シチュエーション
「じぃ、今帰った」 『お帰りなさいませ、お嬢様。今日も一日ご活躍だったとか……』 「うむ。来月のお遊戯会で演ずる劇の題目の希望が多くてな。仕方なく私が、話がうまく纏まるように先導することになった」 『それはそれは。して、題目は何になりましたか?』 「桃太郎だ」 『王道でございますな』 「うむ、鬼が島での殺陣が見所になる予定だ」 『……殺陣、でございますか』 「そうだ。私の監修の元、桃太郎一行と鬼30人の10分にも渡るノンストップアクションだ」 『お嬢様、それは……いささかレベルが高すぎるのではないですか?』 「なに、無理ならば多少の妥協は仕方が無い。しかし、級友は皆やる気なのでな」 『(そう言ったカリスマは旦那様譲りではありますが……いやはや)』 「ところで、暴れん坊将軍はちゃんと録画できているか?」 『もちろんです。今日のおやつは豆大福と玉露でよろしいですかな?』 「完璧だ!」 『(しかし、5歳にして趣味が時代劇観賞というのは……やはり私のせいなのでしょうか。せめて、せめて幼児向けのアニメに見向きをしてくれるようになれば……)』 「そうだ、じぃ。来週から日曜日のアニメも録画をしておいてくれ」 『――! わかりました』 「うむ、たっ君が言うには今期のアニメは作画が素晴らしいモノ揃いなのだそうだ」 『……('A`)』 SS一覧に戻る メインページに戻る |