みほぐされる。 ムニュムニュと柔らかく豊かな胸は 手に汚れを落とすための液体をたっぷりつけたレリーの両腕により、 しっかりと揉みほぐされてゆく。 「お疲れでしょう、アンリエッタ様、さあ、私に任せてお座り下さい」 「は、はい」 床に置かれた椅子に腰をかけるアンリエッタ。 その間もレリーのマッサージは続く。 (い、いけない、私恥ずかしい気持ちになってる) ギュウっと身を固くするアンリエッタ、太ももにも力を込め、足をきつく閉じる。 ( 体を洗って頂いてるのに、ハシタナイ気持ちになるなんて! ) だが、体が感じる感覚に逆らおうとしても、湧き上がる気持は抑えられない。 レリーの手が次々とアンリエッタの体を刺激してゆく。 「あ、うう」 思わず切なげな声が漏れハッとするアンリエッタ。 (いけない、みっともない声をレリーさんに聞かれてしまった!) だが彼女は別段気にしたふうもなく、今度は胸だけでなく、 体全体をこすり始める。 手が体をこする度にどんどん気持ちが湧き上がってくる。 (うう、なんで私こんなに恥ずかしい気持ちに) 頭がどうかなってしまったのだろうか? 今まで、乳母に体を洗ってもらってこんな気持ちになったことなど一度もない。 「あら? アンリエッタ様お気分が悪いのですか?」 「え、ああ、いえ、長旅で疲れているのかも、レリーさん、もう ――」 コリ 「アアン!!」 ピンと張りつめた乳首をひねられたアンリエッタは堪えられずに悲鳴を上げる。 「そうですね、アンリエッタ様、ここが疲れのため、コリコリになってますよ」 耳元に息を吹きかけながら、くすくすと笑うレリー。 「ア! あン! ヤ、アアア」 アンリエッタは身をよじるがしっかり抑えつけられ抜け出すことが出来ない。 「ふふふ、アンリエッタ様、先ほど私に似た方がいるとおっしゃられてましたよね、 もしも私がそのお方だとしたら、やはりそう言うかわいい声で鳴かれるんですか?」 「えっ!? な、何をおっしゃられてるんですか?」 その途端アンリエッタはビクリと身をのけ反らせる。 柔らかな舌先が首筋を優しく舐め始めたからだ。 体の感じる部分ばかりを徹底的に攻められるアンリエッタは、 意識が混濁し始める、 「あ、ああ」 そして先ほどレリーの言った言葉を思い出す。 ―― もし彼女がレヴィなら ―― 「ふふ、アンリエッタ、気持ち良いだろう? どうだい?」 レリーは甘く耳元でささやく。まるでレヴィを真似するように。 「ううう、す、素敵です」 「そうだろう、でもね、アンリエッタ、ここを弄ったらもっと素敵だと思うよ?」 クチュ レリーの指先がアンリエッタの花園へと踏み込む。 「あああ!! す、すごいです!」 今までより大きな悲鳴をあげて、大きくのけ反るアンリエッタ。 再びレリーの声がアンリエッタに優しく囁きかけてくる。 それと同時にクチュクチュと音を立てながら、 レリーの指が、アンリエッタの体の中をじっくりと攪拌してゆく、 その度にアンリエッタは快感に体を揺らし続けていた。 「ああ、恥ずかしい、恥ずかしい気持ちになってます」 「いいんだよアンリエッタ、さあ、快楽に身をゆだねるんだ」 「ああ、とても気持ちいい」 ポタ、ポタ、レリーの指先から、アンリエッタの蜜が零れ落ち床へと溜って行った。 「うう、が、我慢できない……」 「アンリエッタ、我慢せずに大きな声をあげて逝ってしまいなよ」 「ああ、ああ、……」 指は、激しさを増し、アンリエッタの肉体は限界の極みに足しようとしていた、 が、 「どうだい、アンリエッタ、また前の様に暮らしたいだろう?」 その言葉を聞いた瞬間、 アンリエッタは腕を強く掴んだ。 「やめて下さい!! 何という破廉恥な真似を!!」 そのままアンリエッタは腕をひねり上げる。 「アンリエッタ様痛いです急に何をなさるのですか」 「お黙りなさい! 姑息な真似をして、それほどまでに私を籠絡したいのですか!」 「くっ」 レリーは舌打ちするとアンリエッタの手から自分の手を引き抜く。 「やれやれ大したお嬢様だ、残念だったねもう少しで逝けたのに」 くすくすとからかいながら、レリーは笑う。 「卑怯者!」 「なんとでもお言いなさいな、だがあなたは籠の鳥、ガイエル様の言う事を聞くようになるしかないのさ」 その言葉を聞きアンリエッタは顔を曇らせた。 「まあいいや、私だって鬼じゃないからね」 そう言いながらレリーはずいっとアンリエッタに近づいた。 「な!? なにを……」 そう言いかけたアンリエッタの唇に柔らかいものが触れる。 レリーの唇であった。 「ん!? んんん」 驚くアンリエッタの口の中に素早く舌を滑り込ますと、 クチュクチュクチュ、 じっくりと口の中を嘗めつくしてゆく。 (あ、ああ) 自分を味わいつくされてアンリエッタは逃れようとするがしっかりと抱き止められ 逃げることはできなくなっていた。 ムニュ アンリエッタの豊かな胸をレリーの胸が押しつぶしてゆく。 一度火のついた体はあらゆる思いを打ち砕いてゆき、ただただ 高みへと精神を走らせる。 やがて唇から離れた口はアンリエッタの全身のすべてを味わってゆく。 「しっかりとイカセテやるよ」 「ああ、いや、いや、やめ、やめなさい!」 アンリエッタの最後の抵抗も虚しく、 やがてレリーの舌と口はアンリエッタの下の口へとキスをする。 舌が何度も口の中を出入りし、舐めつくされる。 「あ、いや、いや、あ、あ、あああー!!」 堤防が激流の押し流されるかのように官能の頂点に達したアンリエッタは、 自らの零した蜜の水溜りの出来た大理石の床の上へと倒れこんでいった。 「服を着たら早く部屋にお戻りなさい、明日は早いよ」 くすくすと笑いながらレリーはアンリエッタに背を向ける。 レリーに味わい尽くされてしまったアンリエッタは、 「レヴィ……」 愛おしい者の名を小さく呼びながら 今日何度目か分からない 涙をこぼし 物語は 終わる。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |