エリカと秘密の城4(非エロ)
シチュエーション


ルイ・∀・リ..・♪・..♯..・♭
 「マリアさまの たっとき涙 だいちに落ち すずらんの花 めばえた」

歌声は風に乗り、緑の濃淡の狭間へ溶けていく。
久しく忘れていた開放的な気分だ。エリカはフリルをなびかせて青空の下を歩いた。
昨夜入城した際は長旅の疲れに景色を眺める余裕もなかったが、
一夜明け改めて見渡す庭は如何にも質朴とした風情があった。
蔦の絡まった柱や古い園路がぽつりぽつりと在る他は自然のままに草花が生い茂っている。

ルイ*・ν・リ (童話に出てくる森のお庭みたい…)

画一的に剪定された庭園にはない自然美にエリカは顔をほころばせた。

ルイ・д・リζ 「……あ!」

ルイ*・∀・リっo 「野イチゴ!たくさんなってる!」

足元に可憐な野イチゴを見つけてしゃがみ込む。
エリカは何粒か実を摘むとハンカチに包んで大切にポシェットへ入れた。


Ψ

ポシェットの仕切りからは先程手折った花が一輪覗いている。
薄紫の萼に白い小花が集まって咲いた花。
華美な花ではないが、日陰にしんと佇む様が不思議とエリカの心を捉えたのだ。

ルイ・д・リっ∴ (見たことのないお花だけど、これもハーブなのかな?)

ルイ・ν・リヾ (後で庭師さんとコックさんに聞こう…)

さらなる種類の花を求め、エリカは庭の深くへ足を運んだ。

しばらく進むと庭木が途切れ視界が大きく開ける。

ルイ・д・リ

そこには墓地が広がっていた。
長らく風雨に晒された墓石は苔蒸し、遺跡のように静謐な気を纏う。
屹立する墓標の群れを前に、エリカの胸にも粛然とした想いが迫った。
故人の眠りを妨げぬようエリカはそっと口を噤んだ。

ルイ・х・リ (……)

ルイ゜х゜リ!(…あれ?あれは…)

並んだ墓石に違和感を覚え目を凝らす。
一つの墓石の影だけが周囲より濃い――。
薄墨に黒炭が滲むように、本来の陰りの色を侵蝕する何かがそこに在る。

┌―┐
│╋│
┴┸┴┐●

√ト~ ̄~フ
∞ノ ハ ハリ
ルイ・х・リ
oゞ∞ヾo
.~u―○~ テクテク…

エリカが歩み寄ると一対の耳が影から突き出た。

∧_∧
(ΦwΦ)

やはり件の影だ。
真昼の陽光を嫌ってか、墓石を日避けに猫のように蹲っている。

ルイ・ν・リ 「……」

ルイ・∀・リ 「……ここに座ってもいい?」

エリカは影を驚かさぬように気を払い、やや距離を置いた芝生の上に腰を下ろした。

ルイ*・ν・リ ジーッ (ΦwΦ)

エリカと影はしばし無言で見つめ合った。
朝方は脱兎の勢いで消えた影だが、大人しいエリカの様子に警戒を解いたようだ。
紅い双眸をゆるゆると細め、物珍しそうにエリカを観察しだした。

ルイ*‐ν‐リ ムー… (‐w‐)

ルイ*・ν・リ パチッ (ΦwΦ)

ルイ*‐ν‐リ ムー… (‐w‐)

――お友達になれるかもしれない。
そんな淡い期待がエリカの胸を高鳴らせた。

ルイ*‐ν‐リ ムー…フフフ

ルイ*・∀・リっヾ「…そうだ、野イチゴがあるよ。食べる?」

芝生にハンカチを広げると小さな果実がこぼれ出る。
エリカは手本を示すように実を一粒摘んで見せた。

ルイ・к・リ=uおいしいよ」

すると、イチゴを食む甘い香りに誘われたのか影が身を乗り出した。

;(ΦwΦ)〜〜○; ニューッ

闇の塊から糸を縒るようにゆるゆると繊手を生やす。
しかし手は、野イチゴを素通りし向かいに座るエリカへと伸びた。

(ΦwΦ)〜〜〜○)`ω・リ ポヨポヨ

晩秋の風を思わせる冷えた手がエリカの頬を撫で擦る。
頬のふっくらとした肉付きを吟味すると、満足したように引いていった。

ルイ・∀・リ 「…なぁに?遊びたいの?――」

∧_∧
(ΦwΦ)。 ジュル…

  グ
  ワ
  ッ
,∧_∧
γΦiWiΦヽ
┃ |m| ┃
ヽ_ ̄_ノ

ルイ゜◇゜リ

エリカの眼前を牙と舌とが覆う。
次の瞬間、エリカは途方もない闇の中に放り込まれた。

∧_∧
(ΦкΦ) パク



( ^c_^  )〜♪「今日のお昼は燻製ベーコンとレタスのサンドイッチ、コーンスープ…」

( ^c_^  ) 「おおい、下ごしらえが終わったよ。火を入れちゃっていいかい?」

ζソ 'о'レ 「待って。お嬢様がお戻りになってないみたい」

厨房から聞こえる会話を背に、執事はスーツの内から懐中時計を取り出して見た。
正午はとうに回っている。

(:○_ゝ-) (お昼には戻るとおっしゃっていましたが…どうされたのでしょう)






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