シチュエーション
キャラクター紹介 金森 紗枝(かなもり さえ) 両道冠学舎1年生。人文部所属。金森小枝の姉。 藤木淳が小学校5年生の時に、聾学校から一般校である 藤木の小学校、同じクラスに転校してきた。 幼少時の事故により聴力に障害があり、言語も不自由。 日常生活では小枝のサポートを受けている。 中学校に上がる際に1年休学し、小枝とともに入学したため、 年齢的には淳、藤堂啓太郎と同い年であるものの1学年下となっている。 彼女の持つモバイル端末とテキスト・トゥ・スピーチのソフトは、 啓太郎と淳の謹製。 所持しているスキルはWEBデザイン関連。非常にセンスがいい。 一般的に聴覚障害者の学習進捗は遅れがちになると言われるが、 元より知能が高かったのと障害が後天的である程度言語基礎を 固めてからのものだったことから、学業成績はきわめて優秀である。 金森 小枝(かなもり こえだ) 両道冠学舎1年生。人文部所属。 実は、霧島洋平の彼女にして隠れ腐女子。 聴覚障害者の姉を陰日向なく支え続ける健気な娘だが、 自室の魔窟には801を中心にえろ同人誌が山と詰まっていたりする。 「役柄」を演じるのが好きで淳を「お兄ちゃん」と呼び、 藤木研の妹分に納まっている。 霧島洋平と付き合うようになった経緯についてはいろいろすったもんだが あったのだが、その辺は割愛。基本的に趣味仲間からの昇格。 現在、えっち込みの「真面目なお付き合い」を続けて5ヶ月目に突入。 彼のことはペンネームから「陽センパイ」と呼んでいる。 所持スキルはCG。独自性はあまりなく、「ウケる絵柄」を 「小器用に」作り上げる能力がメインである。 キャラクター紹介 藤堂瑛 & 藤堂啓太郎 人呼んで藤堂姉弟。揃ってコンピューター・ハードウェアに 深い造詣を持ち、簡単な部品なら自作してしまうほどである。 啓太郎は藤木淳の幼馴染で親友だが、基本的に淳と瑛の間には ほとんど接点はなかった。(たまに顔をあわせる程度) なお、淳の先代の室長が瑛で、当時の藤木研は「藤堂研」であった。 基本的に今作で活躍するのは啓太郎であるが、彼の性格としては 温和で面倒見とノリがよく、自然と回りに人が集まるタイプ。 藤木研、ひいては人文部の中でも数少ない「普通人」のカテゴリに 分類される人間である。 現在、誰かさんに片思い中らしい。 霧島 洋平(きりしま ようへい) 両道冠学舎2年生。人文部所属。 全身から凄まじいオタクオーラを発散する、真性ゲーヲタ。 ちなみに、見た目も小太りで、はっきり言うとぶさいく。 ・・・だが、他人に迷惑を欠ける事を嫌い、恥と礼節を 失わず、普通人との調和を望んでいる点で一般的な デブオタ君とその精神性は明確に異なっている。 不細工なりに身の回りは清潔にし、TPOにあった服装を ぱりっと着こなし、知識量も豊富なため、クラスでも アレコレ頼りにされている。 スキルはDTM、ある程度のプログラム構築。 同人ゲームを作りたいと思っており、シナリオライターを熱望している。 また「桐島 陽」というペンネームでサイトを開設し、自作の音楽を配信中。 SOHOで携帯の着メロを作る仕事も手がけており、 仕事の速度と高い品質で好評価を受けている 「先輩・・・ずっと貴方のことを見てました。 私とお付き合いしてくだs」 「ごめん。」 神速。というか言い終わってすらいない。 ・・・う、やっぱ呆然としてるな。 「いやそのな、君が悪いわけじゃないんだ。」 実際悪くない。というか、むしろすごくイイ。 つやつやとした鴉の濡れ羽色のセミロングに、黒目がちに潤んだ目。 