オタク女と幼なじみ男
シチュエーション


「ねえ、祐。彼女いる?」

いつものように俺の部屋に当然のように上がり込んでくる冴えない女が、唐突に質問する。飲んでいたペットボトルの液体が気管に入り、激しくむせてしまう。

「ごほっ、ごほっ…。なんだよ、藪から棒に。つーか、入るならノックぐらいしろよ」

あまりに苦しくて、涙目になりながら睨む。相手は腐れ縁の友人、はるかという…オタク女だ。
子供の頃から年が近いせいもあって、一緒に遊んでいた。性格は、みての通り突拍子のないやつ。
学校は別だが、母親同士が仲がいいから家族ぐるみで付き合いがある。

「あ、ごめん。年頃の男性は色々ありますもんね。失礼」

ニヤニヤしながら謝る姿は腹が立つ。いちいちムカつくやつだなあ。

「うるさい。で、なんだよ急に。彼女がどうとかって」
「ああ、そう。彼女がいるか、なんだけどね。……いるの?」

ドアを閉め、いつものように勝手にベッドに腰掛ける。こいつは、さっさと帰らないようだ。
大学のレポート作成を、手を止めずに業務的に答える。

「それ、言わなきゃ帰らないんだろ?…どうせ、いませんよ。悪かったな」

遠慮もなくずけずけという幼なじみには慣れた。さっさと満足させて、レポートを完成させたい。
夏休みとはいえ、やることを済ませてダラダラとしたいから。ベッドに腰掛けるあいつは、俺のことを真面目でつまらないと罵るだろうが、俺はそれでかまわない。

「あー、いないんだ。じゃあさ、過去に経験は?」

恐ろしい質問に、さすがの俺もキーボードを打つ手が止まる。さっきから、プライベートな質問ばかり、一体なんなんだ?

「おい、何たくらんでいるんだ?まさか、また俺をネタにする気かよ」

うんざりした表情で、振り返る。あいつは悪びれもせずに、てへへと笑いかけた。

「さすが、付き合い長いだけあるねー。
いや、ちょっと、エロ小説を書こうと思い立ちまして。でも、なにぶん資料がないからさ。てへ☆」

「はぁ?!なんで俺なんだよ!余所をあたれっ」

憤慨というより、呆れに近い。以前はゲームの二次小説だか、漫画を書くからと言われて酷い目に遭った。なんで興味もないのに秋葉原の武器屋とか、コスプレ店に連れて行かれなきゃならないんだ。

「だって、身近にリア充いないし。祐なら、経験ありそうかなーって」
「お前、それこそ身近すぎないか。少しは遠慮と恥じらいを持て」

頬を膨らませてジト目で俺を睨みつける。まったくをもって可愛くない。

「減るもんじゃないから、教えてよ」

「はぁ、高校の時にいたよ。大学入ったら自然消滅したけど」

そういうお前は……と思ったが、藪蛇かもしれない。さっさとレポートを進めたいんだが、あいつは動く気配はなくベッドに座り込み何やら考えている。

「ふぅん、そうなんだ。で、したの?彼女と」
「は?」
「エッチ」
「……、ようやくわかった。帰れ」

イスから立ち上がり、出歯亀の腕を掴む。こいつを引きずり出して、ドアに鍵をかけないと。

「痛いって、こらっ。離せってば」

無理やり立たされ、必死に抵抗するが、所詮男女の力の差にはかなわない。ずるずると引きずられ、ドア付近まで後退してしまう。
「便利な世の中なんだから、ネットで体験談とか読んでろ。俺、レポートの途中だから邪魔すんな」

「ごめん、ごめんってば!腕、痛いから離して」

苦痛に歪んだ表情で、我に返る。思った以上に力を入れすぎていたみたいだ。

「悪い、でもお前が原因だからな」

はるかは二の腕をさすり、不服そうな顔をする。当然俺の方が背が高いから、見下ろすのだが…とんでもない光景が見えてしまう。
あいつはTシャツにハーフパンツという、いわゆる部屋着なんだが、問題はそのTシャツの襟元だ。
ヨレているのか、デザインなのかわからないが、胸元が覗けてしまう。……ノーブラだった。
小ぶりな膨らみと先端部分が見えてしまい、慌てて目を逸らす。

