某専門学校
シチュエーション


時は21世紀も10年を過ぎ、所は某専門学校。

不自然なほどおいしい謳い文句に守銭奴のじじいが金集めでもしたいがために創設したのではと一抹の疑いを抱きつつも、好きこそものの上手なれともいうし趣味から一芸を身につけられたら…と入学した。
高校卒業後三年フリーターを続けた俺ではあるが不景気に拍車がかかったこの世の中。同い年の大学組でさえ就職難に喘ぎ、院がどうとかいうのを飲み会で聞いてるとさすがに自分の将来も不安になってくるというものだ。

学校はというと、元々好きな分野だったのでなかなか楽しい。周りも同じ趣味の奴らばっかでどんだけマニアックな話でも誰かが語り出すと全員被さってきて止まることを知らない。
属性柄男女比は偏りがあるが、全く女がいないってことでもない。
だが、ふつうの女はいないな。ああただの一人もいない。しかも男より色の濃いのが多いような。
そう、ここはゲーム、アニメ、漫画といったオタクカルチャーの専門学校だ。ちなみに俺の学科はゲーム。
同じ学科の奴らとは、ひぐらしのヒットを目の当たりにしたのもあって卒業までにネット配布の同人ゲームを一本作りたいよな、なんて話してる。
幸い人材には不足しない。絵描き、CG、プログラマー、シナリオライター。みんな何かしらやりたくてここに入ってきた人間だから。

「あずにゃんハァハァ。ついにスクリーンかぁ楽しみだなぁ〜」

あーまたキモオタか。そう思ったろ。だがこれは18才女子の発したセリフである。

「澪の縞パンが画面いっぱいに映るの期待!!」

アニメ雑誌片手に一人盛り上がってるこいつは女のくせにチュンリーのパンチラにも喜ぶような奴だ。
要は二次元の女好き?よくおっさんみたいなことを口走っている。ちなみにおっぱい大好き。
最初学内で見かけたときは驚いたくらい、オタ属性持ちとしてはかなり可愛い部類なんだが、もったいないことに男にも三次元にもまるで興味なし。自分の脳内彼女やら脳内妹やらの方によっぽどご執心。まぁ、つまり変態だよな。

「ねー、ニーチェも見たいよね?でかいスクリーンいっぱいの縞パン!」

ニーチェは俺な。日枝だからニーチェ。

「さー俺あんま萌えないけど。パンツは白だな」
「幼女の?」
「だからロリコンじゃねーって。パンツは白だけど。綿にゴムで。」
「うん、どう見てもロリコンだよね!」
「ほっとけ」

勝手にロリコンってことになってるけど、俺の中の最上はイコのヨルダだ。だから白である。ヨルダは履いてないけど。
しかしイコはいいゲームだったよなぁ。無駄なものが一切なく、それによって洗練された完成度の高さがある。システムも城も音もいい。何よりヨルダがいい。

「ニーチェの好みはワカメちゃんだもんねぇ〜くひひひ」
「おい、黙れ」

こいつはいちいち癇に障る。最初はこんな奴だと思わなかった。猫かぶってやがったんだ。


〜四月〜

「あー今日から授業始まるんだな」
「俺、割と楽しみ。あ、そうだ。入学式で見たんだけどうちの学科ってこの学校にそぐわない美少女いるよな。見た?」
「へーまたなんでこんな魔のすくつ←なぜか変換(ry に?」
「さぁ?知らないけど仲良くなっときたいなあれは。だって少なからずオタク趣味に理解あることは期待できるわけで。」
「あっ、おい!あれのことか?」

遠目ではあるが一目見て息を飲んだ。まぁ、正直にいえば好みだった。
肌が白くて腰まである長い黒髪で、前髪はぱつんと切りそろえられていて体の線が細い。
そんな子がやや内股で歩きながら、どこか怯えるようなふいんき←なぜか変換(ry 

でオタク男まみれの教室に入ってきたんだ。
白いスプリングコートを着ていて、そう、一見してそれこそヨルダっぽかった。一方的には、これ以上ないくらいに第一印象のいい出会いだった。






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