エリカと秘密の城5(非エロ)
シチュエーション


   川

 √ト~ ̄~フ
 ∞ノ ハ ハリ
 ルイ;゚д゜リ おぶおぶ
((cゞ∞ヾっ
 ~○―u~))  おぶおぶ…

天地を失いエリカはひたすらに転げ落ちた。
闇の口腔より嚥下された先はさらなる闇だ。底の無い井戸のように、永遠に続く空洞をエリカは落下する。
落ちる。落ちる――。
深みへ落ちる毎、底冷えのする闇はエリカの体温を蝕んだ。
果たして自分はいったい何処に墜落するのか。
それを想像した時、ぞっと胃が縮むような喪失感がエリカを襲った。

cルイ;゚◇゜リっ"「し、死んじゃう…!」

エリカは火が付いたように激しくもがいた。伸ばした手足は空を掻くばかりで手応えがない。
と、暴れた拍子にボンネットが頭から外れて闇に消える。
次いで、編み上げリボンのバレエシューズが両足からするりと脱げた。

cルイ;‐;リっ"(ママに買ってもらったお洋服が…)

きちんとリボンを結ったのに何故容易く脱げてしまうのか。
ワンピースもドロワーズパンツさえも、エリカの体からがぶがぶと緩んで今にも脱げてしまいそうだ。

ルイ;д∩リ (どうしよう!死んじゃう…裸んぼうになっちゃう!)

cルイ。>_<リっ" ウッ…ウッ…

エリカは涙を溢しきつく目を瞑った。望みを捨てず、なおも必死に手を掻く。
やがて、残りの着衣全てと共にポシェットが体から離れ、細々とした荷が虚空に散乱した。

cルイ。´д`リっ/ ガシッ 「!?」

エリカの掌に何かが収まった。硬く、ずっしりと重い棍棒のような何か。
その天啓を逃さず、エリカは瞼を閉じたまま無我夢中で棒を振り回した。

ルイ。`Λ´リっ/ヾ「…えい、えい!えいっ!」

一振りする度に強い負荷で肘が震える。
幼弱の腕が痺れようともエリカは決して手を放さなかった。

ルイ。`Λ´リっ/ ゚・*

ルイ。`Λ´リっ― ・.。;・゚*. フワリ…

ルイ。´д`リ・゚*;.・ (!…何の香り?)

(ΦwΦ)ζ゚.!!

:(;ΦwΦ): ガクガク…

((((ルイ;゙゚ ◇ ゚リ)))) 「うわあ!」

芳香が闇の襞に触れるやいなや、エリカを内包する空間に凄まじい振動が起きた。
闇の管は異物を拒むように波打ち、エリカの身を勢い良く打ち上げた。



lll
lll ドヒューン
ill

cルイ。・∀・リっ" パタパタ 「うわーい!昇ってく!」

どれだけの距離を飛行しただろうか。
爽快な浮遊感はふつと途切れ、エリカは唐突に堅い大地の上に吐き落とされた。


  ○+< ポイッ

ルイ +д +リ。o シパシパ

暗闇に慣れた瞳に突き刺さる陽射しと、素肌を撫でる外気の揺らぎ。
どうやら無事に墓地への帰還を果たしたらしい。
安堵と疲労がない交ぜになった長い息がエリカの唇を震わせる。
既に影の姿は無く、エリカ一人がぽつりと地に残されていた。

ルイ;・д・リ〜з ハフウー…

ルイ・д・リっ/「…これのお陰で助かっ……」

ルイ ゚д ゚リっ/

手に握ったままだった棍棒に目をやり、エリカは絶句した。


Ψ

エリカが握っていたのは巨大な花の茎だった。
自らが城の庭で摘み採った、薄紫の萼に白い小花が集まった清楚な花。
あの一輪の花が巨大に変貌している。
あえかな繊維の束は強固な柄となり、花弁は一つ一つが大人の握り拳程に大きい。

ルイ;゜ω゜リっ=Q ポロ…

ルイ;゜д゜リ 「どうして…どうしてお花が大きく…」

ルイ; ゚◇ ゚リ" キョロキョロ

辺りにはエリカよりもずっと背の高い草が密林のように茂っている。
見通しの悪い草影の向こうに、都会の街並みのような巨大な立方体の列がそびえていた。
高層の建物と見紛うそれは、ひび割れて苔蒸した墓石である。
己を囲む世界の異変を前に、エリカはようやく思い至った。

ルイ・д・リ 「……周りが大きくなってるんじゃない…」

レイ・д・リ 「…エリカが…」

レイ'・'リ 「小さくなってるんだ…」

γハヽ
レイ'・'リ
.゚しJ゚



レイ'+`リ、 ハックチュン

呆然と立ち尽くしていたエリカは肌寒さに我に返った。
たとえどんな姿形になろうとも裸のままではいられない。
小さな小さな手で草を掻き分け進んでみるが、闇の中で失った洋服は見当たらなかった。
エリカが芝生の海をさ迷っていると、強張った男の声が墓地に響いた。

(:○_ゝ-) 「お嬢様!どちらにおいでですか!」

レイ'・'リ (執事さんだ!)

彼の姿を求めて爪先立つも、視界は草の柵に阻まれている。
エリカは懸命に叫んだ。

、レイ'・'リ, 「執事さーん!ここなの…!エリカはここにいるの!」

(:○_ゝ-) (む?何やら囁き声が……幻聴でしょうか)

\シツジサーン/

(:○_ゝ-) 「!」

\ココー、ココダヨー/

僅かな音源を頼りに執事は一つの墓石の傍へ歩み寄った。
石の近く、カサカサと怪しく蠢く芝生をそっと掻き分けてみる。

レイ'・'リ, ココデス

ビーズのような瞳と目が合った。

(:○_ゝ-) 「……お嬢…様…?」






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