ノイズから始まるのが涙、この世がすべて海になる湿っぽさ
捨てることも忘れることも、思い出さないこともやめないじれったさ
どこまでも墜ちていけるんだと言った星の海、墨の海
あなたのその正反対で、なにもかも弾いてしまいそうな印象が今日も私を遠退かせる
変わらないものがあるというのなら、お願いだから、後生だから言ってください
さようならも言わないで黙って、風もない恒久の昼日中に私を置いていかないでほしかった
そのようにノイズまじりに叫んでいないのが正常に運転している証しか、砂まじりの声色
この体、その体に余さず密やかに巡らされた小細工が今日の私を駄目にする
四月が終わるのは、私の大切な物を持ち去っていくためだと囁く
でも陶酔にひたりきって生活に忙殺されていれば、春にも夏にもほんとうに気づくことはないのではなかろうか
もし胸騒ぎに眠れない二十八時があっても、秋の騒ぎに巻き込んで消してしまえるのなら
そんなことを考えてざわざわと始まるのが涙、窓の外にも内にも星のように雨が降る
またひとつ懐かしい情景が新しく浮かぶ、なにかしらの細工が施されているかのように起きあがる思い出
いくらでも蘇えるので、とても頑丈だと思える、いつか見えた原野のように