あなたはやさしげな人で、きっとやさしい人で
そうでないなら傍に居てくれないはずがない
あなたは聡明な人で、きっと頭のよい人で
そうでないなら傍に居てくれるはずがない
闇がとけだした家のなかで呼吸の音がするかしないか
触るものは、かたづけられない思い出と
死神の唇と
流行り病の重圧に
そして善からぬものすべて
愛はどこかにいってしまって、着地点にはあなたが居ない
迷いも悩みも惑いも驚くほどにたやすく標準をずらすから
おっこちて大破したその世界で凍ってとけて腐り流れていくでしょう、昔のように
ふるえが止まらないのは本当に怖いからで、さみしさなんかじゃない
涙が止まらないのは押し潰されそうだからで、悲しみなんかじゃない
ぜんぶが手遅れの夜と終末
希望はすでにおちぶれた
あすは最期の休暇です