うお、あの睫にマッチ棒とか乗せてみたい・・・。 全体的な造作も綺麗にまとまってて、大きく特徴はないものの 10人中7人は振り返ると太鼓判の押せる美少女だね。 さらに言えば、俺の好みにジャストフィットだったりするわけだけど。 「どうして、なんですか?」 我に返ったみたいだな。やべ、泣きそうじゃないか。 どうするよ俺! 「あー、その、なんだ。」 「・・・。」 「俺、君のこと全然知らないもん。」 ま、正論だ。というか、実際の理由もそうなんだが。 だいいち、なんで俺に告白したのかさっぱりわからないが 俺と付き合ったって楽しいわけがない。あとで泣くのがオチだよ。 「・・・。」 「・・・。」 なんともいえない沈黙が帳を下ろす。 彼女は俺の次の言葉を待っているようだが・・・ 俺、これ以上言うことないんだけどな。 「あー、その、なんだ。」 「・・・。」 「君のことよく知らんのに、『はい是非とも』とか言うのさ、 すごいかっこ悪い。誠実でない。無責任だし。」 これも本心。俺ぁ確かに見てくれパっとしないメガネ君だが、 自分に恥ずかしい、かっこ悪い生き方だけはするなと 親父に言われている。俺も実に同感だ。 残念ながら女の子を泣かせることと天秤にかけるハメにはなってしまったけども。 「んじゃ、そういうことで。ごめんな〜。」 背中を丸めてポケットに手を突っ込み、ひらひらと手を振りながら よたよたとその場をあとにする。 ま、これで少しでも幻滅してくれりゃ彼女の悲しみも ある程度癒されるとは思うんだが。 「待ってください!」 「・・・は、はい。なんでしょう。」 げ、なんか怒ってる感じ・・・あ、いや、これは怒ってるのとは違うか? 「先輩、問題点は先輩が私をよく知らないことだけなんですね?」 「あぁ。」 「では先輩が私をよく知った時点でもう一度告白すれば、 まだ可能性があると考えていいわけですね。」 「そうくるか。」 「え?」 「いや、こっちの話。」 うん、面白くなってきた。実に面白いよこのコ。 「では、まずはお友達からお願いします!」 「OK。」 「は?」 「今日から我らは友だ。せいぜい幻滅してくれ!」 目を白黒させる彼女の右手を取り、にぎにぎと握手をする。 はっはっは、変人度合いでは負けんぞ。 この冬の寒い日の握手が、俺と彼女の出会いである。 ・・・あ、まだ名前聞いてなかった。 だれが呼んだか変人窟。 ここ文化人類学部室は、俺らの通う両道冠学舎の中でも 屈指のミステリースポットと言われている。 道すがら尋ねたところ、彼女は俺が人文部所属ということも ちゃんと知っているらしい。 「怖いもの知らずと言うかなんと言うか。」 「はぁ・・・人文部の勇名はいろいろと耳にしてますけど。」 曰く、人文部は生徒会よりも権力がある。 曰く、人文部は満月の晩にはサバトをやっている。 曰く、校内新聞は人文部が作っている。 曰く、人文部にはおやつ常備。 曰く、人文部にはABC兵器も常備。エトセトラ。 まあ・・・普通の人なら近づこうとは思わんだろうな。 文武両道に冠たる人材育成を目標に掲げる両道冠には、 いわゆる一芸入試枠がある。 一芸入試といってもそこらの大学がやっているようないいかげんな シロモノではなく、3年の春・・・早い者については2年の 2学期頃から専従のスカウトがついてその「一芸」を見極められるのだ。 人文部は、その「一芸」で入学した者たちが基本的に所属する部活なのである。 「先輩は一芸なんですか?」 「いんにゃ、違う。家が近かったからだよ。」 