「おい」
「ん?どうしたの?」
「俺に気を使えよ」
「? さっきのこと? そうだよね、ごめん」
「じゃなくて!もう少し異性に対して…」

そこまで言われてようやく気がついたらしく、胸元を隠す。

「……見えたんだ」
「見えた」
「お風呂上がりで、すっかり忘れてた」

あはは、と苦笑いし、何やら言い訳している。
ほわんとシャンプーの香り、生乾きの髪、さっき見た胸が、頭から離れない。

「小説書くんだろ?」
「まあ、そうだけど……」
「手伝ってやるよ」

今日は親が帰ってこない。なんでも夫婦旅行だかで、山梨に行っている。
今更家族旅行なんて面倒だと思ったし、気楽にダラダラしたいから留守番をしているが、こうなるとは…。
落ち着く為に冷蔵庫からお茶のペットボトルを取り出し、二階に上がる。俺の部屋には少し緊張気味のはるかがベッドに座っていた。

「ほら、お茶でも飲んでろ」

無造作に押し付け、パソコンに向かう。とりあえずデータを保存し、イスを回転させて向かい合う。

「で、俺の何を聞くって」
「なんか、改まると嫌だなぁ。小説を書こうと思って、恋愛経験談を教えて欲しいんだよね」
「そういうのって、自分の経験が手っ取り早いだろ」

ぐっ、と言葉に詰まり、はるかは手の中にあるお茶を転がし始める。

「…あるわけないじゃん。ゲームばっかりだし」

「乙女ゲーのこと?興味ない。二次元萌えより、デモンズソウルとかモンハンとか塊魂とかがいい」

がくりとうなだれ、目の前の幼なじみを改めて見る。
肩まで伸びた髪、年頃相応の手入れはあるが無造作で、顔も普通。体格だって、多分標準だろう。なんというか、特徴がないのが特徴だ。

「しかし恋愛小説を飛び越えてエロ小説かよ。それこそ妄想して解決だろ」
「リアルというのが欲しいなぁって」

俺は残ったペットボトルのお茶を飲み干し、少し離れたベッドに近づいた。


「た、確かに教えて欲しいとは言ったけど、えーと、心の準備とか、お互いの交流を深めたりとか、あと、その……」

ベッドに押し倒され、はるかはしどろもどろに言い訳を始める。目が泳ぎ、身体をもじもじと動かしてせわしない。

「幼なじみだから交流はある。心の準備は、変な事を言うお前が悪い」

両手を絡めて、顔を近づける。はるかの顔が赤くなり、そっぽを向かれてしまい思わず笑ってしまう。

「それとも好きとか言った方がいいか?」
「だって、祐のこと、異性として見てなかったから、いきなり困る……」

そりゃそうだろう。俺だって思ってなかった。少なくともついさっきまでは。たぶん。でも…

「俺は、漠然と思ってたのかもしれない。はるかのこと。ただ付き合いが長くて、言い出せなかったのかも」

突然の告白にはるかは振り向き、何やらぱくぱくと口を開くが言葉が出てこない。

「お前、俺のことよりゲームばっかりだったろ?いくら幼なじみでも、興味ないことまで付き合わないぐらいわかれよ」
「……うん。ごめん」

お互いに目を閉じ、ゆっくりと唇を重ねた。

高校の時に付き合った彼女とは、一通り経験した。お互い慣れずに下手くそだったのが思い出。
大学受験で疎遠になり、大学も違っていたから自然消滅した。
俺は地元大学、彼女は都内に引っ越したらしい。メールする事もないし、くる事もない。
あの時、俺は彼女が好きだったのか、よくわからない。


緊張するはるかに何度も優しくキスをする。絡めた指が徐々に緩まり、緊張がほぐれたみたいだ。

「やっぱり止めるか?」

涙目で、ぼんやりとした表情のはるかが首を横に振る。頬は上気し、ほんのり汗ばんでいる。

「ん、だ、大丈夫。続けて」
「わかった。嫌ならちゃんと言えよ。初めてなんだろ?」
「うん……。正直どうすればいいのか、わかんないや」

照れ隠しにおどけているが、顔は強ばっている。あまりの緊張っぷりに失礼だが笑ってしまった。

「な、何?」
「いや、なんでもない。ちょっと…」
「 ? 」
「可愛いって思った」

赤い顔がさらに赤くなり、まるで茹で上がったタコのようだ。

「なんかズルい」
「意味わからないし」
「だって、祐は余裕があるけど、私は……その、慣れてない」

訳の分からない言い訳をキスでふさぎ、はるかの身体を潰さないように慎重に密着させる。ちょっと大きくなってるけど、構うもんか。

「俺、余裕ある?」
「……いや、ない。でも気使ってるのはわかる」
「そりゃ、嫌がる事はしたくないし、泣き顔も見たくない」
「初めては痛いって聞いたよ。無理じゃない?」
「んー、努力します」

