シチュエーション
「痛たたた!な、ナニをするんだね!!私に何の恨みがあって…」 「とぼけないで下さい!イイ歳して恥ずかしくないんですか?」 朝のホームに凛とした声が響き渡る。コート姿のサラリーマン風男の腕をひねり上げて いるのは、サラサラとした黒髪をなびかせた可憐な乙女であった。 「駅員さん、この人痴漢です!!早く警察に連絡してください!」 「や、やめろ!このガキっ!!いい加減にしろ…ぐわっ!!」 自由な片方の腕をふるって掴みかかろうとした瞬間、男は少女に投げ飛ばされていた。 華奢な身体に負担をかけず相手の力を利用した護身術…かなりの腕前と見受けられる。 ひっくり返った男のコートがはだけ、中から屹立した性器が飛び出した。 「キャア!」 周囲の悲鳴と駈け付けた駅員達の怒声で駅はパニック状態に陥ってしまった、 だが少女は気にもせず、声を押し殺して泣きじゃくる小柄な少女に近づく。 「み、美住先輩…せんぱぁい…!!」 小柄な少女は大声をあげて痴漢を撃退した美住真由香に抱きつく、幼い身体にとって 不潔な剥き出しの性器を押し付けられるおぞましさは耐えがたい恐怖だったのだろう。 「大丈夫よ、もう大丈夫…今度からはその大きな声で追い払わなきゃダメよ」 「真由香ぁ、アンタ思いっきりブン投げてたわね…ちょっとヤリ過ぎじゃないの?」 傍らにいた茶髪の少女…真由香の幼馴染・久美が呆れ顔で連行される痴漢を見つめる、。 「何言ってるのよ久美!あんな変態男に好き勝手されてもいいっていうの!?」 「本当にアンタ男嫌いなんだから、勿体ねえ…いやマジな話」 「女性をイヤらしい眼でしか見れないようなヤツが許せないだけよ、私は」 真由香はハンカチを取り出して痴漢に合った少女のスカートに大量に浴びせ掛けられた 白濁液をふき取る。痴漢の残した最悪の置き土産だ。 「先輩…そんな、汚いです…やめて下さい」 「動くと拭けないわ!学校に行ったらすぐに着替えて、そして忘れなさい、ね!」 「み、真由香先輩…!ありがとうございます!!」 「なあ聞いたか?美住真由香の話」 「中等部の娘に痴漢したヤツを駅で投げ飛ばしたってんだろ?あの生徒会長様は」 真由香の通う名門私立校は良家の子女が多く在籍する事で有名だ。だが生活の階層に 関係無く、放課後のトイレは男女を問わず噂の中継所になっているようだ。 朝の痴漢撃退騒動は女子にとっては胸のすくような痛快な話で、ますます真由香の 株をあげたと思われる、一方、異性として真由香を見ている面々にしてみれば… 「なぁ、もしも…直接、美住が痴漢に合ってたら…どうなってたかな?」 「秒殺、だな。学生合気道選手権優勝は伊達じゃねえよ」 「バーカ、あの【お堅いオーラ】は100m先からでも判るだろ?寄りつきもしないよ」 「だよなぁ…超美人すぎて逆に俺らも声、かけ辛い雰囲気だし…」 「それにアイツの家は超金持ちだぞ、ヘタすりゃ一生ム所暮らしとかなったりしてw」 男子たちはバカ話に浮かれているので用具入れから漏れる小さな呼吸音が聞こえない… 時折、扉がギシギシきしむのも判らないようだ… SS一覧に戻る メインページに戻る |