「(ということは、元から変人・・・)」 「なんか言った?」 「いえ何も!」 聞こえてるんだけどな。まあ、変人であることは否定できないんだが。 両道冠が誇る特殊教室棟の最上4階。 この階ぜんぶが人文部の部室だ。 階段を上ってふたつ目の部屋には「藤木研究室」というフダが下がっている。 ん・・・にぎやかだな。もうみんな居るみたいだな。 「ま、入ってくれ。」 「藤木研・・・すごい、先輩の部屋なんですか?」 「いや、俺の名前がついてるだけだから。」 扉を開いてから思い当たった。この期に及んで俺、まだ彼女の名前を聞いてない! 「お、室長おかえりー。呼び出しってなんだっ・・・」 パイプ椅子でゲームラボを読んでいた霧島洋平が 俺に声をかけようとして固まった。 あー。視線が俺の後ろで固定されてやがる。 「わぁ、かわいい〜!淳くん、この子誰?」 なんでセンター試験も近いのに部室で遊んでるんですか、藤堂瑛先輩。 「私、推薦だもん。」 「そういうことは早く言えよ!てか心を読むなよ!」 「淳くんがわかりやすいだけだよ。」 「ったく・・・あれ?他の面子は?たった今までなんか賑やかだったけど。」 「啓太郎と紗枝ちゃん、小枝ちゃん、昭江ちゃんがいまPC室に入ったよ。」 「あー。Kと3Eがいるのか。」 「あのぅ・・・。」 おっと、彼女をほうりっぱなしだったぞ。 「てか室長、俺のDB(データベース)によると本年度校内ナンバーワン美少女 1年生の部投票において、3位に輝いた倉敷祐子ちゃんがなぜここに?」 「びっ・・・!?投票!?」 「おまーはその説明口調をどうにかしろよ・・・。」 しかし、この際洋平の説明癖には感謝だ。ふむ、倉敷祐子ね。 さて。 基本的に藤木研の打ち合わせでは、IRC(インターネット・リレー・チャット) が用いられる。 部員の一人である霧島紗枝が聴覚障害であるためで、 手話を覚える気のない俺たちが取った代替手段がこれだ。 KEI>>で、淳よ。その娘は? JUN>>あー。なんと言えばいいか。 まさか告白されたともいえないし、さりとて一般人が人文部に来る理由もない。 YUKO(guest)>>私が、藤木先輩に告白したんです。 「なにぃ!?」 「うっそ!?」 「・・・うぁぅ!?」 「言っちゃうのかよ・・・。しかもおまいら、その驚きようはなんだ。」 喋りも不自由な紗枝が声を上げるほど、俺ってモテないと思われてるんかいな。 YOUHEI>>ほんで室長、OKしたん? YUKO(guest)>>いえ、それはお断りされてしまったんですが。 「ざけんな!」 「身の程を知れ!」 「かわいそう!」 「女の敵!」 「・・・ぅ。」 JUN>>ひでぇ言われようだな・・・つか、おまいらならわかるだろうが。 JUN>>俺がよく知らん女の子に言われて、ほい付き合おうと言うような奴か? KEI>>ま、そりゃそうだがな。 AKIE>>しかし、祐子ちゃん物好きだねー。 KOEDA>>ほんと!お兄ちゃんなんかPC以外にいいとこないのにね! JUN>>(#゚Д゚)・・・ KOEDA>>(・ε・)〜♪ピーロリロリーロリロリーロリーロ リロリー しかし、確かにそれは疑問だ。 自分でも確かに自覚はあるが、俺は運動駄目で見た目もパッとしない。 まあ、成績はトップを争えるレベルだが・・・ 某恋愛シミュレーションじゃあるまいし、テストの点に女が惚れるとも思えない。 YOUHEI>>某恋愛シュミレーションじゃあるまいし、 YOUHEI>>テストの点に女が惚れるとも思えないけど。 JUN>>お前は俺か。しかもまちがっとる。ゲーマーのくせに。 