ひとつ溢れてしまった麦を
あなたが拾って夜は終わった
ふたつの歪んだ尖塔の隅で
あなたが眠って夜は軋んだ
みっつ繋いだ野のロサの棘を
あなたが撫でて夜は壊れた
やがて、また嵐の両手に埋まれども
鉱石を抱いて、あなたが立つ
春の青さを口ずさみながら
緑に埋もれた岸に立つ
よっつ紡いだ滅びの糸を
あなたが噛じって夜が始まる
いつつ届いた羊の名前を
あなたが読んで夜は膨れた
むっつの時間を取り戻そうと
あなたを殺して夜は続いた
いつか、また根から両目は蘇り
青を抱いて、あなたが立つ
ロサの根の国を癒しながら
緑に沈んだ丘に立つ