姫パンツ冬
シチュエーション


「ぎゃああああ!!」

耳をつんざく金切り声が庭園に木霊した。

「姫様!どうされましたか!」

コートを翻し、お付きの騎士が姫様の元へと駆け寄る。姫君はピーンと棒を飲んだように立ちすくんでいた。

「姫様?」

騎士が心配そうに様子を窺うと、こわばった顔で両手を入れたマフを騎士の顔の前に突き出してくる。
何ぞやと眉を寄せ、騎士はそれを覗き込んだ。
一見そこには何も無いが、目を凝らせば、毛足の長いファーの上に微小な六角形の一欠片が乗っている。

「おお、初雪ですね」

騎士は顔をほころばせ、冷たい雲に覆われた高い空を仰ぎ見た。もう今年も暮れに近いのか…。

ボフッ

季節感に浸っていた騎士の顎がマフのアッパーを受けた。

「雪がっ!雪が降って来た!」
「もが…」

騎士の顔面をマフでぐりぐりしながら姫は怒鳴る。

「何ぼっとつっ立ってんのよ馬鹿!早く城に戻んないと死ぬ!」

寒がりな姫様はもこもこしたポンチョや毛皮のドレスで完全防備しているが、それでも寒さには非常に過敏だ。
騎士を押し退けると肩を怒らせて城に向かった。
姫の背を追おうとした騎士だが、突如鼻がムズムズしし出す。

「フェ…ヘッキシ!ブェックシ!」

大きなクシャミを連発した。

「もう風邪ひいたの?騎士の分際で主より先に風邪をひくなんて何なの?馬鹿騎士!」

いえ、ファーの遊び毛が鼻に入っただけです。そうは言えず、騎士は鼻をすすりながら姫の後を歩く。

ふりふりふり

両手を前に揃えているためか、お尻を左右にふりふり振って小走りする姫様。
姫様のお尻は小さい。まだ発展途上という事もあるが、柔らかいながらもキュッと締まった愛らしいサイズなのだ。

(撫でる時に丁度いいサイズで……いかんいかん。勤務中に何を考えてる)

気を引き締めようとするが、ぷりぷり揺れるスカートを前にどうしてもその中身を意識してしまう。
今日はガーターベルトを付けておられるのか。いや、紐のパンティー一枚かも知れない。

(今日は…姫様のパンツを拝見できるだろうか)

ブエッキシ!

でかいクシャミを最後に一つし、騎士はハレンチな妄想を何とか食い止めた。

主の姫を追い越さないように、背の高い騎士はゆっくりとした歩みで後をついて行く。
寒がりな姫様は大暖炉の間に行かれると思ったのだが、部屋を素通りしどんどん廊下を進んで行った。

「どちらへ行かれるのですか?」

不思議に思い騎士は尋ねると、「湯殿。迅速に温まりたいの」とぶっきらぼうに返された。
なんだ、お風呂か。そこまでは男の自分では護衛できない。

「では、また必要になりましたらお呼び下さい」

そう言って騎士は踵を返そうとするが、即座に厳しいお叱りを受けてしまった。。

「ふざけるな。騎士ならバスタイムもちゃんと護衛しろ」
「いえ、御婦人の湯殿の前で警備をするというわけにも…」
「万が一湯船の中に曲者がいて私が襲われたらどうすんのよ。あんた騎士なんでしょ?身を挺して盾になりなさいよ」

そんな所に曲者など居る訳が――ん?湯船?

「お…お風呂場の中に、自分もついて行くのですか?」
「他に何があるのよ」

これはもしや、一緒にお風呂に入りましょうとのお誘いか!?騎士はボワワンと頭を沸騰させる。

「そんな!そのような事は出来ません!出来ませんが姫様の御身をお守りするのが我が使命ですので、お供します!」
「どっちだ」

姫はジトッと騎士を一瞥し、長い巻き髪を指でいじった。

「どっちにしろあんたに選択権なんかないの。とっとと来い。―雪が降ってんのよ?私、体が冷えてるんだから」

こうして、姫は侍女達を下がらせる為に一人先行して湯殿へ向かった。
一国の姫が家臣を風呂に連れ込むなど、バレたら勿論大騒ぎになる。人払いは徹底しなければならない。
騎士は遠ざかる姫様の後ろ姿を見送りながら、自らの顔を片手で覆った。駄目だ、にやける。
雪のせいにしてちゃっかり甘えてくる姫様は、やはり可愛いと思う騎士である。

磨き抜かれた鏡が、壁一面に貼られた白い大理石の美しい部屋。
隣の浴場から漂う湯気は高い天井にまで届き、部屋全体に染み込んだ甘い香りがほのかに鼻孔をくすぐる。
ここが、高貴な女性の秘められた肌が晒されるという、だだだ脱衣所…。ゴクリ―。
本来ならば、騎士の身では一生立ち入る事が出来ない筈の場所だ。騎士はすでに湯にのぼせたように赤くなっていた。