YOUHEI>>ゲーマーだからだよ。あんなのはシュミで充分だ。 JUN>>まー一理あるな。 ま、とりあえずその日は俺が倉敷さんを友として迎えたことを説明し、 皆もそれで納得したようだった。理由についてはうやむや・・・か。 さて、いったい何がどうなっているのやら。 SIDE 金森紗枝 (コンコン) モバイル「こえだ、おふろ、あがったよ。」 返事が聞こえないのは当たり前。部屋から顔を覗かせた小枝が 見せる手まねを見て頷き、キッチンに向かう。 モバイル「おかあさん、こえだが、おふろ、はいるって。」 母さんも頷いて、優しく微笑みながら手まねを見せてくれる。 モバイル「だいじょうぶ、もうふ、だしたから。」 モバイル「おやすみなさい。」 ・・・耳が聞こえなくても、みんなと繋がれる。 コンピュータ技術の発達は、私たち聾の障害を持つ者にも 等しく恩恵を与えてくれた。 このモバイルパソコンは、藤堂姉弟の特製。消費電力を極限まで 切り詰めながら高パフォーマンス、超軽量を実現した逸品。 テキスト・トゥ・スピーチのソフトウェアは、藤木君のお手製。 私には聞こえないけど、私の声をサンプリングして作ったとか。 ほかにもいろんなところに藤木研のみんなの手の入った、 誕生日プレゼント・・・私の宝物だ。 ポチポチ、ポチ・・・ 小枝に「明日のお昼は学食で食べよ」という旨のメールを 書きながら、昼間の出来事に思いを馳せる。 ───綺麗な娘だったな。 いつの間にか手が止まっていたらしく、スタンバイモードに入った 真っ暗な液晶に映った自分の顔を見る。 自分の作る表情はおかしい・・・ように思う。 どこか、自然ではない。作り物めいている。 髪をかきあげ首をめぐらせると、耳の下からうなじに走る傷跡。 反対側にもある。あの事故の後遺症を何とかしようと、手術をした痕。 ───醜い。 目をそらすようにモバイルをスタンバイから復帰させ、 ずっと言いたかった言葉をあのソフトに入力する。 ───藤木君、好きです。 再生ボタンを押すことが出来ない。周りには誰もいないのに。 調子のいい戯言と冗談ばかりつむぎだす口だけど、 真剣に悩んでる人には優しく、時に厳しく、相談に乗ってくれる。 彼の声が聞きたい・・・優しい声で、好きだよと言って欲しい。 可笑しくて、涙が出た。 そんなことを言ってもらえるわけがない。 だいいち、どんな言葉も自分には聞こえないではないか。 無意識に、指が股間に伸びていた。下着の上から、その場所を擦る。 喉の奥から空気が漏れる感触がした・・・ 私は今、どんな声を出しているのだろう。 脳裏に浮かぶのは、昼間の娘・・・倉敷さんと自分の想い人が 寝台で睦みあう様子。 おかしくて、悲しかった。 なんという、いやらしくて汚い娘なのだろう。 出逢ったばかりのあの二人がまだ付き合うと決まったわけでもないのに、 その秘め事を思い描き・・・もしそれが自分だったらと妄想し・・・ 浅ましいにもほどがある。 「・・・っ!」 じきに、指先が敏感な部分を探り当てた。 下着越しの緩やかな刺激では物足りず、脇から指を差し込んで、 そこをこねくり回す。 喉が震えた。声が出ている。 小枝に聞こえてしまうかもしれない・・・いや、妹はいま風呂のはずだ。 パジャマの胸元のボタンも外し、湯上りでブラをしていない裸の胸の 先端に触れた。股間と胸の先から響く刺激に身を任せる。 「・・・ぁっ!」 暗い水の底に引きずり込まれそうになった。 インターネットで読めるエッチな小説とかでは、女の人は「イク」らしい。 しかし、自分の感覚では、このようにしか表現できなかった。 