三浦のこと(非エロ)
シチュエーション


「さーね、どーだろ?強いっては聞くけど、でもなになに?サトってもしか三浦に興味あんの?」

と愉快そうに突っ込まれた時、私は笑って答えたつもりだった。

「ハハッ、バーカ!んなこと言ってネーって!つか誰も三浦のことなんか聞いてネーのに、
ミッコが気にしてんじゃん?んー?」
「ちょっ、あんたが言い出したんじゃん!」
「あたしは剣道部が強いかどうかって聞いただけっスよ?だーれも三浦のことなんか、
なんにも聞いてないんスけど?」

実のところここまで返すつもりはなかったが、路子の指摘に慌ててしまったこともあり、
必要以上に責めてしまう自分を止められなかったのだが……路子の反応を見た瞬間、
里子は自分の発言を後悔した。里子は急に俯き、頬を染めて呟くように答えた。

「……あー…サト、ごめん。…そだね…」
「…」

里子にとって、こんなに明白な事態は小学校以来のことだった。純粋に好きだった、
気弱で大人しい男子を友達とからかっている内に転校されてしまい、
胸にぽっかりと大きな穴が開いたあの日と少し似たような感じがした瞬間、
里子の心臓は誰かに握られたように痛んだ。そしてその痛みを避けようと、
里子は唯一の親友の背中をドンッと叩いてから囁いた。

「ゴメンゴメン!…でもさ、あのさ……ミッコ、ちょっと来な」
「…なに?」
「いーーから!」






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