シチュエーション
シャンデリアの煌めきの下、純白のテーブルクロスが一条の雪道を描く。 その長大なテーブルの席に着くのはエリカ一人だ。 母の居ない食卓は落ち着かず、エリカは誰も居ない左右の席をキョロキョロと見ていた。 ルイ´‐`リ (今日からエリカ一人でお食事するのかな…) エリカが顔を曇らせていると、一人のメイドが料理を運んで現れた。 ζソ 'ヮ'レ 「白身魚の焙りとハーブのサラダでございます」 ルイ*・д・リ (きれいなメイドさん…) ほっそりとした手がエリカの前に次々と皿を並べていく。 各メニューはエリカに合わせ少なめに、オードブルのように可愛いらしく盛られていた。 ルイ・∀・リっ-∈「いただきまーす」 ルイ・〜・リモグモグ ルイ´。〜`リ=uおいしいな」 料理はとても美味だった。 緑と水に恵まれたのどかな土地が、この城に新鮮な食材を運んでくれるらしい。 エリカは銀のフォークとナイフを休まずに動かし、朝食を残さずたいらげた。 ルイ´。∀`リ=3 「ごちそうさまでした」 ζソ 'ν'レ 「紅茶をお持ちしますわ。お嬢様は茶葉は何がお好きでしょうか」 ルイ・。д・リ 「?…ミルクティーかな?」 ζソ´ヮ`レ 「ではミルクティーをご用意しますわね。…あら、お嬢様、お口にパンが…」 ルイ・。◇・リ 「?」 二人のやり取りを、壁際に控えた執事が静かに見守る。 (:○_ゝ=) c□~  ̄ ウバの香りが鮮やかにけぶる中で、小さな唇をミルクティーに濡らすエリカ。 エリカが無邪気に笑う度、執事の陶器の面のような冷たい貌が、微かにほどけた。 やがて、頃合いを見計らい執事がエリカに声を掛けた。 (:○_ゝ-) 「お嬢様。これよりお目通しのため使用人達が参ります」 ルイ・А・リ 「は、はい」 エリカは緊張して居住まいを正す。 元の屋敷ではメイドだけでも十人以上抱えていた。 ましてや城で働く人間となればどれほどの数になるのか、エリカには想像がつかない。 「失礼します」 λλ...スタスタ 室内に二人の男が通された。 メイドも給仕の手を止め、彼らと共に一列に並ぶ。 ルイ・д・リ (…?) それきり入室の流れが途絶えたため、エリカは食堂の入り口を見た。 (:○_ゝ-) ボソ(これで全員です) ルイ;゜ω゜リ 慌てて三人に向き直る。 一瞬言葉に詰まったが、両親に習った通りきちんと挨拶をした。 ルイ・д・リ 「エリカです。今年十歳になります。これからよろしくお願いします」 ΩΩΩ <よろしくお願い致します。エリカお嬢様。 ―エリカの前に居るのは、 [ヽ´⊇`] 年老いた庭師 ζソ 'ヮ'レ 給仕をしていたメイド ( ^c_^ ) ずんぐりとしたコック そして、片眼鏡の執事(:○_ゝ-) それがこの城にいる全員だった。 エリカはしばらく呆然と瞬いていたが、ふっと緊張が抜けたように微笑んだ。 ルイ ´ー`リ (不思議…。こんなに大きなお城なのに、少しの人しかいないのね) ( ^c_^ ) 「お食事はお口に合いましたか?」 ルイ・∀・リ 「うん。ハーブのいいにおいがしてとってもおいしかったの」 ( ^c_^ ) 「それはようございました。お城特製のハーブですからね」 ルイ・д・リ 「お城特製?」 [ヽ´⊇`] 「お城の庭に様々な薬草が生えておるのです」 ルイ*・∀・リ ホー… √ト~ ̄~フ ∞ノ ハ ハリ ルイ・ν・リ oゞ∞ヾo .~u―u~ エリカはボンネットを被り直し、ポシェットを斜めに掛けて身支度を整えた。 (:○_ゝ-) 「行ってらっしゃいませ。お気を付けて」 ルイ´∀`リ 「いってきまーす」 ルイ*´ν`リノシ (:○_ゝ=) (良かった…すっかりお元気になられて…) (ё) チュンチュン…ピチチ… 門を抜け、石造りのアーチをくぐると、目の前には一面の緑が広がっていた。 踏みしめる芝生は力強く萌え、高原の清らかな風が庭木の枝葉を揺らす。 .+ルイ*゜∀゜リ.+ まるでエメラルドの宝石箱に飛び込んだようだ。 街で生まれ育ったエリカにとって、自然のままのこの庭園はどんな遊園地よりも眩しく見えた。 ルイ*´∀`リ ワーイ! ,○ ≡大 テテテッ エリカはポシェットを揺らし、庭へと駆け出した。 SS一覧に戻る メインページに戻る |