ゆっくりと、自分が自分でない場所に連れて行かれてしまう不安感。 じっとりと重く水分を吸った下着に指を差し入れたまま、机に伏せた。 肩がマウスに触れる。 モバイル「ふじきくん、すきです」 再生中を示すLEDが、鮮やかに点滅した。 ───しばらく、涙は止まりそうにない。 SIDE 藤堂啓太郎 with 藤堂瑛 「しっかし、ようやく淳の魅力に気づくオナゴが現れたか。」 「そうねえ・・・いままで手付かずなのが不思議だったけど。」 「まあ、奴は意図的にヘボく振舞ってる感はあったからな。」 実際のところ、淳はサッパリ運動が出来ない以外については 上物の男の部類に入るだろうな。 成績は他の追随を許さないしあの開発スキルはきわめて将来有望で、 実は容姿的にも・・・髪をいじって眼鏡をもっとシャレたのに 取り替えればヨン様と充分以上に張れるんじゃないか、と俺は思う。 そういや・・・姉ちゃんはどうなんだろ? 俺は筑前煮のレンコンに箸を伸ばしながら、探りを入れてみることにした。 「姉ちゃんは、淳とかどうなんよ。」 直球じゃんよ。俺。 「んー。淳くんはいいコだと思うけど、なんでか牝の本能が 疼くって感じじゃないのよネ。」 「・・・エロ姉め。」 「あっはっは、いつものことじゃない。」 「しかし、長年姉弟やってるが・・・姉ちゃんの男のシュミってのは いまだによくわからん。」 「私自身さえわかんないし。」 たしか、いかりや長介に抱かれたいとか言ってたな。 んあー。思い出したら混乱してきた 「まあ、あれだ。あのコ・・・倉敷さん?・・・が口火になって 我も我もと淳に告白したりするようになったりしてな?」 「そりゃないでショ。淳くんのよさって、外から見えないところに 主に集中してるんだしサ。」 俺が淳のマブダチを続けてるのも、そこだ。 奴はちゃらんぽらんに見えるものの、義理人情に関わることに関しては きわめて真剣だしな。性格的に、男でも漢でもなく、侠と書いて「をとこ」と 読むとぴったり来るところだ。 「ま、その辺は今後の展開に乞うご期待ってとこだな。」 「啓にも彼女が出来るといいのにネ。」 「るせーや。」 仕込みはちゃんとやってんだよっ。 ここまで来るのに時間はかかったが・・・来年はキメるっ! 八宝菜をかっ込みながら、あいつのことを思い浮かべた。 こちとら3年越しなんだ。ここで諦めるわけにはいかない。 ふと見ると、姉ちゃんがニコニコしながらこっちを見ていた。 「がんばってネ。」 「ああ。・・・それと姉ちゃん、八宝菜にはウズラの卵をちゃんと入れてくれな。」 SIDE ????&???? 「それでは、ご主人様・・・ご奉仕させていただきます。」 両手を後ろ手に縛られたメイドが、椅子に浅く腰掛けた 彼のズボンのジッパーを咥え、下ろしていく。 むろんジッパーをおろしただけではどうにもならないのだが、 彼はそこまでいじわるな男でもない。 いささか間抜けではあるが、ズボンに手を入れ・・・ 既に張り詰めている陰茎を露出させてやった。 「ありがとうございます。」 その動作におかしみを感じたのだろうか。 メイドは薄く微笑みながら、まずは亀頭の先端を舌先で舐る。 「ご主人様の、味が。」 嫌そうな顔ではない。むしろ嬉しそうにメイドは口を開き、 亀頭までを唇に含んだ。 そのまま唇に力を込め、歯を立てないように細心の注意を払いながら きゅっきゅっと先端部を揉み絞める。 (あー、リップとか大丈夫かな) 普段彼女は口紅をつけず、リップクリームを愛用している。 