10月24日(火)、某高校の一クラスにて 先生「早く席に着け!石渡ー(はい)。宇木田(はーい)」 4次限目テストの開始である。 うり「テストで出席なんか取る必要あんのかね?」 姉御{・・・私に聞くな} 本日も姉御は黒眼鏡に黒筆箱、黒ヘアピンに黒一式。 本人曰く 落ち着くから らしい。いや、そんな俺も黒派だが。 そして眠たい俺は机にへばり付く。 先生「あー、うり・・・・・・おい、うり?居ないのか?!」 先生のイラつきが増して声が荒くなる。 だるいと思いつつ顔を上げると、周囲のクラスメイトも俺を見ている。 姉御{・・・居ます} 先生「よし、次―――――」 うり「ちょ待てよおい!」 姉御{・・・何か問題?} 瞬き一つせず、ノートを見ながらしれっと言うもんだから。 うり「大いに有る。俺の貴重な台詞を・・・!」 姉御{・・・静かに寝てなさい} キーンコーンカーンコーン テスト開始のチャイムであり、戦闘開始の合図でもある。 先生「気を抜くなよー!カンニングは死刑だからな!」 えーと、ああ、ダルい。 とりあえず埋めるだけ埋めて終了。戦闘終了。 読解部分は理屈こねたから多分満点・・・だろう うり「ねみぃ」 キー・・・ン・・・・・・カー・・・・コー・・・・ン・・・・・ 終了の合図。 爆睡していた俺には途切れ途切れの歯切れ悪い音だ。 先生「回収するぞー!こら、鉛筆置け!」 回収が終わると、食堂へコンビニへと昼ご飯の準備を始める生徒達。 我先に食堂へと走る下級生達。他のクラスから出てくる生徒。 机を繋げてグループになる女子組。すでにコンビニから帰ってくる男子。 正直、いつもと変わらん日常だ。 先生「どうしたうり?昼だぞ?」 うり「あー。眠いッス」 先生「ちゃんと食えよ?放課後は会議に打合せと有るぞ?」 うり「だりぃ・・・どうせ会長サボんだろ・・・」 先生「まあな、頑張れよ」 回収したテスト用紙を机でまとめ、 教室を出て・・・廊下で生徒に声を掛けられる所までは聞こえた。 10分後ぐらい。 机に伏して死体ゴッコでもしていると――― ゴッ うり「ぎぁ」 姉御{・・・いつまで寝るつもり?} ピクニックのコーヒーパック(※中身入り)を投下される。 見事、後頭部に直撃。 うり「自分の飲むモンを粗末にすんな」 姉御{私のこれ。それは奢り} 人差し指一本でクイクイッと説明 うり「やけに気前いいな。天変地異でも起こんじゃね?」 姉御{・・・だったら面白い。是非見てみたいわね?その天変地異って。} ストローを刺し、ちゅーっとコーヒーを胃を注ぐ。 と、姉御が鞄からバンダナにくるまれたお弁当箱を二つ、 机の上にコトンコトンと取り出す。 姉御{・・・どうせお昼用意してないんでしょ?} うり「失礼だな、これから用意する予定だったワケでな?」 姉御{・・・頂きます} うり「つか、わざわざ作ったの?」 姉御{私が1人で二つ食べるなんて、血迷った事でも考えた?} うり「頼んでもないのに悪いなと思って」 姉御{・・・今更ね。貸しイチ} 以下弁当内 真っ白なご飯の梅干一つ。まさに日の丸。 綺麗に4つ脚になったタコさんウィンナー×2 出汁撒き卵×4、プチトマト×1に自家製の漬物、 デザートなのか、皮の耳のリンゴさん×1 (他、細かい物は忘れましたのであしからず) うり「ふむ、うまうま。この漬物どこの?」 姉御{・・・私の祖母の自家製} 弁当を食べる時でさえ物静かに身動き一つしない。 ただしメガネは掛けていないのでそこまで暗いふいんき(ry ではないが。 うり「へぇ。中々の味・・・ん?この出汁撒き?」 姉御{・・・その味で良かった?} この時だけ、横目で出汁撒き卵→俺を見ようとする。 うり「覚えていたのか。【日本酒風味が好き】っての」 姉御{どうでもいい事意外は全て記憶してる、けれどやっぱりオヤジ臭い} うり「出来たてはもうちょっと風味がいいからオヤジ臭くないぞ?」 