絡めた手を外して、服越しから身体を撫でる。大きく身体が跳ね、小刻みに震える。まさかノーブラとは思ってなかったから、服越しの柔らかな感触と鼓動が手のひらから伝わる。
早鐘のような心臓の動き、そっと触れてからじっと動かずに様子を窺う。はるかは目をきつく閉じ、何かに耐える顔がひどく滑稽だ。

「あのさ」
「な、何?」
「嫌ならはっきり言えって」
「い、嫌じゃない。ただ……」

ばつが悪そうに目線を下げ、もごもごと呟く。よく聞こえずに聞き返すが、きつく口を閉じてしまう。

「強情っぱり」
「違う……いや、そうかもしれないけど、あ! やぁ」

はるかの言葉を聞かずに首筋にキスをする。舐めるとしょっぱい味とフローラル系の香りがする。

「ま、いいや。誰もいないから、声、出してもいいんだからな」

柔らかな肌に頬擦りし、ぴちゃぴちゃと音を立てて舌を這わせる。声を押し殺して喘ぐはるかにいたずら心が芽生えてきた。
胸に添えていた手をゆっくり動かす。慎重に円を描くように、優しく撫でる。

「んぅ、っ!……あっ、ゆ、祐ぅ、ちょっと待って、んぐぅ」

抗議の声を口で封じて、口内を貪る。奥で縮こまっている舌をつつき、歯や歯茎をなぞる。
身体の緊張が解け始めて頃、キスから解放してみた。焦点が合わずに、浅く呼吸を繰り返し、なんだか色っぽい。

「何?」
「はぁ、はぁ……もう、いい」
「怖いのか?」
「ん、怖い。なんだか、自分じゃない感じ」

不安そうな声ではるかは訴える。たしかに、経験したことがないのだから不安なんだろうし、怖いんだろう。
おでこにキスをして、笑いかけるが効果なし。むしろジト目で睨まれた。

「じゃあ、止める?」
「……うー、やだ。でも、恥ずかしいから、暗くして欲しい」
「へいへい。暗い方が怖くないか?」
「恥ずかしい方がやだ。スタイル自信ないし」
「変なやつ。そんなの気にしないけどな」
「祐が気にしなくても、私が気にするのっ」

部屋の電気を消して、ベッドに戻る。いつもならクーラーのリモコンでタイマー設定してベッドに寝転ぶが、今日は違う。
不安そうにタオルケットを握りしめ、目が慣れないのか何度もまばたきを繰り返す、幼なじみだったはるかがいる。
ベッドに二人分の体重がかかり、ぎしりと軋んだ音がやけに大きく聞こえた。……俺も緊張しているな。

「ねえ、祐」
「ん?なんだ?」
「服って、どのタイミングで脱ぐの?」
「ぷっ、なんでもいいって。つーか、自分で脱ぐのと、脱がされるの、どっちがいい?」
「……自分で脱ぐ。あっち向いてよ」
「どうせ見られるんだから、別にいいじゃん」
「恥じらいを持てっていったのは、祐でしょ。ほら、あっち向く」

しぶしぶ後ろを向き、自分も服を脱ぎ始めるが、思い出して机の引き出しをごそごそ探す。

「何してるの?暗いのに」
「ゴム。妊娠したくないだろ」
「へぇ、ちゃんと考えてるんだ。ちょっと見直した」
「学生結婚なんて、色々大変だしね。それに…お、あった」

ゴムの袋をベッドの脇に置き、上体を起こして身体をタオルケットで隠しているはるかに囁いた。

「久しぶり過ぎて、すぐにいったらカッコ悪いからな」

ベッドに腰掛け、がちがちに緊張して縮こまっているはるかをタオルケットごと抱きしめる。肌が接する面積が多くて温かい……いや、ちょっと暑い。
背中に回した手でさすってみる、やっぱり女性らしく柔らかですべすべだ。