亀頭についても大丈夫なものだろうかと主人の顔色を伺うと、 一生懸命硬い表情を作ろうとしているものの・・・明らかに 気持ちよさに負けている様子だ。 (へへ、やったね!) 主人はこの奉仕をことのほか気に入ったようだ。気をよくした彼女は、 今度は肉棒をすっぽりと口の中に迎え入れる。 (ふぐぐ・・・これはちょっとしんどいよぅ) 先端が喉奥に当たっている。オーラルセックスをがんばろうと いうことで咳止めシロップで喉を半麻酔してなかったら、 結構大変なことになってたかもしれない。 「んっ・・・んっう・・・」 喉、唇、舌を満遍なく使い、性器の構造を意識しながら より複雑な刺激を。 以前読んだハウツー本の知識思い出しながら、メイドは 主人の陰茎に奉仕を続けた。手が使えれば、もっといろいろな 技を繰り出せるのだが・・・。 「もういい。離れたまえ。」 主人の声色は、不機嫌と言うわけではなさそうだ。 むしろ涙目になってる彼女を心配しているように聞こえる。 「でも・・・。」 口を離して目を合わせると、それだけが理由ではないことがわかった。 主人の視線は既に牡のそれに変わり、メイドの身体を欲しているのが ありありと見て取れたのである。 「ふ、ぁっ!?」 床に押し倒された。 かなりの勢いがあったはずなのに、床に叩きつけられる寸前ふわりと した感覚に襲われ、緩やかに着地する。 鈍い音を立てたのは主人の肘。メイドを抱きすくめながら、床に組み敷いたのだ。 「陽先輩!だ、だいじょ・・・ひゃぁん!」 無粋な発言封じたのは主人の指である。ブラウスの合わせ目から 入った指先が、恐るべき繊細さでブラジャーの中に忍び入り メイドの硬くとがった乳首をさすり上げたのだ。 「うぁぅ・・・ふぅっ・・・!!」 いつの間にか、下着越しに陰部も嬲られている。 メイドは、このしまりの無い肉体を持つお世辞にも精悍とは言いがたい この主人が、意外にもかなりの腕力を持ち、それを上回る器用さを 併せ持つことを思い出していた。 「おや?」 主人がいぶかしげな声を上げた。メイドには原因がもうわかっている。 「その・・・。」 「ははは・・・はしたないメイドだ。咥えるだけで、こんなに?」 ショーツは、もうその用を為していない。グズグズに潤んで、 布の上から押さえただけで糸を引きそうなありさまである。 「も、申し訳ございません。」 「はは、いいさ。どうせなら徹底的に汚させてもらおう。」 「ん・・・ぅぁあああ!」 下着の底布がずらされる。 つい2月ほど前処女を失ったそこに、簒奪者が再び訪れた。 まだ幼さを残す肉の亀裂を押し広げ、主人の逞しい剛直が 不規則に出入りを始める。 「あっ、っ、っ!・・・あっ!?・・・はぁっ・・・。」 メイドの秘所は、特に不満を唱えるつもりは無いらしい。 つい二ヶ月前の貫通とはいえ、その後の濃密な時間で 簒奪者はすっかり秘所のお得意様になっているのである。 「おや、腰が動いているな。」 揶揄するような口調言われて、メイドは気づいた。 自分の腰が、主人のものを深く、より奥に誘おうと我知らず動いている。 「も、申し訳ございません。」 「いいや、許せないな・・・これは、お仕置きだね。」 主人が、新たなロープを持ち出す。 右足の膝裏を通したロープが首の後ろを通過して結ばれ・・・ メイドは片足を上げて秘所をさらけ出し、身体を限界までまるめる 窮屈で、はしたない格好で固定されてしまった。 「ああ・・・お許しください・・・。」 彼女の声には若干の喜悦が混じっている。ロープは首を絞めてはいないものの 頚動脈をゆるく圧迫し、絶頂時にも似た浮遊感を与え続けているのだ。 