『次の日の罪悪感』
 
自分の手は武骨すぎる。
柔かい胸の弾力を確かめんと、形の良い膨らみに手を伸ばすたびに、アイクは思う。
常に戦いに身を置いて生きてきた人生だ。受ける傷は勲章と思って生きてきた。
それは今も変わらない。
だが、愛しい人に触れる時ばかりは、そうも言っていられなかった。
何処で作ったかも解らない傷は既に固く皮が張って、太く大きな掌をごつごつとした質感に変えている。
痛くはないだろうか。硬くはないだろうか。
嫌な思いを、させてはいないだろうか。
その柔肌に触れる時、いつだってそれを恐れた。
胸の突起に触れると、僅かに硬くなったそれは自分の手のリズムに合わせて、更に硬度を増していく。
不器用な手付きで痛くなどしては居ないかと顔を覗き込むと、マルスはにっこりと笑った。
「ちょっと痛くて…うん、でも、それがきもちイ…」
快感と羞恥で上気した頬でそう呟く。漏れる吐息の甘さが、その言葉を後押しした。
そうか、ならば問題ない。そう思って白い腹に舌を這わす。
臍の周りが感じる事は、ついこの間知ったばかりだ。
湖畔をなぞる様に肌理細かい部分に舌先が触れると、細い腰がびくりとはねる。
「あ、…ぁあ…そ、こ…だめ…ぇ」
「良いってことだろ?」
反論出来ないマルスを満足げに見やると、悔しそうに赤い頬を更に染め上げる。
その様子に満足して、ゆっくりと下に移動する。
足の付け根を手で押さえて、少し余計に開かせた。
「そ、な…見…ない、で…」
その言葉を無視して、広げられたそこをじっとりと観察する。
髪と同じ空色の毛が細かく生え揃った双丘。
ピンク色の閉じた貝殻を指で押し広げると、くちゅりと音がした。
「して、いいか?」
そう聞くと答えはいつも決まって小さな頷きで返される。
それを確かめてアイクは、既に弓なりにいきり立っていた自身をマルスの秘部へ突き立てる。
熱く締まった膣壁がそり上がった逸物を受け入れ、分け入る程に搾り取るように波打った。
本手の浅さがもどかしく、腰を少し浮かせて、上から突き下ろすように深く入れ込む。
ぎちぎちと音がして、大きく存在を主張するアイク自身は、やがてマルスの子宮口にまでその先端を届かせた。
「あ、あぁ、だ、だめ…っ…アイク…ぅ…気持ちイよぉ…っ…あ、ああああっ」
すぐにもしまりの無い顔で喘ぎ出すマルスの中に、アイクも長々と精を放った。
 
 
…。
……。
………。
…………またやってしまった。
年甲斐もなく…という、本来の年齢を考えると少々的外れな自己嫌悪と共に目覚める。
そこは乱闘大会の寮の一室、自分のベッドの上である。
当然の様にマルスは床を共になどしていない。
そして、当然の結果というべきか、アイクの下着は自身の吐き出した精でべたべたである。
「またか、くそ…っ」
隣のベッドで寝る愛しい恋人に気付かれないように、アイクはそっと洗濯物をまとめて部屋を出た。
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夢オチってどうなんだと小一時間(ry。
若さ溢れるアイクでした。