綾子
シチュエーション


「子どもがほしーなぁ!」

と、なんとはなしに綾子が言ったのはつい月曜日のことだった。
付きって来週で1年。
普段から頭の上に蝶々って感じの綾子の言うことは、たまに意味があるのかないのかはかりかねる。

(でも多分、大抵はこっちの思い過ごしだ。)

それでも今回は「1年」っていうのが頭にあったり、お互い童貞処女でなんとなくお友達っぽく付き合ってきたのを気にしてたのもあって、先輩に相談してみた。
曰く

「確信犯」

だそうで、
確信犯って意味ちがくね?と突っ込むのはとりあえずおいといて、そう言われるとやっぱり思い過ごしかも・・・なんて女々しくなってみたものの、若さと勢いを信じて、昨夜、「夜のドライブ」に綾子を誘ってみた。

「星見に行くの?今ペルなんとか流星群って見えるらしいね!」

と良くも悪くもいつも通りの返答に、決心が揺らぎそうになるのをグッとこらえ、

「行き先は着くまで秘密」

と言ってみた。すると

「ふーーん?」

なんて薄ら笑うもんだから、これは先輩を信用して良かったと思う俺だった。

さて目的地につくと、綾子は興奮・・・というかワクワクしているようだった。俺が緊張し始めたのをよそに、

「やっぱり一人暮らし同士は壁が薄いし心配だよね」

とか余裕をぶっこいていた。

・・・のが、部屋に入るなり、

「はぁーーーーっ」

とわざとらしく大きなため息をついたあと、押し黙ってしまったのには本当に困った。
ベッドに腰掛けて、俯いてしまった。とりあえず俺も隣に腰掛けて、

「えっと・・・風呂入るよね?」

と訊ねてみたら、

「お風呂は・・・後で」

と弱々しく答える。
そんで、俯いたまま腕にしがみついてきた。
そこで、やっと綾子がかすかに震えていることに気がついた。なんだか心から呆れてしまった。

「あのさぁ・・・もしかして、怖いの?」

綾子の腕に力がこもる。

「ぜんっぜん・・・」

俺の彼女はこんなに扱いにくい人間だったっけかと思い、とりあえず落ち着くまで待つと、ぽつりぽつりと語りが始まる。

「怖くはないよ。でも、私は謝らなくちゃいけない。」

え、病気がありますとかじゃないよなぁと一瞬思ったりする。

「あの・・・ほんっとに笑わないで聞いてほしいんだけど・・・ほんとにね??」

なんて言われてこの時点で笑いそうになっていたが、それはもう必死に真顔で

「笑わないから」

と言う俺。

「私その・・・いわゆる・・・軽度の変態で・・・」
「知ってるっつーの」

綾子は変わり者で通っているから、よく「良い意味で変態」とか言われているのだ。
いつもなら軽いノリで会話が続くはずなのだが、事もあろうに腕の中の綾子はすすり泣いていた。

「そーゆーこと・・・言ってんじゃない・・・」
「わ・・・私は確かに処女だけど!たくさん・・・オナニーしたし・・・想像の中では、色々な方法で犯されたり!
あと・・・一応いわゆる大人のおもちゃももってるし・・・な、なんか、ごめん、ほんとに、」

俺は一体どうしていいのかわからず、とりあえず綾子の髪を撫でていた。すると腕にしがみついていたのが首の方までずりずり上がってきて、またしがみついて泣いた。
撫でられるのが好きなんだろうな。
正直、綾子がその程度の変態でも俺は驚かない。普段から変わった奴だし。

「あのさ・・・」

一番疑問に思ったことを聞いてみた。

「大人のおもちゃって・・・一人で買いに行ったわけ?」

くっくっ、と、部屋に入って初めて綾子は笑った。

「そう。勇気あるよね、私。」

何分、俺には綾子がはじめての女なので、世の中の女がこうなのかがわからないが、綾子が変態側だったらいいなと思う。
それで何かスイッチが入ったらしく、震えた声で得意げに解説してくれた。

「最初はドンキホーテだったなあ。高校生の時。でも、ああいうのって、けっこう壊れるんだよね。コードの接続部分みたいなのが作り甘いみたいで。
それから、秋葉原に専用の店があって、3回くらい買い直しに行った。
こっちに越してくるときも持ってきたんだけど、音が大きいからなかなか使えなくてさ・・・ねぇ?」

ねぇ?とか言われて非常に困った。
そして、多分綾子は自分の性感帯をよく知ってて、俺とやってもつまんないんじゃないかと不安になった。

「ああ心配しないで。バイブは使ったことないから。」
「え?」
「だからさあ、処女膜?があるとしたら、多分それは破れてないってことだよ。ま、指くらいは入れたことあるけど・・・多分大丈夫!」

