エリカと秘密の城2(非エロ)
シチュエーション


(:○_ゝ-) 「お早うございます。お嬢様」

闇を穏やかに払う上品なテノール。そして、窓の外から届く小鳥の囀りが耳を打つ。
瞼越しにも感じる陽の眩しさが、深いまどろみにたゆたうエリカの意識を朝の活気へと掬い上げた。


ヽハ.,ハ,ノ
γノノノハヽ
ルイ´х`リ 「…おはようございます…」

ベールを幾重にも絞った天幕の寝具の上、エリカはふんわりと厚い掛け布団に埋もれている。
アイボリーのくせっ毛は強固な寝癖となり、ピンピンと四方八方に撥ねていた。

(:○_ゝ-) 「お目覚めは如何ですか」

ルイ∩о`リ〜゚ 「あれ…もう朝…?眠いよう…」

(:○_ゝ-) 「昨晩は良く眠られませんでしたか?」

ルイ∩∀`リ 「ううん…すごく早起き…暗い内に…早…起…」

ルイ∩∀`リ

ルイ∩◇`リ。oO 「すー」

(:○_ゝ-) 「お嬢様、お嬢様」

ルイ゜p゜リζ゚.

エリカは眠い目を擦って身を起こした。
これからは両親と離れた生活が始まるのだ。まだ互いに面識の浅い使用人達に迷惑を掛けてはならない。
特に、目の前に居る彼に対して――

ルイ・д・リ (エリカの執事さん…)

三日前に元の屋敷で両親に紹介されたばかりだが、初めてエリカ個人に付けられた執事である。

エリカはあまり物怖じしない子であるが、主として立つ実感に緊張を覚えていた。

執事はいつの間に運び込んだのか、服を仕立てる際に使われるような一体のトルソーを手の平で示した。

о
[]


(:○_ゝ-) 「本日のお召し物ですが、こちらのワンピースは如何でしょうか」

トルソーにはドレスが一式着せられている。
エリカの予定に合わせワーブローフから見立てたのか、活動的な休日にふさわしいコーディネートだ。
スカートに二段のレースがあしらわれた水色のミニワンピースとふんだんに重ねたパニエ、裾から覗くドロワーズ風のパンツ。
つばの広いボンネットと、膝までの編み上げリボンが付いた白いバレエシューズも添えられている。

ルイ=E∀・リ 「…かわいい!うん、これがいいな」

レディが身だしなみを整える間、当然執事は部屋を後にする。
エリカは急いで身支度をする。
用意された洗面器で顔を洗い、手強い寝癖をなんとか押さえ付け、そして胸を高鳴らせてトルソーの洋服へと向かう。
釦をとめリボンを結び、着替え終わるとエリカはアールヌーボー風の大きな姿見の前に立つ。

*.゚・ルイ*・∀・リ+.・゚* 「…!」

まるで、おてんばなお姫様といった可憐な装い。

どれも既に袖を通した服の筈が、絶妙なコーディネートによって新しく仕立て直したような新鮮な輝きを吹き込まれている。
エリカはうきうきと部屋を出て、扉の側に待機していた執事と合流した。

(:○_ゝ-) 「とてもお似合いです」

ルイ´∀`リ 「執事さんはお洋服を選ぶ天才なのね」

(:○_ゝ-) 「勿体無いお言葉です。出過ぎた真似を致しまして…」

エリカはそのまま食堂へとエスコートされた。
長い廊下を進む傍ら、執事は道筋にある部屋を幾つか紹介してくれた。
夜明け前の薄闇の中では迷路に思えた冷たい路は、品格ある重厚な廊下へと表情を変えている。
どこまでも続く壁には等間隔で燭台の装飾が施され、朝陽に金色のレリーフが誇らし気に光った。
闇の姿など何処にも無い。
エリカは執事の説明に耳を傾けつつ、そっと執事の横顔を仰ぎ見た。

ルイ・д・リ (執事さん…)

ルイ・ν・リ (お洋服が好きな執事さん…エリカの執事さん)


ルイ*´ー`リ






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