姉御{・・・なら、家で出来たて食べる?} うり「姉御の親父さんに勝負勝負言われっから遠慮する」 姉御{ただの負けず嫌いよ} 説明していなかったけれど、 彼女が姉御と呼ばれるのは雰囲気(ry だけではない。 とある令嬢でもあり、 転向早々に絡んできた先輩男子を投げ飛ばし、 体育祭じゃ他クラスに渇を入れる程のお転婆っぷり。 うり「・・・・・・」 姉御{・・・・・・} 大体はこうだ。リアルじゃ俺もあまり喋る方ではないと思う。 ↑の事もあり、何より令嬢と言うのが引っ掛かり「金持ち」扱いされるのが嫌だと言う。 何故俺と居るかって?前に先生へ俺が「肩書きなんてクソ喰らえ!!」 って発言をした際に、見ていて惹かれたらしい。 と、そこに。クラスメイトの中でもやや金髪やらのグループが突入。 相変わらず私服だったり貴金属チャラチャラにピアスまでしている連中。 (ちなみに、風紀委員の調査によれば1人は姉御をデートに誘って失敗したとか) 金髪「よぉ!うり!楽しそうじゃん?」 うり「楽しいと言うよりかは美味い方が上だ」 金B「お前!その弁当姉御様(皆は様付け)の手作りかぁ?!」 金C「ラヴラヴ〜!おまえらつきあってたのかよ!!」 姉御{・・・・・・} 金髪「お、出し撒き一個くれよ?」 さっきまでタバコを吸っていた感じのにおいがする右手で、 俺の制空圏を侵食してくる。 うり「おっと、悪いが俺の昼飯なんでね・・・」 金髪「憎いねぇ〜。愛妻弁当ってヤツ?」 金D「いつから付き合ってんの?ね?姉御様?ね?」 金B「ねーねー。俺ともカラオケ行ったりしな〜い?」 姉御{・・・・・・} 相変わらず姉御は無視。 反応すらしないし髪を触られても身動きすらしない。 そんでリンゴをしゃりしゃりと無表情で食べる食べる・・・ 金A「何?俺等って嫌われ者?なんか冷たくねー?」 金髪「うりからも言ってやれよ?ト モ ダ チ だろ?」 うり「少なくとも友達なんて言葉は記憶には無いな」 金D「どこまでいったの?A?C?セック」 うり「メシ中だ。失せるかそっから飛び降りるかしろ」 金髪「何マジになってんだよ?コレ位でカッカッすんなようりちゃん?」 うり「そうか。今直ぐ制限解除してもいいんだな?この場で?」 第三者から見れば威圧感って言うんだろうか。 ついつい殺気とも似たようなモンを出しちまう。 金髪「や、メシ中悪かったな。また後でな?うり君」 金D「あ、俺職員室に用事あったな・・・」 ついでに言えば、金髪と金Dは俺の中学の頃の話を知っている。 学校中のイジメ連中にとうとう俺が反発し、1人1人丁寧に潰したあの過去を。 そそくさーっと教室を出ると、教室は女子組の喋り声ぐらいしか聞こえなくなる。 姉御{・・・鬼} うり「どちらかと言うと魔王だな」 姉御{彼らあのままだったら、怒ってた?} うり「この場でキレるわきゃないだろ。つか封印してるっての〜」 姉御{・・・お前の威圧感は本当にゾクゾクする。面白い位にね。} うり「何それ?新種のM属性?」 姉御{私は真性のドM} さいですかー。と思いつつピクニックコーヒーの残りを飲み、 折り畳んでゴミ箱へトラッシュ。 ふたは何時の間にか無くなっていたので、投げれば大抵は入る。 姉御{・・・ありがと} うり「何が?」 姉御{何でもない} 素直じゃないのはいつもの事なんです。 どうか、怒らないであげてやってください(´・ω・`) その後、先に先生方職員と打ち合わせをして。 空いた教室にて生徒会会議開始。 2分で終了。最早会議の意味すら無い。 うり「・・・帰るか」 姉御{お前、帰り道はどっち?} うり「○○駅方面」 姉御{なら途中ローソンに寄るぞ} こうして毎回、何時の間にか一緒に帰る事決定。 え?でも帰り道なんかほぼ無言だぜ? 俺はPSPで。姉御はMDで音楽聴いてますが・・・ 本日は笑い話が多くてよく爆笑しておられましたが。 Another Episode −姉御編− 了