「さて、あとは心を縛らせてもらおうかな。」 「あっ、ん・・・むぅ・・・んむぅ〜!?」 改めて、下着の脇から主人の肉棒が挿入される。 先ほどの強弱をつけた動きと違い、今度は膣奥・・・子宮口も 裂けよとばかりの強烈な突きの連続だ。 まろび出そうになる嬌声は、唇でふさがれてしまっている。 ひと突きごとに、主人の感情が伝わってくる。 (お前は、俺のものだ。) 全身を縛り、心を縛り、メイドを独占したいという気持ち。 己の外見に自信の無い主人は、メイドに見放されるのが怖いのかもしれない。 (大丈夫・・・私は、センパイのことが大好き!) 気持ちを込めて、割り込んできた舌先に答える。 そうこうするうちにも主人の剛直は硬度と容積を増し、 フィニッシュに向かいそうな気配を漂わせ始めていた。 もとより軽い絶頂を連続で味わっているメイドは、 もう息も絶え絶えである。 「いくぞ。」 短い宣告。メイドはハッと意識を取り戻し、次に来るであろう 深い、強い突きに備えた。 「んっ!?」 ・・・浅い。 こんなので終わり?と拍子抜けした瞬間、主人のものが 凄い速度で一旦引き、間髪いれず最奥を抉った。 「あぁぁーーーっ!?」 たまらず、大声を出してしまう。 胎の奥の奥、子宮口入り口からさらに奥の、小袋のようになった 膣の終端部に、どろりとした感触が広がった。 「あっあ・・・出てる・・・出てるっ・・・!」 エロゲなどではあったかい、などという描写がしばしばあるが、 だいたい膣には温度を感じる神経は通っていない。 第一射を勢いよく打ち付けられた感触と、次第に広がって行く ぬめった感覚がそのすべて。 身体の奥に注がれる精液の感触に酔いながら、小枝は夢見心地でつぶやいた。 「陽センパイ、だいすき・・・。」 === ◆ 「ううむ、これはクセになりそうかも。」 「わ、私もだよ〜。」 シャワーを借りて戻ってきた私に、陽センパイが言った。 私も凄く気持ちよかったから、戸惑いながらも同意しておく。 「いやー、コスプレでHしたのははじめてだけどさ、 これ、続けてるとダメにんげんになりそうなんで、しばらく封印。」 「うん、おおむね同じ理由で賛成。」 あ、そういや聞こうと思ってたことがあったんだ。 「で、センパイ。今日はおもいっきり中出し されたんだけど・・・私が安全日と知っての所業なの?」 「勿論だ。」 うへ!?なんで知ってるの!? 「小枝、重いから学校休むだろう。そのときに姉ちゃんに 「小枝は?」って聞くとまるわかりなんだ。」 あー、そうだったんだ。 「まあ、当っても余裕で責任取るけどなー。」 さらりと嬉しいことを言ってくれる。 陽センパイはすでに稼ぎがあるから、確かに大丈夫なんだよね。 「えへへ!」 ちょっと嬉しくなって、胸に飛び込んでみた。 相変わらずぷにぷにだな〜。 「室長をとりまくアレコレは面白いあんばいになりつつあるが、 我々は当面の目標をどうにかする必要があるな。」 「うん、そうだねえ。」 センパイは私の頭をなでくりながら、私はごろごろと 甘えながら会話を続ける。 「シナリオライターの確保、だよね。」 「うむ。」 「祐子さんって、シナリオ書けたりしないのかな。」 「いや、どーかなー。無理なんじゃないか。」 絵は私が描く。プログラムと音楽は陽センパイ。 「よーし、来年こそ自作エロゲを発表するよ!」 「エロゲ言うなー!美少女ゲームと言えー!!」 がんばろうっと! 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