何かふっきれたのか綾子は自信満々だ。

「そ、それにさぁ・・・」
「何?」
「こんっっなに緊張するとは思わなかった!本当に、体じゅう性感帯になっちゃうかも」
「本当かよ〜?」

そう言って、軽く背中を撫でると、

「ーーっ!!」

首に巻かれた腕は硬直し、背中は弓なりにそった。面白いのでしばらそれを続けていると、綾子の息が上がってくるのがわかる。
調子に乗っていると、突如、顎をがっちり掴まれて、びっくりするほど情熱的にキスをされた。
唇の間からは綾子の舌が侵入し、丁寧に俺の歯茎をなぞっていく。それが性感として認識されるのにそう時間はかからなかった。
たまらなくなって、強引に引きはがす。その反動で2人してベッドに倒れ込んだ。
息を整え、最初に口を開いたのは綾子。

「私は、色々研究してるからね。」

どうやら俺がひきはがしたのに勝ち誇っているようだった。

「さぁ、風呂入ろう。一緒に。」
「一緒に?!」

なんでやねん!という気持ちと、少し楽しみな気持ちが入り交じっている俺をよそに、綾子は服を豪快に脱ぎ捨てた(畳んでくれ・・・)。

「私、先入ってるから。」

俺はしょうがなく綾子の服を畳み、俺も脱いで畳み、
綾子のそそらない白いパンツがしっとり濡れているのを確認して満足し、
然るのち、風呂場に突入した。
・・・まあその風呂の狭いこと。
というか、ユニットバスだった。風呂というか、シャワーだった。

「これ、一緒は無理なんじゃ・・・」
「そうかも〜」

と言いながらのんきに髪まで洗いはじめた綾子は、いつも通りに戻ったように見えた。

結局別々にシャワーを浴び、綾子が髪を乾かすのを待って、続きが始まることになった。

「髪かわいたー!ふぅ。」

と言ってベッドに座った綾子を、

「おーよしよし」

と撫でてみると、案の定照れた。

「あ、あのさあ。私の方が年上なんだけど。」

このアホの子がそんなことを考えていたとは。

「でも、撫でられんの好きでしょ。」
「うん・・・」

しおらしい綾子をみて、これが彼女のMの部分ってやつかと思った。
続けて、さっきの仕返しに、強引にキスをしてやり、綾子の歯茎を舌でなぞってゆく。
綾子はもちろん俺をひきはがそうとしたが、そこは男の力が勝り、そうはいかない。やがて綾子の体の力が抜けてきたので、口を離して押し倒した。

「ひどい。ずるい。男女差別だ。」
「どこがだ。っていうか、してほしかったでしょ。」

綾子は黙る。「〜してほしかっただろう、俺はわかってるんだぜ」みたいな言葉に弱いらしい。
いかん。ゾクゾクしてきた。もしかしたら俺はSなのかもしれない。まあ、それは都合がいいことなのだけど。
そのまま耳を撫で、首筋を舐める。
筋肉がピクピク動いていて、こいつ本当に感じてると思うと、加虐心がかきたてられる。

「なあ、綾子おまえ、して欲しいこと本当はいっぱいあるだろ。言ってくれればやってやるよ」

言ってみて、なんか俺が奉仕する方みたいじゃんとか思う。

「ーーーっあっ、はっ、」

返答があえぎ声だなんて、笑える。

「おい、ちゃんと言えよ」

あ、俺Sっぽい。

「あたしのっ、性感帯はっ、」

そういう聞き方はしてない気がするが、面白いから促した。

「分かりやすいように頭から足まで順番に説明してね。」

とりあえず愛撫をやめて、説明をきくことにする。

「まず、耳。次に、首すじ。あと、首の後ろのここ(と言って、肩もみするより少し上の位置を示した)の辺をこう、押すとね。背中全体。胸は、実はあんまり・・・でも、」
「でも?」
「でも・・・ドキドキするかも。」

なんて言うから、眠れるSの血が騒ぎ、バスローブの中に手を突っ込んで、乳首をつねってやった。強く目を閉じる綾子。なんだ、感じてるんじゃねーの?

「それから、・・・ク、クリトリスとその周辺、太股の付け根あたり、膝から下の足の裏側、あと多分足もかな?」

勉強になる。できればメモをとっておきたいくらいだったが、そこは記憶力でカバーだ。

「ふーん・・・で、クリトリスとその周辺ってのは?」

恥じらえ!と思ったが、意外と冷静に返答があった。

「ああ、あの辺りって、大体性感帯っぽいっていうか。さっきも言ったけど、膣は未開発だし。」

開発ってねぇ・・・。悔しいので、もう一押し。

「尻は?」
「あー・・・」

もの凄くばつの悪そうな顔で言った。

「最近はしてないけど、何年か前ちょっとね・・・」

へえ。

「いいこと聞いた。」

ここらでいっちょ綾子を脱がす。ついでに俺も脱ぐ。あまりに色気がなかったので省略。
綾子はやる気マンマンといった風情で、バスローブの下は素っ裸だった(そういうもんですか?)。
お互いなぜだか裸には恥じらいはなかった。
綾子の体は、引き締まっていないこともないけど、胸も小さいし、俺的には、視覚的にそそるものでもない。
だが、今までの行為で、俺は自分が思ってる以上に興奮していたらしく、綾子は俺のを見てにやりと笑った。

