シチュエーション
![]() この病院には通い慣れていた。 俺は健康そのものだ。A型肝炎にかかった訳でもない。 俺は今、病室の前にいる。ドアの横にあるネームプレートには【如月 メイ】と書かれている。 ドアを開けると、少女がいる。 こいつが、俺の幼馴染みの如月メイ。 数年前から、体の末端から触覚が無くなっていく病気にかかって、病院での生活を送っている。 彼女は、俺が来たのに気がついたらしく、微笑んで迎えてくれた 「やっと来やがったか。糸篠廉人(れんと)君」 俺は、この名字が少し嫌いだ。 何故なら、フルネームで呼ばれると【愛しの廉人】って聞こえてしまうからだ。 でも、メイにならそう呼ばれても構わない。 メイと話をしていると、あっという間に夜になる。だけど、それでも構わない。 なぜなら、両親は出張で、二人とも明日の夜まで帰ってこないから。 「なあ、廉人。聴いてほしい願いがあるんだ」 メイの一言で、部屋を包む空気が変わった。 メイの顔も、深刻な表情を浮かべている。 「どういう、願いなんだ?それ、俺の力でも、叶えられるか?」 「ああ。廉人しか、アタシの願いを叶えられる人はいないよ」 メイの瞳が、妖しく輝いた。 「どんどん感覚が……無くなっていくんだ」 メイは、俺に目を向ける。 「足と、手の指先から……痛みや温もりが消えていくんだ。そして、何も感じなくなる。無痛症に……なっちまう」 メイは、俺の目の前で、服を脱ぎ始めた。 まだ19歳の俺の目に、メイの裸身が突き刺さる。 「アタシ、廉人と結婚したい。でも……その時になって何も感じられないのは凄く辛い。だから、今すぐに……」 一瞬だけ、俺は何も聞こえなくなった。 でも、メイの唇の動きから、俺はメイが何をしたいのかが理解できた。 服を脱いで、メイを抱きしめた。 「お、お前が望んだ事なんだからな!ど、どうなっても……知らないからな!」 そのまま、抱きしめたメイを、ベッドに押し倒した。 その先は、あんまり覚えてはいない。 ただ、覚えていたことは、お互いの体をなめまわしあったり、4回入れて4回中出ししたり、尻にも入れたり。 互いに動けば、互いに喘ぎ、泣いた。 幸福な時間だった。あんなに激しい初体験したのは、世界を探しても少ないだろう。 朝の5時に家に着いた。 今日も、メイの所に行こう。 たとえ、体が温もりを忘れても、心は決して温もりを忘れないから ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |