芯から好かないと思っていよう
犬が犬に遇えなかった日からだいぶ時間がたって
月で嵐がやんだのは見たけれどオーロラにはまだ繋がらない
たとえば星屑の正体を知っているかと問えばあなたは古い燃えかすを見せてくれるだろう
僕はそんな繊細なものに、優しさの化石に、真実を求めようとは思わない
僕は仮眠をとるだれかの夢の内容を知りたいわけではない
僕が僕以外の歴史や仕草を追っている、いずれ駄目になるだろう形成へ
奇妙なのは覚えがないもの
あるいは稲妻に気をとられないこと、夜に目を覚まさないこと
もしくはふとしたときに思い出す、人には言えない、唇が緩く刻むカーブ
あなたの踊る髪は寄る指にいつか気づく
渦巻きとばらの目をつくる、感情を抑えられないふりをして
長い時間を疎遠にしていたせいか早まった標準時を知った永久凍土へはもう繋がらない
たとえば挨拶のやりかたを間違えるのは熱病のせいだったというように
教えてくれたのはだれ、だれかだったの
どうして急かせば恋が始まると言うの
色めいた示唆を抱きとめてはいけない
夢のようだと言った、夢であればよかったのに
もう一世紀が過ぎた、回線は繋がらない
また一世紀が過ぎて、回線は繋がらない
あなたを隣にして