「私の指よりは太いし長いわね。ねぇ、一回、やってみたかったんだけどさぁ、フェラチオって・・・」
「やめてくれ」

普通、処女の女の子(多少、年食ってるが)が自らすすんでそんなことするだろうか。と思ったけど、綾子は普通じゃないから仕方がないのかもしれない。
でも俺は、せっかく握った主導権を手放すのは嫌だった。

「じゃあ、触るだけでも・・・ね、ちょっとだけ。お願い!」

本当に、ただの好奇心って感じだ。

「ちょっとだよほんと。」

と言って、許すと、まずは触るでなく、観察タイム。こういうの、視姦っていうんじゃなかったっけか。
視線にじらされている。じれったい。息が上がってくる。
すると、ツ・・・と、触るか、触らないかくらいの優しさで、指先が伸びた。

「くぁ・・・」

このままじゃ、主導権を奪われる。それは悔しいので、強引に引きはがした。限界が近い。

「綾が、悪いんだからなっ」

改めて組みしいて、左の乳首にしゃぶりつき、右手でもう片方をいじる。左手は、背中を撫でている。

「はぁっ、ああぁっ、」

突然のことに、派手にあえぐ綾子。
その手は、「クリトリス周辺」にのびている。

「おい綾、そりゃあないだろ?」

セックス中にオナニー状態とは許せない。
両腕をつかんでやると、大人しくなった。

「次は手錠買ってきてやろうか?」

冗談で言ったつもりが、

「・・・うん。」

と返されるもんだからたまらない。

「お互い、そろそろだよね・・・」

うんしょ、と綾子は起き上がり、いわゆるM字開脚の体勢をとって俺を誘った。

「この方が、見やすいでしょ、色々と。」

後で綾子に聞いたことだが、女性側としてもM字開脚は感じやすい体勢なのだそうだ。
俺は、まじまじと綾子の秘所を眺めた。
思っていたよりずっとグロテスクだ。黒っぽいのは、やはりオナニーのしすぎってやつだろうか。一番充血してピンクっぽいところがクリトリスだろう。

「も、はやくしてよっ」

綾子の息が荒くなってくる。さっき俺がやられたのと同じで、視姦された気分なんだろう。
このままずっと止まっているのもなかなか面白そうだと思ったが、何分俺も興奮を止められず、まずはクリトリスに優しく触れた。
こねくり回すと、ガクガクと開脚した脚が震えた。

「んあぁ、ああぁ、ーー」

喘ぎは今までの中で一番激しい。

次に秘所全体をなで上げてみると、それはもうぐっしょりと濡れていた。
濡れる、というからもっとサラっとしたものを想像していたが、実際は粘りけのある分泌物だった。分泌物は、オンナのニオイを発していた。
ニオイだけで俺の中の獣が制御できなくなりそうなほど、かきたてるものだった。
もう先走りが出ている。備え付けのコンドームを装着した。

「今日は練習。」

赤ちゃん欲しいとは言われたけど、俺たちは学生である。
綾子は

「へぇ・・・」

とか感心している。その気が抜けたスキに、がっちり脚を持った。

「・・・入れるよ。」

確かに怖がっている様子はない。

「どうぞ。」

少しずつ俺が綾子に侵入していく。
綾子はあまり気持ちよさそうではない。

「痛い?」
「痛くない・・・けど、変な感じ。異物感っていうのかなぁ。」

正直俺は、すごく気持ち良かった。処女は狭いって本当なのだろう。綾子がいい感じにあえいでいたら、我慢せずにすぐイってしまっていたと思う。
でも、綾子がそうでもないからしょうがない。

「やっぱり、ここか?」

クリトリスのをやや強くつまむ。

「ふぁあ、あぁっ」
「調子出てきたじゃんっ」

と言いつつ、激しく綾子が収縮するもんだから、俺にもう余裕はなく、あまり綾子を気遣ってやれなかった。

「動くよ!」

グチュ、グチュ・・・

という、グロテスクな音を伴って腰を動かす。
綾子も動いている。

「はぁ・・・っ!」

綾子の締め付けが3秒くらい保持され、彼女がイったんだろうと安心し、俺も精を放った。
こんなにも耐えたのは初めてで、忍耐の後の快楽は密の味って感じだった。

ふと横を見やると、綾子はまだ快感の余韻に浸っているようだった。
頭を撫でてやると寄ってくる。
これがピロートークってやつか。

「初めてどうしにしては、かなりうまくいったんじゃない?」

と声をかけた。

「うん・・・ありがと」
「次は、本当に手錠使おうか?」
「そうだねぇ・・・試してみたいこと、たくさんあるんだよ」

綾子はいつもの調子に戻って笑った。

「ラブホって、ポイントカードないのかなあ?!」

おいおい。
首筋に手をかけて、言ってやった。

「今度は綾のオナニーが見たいなー。おもちゃ付きで。」

綾子は目を丸くして、

「あんたって、エロの才能あるんじゃない?」






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