「……祐、それ、くすぐったい」
「あ、そ。んじゃ、やめる。こっち向いて」

少し離れて、はるかの顔を見る。いつもと同じ冴えない顔。ちょっと垢抜けないけど、別に構わない。
居心地が悪そうに目を泳がせ、俺の顔を見てくれない。変な奴、いや、当たり前か。目をつぶって頬にキスをする。
鳥が啄むように何度も唇を重ね、間をおいて強く抱きしめた。相変わらず身体は硬いが、耳元ではるかの吐息が零れる。
耳朶に舌を這わせると、ひゃぁ、と素っ頓狂な声を上げた。構わず舐め、甘噛みをして堪能する。

「ゆ、祐ぅ、そんなとこ汚いからぁ、や、あぁ、んぅ」

離れようともがいているが、しっかり捕まえているから逃げられない。あまり嫌がるからやめようと、そのまま舌を首筋に移動させる。時々痕がつかないぐらいに吸い付き、鎖骨にキスをした。

胸を隠していた腕は力が入らないのか、添えるように俺の肩に置かれている。頭上では荒く呼吸を繰り返すはるか、やりすぎたかな……。

「平気?ごめん、調子にのった」

涙目で俺を睨むが、迫力がない。とろんとした瞳が、本気で怒っている訳ではなさそうだ。

「た、食べられるかと思った……」
「まあ、ある意味食べてるようなもんか。うん、美味い」
「それはおかしいって」
「じゃあ、すげー興奮した」
「……変態……」
「変態でいいや、もっとしたいし」
「……うん、私もしてほしい……ちょっ、ちょっと!なんで押し倒すのよっ」
「そりゃ、そんな可愛い事言えば押し倒したくなるよ」

慌てるはるかの唇を重ね、やや乱暴にタオルケットを剥ぎ取る。しっとり汗ばんだ小ぶりな乳房に手を置き、手のひら全体でやわやわと撫でる。
大きく身体が跳ね、重なる口からは喘ぎ声が漏れてくる。口を閉じて声を出さないようにするが、撫でられる度に声が零れていく。
貧乳というほどないわけではなく、恐らくBカップぐらいだろうか?ふにふにと感触を楽しみ、ゆっくり揉んでみた。

「ひゃ、うぅっ、あ!あぁっ!」

先程よりも大きく、重ねた唇を振り切って嬌声を上げる。マシュマロとまではいかないが、弾力のある柔らかさ。
俺の首にすがりつくはるかの手に力が入り、小刻みに痙攣する。今まで経験したことがない刺激に戸惑い、翻弄されているみたいだ。
先端は痛いぐらい尖り、摘んでも口で愛撫してもはるかは声を抑えられずに甘く鳴く。

「あ、あ、変になっちゃう……、祐、お願い、ぎゅって抱きしめて」

もっと沢山鳴かしたいけど、俺の理性がやばくなってきた。脳が沸騰するぐらい沸き立ち、くらくらしていく。
すっかり乱れ、ぐったりしたはるかの脚を開かせる。気がつき抵抗しようとするが、身体に力が入らないのだろう、あっさりと割開かれるその秘めた部分はしっとりと濡れていた。

「いやぁ、み、見ないでよ……」
「じゃ、見ない。でも触る」
「! そ、それも……あぁ、や、だめ、きれいじゃないから、あ!ああっ!」

くちゅりと水音が響き、びくんと腰が大きく浮く。とめどなく蜜がこぼれ、掬い取って指に絡める。

「すげ……やべ、我慢出来なくなってきた」

自分でも抑えられず、呼吸が荒くなってくる。早く入れたいけど、もう少しと叱咤して薬指をそっとぬかるみに沈めていく。

「あ、やぁ、ゆ、指なんて無理だからぁ。うぅっ」

シーツを握りしめて、顔を左右にいやいやする。目尻に溜まった涙を舌で舐めとり、片手を俺の分身に触らせる。

「これがはるかの中に入るんだけど」
「え!……無理、おっきいから壊れる!」
「大丈夫だって、今から何とかするから」

大きいはほめ言葉かもしれないが、はるかにとっては恐怖でしかないみたいだ。久しく他人に触れられる機会がなかったから、柔らかな肌の刺激がピクリと反応してしまう。

「う、動いた……」
「あのな、人をなんだと思っているんだよ」
「ちょっと怖い、なんかぬるぬるしてるし」
「はるかのエッチ」
「ゆっ、祐の方が……あの、やっぱり触ったりした方がいいんだよね」