「馬鹿力」

姫が、入り口の扉前に騎士が築いたバリケードを見て呟く。重い戸棚や女神像など、常人なら数人がかりで運ぶような物ばかりだ。

「安全のためです」

騎士としては、やはり外野からの乱入に脅えながらスリリングにいたすのは御免被りたい。
お誘いを戴く事もそうそうないのだから、一回一回、全身全霊でだっこしたい所存なのだ。
それに、高貴な方の女風呂に男が居るとバレたら最後、自分と姫様の密やかな関係も自分の一生もそこで途絶える。恐ろしや。

――さて、

では、許されざる甘い時間を共に過ごしましょうか…。騎士は緊張と期待で血走った目で姫へと向き直った。

「鼻息荒い」

振り向き様にビンタ一発!騎士が調子に乗る事は決して許さない姫様である。
ペコペコ頭を下げる騎士を生意気そうな目でツンとねめつけ、姫は自らのドレスを指差した。

「脱がせなさい」

ドキン――。騎士の胸が鳴る。
ここには姫様と自分の二人きり。今は誰の目も気にせずにこの方を存分に愛せる。

「し、失礼します…」

無骨な手を毛皮のドレスの胸元に伸ばす。ボアの下に隠れたホックを探り当ててそっと外した。

ぷゆんっ

小さな乳房がブラジャーごと揺れる振動を感じ、騎士は再びゴクリと喉を鳴らす。
我慢出来ずに胸の先端を目指し指を滑らせると、まだ駄目と言わんばかりに二の腕を殴られた。
お楽しみは命令をこなした後なのか。もう騎士の物は熱く張り詰めているのに、姫様は易々とご褒美を下さらない。
プレゼントの包みを開けるような気持ちで、騎士はわくわくせかせかとドレスを脱がせていった。

しかしドレスの構造という物は騎士にとって未知の領域だ。留め具や釦が他にもないかと、脇やお腹に指を迷わせる。

「やめろっ馬鹿」

まさぐられるくすぐったさにヒクヒク震えていた姫だが、堪えかねて声を上げた。
くるりと騎士に背を向ける。

「ここ…」

長い髪を片手でかき上げて、華奢な背中を騎士に示した。
ドレスの釦が背に沿って縦に並んでいたが、騎士の目は姫の眩しいうなじに釘付けである。

「ああありがとうございます」

興奮のあまり荒くなった鼻息がうなじの産毛をふわりと揺らした。「やめろ!」と言われても不可抗力である。
焦る指で必死に釦を外すと、ようやくドレスはブカブカに緩んだ。襟ぐりに手を差し込み生地を引き下ろす。
果物の皮がペロンと剥けるように姫様の身からドレスが落ちてゆく。
まだ幼い肩や背中を暴く毎、切ないような背徳感が騎士の腰を焙る。
今、背を向けた姫様はどのような顔をしておられるのだろう?

―怯えているのか、それとも苛々と口を尖らせているのか。
どちらの表情も、騎士の大好きな姫様である。

(もう、我慢できん!)

一気にドレスを剥ぎ取った。
待ちに待った姫様のパンツが目の前に……

「!?」

騎士は、そこに現れたランジェリーに目を見開いた。

「――あ、や…っ!」

姫も動揺し慌てて手でお尻を隠す。今日穿いたパンツを忘れていたのだろうか。

それは、毛糸のパンツ――

淡いピンクで編まれたパンツのお尻の真ん中に、レモンイエローの毛糸でヒヨコの柄が入っている。
正真正銘のお子様パンツであった…

おお、何たる事…。
騎士を誘惑して振り回す小悪魔姫が、実はヒヨコでぬくぬくしていただなんて……。

「――ぷっ。くっ……ふはははは!」

騎士は盛大に吹き出した。
貴人を笑うなど無礼千万と頭では理解できるのだが、あまりの姫様のお子様っぷりに大人の優越感がくすぐられてしまう。

「ふふ…、ゲフッ、ゲフン!」

空咳で笑いを誤魔化そうと苦心するが、時すでに遅し。

「もう知らない」

冷たく言い放つ姫様の声に場の空気は凍りついた。

―怒らせた!