おそるおそるそれを触る姿にびっくりする。

「そ、そうだけど、なんで?」

間近で視線が合い、自然とキスをする。お互いの舌が絡まり、息が止まりそうな程のディープキス。
名残惜しみながら唇を離すと、困ったような顔のはるかが呟く。

「私ばっかりで祐、苦しいかなって」
「あー、そういうこと。大丈夫、これから痛い思いするのは、はるかだから俺のこと気にするなって」
「……やっぱり痛いんだよね」
「まあ、そうだけど、少し準備するから」
「準備?」

はるかの問いに答えず、動かずにいた指をゆっくり掻き回す。

「ひぅ、あ!」
「もう少ししたらもう一本入れるからね」

指を締めつける胎内は熱くてきつい。でもなんとか指を二本受け入れ、はるかは乱れる。
俺の指どころか手まで濡れて、時折親指でそっと肉芽をなぞると大きく身体が暴れていく。
そろそろかな……、ゆっくり指を引き抜き、ゴムをつける。脚を大きく開かせ、真っ赤に染まったはるかの顔にキスの雨を降らせた。

「いくよ」

こくりと頷き、きつく目を閉じる。まだ不安なんだろう、身体が少し強ばるのがわかる。
ゆっくりと狙いをつけ、粘膜に触れる。一瞬間をおいてから、徐々に進めていった。
きつい。押し返そうとする抵抗をピリピリと感じ、でもやわやわと受け入れてくれる。
腰が早くなるのを抑えつつ、奥まで貫いたらしく先端に壁があたる。

「ん、く。入ったよ。痛い?」
「はぁっ、んう、思ったよりは痛くない。 なんだか苦しい感じ。祐……気持ちいい?」
「すぐいきそうなぐらい気持ちいい。熱くてきつくて、ヤバい」

何かに意識を向けないと直ぐに出そうなぐらいに、射精感が高まる。無意識だろうとは思うが、時々中が動いてそれがたまらない。

「ゆ、祐、いいよ。好きに動いて。平気だから」
「はるか、無理しなくていいから」

浅く呼吸し、涙目で、苦しそうなはるか。痛くない訳がない。それでも笑っている。

「大丈夫、充分してもらったから祐が気持ちよくなって」
「……、なんかキャラが違う」
「なっ、なんでだよっ!」

緊張がほどけたのか、むくれて俺の胸を叩く。ぺち、と痛くない平手打ちが気遣いかも。

「じゃ、お言葉に甘えて」

ゆっくりと腰を引くと、ぎちぎちと引き抜かれる。ぎりぎりで引き抜き、また胎内に沈めていく。

「あ!いきなりなんて、ひぃ、こ、壊れるよ!」
「わ、悪い。でも、はるかの中が気持ちよくて、止まらないやっ」

抗議を無視して、何度も腰を打ちつける。奥をぐりぐりとこね回し、目の前で踊る胸に吸い付く。

「ゆ、祐ぅ、やだぁ、おかしくなっちゃう……や、やめないでぇ。もっと、あぁ!」

あたりにはいやらしい音とはるかの声が混じり、目の前がチカチカする。

「ごめん、もう出るよっ……ぅ」

一番奥まで突きいれ、欲望を注ぎ込む……といっても、ゴム越しだが。久しぶり過ぎて、沢山出ているかもしれない。
本当は直ぐに抜かないといけないんだが、名残惜しくてそのままはるかにのしかかる。
胸から伝わる鼓動は激しく、汗まみれだ。呼吸を整えて起き上がり、ゆっくりと引き抜きゴムを外す。

「はるか、大丈夫か?」
「……だるいし、汗でべたべたする」

上体を起こし、タオルケットで身体を隠しながらぼやくが、俺を見て固まってしまう。

「も、もう、出来ないからね」
「 ? 」

ああ、まだ大きいですね。久しぶりだし、一応若者なんで。

「もうしないから、そんな顔すんな。ほら、シャワー浴びてこいよ」

さっさと服を着て、携帯のディスプレイ画面を確認する。もう10時か。

「あ、そういえば何しに来たんだ?まさか、本当にそれだけの用事かよ」

タオルケットを身体に巻きつけ、服を持ったはるかが、困った顔をする。

「……ごめん。お母さんから晩御飯を持って行けって言われたんだ。冷蔵庫にいれたけど……」
「おばさんが?そうなんだ。おい、人のタオルケットを……まあ、いいや。で、晩御飯なに?」
「……冷やし中華……伸びてるよね……」
「おい」

俺はこの後に少し伸びた冷やし中華を食べて、はるかを家に送りましたとさ。あいつ、覚えてろ。






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