姫様はくるりと身を反転し、お尻を騎士の視線からガードしてじりじりと後退る。
俯いた顔は前髪に隠れ、表情は分からない。しかし、ボリューミーな巻き髪から覗く耳たぶが赤かった。

「し…失礼致しました…」

てっきり猛烈なキックやビンタをもらうと思っていた騎士は、意外な姫様の様子に眉を寄せる。

「…あの…姫様?」
「うるさい」

声にいつものつんけんした覇気がない。そのむき出しの肩は、肌寒さからか微かに震えていた。

そこで、騎士はようやく自分のしでかした事を悟った。
怒らせたのではなく、傷つけたのだ。――頭から冷水を被ったように全身が冷えた。

男に下着を笑われる事が、乙女にとってどれほどの傷となるのか。今の姫の様子を見れば一目瞭然だ。
鏡貼りの壁に背を付け、ちんまりと萎れた姿――。
顔面蒼白となった騎士は、すがるように姫の前へと歩み寄った。

「姫様…。なんとお詫びしたらよいか…。どうか、私をお気の済むまでボコボコにして下さい…」

懇願するも、姫様は俯いたまま目を合わせてくれない。きゅっと眉間に皺を寄せ床を睨み続けている。

………。

騎士には永遠とも思えた数秒の沈黙の後、噛み締めていた赤い唇が開かれた。

「…どうせヒヨコに興ざめしたんでしょ?…大嫌い。死ね」
「さめていません」

騎士はきっぱりと否定した。

「嘘…」
「本当です」

疑わしそうに視線を上げた姫様だが、その目は騎士の顔まで辿り着かず腰の位置で止まってしまった。

「……」

目を丸くして瞬くが、すぐにツンとそっぽを向く。

「…こんなパンツで勃つなんて、変態」

ぶっきらぼうに呟くと、一歩踏み出して目の前の胸に顔を埋めた。ついでにボフッと一発殴る。
騎士は姫様を抱き締めながら、あまりに単純な自分の劣情に顔を赤くした。

「私がお慕いしているのは下着ではなく…姫様の御身ですから…」

そして、毛糸パンツに手をかけ、中の下着と共に引き下ろす。
姫様の背後の鏡に、むき玉子のようなお尻がツルンと反射した。

騎士は、湯で温まった姫様を背中から抱き込み、自らの膝の上に座らせた。
ふかふかに泡立てたスポンジを胸に滑らせ、ホイップクリームのような泡で肌を覆ってゆく。

「ふ、く、んうぅ…っ」

乳首をくるくると円を描いて撫でられ、姫様の喉がコクンと上下した。
まるで何かを欲しがっているようなその仕草は、愛らしく、いやらしい。
騎士の胸を背もたれにして、スポンジが微細な場所に泡を運ぶ度に悲鳴を漏らす。
弱点の脇腹とおへそをたっぷりと洗われた後には、すっかり息も荒くなっていた。

「ふぁ…はう、ン…んっ」
「姫様…」

騎士が足を開けば、乗せられた姫様のおみ足も開いてしまう。

「こちらも洗わなくては…」
「や…そっちは…あっ!…うぁっ」

開いた姫様の足の間にスポンジを伸ばす。
うぶ毛に覆われたそこをスポンジの角でいじれば、溢れ出た蜜がトロトロと泡に溶け出した。

「馬鹿っ騎士ぃ、…あっ、やぅ…や。…そんな…擦るのっ駄目…」

スポンジがそこをいくら洗っても、新たな蜜で汚れてしまいきりがない。

「もう駄目っ、もう、終わりっ。……次は、中も洗って…」
「はい…」

中にはスポンジは届かない。
姫様を一度抱き上げ、今度は向かい合った姿勢で股間に跨らせた。
起立した騎士の芯の上に、姫様の泡まみれの割れ目がぴとっと合わさる。

ズッ――

「はっう!ぁあっ、ふぁあぅっ!」

泡の滑りと自分の体重で姫様がずり落ちる。太い芯がどんどんと細い腰の中を埋めていった。

「やぁああっ、ひうっ!ひゃん、っん、んうっ!」

きつく閉じた目から涙がこぼれる。

ズッ ズッ

下から激しく揺さぶられ、姫様は滑り落ちぬよう騎士の首にしがみ付いた。
重なった胸と胸が擦れ、小さなシャボン玉がぷくぷくと飛び散る。

ズッ グチュッ チュッ

騎士も、姫様の体が飛んでしまわぬようそのお尻を両手で掴んだ。
抜き挿しされるごとに泡立つ小さな入口。手にすっぽりと収まる小さなお尻。小さな、小さな姫様。
例えどんな下着を纏っていても、こうして裸になれば変わらない。
同じ、姫様だ。

「あやぁ、ふっ…くぅ、うぅ…っ!…ふあぁやあっあああっ!」

姫様の中が、きつく締まった。


湯上がりにポカポカに温まった体をしっかり保温――。

「やはり、女性の腰とお腹は冷やしてはいけませんね」
「当たり前だ」

姫様は跪かせた騎士の頭に手を着き、着替えの毛糸パンツに片足ずつ足を通していた。

「いつか、あんたの赤ちゃん産むかもしれないんだから」

ポソッと呟いた小さな声は騎士の耳には届かなかった。

「はい?何かおっしゃいましたか」
「何でもない」

ペンッと騎士の頭を叩くと、姫様は小ブタの柄のパンツをきゅっと引き上げた。






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